【レビュー】アイアンフォール インべーション [評価・感想] 技術は一流だが、センスは二流

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アイアンフォール インべーション

2015年10月に配信された3DS専用のダウンロードタイトルです。価格は約1,500円。
海外ではNewニンテンドー3DSのロンチタイトルとして発売された
本格TPSとして話題になった作品です。本記事では本作をレビューしていきます。

▼3DSのマシンパワーを感じさせるゲームプレイ

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本作最大の特徴は、3DSのマシンパワーを限界まで引き出したゲームプレイです。
ゲームとしてはハイエンドマシンでよく発売されている
3人称視点のアクションシューティングなんですが、3DSで「これでもか!」というくらい再現しています。

一番分かりやすいのはグラフィック!
SDキャラクターが登場する作品が多い3DSソフトでありながらもリアルな映像を表現しています。
とは言えめちゃくちゃすごいと言うほどではなく、
よく見たらテクスチャで粗いポリゴンを誤魔化しているのが散見され、
カプコンが発売した「バイオハザード リべレーションズ」や
「モンスターハンター4」と比べたら劣ってしまいます。

しかし、立体視をOFFにした状態で60fpsを実現して
1チャプターの中ではほとんどロード時間が発生しないのは頑張っていると思います。
どうしても携帯機で据え置き機レベルのゲームを作ろうと思ったらメモリの問題で
少し移動しただけで読みこみが発生するものですが、本作の場合は驚くほど読みこみが入らず、
没入感に関してはハイエンドマシンの大作ゲームに負けていません。

▼フルプライスで売っても良いくらいのゲーム内容

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冒頭でも触れたように、本作は約1,500円のダウンロードタイトルです。
このくらいの価格で販売されているダウンロードタイトルって
アクション系だとクリアタイムが3~4時間なのが普通だと思うんですが、
本作の場合ストーリーにそってミッションをクリアしていく
キャンペーンモードだけでもクリアまでにその倍以上はかかります。

それ以外にも最大6人でローカル・オンライン対戦ができるマルチプレイモード、
一度クリアしたステージを様々な条件でクリアしていくチャレンジモード、
コンピューター相手に戦うトレーニング形式のサバイバルモードが収録されており、
サウンドテストも収録されているのだからコストパフォーマンスはかなり高いです。

▼良いアクセントになっているパズル要素

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ニンテンドーDS系ハードで特徴的なのは、2画面とタッチスクリーン。
本作はその特徴もしっかりと活かしていて、
キャンペーンモードでは随所でパズルを解くシーンが用意されています。

それもかなりのバリエーションで、配線を正しいところへ差し込む物から
複数のエリアに設置された数字を平等にしていく物、
マッチ棒のようなものを回転させて同じ色同士で繋いでいく物、
光っている部分を順番にタッチしていく物など色々あって良いアクセントに感じました。
人によっては邪魔な要素に感じるかもしれませんけどね。

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アクセントといえば、チャプターによってはボス戦が用意されているのも良いですね!
出現する多くの敵は他のアクションシューティングでも見られたようなタイプばかりですが、
ボスに限ってはオリジナリティがあって良いと思いました。

▼ややストレスが溜まる操作性

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携帯機でアクションシューティングを発売する際に最大の問題となるのが操作性だと思います。
本作の場合も残念ながら完全には問題を解決しているとは言えませんでした。
操作は2つ用意されていて、タッチスクリーンを照準にしてLボタンで銃を発射するタッチ操作。
New3DSのCスティックを使って照準合わせをするCスティック操作の2つが用意されています。

タッチ操作の場合は照準合わせこそしやすいものの
リロードやカバーアクションをする際はタッチスクリーンの隅っこをタッチしなければならないため
なかなか柔軟にアクションが行えず、敵の激しい攻撃から逃げる
シチュエーションではストレスを溜めてしまいがちです。

Cスティック操作の場合は据え置き機のアクションシューティングに近い操作性で楽しめますが、
New3DSのCスティックは頑丈な柱となっていてスティックを操作している感じを味わえず、
また、長く遊んでいると本体の角部分に当たっている手のひらが痛くなってきます
(これでも初代3DSよりも角は丸くなっているんですけどね)。

開発者も3DSでハイエンドマシンのアクションシューティングを
完全に再現するのは難しいと理解しているのか、
近年主流となっているカバーアクション中心のアクションシューティングにはなっておらず、
どちらかというと棒立ちで敵を狙い打っていく「地球防衛軍」のような
クラシックなアクションシューティングになっています。

一応、フェンスや柱のようなオブジェクトでボタンを押すと張り付くことは出来ますが、
「ギアーズオブウォー」や「アンチャーテッド」シリーズとは違って
オブジェクトからオブジェクトへカバーアクションをしながら移動する事は出来ず、
しかも壁に張り付く際は動きが遅く、そこまで柔軟なカバーアクションをする事は出来ません。

本当に敵の攻撃を避ける時くらいしか使えないんですよ。
カバーアクションをして敵の後ろに回り込むようなプレイを楽しめたら
より奥の深いアクションシューティングを楽しめたと思うんですけどね。

▼PS2時代を思わせるアクションシューティング

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肝心のアクションシューティングとしての出来は、2015年のゲームとして考えると平凡です。
徐々に使える武器が増えて敵のバリエーションが増えていく難易度の階段作りは悪くないと思いますが、
近年のアクションシューティングではよくあるNPCとの連携プレイや
クイックタイムイベントがないためか淡々としているんですよ。

また、ゲームシーンとイベントシーンの繋ぎもスムーズとは言えず、
触れると反応がある部分は無駄に光っていたり、探索パートに入ると常に矢印が画面に表示されたり、
マルチプレイではプレイヤーキャラの点滅表現があったりと古臭い演出が散見されてB級な感じがします。

この辺りは3DSのマシンパワーによるものではなく、作り手のセンスによるものですね。
ハイエンドマシンで発売されているAAA級タイトルと比較したら演出面を中心に大きく劣りますが、
この手のゲームに慣れていない方は気にならないと思います。
残念ながら僕の場合は前者で、どうしても気になってしまいました。
だって、このゲームと並行してXbox Oneで「Halo 5」をプレイしていましたからねw


どこに基準を置くかで評価が分かれる作品。
コストパフォーマンスや3DSソフトという点を重点に置いたらそれなりに評価は高くなりますが、
2015年に発売されたアクションシューティングという基準で見ると平凡な作品と言わざるを得ません。
僕はアクションシューティングにうるさい人なので、評価は後者の基準でさせていただきます。
技術は一流だが、センスは二流。

こんな人には特におススメ。
・アクションシューティング初心者。
・3DSの限界を知りたい人。

こんな人にはおススメできない。
・AAA級のアクションシューティングに慣れている人。
・快適な操作で楽しみたい人。

アイアンフォール インべーション/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約8時間
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9件のコメント

このゲームのレビューを楽しみにしていました!
コスパと技術力は高いけど操作性やカバーシステムは期待したほどギアーズライクなTPSにはなっていないようですね。
でも3DSでハイエンドなシューターをプレイできるのは貴重なので余裕がある時に買ってみようと思います。

俺も購入しました!ドンパチもんのTPSは凄く照準合わせが下手過ぎて、挫折しまくりです(T_T)キャンペーンモードの1面のボス(?)でやられまくりです。。イージーなのにw このゲーム、壁に隠れてるのにやたらと弾あたりませんか? 俺がへたくそだからかなぁ。モンハンクロスまでにイージークリア頑張ります♪

>チキさん
お待たせしました!
見た目はギアーズっぽいですが、
実際にはそこまでギアーズではありませんでしたね。
いや、ギアーズ1の前作と言われたらしっくり来るかもしれない。

>いぬんさん
苦戦していますか・・・。
照準合わせはタッチ操作だとまだしやすいですよ。
Cスティックだと大変かも。
あと、オプションで感度の調節をしてみるのも良いです。

拡張スライドパッド使うと、信じられないくらい快適になりますよ!

>MGMの名無しさん
>拡張スライドパッド使うと、信じられないくらい快適になりますよ!
あぁ、スティックの形状からそうかもしれませんね。

たまにバグって瞬間移動することがあり初めてやったときは「チーター!?」ともなりました。      もう少し心拍数が上ったときの画面の暗さを何とかしてほしいですね。良かったら返信どうぞ。