【レビュー】ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印 [評価・感想] 発売時期の関係で埋もれてしまった泣けるゴッド・オブ・ウォー!


ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印/PSP

2010年11月に発売されたPSP「ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印」を今回はレビューします。

PSP「ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印」はギリシャ神話を題材にした3Dアクションゲーム「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのPSP向け2作目です。

2011年10月には本作をHDリマスター化して収録したPS3「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲&降誕の刻印 HDコレクション」が発売。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ストーリーに沿って進めていくアクションアドベンチャーゲーム。
  • 生き別れになった弟を中心としたストーリーを描いている。
  • 新たに槍が使えるようになり魔法攻撃のバリエーションも増した。
初リリース日 2010年11月2日
対応ハード PSP
ジャンル アクションアドベンチャー
推定クリア時間 5~8時間
売上 初週0.9万本
発売元 SCE

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良いところ

泣けるストーリー

今回の「ゴッド・オブ・ウォー」は泣けます!

シリーズ経験者からすると「え?あのゴッド・オブ・ウォーで?」と感じられるかも知れません。

でも、最後までプレイするとこれが泣けるんですよ!

今作はPS2で発売された1作目と2作目の間に起きたことを描いた外伝作のような感じですが、個人的にはシリーズの中で一番ストーリーに魅力があると思いました。

何故かと言うと、クレイトスと弟(デイモス)による兄弟愛を描いているからです。

本作では生き別れになった弟を探す事になるんですが、最後までプレイするとクレイトスの意外な一面を見れます。

時には「ゴッド・オブ・ウォー」らしい乱暴さを感じてしまう描写もありますが、クレイトスをちょっと見直してしまいました。

おかげでちょっとだけクレイトスに感情移入が出来ましたよ。いつもは乱暴過ぎてできないのにw

相変わらず展開が唐突で説明不足のため「?」なシーンもあると思いますが、クリア後のボーナス映像を見ればストーリーの補完ができるうえ、クレイトスの秘密も明らかになるので、クリア後のやり込みをする事もおすすめします。

前作をさらに上回る迫力あるゲームプレイ

PSPでは前作となる「ゴッド・オブ・ウォー落日の悲愴曲」では携帯ゲーム機とは思えないほど迫力あるゲーム体験を味わえました。

今作ではその点がさらにパワーアップしていて、PSPソフトではなくPSVITAソフトなのかと錯覚してしまうほどです。

具体的に言うと今作では迫力あるカットシーン(クイックタイムイベント付き)が前作以上に挿入され、「II」に登場した空中戦まで少しだけ挿入されるので、完全に据え置き機のゲームをプレイしているかのよう。

あと、グラフィックのクオリティも前作からさらにパワーアップしています!

特に印象的だったのが、水の流れ。

今作は水辺が主な舞台になっており、悪天候のため随所で水が流れているんですが、透明感やヌルヌル感が伝わるような描写になっているんですね。

水中エリアは動きがモッサリしてしまうので、苦手ですがw

パワーアップしたアクション要素

アクションのバリエーションはPSP「ゴッド・オブ・ウォー落日の悲愴曲」から大幅に増しました!

新たに槍が使えるようになり、魔法攻撃のバリエーションも増えています。

さらに今作では鎖鎌に一定時間炎を付けて戦えるようになり、ゲージが一つ増えました(3つめのゲージは「III」にもありましたが)。

そのため敵との駆け引きをより楽しめるようになっていて、アクションゲームとしての面白さは確実に増しています。

一方、謎解き要素は控えめで、どちらかと言うとアスレチック要素の方が強く感じました。

そのためスピード感を味わえるようになっていて、戦闘に苦戦さえしなければテンポ良く進めると思います。

パワーアップしたおまけ要素

前作から最もパワーアップした点は、ある意味、クリア後のおまけ要素かもしれません笑

というのも今作のおまけ要素は従来のチャレンジステージ、スペシャルコスチューム、高難易度モードの他にも色々あるんです!

一番大きいのが、闘技場。

好きな敵を配置して戦う事が可能で、しかもオーブを集める毎に設定・設置できる背景や敵の種類を増やすことができます。

他にも隠しアイテム、ボーナス映像、本編のムービー回想、アートワークといったおまけ要素もありますし、チャレンジステージは前作の倍以上もあるからビックリしました!

クリア後のお楽しみ要素ではありますが、ボーナス映像は本編の補完やクレイトスの秘密が明らかなるためこちらも楽しむ事をおすすめします。

ちなみにクリアまでのプレイタイムは前作よりも少し長いくらいでした。

まだ据え置き機版と比較したらボリューム不足ですが、おまけ要素が豪華になっているのでギリギリ許容範囲と言えるレベルです。

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惜しいところ

基本的にはいつもと一緒

もはや書くまでも無いかも知れませんが、基本的なゲーム体験は過去作と大差ありません。

ストーリーやステージは一新されているけど、やっている事は鎖鎌での戦闘と謎解き、アスレチックをローテーションしているだけ。

また、シチュエーションや謎解きも過去作と似偏っています。

とは言えヒット&アウェイが楽しい戦闘は癖になる面白さで、マンネリと分かっていてもついつい買ってしまうんですよねw

相変わらず世界観は暗くて明るい気持ちになれる作品ではないのに不思議です。

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全体のまとめ


物足りなかったPSP「ゴッド・オブ・ウォー落日の悲愴曲」から色々パワーアップしていて、携帯機の「ゴッド・オブ・ウォー」としては決定版だと思います。

しかし、本作が発売された2010年11月には既にPS3で「ゴッド・オブ・ウォーIII」が発売済みのうえ、1年後にはPSVITAが発売されるのでタイミングが悪過ぎた。

そのためPSPソフトとしてはめちゃくちゃ頑張っているんだけど、唯一無二な体験を味わえるとは言い難く、埋もれてしまうのも無理はありません(発売週の売上は1万本弱だった)。

その結果、僅か1年後にPS3でHDリマスター版が発売されました。

色々と不遇な作品ではありますが、シリーズのファンでしたらプレイして損はありません。

発売時期の関係で埋もれてしまった泣けるゴッド・オブ・ウォー!

こんな人には特におススメ。
・アクションゲーム好き。

こんな人にはおススメできない。
・グロイゲームが苦手な人。
・ボリュームを重視する人。
・アクションゲーム初心者。

ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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2件のコメント

この作品も、前PSP版の欠点を埋めていて、テンポが悪くなっていた面やボリュームの調整などを行っていてよく前作を研究しているなとは思いました。
また、2や3でクレイトスががあそこまでゼウスやハデスに憎しみを抱いていた補完的な作品でもあり、話のつながりもよかったと思います。

ただこの作品、結構やったはずなのですがいまいち印象に残ってないのですよね。
3の印象が大きすぎたというのがあります。

タイミングにも恵まれてなく、先に出た3で完結した作品に対する補完としてPSPでだしたため、スルーした人も多かったと思います。
さらにこれはゴッドイーターバーストがでた二週間後という、結構厳しいタイミングでリリースされているのですよね。
当時のプロモートも弱く、セールス的にはなかなか厳しかったと思います。

PSPで発売するゴッド・オブ・ウォーとしてはこれ以上ないくらい完璧な作品だったと思います。

ストーリーも個人的にはシリーズの中で一番好みですし。

問題は発売時期ですよね。もし、本作が2年ほど早く発売されていたら評価は全然違っていたと思います。

さすがに「III」が発売された直後でしたらね。実際、僕も当時、本作が発表された時はあまり乗り気ではありませんでした。「III」の発売直後に発表されたので。