【レビュー】ファイナルファンタジーXIII-2(FF13-2) [評価・感想] 前作の素材を流用して作られた改良と改悪を重ねた問題作!


ファイナルファンタジーXIII-2/PS3 / Xbox 360

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2011年12月に発売されたPS3/Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」のレビューをしていきます。

本作は大作RPG「ファイナルファンタジーXIII」の続編となる作品ですが、前作の素材を流用して作られた改良と改悪を重ねた問題作でした!

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2009年12月に発売されたPS3「ファイナルファンタジーXIII」。

苦戦するPS3市場のキラータイトルとして華々しく送り出されましたが、大作JRPGとしてみるとあまりにも異色の内容でした。

難解なシナリオ、低い自由度、高難易度な戦闘 etc…

美麗グラフィックやBGMなど光る点も多数見受けられましたが、多くのJRPGファンが求めている内容とは乖離していたんです。

そのため発売直後から値崩れが発生。発売から1年も経たないうちにワゴンセールの常連となってしまいました。

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そんな中で発売されたのが今回レビューするPS3/Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」。

賛否両論だった前作の直接的な続編になりますが、様々な改善が見られたんです!

リニアだったマップが箱庭形式に変更され、アクションアドベンチャーゲーム的な要素が追加され…

前作で求めていた要素の多くが追加されて理想的な作品に近付いています。

しかし、自由度の低さと同じくらい指摘されていた難解なシナリオには改善が見られませんでした。

それどころかさらに悪化して電波と言える域に達していますw

ゲームとしての見どころは前作よりも増していますが、今回も万人向けではありません。

ここからはそんなPS3/Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 時空移動装置を使って様々なフィールドを探索していくRPG。
  • 戦闘はリアルタイム制のコマンドバトル。
  • マルチエンディングを採用。複数のエンディングが存在する。
初リリース日 2011年12月15日
対応ハード PS3/Xbox 360
ジャンル RPG
推定クリア時間 25~35時間
売上 91万本
発売元 スクウェア・エニックス

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良いところ

前作からゲーム要素を大幅に強化

前作はJRPGとしてみると色んなものが欠けていました。

低い自由度、簡略化された装備システム、一切存在しない街などの拠点。

さらに過去作で見られたミニゲームや謎解き要素もほぼ存在せず、リソースをグラフィック×ストーリー×戦闘に全振りしていたんです。

スクウェア・エニックスがPS3でのソフト開発に慣れていなかったという問題もあったのでしょう。

しかし、「PS3のキラータイトルがこんな内容で良いのか!?」と思ったのも確かです。

一方、今回レビューするPS3/Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」は前作で指摘されていたゲーム部分の物足りなさを徹底的に改善していました。

以下、前作からの改善点を箇条書きで挙げていきます。

  • マップデザインをリニア形式から箱庭形式に一新。
  • カジノなどのミニゲームを追加。
  • ダンジョンにパズル的な仕掛けを追加。
  • クイックタイムイベントを追加。
  • 選択肢を追加。時にはエンディングが変化することもある。
  • 様々な時代に訪れて謎を解くパズル要素を追加。

マップは開放的になり、ミニゲームが追加され・・・

本来なら当たり前のことではありますが、前作の流れでプレイすると感動します。

サブクエストも様々なマップで発生するようになりましたし、前作と比べて自由度が大幅に増しました!

探索・アクション要素の強化

前作はフィールドを移動する楽しさも欠けていました。

確かにロケーションは華やかなんですが、見えない壁だらけで一本道ですし、探索やアクション要素が皆無で目的地まで歩くだけだったんですよ。

固定視点のゲームだったらまだしも、「ファイナルファンタジーXIII」は肩越し視点のカメラをグリグリ回せるゲームです。

感覚的には3Dアクションアドベンチャーゲームに近いので、探索やアクション要素が皆無だと物足りなく感じました。

一方、今回レビューするPS3/Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」は探索やアクション要素が大幅に強化されていたんです!

目に見えないアイテムが隠されていたり、ジャンプアクションで先に進むエリアがあったり・・・。

特に隠されたアイテムを探す流れはアクションアドベンチャーゲームそのもので、フィールドを歩いている時のワクワク感が増しました。

やっぱりね、いくらジャンルがRPGと言えどもパッと見が3Dアクションアドベンチャーゲームっぽいのでこういう要素を求めてしまうんですよ。

開発者もその辺りを理解してくれたようなので嬉しかったです。

相変わらず面白い戦闘

前作で好評を博した戦闘は今作も踏襲しています。

相変わらずコマンド選択はリーダーに指定したキャラクターしかできないんですが、スピーディな攻撃を自動で繰り広げていくのは見ていて爽快です!

そんな戦闘システムですが、今作では新たにモンスターの収集&育成システムが追加されました!

その影響で前作よりもパーティ編成の自由度や育成する楽しさが増しており、RPGとしても魅力的な内容になっています。

開放的なマップデザインといい、「前作の時点で取り入れていれば…」なんて悔やみたくなるほどゲームとしての魅力が増しました。

前作から様々な点を改善

このように本作は前作の問題点を多数解決していますが、こんなものではありません。

他にも以下のような改善が行われているんです。

  • レベル制限を廃止。好きなようにレベル上げができるようになった。
  • 戦闘難易度イージーを最初から実装(前作は途中から追加された)。
  • 一度見たイベントシーンを再度視聴できるようになった。

もうね、ここまで改善していると本作のコンセプトは「前作の問題点を徹底的に潰す」ことなんじゃないかと思ってしまいますよw

前作をプレイして失望した人も今作をプレイしたら少しは見直すかも知れません。

国産タイトルとしては最高峰のグラフィック

本作は前作のモデリングを流用したタイトルなので、グラフィックの美しさは相変わらずのものでした。

特にキャラクターのモデリングは欧米のAAA級タイトルと比較しても高水準で、PS3屈指のクオリティと言っても良いくらい。

ただ、前作と比べて開発費は相当抑えられているようでプリレンダリングムービーシーンは減っていました。

フィールドやBGMも使いまわしが目立っていますし、リサイクルで作られている感はあります。

魅力的なキャラクター

今作の主人公はセラになります。

彼女は前作の主人公を務めたライトニングの妹になるので、その手の属性を発揮していましたw

ライトニングさんも良かったんですが、どこか男っぽくて女性というよりはイケメン男子って感じだったんですよ。

個人的にはセラもセラで好き。

あと、もう1人の主人公となるノエルは正統派のイケメン男子でしたw

なんというか、絵に描いたようなイケメン男子なんですよ。

それ故に過去作のイケメン主人公にかき消されがちですが、「ライトニングサーガ」の中では意外と見られないタイプのキャラクターに感じます。

親切なガイド機能

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「『ファイナルファンタジーXIII』は未プレイだから手を出しにくいなぁ・・・」

そんな人に向けて前作のあらすじが収録されていました。

さらに今までプレイしたところをおさらいする機能も強化されており、ストーリーを楽しんでもらうための気配りは感じられます。

もちろん、専門用語を解説するヘルプ機能や新システムのガイド機能も搭載されていますよ。

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惜しいところ

さらに難解になったストーリー

前作のストーリーは固有名詞が多く、話の流れを理解するのが難しい作品でした。

では今作はどうなのかと言うと・・・

さらにややこしくなっています!w

というのも今作はタイムパラドックス要素が盛り込まれているからです。

同じように見える人物でも話が通じない場合があるので混乱しました。

マップがリニア形式から箱庭形式に変わったことでスピード感も薄れてしまいましたし、ストーリーの評価は前作よりも劣ります。

最悪なエンディング

ぼくが前作のストーリーよりもイマイチに感じたのはエンディングの悪さもあります。

具体的には書きませんが、「TO BE CONTINUED…」なんですよ。

ただでさえイレギュラーなナンバリングタイトルの続編なのに「TO BE CONTINUED…」とはw

個人的にRPGでもストーリーはそこまで重視していません。

しかし、本作もムービーの比率が多いので嫌でも気になってしまいます。

ややこしいうえにエンディングがスッキリしないとは・・・w

※ちなみに本作はマルチエンディングを採用していますが、いずれも通常エンディングにあったモヤモヤを改善できる内容ではありません。

ロード時間が長い

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前作はロード時間が短くてテンポ良く楽しめる作品でした。

その一方で今作はテンポが悪化しています。

というのも各マップを行き来する時には30秒前後のロード時間が発生するからです。

後半は頻繁にマップを行き来するだけにもう少し短くなるようにしてほしかった。

この辺りはマップがリニア形式から箱庭形式に切り替わった弊害に感じます。

ソフト単品では完結しない

前作はダウンロードコンテンツがほぼ展開されませんでした。

その反動なのでしょうか?今作は驚くほどダウンロードコンテンツを展開しています!w

追加エピソード、ミニゲーム、コロシアム、コスチューム etc…

いずれも有料になるので、すべてを購入しようとしたらかなりの出費になります。

前述の通りどのエンディングを見てもモヤモヤは改善されませんし、ソフト単品ではなんとも中途半端な内容に感じました。

ダウンロードコンテンツも含めて楽しみたい場合、無印版の1年半後に発売された「ファイナルファンタジーXIII-2 デジタルコンテンツセレクション 」の購入をおすすめします。

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全体のまとめ

前作の素材を流用して作られた改良と改悪を重ねた作品。

良くなっている部分もありますが、一方では悪化している部分もあるので今回も評価に困る作品です。

そんな「ファイナルファンタジーXIII-2」ですが、発売当時は前作と比べて恐ろしいほど話題になりませんでした。

というのも当時は新ハードだったPSVITAや3DS向け話題作の影に隠れてしまったからです。

それでも累計売上は約90万本とPS3ソフトとしては歴代2位の数字を記録していますが、その割には話題にしている人はほとんど見かけませんでした。

販売価格も発売から2週間程度で半額になるほどの下落ぶりを見せてしまい、前作以上に値崩れが激しかった印象です。

その客観的事実からしても前作は人を選ぶ作品だったことが分かります。

話が商業方面にズレてしまいましたが、個人的に今作の評価は前作と比べてプラマイゼロでしたw

「ここは面白くなった!」と感じる部分がある一方、「悪化しているなぁ」と感じる部分も多いので、「前作が合わなかった人にもおすすめします!」とは言えません。

むしろ、人によっては前作以上に合わない可能性があります。

特にアクションアドベンチャーゲームが苦手でストーリー重視の方はさらに明後日の方向に行ってしまったと感じるかも!?

個人的にはアクションアドベンチャーゲーム好きなのでその辺りの要素は楽しめますが・・・

前作の素材を流用して作られた改良と改悪を重ねた問題作!

こんな人には特におススメ。
・探索好き。
・前作のゲーム部分が好きな人。

こんな人にはおススメできない。
・ストーリー重視の人。
・探索が苦手な人。
・アクションゲームが苦手な人。

ファイナルファンタジーXIII-2/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約35時間

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4件のコメント

FFXIII-2は確かにあまり話題にならなかったですよね…。
僕も当時は「へ〜、また出すの?というかヴェルサスXIII(後のXV)はどうなった!?」って感じでしたwww

ゲーム性の方は上がっているのですね。でもこれらの要素はPS2時代のRPGではどれもあって当たり前な要素ばかりなので確かにおっしゃる通り最初からこれを出していれば、XIII-1があそこまで叩かれなかったのかもな。
「ファブラノヴァクリスタリス」プロジェクトは映画版FFと名を連ねるレベルの大失敗だと思います。
ただでさえHD機で一本のゲームを作るのが大変なのに無印、アギト、ヴェルサスと3作同時進行はいくらなんでも無茶振りが過ぎますよ。
個人的に「XIII」はライトニングが主役のVIIをブラッシュアップさせたストーリー内容にしてドラクエXIのように同じストーリーでPS3版とPSP版を展開すればよかったと思いますよ。

ユーザに長時間のプレイ時間を要求するRPGはソフト単品でしっかり完結させないとダメだと思います。DLCはシーズンパス制にすれば、あそこまで叩かれなかったかも。

ホント、ビックリするくらい話題になりませんでした。これでもPS3では2番目に売れているというのに。

ゲーム性に関しては前作の反省点を活かされています。

前作の時点で実装出来たら良かったんですが、あのタイミングで実装するのは色々と無理があったと後のインタビュー記事で触れられていました。

無印、アギト、ヴェルサスと3作同時進行は無茶過ぎましたね。いくらスクエニでもそこまでの開発リソースはなかったでしょうに。

結局、ライトニングサーガとして3部作になりましたが、そこまでついていけたユーザーは全体の25%も居なかったのであった。

俺はFF13-2かなり好きだけど、確かに70点以上はつけられないな。。。