【レビュー】バイオショック インフィニット [評価・感想] 緻密な世界観、ストーリーは凄いが…

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バイオショック インフィニット/PS3 / Xbox 360

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2013年4月に発売されたPS3/Xbox 360「バイオショック インフィニット」のレビューをしていきます。

PS3/Xbox 360「バイオショック インフィニット」は天空都市の「コロンビア」を舞台にしたFPSアドベンチャーです。

良いところ

天空都市を舞台にした芸術的な世界観

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前作の海底都市から一転して、本作の舞台となっているのは天空都市の「コロンビア」です!

それも単なる天空都市ではなく、大昔のアメリカをモチーフにしたレトロな雰囲気の世界だからそういうものが好きな人にはたまらないと思います。

看板や小物、屋台などの作りも細かく、一種のアートとして楽しめる事でしょう。

個人的には単純に天空都市という、明るい世界が舞台になっているところが良かったです。

あと、ゲーム中盤辺りではまるでディズニーランドに出て来るようなメルヘンな世界が登場したのも良かった。

本作をプレイしているとまるで自分が旅行へ行ったかのような気分を味わえます。

一人称視点ゲームならではの没入感

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一人称視点ゲームの大きなメリットと言えば主観視点による没入感の向上ですが、本作はそれを最大限に活かした体験を味わう事が可能になっています。

というのも操作できないムービーシーンを一切使用せず、一人称視点でリアルタイムにストーリーが進行するからです。

その見せ方も素晴らしく、例えば乗り物に乗って外を見渡している時にストーリーに関する会話が外から聞こえて来たり、幻覚(のようなもの)を見せて説明したりと一人称視点ならではの没入感、臨場感が味わえるようになっています。

印象的な映像を操作できる実際のゲームシーンで沢山見ることができるから、プレイした後にはプレイヤーの心に残る事でしょう。

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↑ちょっと惜しいと思ったのが、別のエリアに移るとロード時間が発生する事。

ロード時間は没入感を下げてしまうので、「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのようにここはなんとかしてシームレスに進むよう調節をしてほしかった。

エリザベスとのタッグプレイ

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ある程度ゲームを進めるとヒロインのエリザベスと行動を共にする事になります。

彼女と一緒にいる時は様々な会話を歩きながら聞く事が出来、戦闘中はアイテムをくれたり、ロックピックがあれば彼女が鍵のかかった扉を開けてくれるから、一緒にいる感覚を凄く味わえて、一人称視点の臨場感と相まって本当に彼女と冒険をしているかのような感覚を味わえました。

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また、彼女のルックスが海外ゲームにしては優れているところと、声優の演技力も評価したいですね。

西洋系の顔立ちなのでバタ臭さは少しあるかもしれませんが、まるでディズニー系アニメに登場するようなルックスで、少なくとも”可愛い”と日本人からも感じられるレベルではあると思います。

声優は沢城みゆきさんが担当していますが、エリザベスの喜怒哀楽を抜群の演技力で魅力的に見せてくれて、このゲームを振り返ると彼女の声が響いてきますw

スカイフックを使ったアクションが面白い!

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新たにスカイフックという武器が加わりましたが、これを使用すればスカイラインにつかまって高速移動して高いところに移動したり、飛び下りての攻撃も出来て、より高低差のある戦いができるようになりました。

これは他のFPSではなかなか味わえないものですし、スカイラインでの高速移動は気持ち良いので、良い点として挙げたいですね。

そう言えば初めて本作のトレーラー映像を見て惚れたきっかけがこの天空都市でスカイフックを使って高速移動するシーンの存在でした。

親切なカウントシステム

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本作の実績・トロフィーには「○○の銃で○体倒した」のようなカウント系が多く含まれているんですが、一定のカウントに達すると目標まであと何体倒せば良いのか画面に表示されて、実績・トロフィーを意識してプレイする人には良いなと思いました。

それとこのお知らせによって様々な銃で戦うよう意識する事が出来たのも良いですね!

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惜しいところ

前作よりも自由度が下がった

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「バイオショック」の1作目は海底都市「ラプチャー」を舞台にした探索色の強いFPSで、迷路のようなマップをグルグル回って強い敵を倒す手段を考えるような内容でした。

武器は色々持て、成長要素があり、ハッキングして機械を味方にする事も出来て、最近多い一本道で一方通行のFPSとはまた違った面白さがあるように感じられました。

が、本作の場合は1作目のような迷宮を探索するような感じではなく、ルートに沿って進んでいく、一本道のレールシューターとなっていたんです(実際には多少の後戻りはできるけど、基本的には一方通行)。

また、持てる武器は2種類までとなり、今持っている2種類の銃以外を使用したい場合、敵から奪って交換しないといけなくなりました。

魔法攻撃こそは1作目のように様々な組み合わせで使用できるけど、自由度の減少と持てる銃の減少により、確実に戦略性は下がっています。

敵も普通の人間ばかりになってしまったので、魔法が使えるとは言え他の戦闘FPSとあまり変わり映えがしなかったなぁ。

「バイオショック」シリーズは探索や戦略性を楽しむゲームだと思っていたところがあるので、まさかここを変えて来るとは思いませんでした・・・。

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↑もちろん、全く探索要素が無くなった訳ではありません。

今までのように様々な小物や死体からアイテムを探す事は出来ますし、各地には鍵がかかった扉があり、色んなところに隠されたロックピックを使って開けると言う要素もあります。

でも、鍵がかかった金庫には大したアイテムが入っていませんし、全体的に中途半端な印象です。

一本道になった事による弊害

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一本道になった一方で「バイオショック」ならではのシステムが中途半端に残っているため、イマイチな部分が増えている印象です。

例えば死亡ペナルティの甘さがそのままである事。

「バイオショック」では体力がゼロになってコンテニューしても敵の数や体力はそのままだから、しぶとくプレイしたらいずれは強い敵も倒せるんですよ。

それは初心者にとっては嬉しい事ですが、緊張感が落ちているとも考えられますし、何よりこの仕様は一本道シューターと相性が良いとは感じられません。

ここは他のFPSと同じくやられたらチェックポイントからやり直しという仕様にした方が良かった気がします。

ストーリーが難解

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本作のストーリーは非常に難解で、決して万人向けと言えるものではありませんでした。

ストーリーの目的は探偵のブッカーがヒロインのエリザベスを依頼で助け出すという一見すると分かりやすいものなんですが、エリザベスと出会ってから並行世界などの要素が絡み、謎のキャラクターも登場してどんどん複雑になっていきます。

複雑でもそれを分かるように描いてくれたら良いんですが、端折っている部分が多いから、訳が分からなくなるんですよね。

海外ゲームってストーリーを端折って「今、自分は何をしているのか?」を見失う事が良くあるんですが、本作はその典型的な例。

しっかりと考察をすれば実は凄い伏線が張られた奥深いストーリーではあるんですが、プレイヤーが積極的に気付こうとする努力をしない限り、よく分からないまま終わってしまいます。

個人的にはもっとスッキリするような話にしてほしかった。向こうの人とは感性が違うのは分かっていますけどね。

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全体のまとめ

とんでも無く緻密な世界観、ストーリーではあるんですが、非常に難解で好みが分かれるうえ、ゲームとしては前作よりも劣化しているため、何を求めるかによって評価が分かれる作品。

個人的には以前の「バイオショック」の方が良かった。

こんな人には特におススメ。
・ストーリーを考察するのが好きな人。
・天空都市が好きな人。

こんな人にはおススメできない。
・1作目のゲームシステムが好きな人。
・モヤモヤするのが嫌な人。

バイオショック インフィニット/お気に入り度【65/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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