2014/09/17/17:30 | M☆G☆Mコラム

これからコンシューマーのフルプライスタイトルが生き残るには?

P3110218

「あのゲームにフルプライスは出せないなぁ」
「低価格なダウンロードタイトルだったら買うのになぁ」
「セールになるまで待つわ」

最近、ゲームユーザーの間でこのような会話を聞く事が多いです。
そう言う僕も知らないうちに似たような事を言っていたりしますし。しかし、よく考えてみてください。
何故ユーザーはプレイしてもいないゲームに対して適正価格を決めるのでしょうか?

みんな何を基準に適正価格を決めているのでしょう?
今回の記事ではこれからコンシューマーのフルプライスタイトルが生き残るには、
どのような要素が必要なのかを考えてみました。

ボリュームを増やす

ゲーム内容に一定のボリュームがあったら、当然価値は上昇します。
しかし、プレイする前のユーザーにとっては、
ある段階を飛び越えてからはボリュームの多さ=価値の上昇にはならないと思います。
例えば50問収録されているパズルゲームが1,000円だからといって、
500問収録されているパズルゲームが1万円なのは納得がいきませんよね?
どちらかと言うとボリュームの上昇に対する価値はプレイした後に感じられるものだと思います。

価値の上昇度/★★☆☆☆

システム・操作を複雑にする

システムや操作性が複雑だと、価値を感じられる人は多いと思います。
1つのボタンだけで遊べるゲームだったら今はスマートフォンでいくらでもありますからね。
あまりにもカジュアルなシステム・操作だったら、
低価格のダウンロードタイトルで出せ!と言われてしまいます。

しかし、プレイする前のユーザーにとっては複雑であるかどうかも完全には分からないので、
システムや操作が複雑だからと言ってフルプライスの価値を感じられるとは限りません。
フルプライスの価値を感じてもらうためにシステム・操作を複雑にするのはあまり有効ではないでしょうね。
スマートフォンの基本プレイ無料ゲームでも、複雑な成長システムを搭載している作品は多いですし。

価値の上昇度/★★☆☆☆

ストーリー要素を入れる

今のゲームではあって当然なストーリー
これはゲームの価値を向上させるためには非常に重要な要素です。
プレイ中の大半がテキストと一枚絵のビジュアルノベルがフルプライス販売を許されているのも、
重厚なストーリーに価値を感じられる人が多いからだと思います。
ストーリー要素が薄いと、低価格なダウンロードタイトルにするべき!と感じる人は多いでしょうしね。
ユーザーにフルプライスでゲームを買ってもらうには、
思わず買いたくなってしまうような魅力的で重厚なストーリーをアピールするのも一つの手段だと思います。

価値の上昇度/★★★☆☆

セクシー要素を入れる

あまり綺麗なやり方ではありませんが、セクシー要素はゲームの価値を高める方法です。
例えばセクシーな水着姿のキャラクターを操作出来るようにしたりとか、
可愛い子、カッコいい人とスキンシップ出来るようにしたりとか。
高価なセクシーグッズがダウンロードコンテンツでよく売れたり、
アダルトビデオが高く販売できるのを見て分かるように、セクシー要素は価値の上昇に役立ちます。

しかし、2次元のキャラクターにセクシーさを求める人は限られており、
求めている人もどんどん刺激が強い物を求めるようになるので、
一定の需要は見込めるものの、先細りは見えてしまいます。

比較的少ない予算で価値を上げられる方法ではありますが、
逆に言えばスマートフォンの基本プレイ無料タイトルにも入れられる訳なので、
安易にセクシーな絵を入れるだけでフルプライス販売はいずれ通用しなくなると思います。

価値の上昇度/★★★☆☆

グラフィックを綺麗にする

ストーリー以上にゲームの価値を上昇させる要素となるのがグラフィックです。
超リアルなグラフィックや描き込まれたグラフィックだったらフルプライスの価値を感じられますが、
2DでSD調なグラフィックだったら低価格なダウンロードタイトルだと感じる人は多いでしょうからね。
これからゲームをフルプライス販売する場合、
グラフィックを凝らないとユーザーはなかなか価値を認めてくれないと思います。

価値の上昇度/★★★★☆

特典を付ける

物理メディアで大きな利点となるのが、特典を付けられる事です。
豪華なブックレット、サウンドトラックCDなど、
手元に残る特典を付ける事で、ゲームの価値は向上すると思います。

にも関わらず最近は紙の説明書がほとんど無くなっているのは勿体無い気がしますね。
資源削減のため紙の説明書は無くしているようですが、
むしろもっと豪華にしてインタビュー記事や設定資料集コーナーを設けて、
そこをアピールポイントにしてみたらどうでしょうか?
そうする事でフルプライスでは売りにくいタイトルも価値を認められやすくなると思います。

ところで最近のパッケージタイトルは価格がどんどん上昇している一方、
予約特典は豪華になってきている気がします。
サウンドトラックCDを2枚付けたり、100ページくらいの小冊子を付けたり。
正直なところ、予約特典代が含まれているんじゃないかと思ってしまいますね。

特典を付けるとかさばってしまい、お店側からしたら迷惑なので、
ほぼ必ずさばける予約分にだけ特典を付けてしまえばスペース的に都合が良く、
ゲームの価値を高めるために予約特典は最適な手段に感じます。

価値の上昇度/★★★★☆

ブランド力を上げる

ゲームの価値を上昇させる一番の要素になるのがこれ!
同じように見える洋服でもダントツに高い価格で売れるのはブランドのおかげであるように、
ゲームでもブランド力さえあれば一定水準を超えていればフルプライスで販売できるんですよね。

例えば任天堂の人気タイトルはグラフィックはカジュアル。
ストーリー要素は低め。操作性・システムは比較的シンプルと、
低価格のダウンロードタイトル向けのタイトルでありながらも
ブランド力のおかげでフルプライスでの商売を多くのユーザーが許してくれています。
もちろん、それだけ面白そうに見えるというのもあると思いますが、
やっぱりブランド力が一番効いているんだと思います。

価値の上昇度/★★★★★

革新的な内容のゲームを作る

もうひとつ価値を上昇させる一番の要素となるのがこれ。
革新的な内容のゲームを作る事です。非常に抽象的な方法になってしまいますが、
誰も思い浮かばないからこそ革新的な訳ですからね。
ブランド力があるタイトルになるとどうしても限られてしまう訳で、
こういったタイプのゲームが今後も増えていかないと、
フルプライスタイトルはどんどん減っていくと思います。

価値の上昇度/★★★★★


ザッと思いつくものを挙げてみました。
これからコンシューマーでフルプライス販売を続けていく場合、
上記の要素を満たす必要があると思います。

そうなってくるとブランド力が無いタイトルは重厚長大、もしくはセクシー推しにならざるを得なくなり、
ますます厳しくなって行くんでしょうねぇ。ゲーム販売が多様化した一方、
フルプライスでゲームを売る事がだんだん厳しくなってきている事を実感します。

47
デフレ化するゲーム価格にインディ開発者が警鐘
「現状に耐えられるデベロッパーが多いとは思えない」(Choke Point )


Price氏は、Puppy Gamesが発足した2002年時点には、
小規模なデベロッパーのゲームは20ドルで販売することが可能で、
利益を挙げることができたと語る。販売後の技術サポートも、
販売価格によって相殺することができたという。

しかし、SteamやBig Fish Games、Humble Indie Bundleの台頭によって事態は一変。
Price氏によると、現在のインディ・ゲームの市場価値はほぼ1ドルまで下落しており、
同社の『Revenge of the Titans』や『Ultratron』はSteamでは10ドルで販売されているものの、
大幅な値引きがない限り全く売れないという。

ところで少し前、こんな記事が話題になっていました。
Steamなどのパソコンゲームダウンロード販売プラットフォームで頻繁に安売りが行われているせいで、
ブランド力が無いインディーズゲームは10ドルでは販売できず、
1ドル程度じゃないと通用しないようです。

Steam(スチーム)は消費者側からしたら安くゲームが購入出来て有難い存在ではあると思っていますが、
この記事で挙げたゲームの価値を高める方法をすべて満たしたようなある意味最強の作品が、
すぐに安売り販売されてしまうようであればゲームのデフレ化はさらに進むと思います。
どこの業界も”対価”を払う事で発展出来ているだけに、このままで良いのかと思ってしまいます。

※これまでに公開したコラム記事の一覧はこちら

英雄伝説 閃の軌跡II (通常版)
日本ファルコム (2014-09-25)
売り上げランキング: 19

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode 予約特典 モノクマ スマートフォンスタンド 付
スパイク・チュンソフト (2014-09-25)
売り上げランキング: 62

※何か分からないゲーム用語を見かけたらこちら をご覧ください。

【人気ブログ】( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)【ランキングへ】
6646e5e1.gif

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントする

初めての方もコメント大歓迎!何か伝えたい場合、お気軽にどうぞ(^o^)でも、荒らしや誹謗中傷コメントはご勘弁(>д<) 頻繁にされる場合、ログを取って法的な措置を取らせて頂きます。

コメント広場の住人(16)

  1. レギュラシオン より:

    なんだかとっても難しそうな記事ですね
    トップの写真はこの記事のためにわざわざ?
    直すのが大変そう(笑)

  2. がは より:

    宮本茂さんの言うように、ゲーム体験の濃さ、かなぁ(^_^;)
    いくらプレイが長くても、マップが広くても、体験が薄いと損した気分になっちゃいます。

  3. 街毛 より:

    最近だと定期的な無料アップデートを繰り返すことを明言してるソフトはじわ売れすることが多い気がします。フルプライスでも無料アップデートと有料DLCを上手く配分すれば売り上げと収益が両立できるかなと思います

  4. ゲーム好き より:

    今のゲーム業界って、色々なユーザーの意見を反映させて、製品版をだすんで、インパクトが少ないんですよね。
    金田一少年簿の作者が、クリエーターが評論家の視点を持った時点で、クリエーターとして大事な何かを失うみたいなこといってましたね。
    視聴率に支配されたテレビ業界と似てます。

  5. mot より:

    インディーズのゲームは安くて手に取りやすいけど、クオリティがいまいち。フルプライスのゲームは高くて手が出しづらい(新規のタイトルは特に)。だったら、ボリュームと価格はインディー並み、クオリティは大作並みのものなんかは面白いんじゃないかと思います。価格が安いから手に取ってもらいやすいし、クオリティも高い、ボリュームを削るから開発費も押さえやすいと思います。それで売れればブランド力を高めることができて、次回作はフルプライスでということもやりやすいし、失敗してもリスクが少なくてすむ。インディーズとフルプライスのいいとこ取りを狙ったものですけど、どうでしょうか。

  6. 隣の飼いケルベロス より:

    フルプライスのゲームを一本見送って、その分で廉価版や安価なダウンロードソフト、VCを何本か買う、ということも多くなってきました。
    これらのソフトでもクリアするまでそれなりに時間がかかりますから、結構満足してしまいます。
    フルプライスで買うタイトルは、好きなシリーズの続編が多いです。
    今までやったこともないシリーズに手を出して、仮に合わなかった場合、損した気分になりますからね。
    この前出た『バレットガールズ』なんかは、興味はありましたが手を出す勇気がなかったですw

  7. peco より:

    少し前にコーエーについてのコラムを拝見しましたが、
    その主力である無双系のゲーム性はソーシャルの影響を
    受け難いのかもと思いました。
    大量の敵を表示させる事はスマホでは難しく、
    薙ぎ倒す爽快感は得られ辛いでしょうし。
    そういう独自性で勝負する事がコンシューマの
    今の課題なのかもしれませんね。

  8. くっぞこ より:

    こんにちは。
    今が今後もテレビゲームが商売として成り立っていくのか
    分水嶺なのかもしれないですね。
    音楽にしろ、ビデオ・DVDにしろ、本・雑誌・新聞にしろ、
    違法・合法関係なく無料で楽しんでる人が大勢いて、
    あまりもうからなくなっているんじゃないでしょうか。
    テレビゲームもそうなっていくんでしょうかね?
    結局ゲーム好きが面白いゲームをお金を出して購入ていくしかないかもしれないですね。

  9. kentworld より:

    >レギュラシオンさん
    トップの画像は2年くらい前、
    別の記事で使っていたものの使いまわしですw
    確かに今回の記事では難しい話をしてしまいました。

  10. kentworld より:

    >がはさん
    確かに体験の濃さは価値観を高める方法ではあると思います。
    問題は、その体験の濃さをプレイする前の人に
    伝えにくい事なんですよね・・・。

  11. kentworld より:

    >街毛さん
    やり方次第では良いと思います。
    パッケージに最初から入れるべきものを
    あとから追加していると思われなければ・・・。

  12. kentworld より:

    >ゲーム好きさん
    今のゲームは冒険がしにくくなっていますね。
    それは会社はもちろん、
    ユーザーが保守的になっているのもあると思います。
    難しい問題ではあると思いますが、
    なんとかこの市場が残って欲しいなぁ。

  13. kentworld より:

    >motさん
    それは良いかもしれませんね!
    もちろん、それでしっかりと完結していることが前提としてありますが。
    どこかが試しに出して見るのも良いと思います。
    メタルギアソリッドVは少しそれに近いところがあったけど、
    あれは有料体験版の側面が強かったからなぁ。

  14. kentworld より:

    >隣の飼いケルベロスさん
    昔のゲームでも十分に満足して遊べる事は多いですもんね。
    僕は売却が可能である事から、
    そこまで購入するリスクの大きさは気にしていませんが。
    バレットガールズに関しては、
    ボリュームとやれる事の少なさがなぁ。
    7,000円の価値を感じられるかどうかは、
    セクシー要素に懸っていると言っても過言ではありません。

  15. kentworld より:

    >pecoさん
    無双はハイスペックなゲーム機ならではのシリーズですからね。
    個人的にゲーム性自体はスマートフォンの
    ソーシャルゲームほどでは無いにしても、
    単調に感じてしまうんですけどね。
    コンシューマーだからこそ出来る遊びというのは重要です。

  16. kentworld より:

    >くっぞこさん
    テレビゲームもコピー問題は常に付きまとっていますし、
    基本プレイ無料のソーシャルゲームや激安セールによって、
    5,000円も出す人がどんどん減ってきています。
    会社が儲かるよう、デフレ化は避けて欲しいんですけどね。
    今のままですとだんだん難しくなりそうな気がしてなりません。

コメントする

初めての方もコメント大歓迎!何か伝えたい場合、お気軽にどうぞ(^o^)でも、荒らしや誹謗中傷コメントはご勘弁(>д<) 頻繁にされる場合、ログを取って法的な措置を取らせて頂きます。