
ファイアーエムブレム 覚醒/3DS
2012年4月に発売された3DS「ファイアーエムブレム 覚醒」を今回はレビューします。
3DS「ファイアーエムブレム 覚醒」は人気シミュレーションRPG、
「ファイアーエムブレム」シリーズ13作目の作品です。

新たな戦略性が求められるように!
詰め将棋的な楽しさがある「ファイアーエムブレム」シリーズ。
基本ルールはこれまでと同じくターン制で駒(キャラクター)を動かして行く形となっていますが、
今回も数多くの新システムが追加されました。
その中でも大きな影響を与えているのが、
味方ユニット2体を同時に1つのマスへ入れる「ダブル」と、
戦闘時に隣接している味方ユニットが加勢してくれる「デュアル」。
「ダブル」を使用するとキャラクターの能力値が一時的にアップするので
弱いキャラクターのレベル上げ時やピンチのキャラクターを救出する時などに役立ちます。
言ってしまえば合体ですね。戦略性が増したと言えるシステムになっています。
「デュアル」は味方同士の絆が強いほど加勢してくれる確率や支援効果による能力上昇値が増すので、
敵を効率良く倒す事になった時はどのキャラクターを
どの位置に置いて敵を倒すのか考える必要が出て来て、
こちらも戦略性が高める役割を果たしていますね
この2つの新システムによって新たな欠点も出て来ましたが、
これまでとは違う戦略性を求められるようになったので、
過去に発売されたシリーズ作品をプレイしていても新鮮味を味わえるようになっています。

演出面がパワーアップ!
・ステージ開始時などに発生するイベントシーンが
様々な視点に切り替わるポリゴンの寸劇になった。
・通常の会話時にもボイスが一言だけ付くようになった。
・特定のキャラとの組み合わせで結婚イベントが見れるようになった。
・アニメCGムービーのクオリティが
さらにパワーアップ。挿入頻度も上がった。
・キャラクターデザインがより中高生向けになった。
・3Dポリゴンで作られた戦闘アニメのクオリティがさらにパワーアップ。
これまでもCGムービーや3Dポリゴンで作られた戦闘アニメを
挿入するなど演出面を強化していた「ファイアーエムブレム」シリーズですが、
今作ではさらにもう一皮むけて、地味な印象が完全に薄れています。
ここまで見た目を変えたことで興味が出た人も多いのではないでしょうか?

さらにアップした快適性
シミュレーションRPGの中では圧倒的な快適性を誇る「ファイアーエムブレム」シリーズ。
これまでもゲームスピードを速めたり、
イベントシーンを飛ばせたりとかゆい所にも手が届く親切設計でしたが、
今作では戦闘アニメを早送り出来るようになったり、
敵のターン自体をスキップ出来るようになったので、ますます快適性がアップしています。
「ファイアーエムブレム」シリーズは何度もリセットする事になるのでこれは有難い。
今回も高難易度モードではリセットゲーになってしまいますが、この快適性には助けられました。

育成がさらに楽しくなった
これまでの作品は上級職にクラスチェンジをして
レベル20になったらそれ以上育てることはできませんでした。
今作ではとあるアイテムを使用する事でさらにクラスチェンジをしたり、
クラス・能力値を引き継いだままレベル1から育てる事が可能になって、
すべてのパラメーターを各キャラクターの設定された上限まで上げる事が出来るようになっています。
育成好きには嬉しい要素ですね!

また、キャラクター2人を隣接して戦闘などを行うと好感度が上がって専用の会話を見ることが出来、
さらに発展すると結婚して子供が仲間になるようになるので、
そちらも育成をさらに楽しくする役割を果たしていると思います。
演出面がパワーアップして、キャラクターがより魅力的になっていますしね。

自由度が高く、より万人が楽しめるように
これまで発売された作品の多くはステージの選択が出来ず、一方通行のゲーム展開でした。
でも、今作ではステージクリア後にマップ移動が出来るようになり、
本編とは関係の無い外伝ステージや「遭遇戦」、追加コンテンツステージに挑んだり、
様々な通信要素を楽しめるようになって窮屈感が無くなり、
戦力的に厳しくなっても前述の寄り道要素でなんとかなるので、そう言う意味では良かったです。
従来の作品では自由度が低く、 強くするのも限度があるため、
最悪、最初からやり直す羽目になりますからね。
味方キャラが死んでも次のマップでは復活する「カジュアルモード」を引き続き搭載していますし、
より多くの人がプレイ出来るようになっていると思います。

説明不足なストーリー
ストーリーはシリーズ作品では珍しくタイムトラベル要素を
盛り込んでいて意外性は増しているのですが、
ストーリーの終盤は説明不足な部分が多く、少し消化不良に感じました。
タイムトラベル要素によって多くの謎を生み出し、
先の気になる展開を上手く作っている点やマイユニット視点で描く事によって生まれた
趣向を凝らしたストーリー展開は良かったと思うし、
相変わらずキャラクターは個性的で愛着を持ちたくなりましたけどね。

自由度が高い故のバランス調整に
過去に発売された作品は自由度が低いため限られた経験値しか入手できず、
レベルに上限があったためにキャラクターを強化するにも限度があったので、
「限られた経験値を上手く使って、効率よくユニットを成長させる」必要がありました。
しかし、前述の通り本作は自由度が高く、いくらでも経験値が稼げてしまうため、
「マップ攻略の戦略性よりも効率良く経験値を稼げるのかが重要なゲーム」になっています
(特にハード以降は寄り道前提のゲームバランスになっているので尚更)。
これはこれでRPG的な楽しさが増しているし、
キャラクターを育てる楽しさがより増しているのでアリだと思うけど、
「ファイアーエムブレム」で戦略性を求めている者としては自由度は低い方が良かった。
そうするとまたハードルが上がってしまうので、難しい所なんですけどね・・・。
本作に戦略性を求めている人は、
とは言え昨今のシミュレーションRPGで経験値稼ぎ放題なのは珍しくないので、
欠点に感じる人の方が少ないかも。

増援部隊の出現形式が理不尽になった
数ターン経過する事で現れる増援部隊。
難易度ハード以上だと増援部隊がこちらのターン終了直後に現れるため、
いきなり囲まれてタコ殴りされて死亡する事がちょくちょくありました。
周りに見える敵をすべて倒し、自分のターンを終えたと思ったら
いきなり敵に囲まれてタコ殴りされるって初見殺しで理不尽なんじゃないかなぁ。

キャラクターが見辛い
通常画面では背景は3Dポリゴンで描かれているのに対し、
キャラクターは2Dで描かれているためカメラを一番近くにしても2Dキャラが見辛く、
区別するのが難しいキャラがいました。
例えば馬に乗ったキャラとドラゴンに乗ったキャラの違いとか。
もうちょっとカメラを 近く出来るようにするか、
もう少しキャラクターを目立つように描いて欲しかった。
自由度が高く、育成要素が強化されているのでよりRPG的なテイストに変わっていますが、
これはこれで中毒性が高く、一時期は大ハマりしていました。
時間ドロボーな作りなのは時間が無い人には困った話ですが、
より万人が楽しめるゲームバランスになっているためシリーズ初心者にもおススメ!
現代のユーザー向けに覚醒した「ファイアーエムブレム」。
こんな人には特におススメ。
・育成好き。
・キャラクターゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・時間が無い人。
・限られた経験値でクリアしたい人。
ファイアーエムブレム覚醒/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約50時間
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