【レビュー】アサシン クリード シンジケート [評価・感想] 前作よりも丁寧な作りだが、作業感が増した

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アサシン クリード シンジケート/PS4 / Xbox One(Z指定)

2015年11月に発売されたPS4/Xbox One「アサシン クリード シンジケート」を今回はレビューします。

PS4/Xbox One「アサシン クリード シンジケート」はオープンワールド型ステルスアクションゲーム、「アサシン クリード」シリーズの本編では8作目となる作品です。

良いところ

産業革命期のロンドンを再現

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本作の舞台は19世紀、産業革命期のロンドンとなっています。

これまで発売された「アサシン クリード」シリーズの舞台は12~18世紀ばかりで19世紀はシリーズ初なので、より発展した街並みを縦横無尽に駆け抜けられるようになったのが嬉しいですね!

もう、高い建物から見渡す産業革命期のロンドンは凄いですよ。

数えきれないほどの煙突から煙が出て、何十もの船が川で流れていますから。

前作PS4/Xbox One「アサシン クリード ユニティ」に続いて最新ゲーム機のマシンパワーをフルに活用しています。

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もちろん、舞台が変わって変化したのは見た目だけではありません。

馬車に乗って移動ができるようになったため現代を舞台にしている「グランド・セフト・オート」シリーズのようにレースゲームやカーチェイスに近い要素が追加されていたり、列車の上で戦闘ができるようになったので変化する風景を楽しみながら戦闘ができるようになりました。

新しい味付けの馬車とジップライン

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今回も様々な新要素・アクションが追加されていますが、一番大きな要素は馬車とジップラインだと思います。

舞台が近代のロンドンになった事で交通手段が多彩になり、列車はもちろん、馬車を使っての移動も可能になりました。

当然、主人公も列車や馬車を使っての移動が可能になっていますが、馬車の方は感覚的には現代社会の車に近く、より「グランド・セフト・オート」シリーズのようなオープンワールドアクションに近づいたと思います。ミッションではカーチェイスや輸送をすることができるようになりましたからね。

ジップラインはワイヤーロープを建物の高いところ引っかけ、一気に屋根近くまで飛ぶという「アサシン クリード」シリーズではある意味禁断と言えるアクション。

このアクションが追加された事で地道に建物を登っていく必然性は薄れてしまいましたが、素早く建物から建物へ飛び移っていくのは気持ち良く、また、ジップライン中に飛び降りての攻撃もできるため、より立体的な戦いが可能になったと思いました。

多くのミッションではこれらの新要素が関わってきて、従来のステルスアクションに新しい味付けが加わっています。

劇的に変わった!とまでは言えませんが、他の作品と区別を付けられる要素ではありますね。

前作の問題点をある程度は改善

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前作のPS4/Xbox One「アサシン クリード ユニティ」はパフォーマンス周りの酷さやコンパニオンアプリなど邪魔な要素によってあまり高く評価されていませんでした。

本作ではその辺りは徹底的に反省されていて、パフォーマンスやバグに関してはだいぶ改善されています。

特に処理落ちはほとんど感じませんでした。前作のように何千人もの住人が街を歩いていないのが大きいのでしょう。

コンパニオンアプリでしか手に入らない宝箱。協力プレイ要素。海外ゲームに多い逆転した○ボタンと×ボタンの役割といった前作で不評だった要素も排除・改善され、かなり遊びやすくなっていると思います。

ただ、バグは相変わらず遭遇してしまったなぁ。メインミッションを進めたいのにフラグが発生しなくなってリトライするハメになったりとか、姿の見えない敵が襲ってきたりしました。

相変わらずの自由度

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・ターゲットを捕まえて馬車で運ぶ「賞金稼ぎ」。
・囚われた子供を救出する「児童解放」。
・基地に潜むテンプル騎士を倒す「テンプル騎士狩り」。
・拠点を制圧していく「ギャングの拠点」。
・殴り合いに勝利していく「ファイトクラブ」。
・馬車で1位を目指していく「レース」。
・馬車を奪って目的地まで運ぶ「積荷の奪取」。
・密輸品を破壊するのが目的の「密売人の船」。
・積荷リストを盗んで行く「船の襲撃」。
・ロンドンのサブストーリーを楽しめる「ロンドンストーリー」。
・手紙、ビール瓶、押し花、歴史ポスターなどの収集アイテム探し。

毎回様々な寄り道要素が存在する「アサシン クリード」シリーズ。今作でもメインミッションの合間に遊べるサブ要素が数多く用意されているので、寄り道が楽しいです!

特に「賞金稼ぎ」、「児童解放」、「テンプル騎士狩り」、「ギャングの拠点」といった4種類のサブ要素をクリアしていくと拠点を制圧する事が可能になり、エリア内すべての拠点を制圧したら良い事が起こるのでハマりました。

サブ要素をクリアしていく事でスキルポイントやお金、素材が集まっていき、よりゲームを有利に進められるので、メインミッションの敵が強くなったら寄り道をしましょう。

前作に続いて敵が強くなっているので、主人公のスキルや装備を強くする必然性は出来ています。

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惜しいところ

拉致が面倒

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コンパニオンアプリ、オンライン要素はすべて排除されているのでそこが気になった方は問題ありませんが、個人的に新要素で要らないと思ったものがあります。

それは、拉致です。本作ではターゲットを生きたまま基地の外へ連れ出して目的地まで輸送するミッションが用意されているのですが、敵に見つからず生きたままターゲットを外まで連れていくのって凄い面倒なんですよ。

「アサシン クリード」シリーズというのは暗殺がメインのゲームだというのになぜこんな事をしないといけないのか。

拉致は終盤になればなるほど増えていくので、面倒な印象がどんどん高まってきます。

お使い感が増した

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今作では馬車に乗って様々な場所へ移動する事が可能になっています。

メインミッションではそれを利用したものが多く、1つのミッションで色んな所に行く必要が出来たのですが、全体的に手順が細かくなって攻略の自由度が落ちている他、お使い感が増した印象です。

前作では細かい手順を踏まずいきなりターゲットを倒す事が出来てお使い感が減っていたのに、逆戻りですよ。

あと、終盤のミッションをプレイするには地区の制圧をある程度しないといけないのも面倒でした。寄り道要素を強制的にやらせるのは上手いやり方ではないですね。

ジップラインによって少しバランスが崩れている

ワイヤーロープを建物の高いところ引っかけ、一気に高いところまで行けるジップライン。

操作する楽しさが増すアクションではありますが、戦闘バランスを崩しているところがあります。

戦闘中、ジップラインで一気に高いところまで行くと敵が主人公の姿を見失うので、その隙に一撃必殺のエアアサシンで倒せてしまうんです。

エアアサシンが決まってしまうとどんなに相手のレベルが高くても一撃で倒せてしまうため、せっかく細かい成長要素を取り入れたのが台無しになってしまっています。

沢山の強い敵が現れたらジップラインとエアアサシンの組み合わせで何とかなってしまうのがなぁ。

戦闘が大雑把

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そもそも、戦闘自体が大雑把になっているように感じます。

これまでの作品では剣などの武器で戦う事が出来たのですが、今作では打撃攻撃中心でダメージを与えている感が薄く、また、沢山の攻撃を与えなくては倒せなくなってしまい、これまでよりも何回も同じボタンを押して戦う事になりがちです。

ボタンを連打する事になっても、もう少し爽快感が欲しい。

相変わらず長いロード時間

このシリーズは全体的にロード時間が長い印象ですが、残念ながら今作も例外ではなかった。起動時間は1分以上ありますし、リトライ時のロード時間も約45秒あります。

前作とは違ってロード時間中はキャラクターを操作できるようになっていますが、それでもリトライする度にこれだけ待たされるのは苦痛です。

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全体のまとめ


前作よりも丁寧に作られていて目立った欠点はなくなっていますが、ゲームとしてはちょっと退屈になっているところがあってプラマイゼロに感じました。前作よりも丁寧な作りだが、退屈さも増した。

こんな人には特におススメ。
・自由度が高い潜入&暗殺ミッション好き。
・寄り道好き。
・ロンドンに旅行へ行きたい人。

こんな人にはおススメできない。
・3Dアクションが苦手な人。

アサシン クリード シンジケート/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約20時間

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6件のコメント

丁寧に作られているがある退屈さを増したという表現は物凄くこの作品を表していると思います。長年のファンの僕としてはマンネリを感じ、中盤位から作業の様に感じました。ただ、初めてアサクリをやる方にはアサクリの魅力を思う存分に感じてもらえる作品とも思えます。かく言う僕は一年、新作がお預けになり、そろそろ、アサクリ中毒症状が出ているこの頃です。

ありがとうございます!
大ファンのヒラオヨギさんに言われたら間違いないですね!
色々と前作から差別化を図っているけど、中盤以降はゲームプレイのマンネリ感が出てきましたよねぇ。
僕もアサシンクリードシリーズは2年に1作が丁度良いかなー

先週末、ベスト版購入しましたねぇ♪

現在、前作のユニティをプレイしています。ちなみにその前はクロニクルをプレイしてまして♪

アサシンクリード連続プレイなので、僕にもイーグルダイブが出来る気がしてきました♪(笑)

そうですね、それを思い出して記事にしてみました!
一気に色々とプレイされていますねぇ。
それだけ、世界観が気に入ったのかな?
このシリーズは毎回、異なる世界を見せてくれるのが良いですよね!

マンネリ感が強いタイトルは評価が難しいとこですよね。
仮に初めてプレイした作品がこれならもっと評価良かったかもしれません。
★評価はどうしても相対評価な面強いですからね。

今のところIIの次にやりたいのがこれです。
やっぱり最新作だというのと最近行ったからという意味でw
今年の新作前に滑り込んでプレイしたいなぁ。

そうですね、ただ、本作に関しては、初プレイでも★7だったかもなぁ。
それだけ、ちょっと面倒に感じる要素があったんですよね。

このレビュー記事は2年前に書きましたが、意外と前作とは差別化を図っていました。
マンネリと言われるシリーズですが、問題なのは作品ごとにミッションをテンプレート化する事なんですよね。
もう少しミッションにバリエーションがほしいと思いました。

世界観の作り込みに関しては凄いですよー!
これぞ、PS4/XboxOneソフトだ!って感じで。
まだPS4/XboxOne基準のAAA級タイトルってそんなに出ていないから今でも通用するグラフィックだと思います。