【レビュー】エレビッツ [評価・感想] 殺伐とした印象が強いFPSの新たな一面を見せてくれた作品

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エレビッツ/Wii

2006年12月に発売されたWii「エレビッツ」を今回はレビューします。

Wii「エレビッツ」は不思議な生物エレビッツを見つけて捕まえる、一人称視点のアクションシューティングです。

良いところ

探索が面白い

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本作の目的は、不思議な生物エレビッツを見つけて捕まえる事!

エレビッツは見えている場所だけではなく、オブジェクトの下にも隠れているため、オブジェクトを持ちあげて発見する必要があります。

持ちあげる操作はWiiリモコンのポインター操作を使って行うので、まるで本当に持ちあげているかのよう。

それ以外にもタンスの引き出し、ロックされた空間の中など、エレビッツが隠れている場所は様々で探索するのが楽しい作品です。

徐々にできる事が増えていく面白さ

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持ち上げられる家具は操作キャラのステータスによって変化します。

エレビッツを沢山捕まえる事でより重い家具を持ちあげられるようになるので、徐々にできる事が増えていく楽しさを味わえるようになっていると思いました。

また、沢山のエレビッツを捕まえる事で今まで行けなかったエリアへ行けるようになります。

ですので、徐々に行動範囲が広がっていく楽しさも味わえるんです。

スコアアタックが面白い

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各ステージには制限時間が用意されています。

そのためいかに効率よく目標スコアに到達するのか思考錯誤する必要があり、スコアアタックをする楽しさがあると思いました。

各ステージではクリアした時のスコアによってランクが付けられるうえ、専用のスコアアタックモードが用意されているので、同じステージでも何回もプレイする楽しさがあります。

Wiiの限界に挑戦した物理演算処理

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Wiiと言えばPS2やPSP、3DS辺りと同世代のスペックというイメージが強く、実際、その辺りのゲーム機とのマルチタイトルが色々と発売されました。

その先入観を持ってこのゲームをプレイすると、かなり驚きます!

まず、「エレビッツ」というキャラクターを捕まえるため家具を持ちあげる事になるんですが、家具の動きが物理演算処理されているんです!

つまり、本物そっくりに転がったり、倒れたりします。

それも何十もの家具がフィールドには設置されているので、凄い時はそれらの家具が複雑に物理演算処理で動きます。

また、中盤以降は屋外が舞台になり、100kg、200kg規模のオブジェクトを持ちあげる機会が多くなるので、スケール感が大きくなりました。

考えてみてください。遊園地にある5メートルくらいの遊具を持ちあげる様子を。

Wiiでここまで複雑な処理、スケールが大きい作品を発売するとは!?

バラエティ豊かな仕掛け

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本作には25以上のステージが用意されています。

これだけ収録されていると飽きないか心配になりますが、ロケーションのバリエーションは満載ですし、先のステージに進むごとに新たなアイテム、仕掛けが初登場するので、全然そんな心配は要りません!

さらにはボス戦も用意されているので単調な内容には感じませんでした。

サブ要素が満載!

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ステージをクリアしていくストーリーモードの他にも数多くのサブモードが搭載されています。

スコアの限界に挑戦するスコアアタックモード、変わったミッションが楽しめるチャレンジモード、最大4人で楽しめるマルチプレイモード、ステージのクリエイトができるエディットモード。

さらにエレビッツやオブジェクトの図鑑、ムービー、隠し要素のアンロックなどが用意されたおまけモードが収録されており、本編をクリアしても長く遊ぶことができます。

心温まるストーリー

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ストーリーモードの途中に挿入されるイベントシーンでは優しい声の男の子ボイスに温かいタッチの一枚絵が挿入されます。

内容の方は子供をターゲットにしていそうですが、心が温まりました。

このゲームの温かいタッチのイラストは気に入っています。これをパッケージ画像にしたら良かったのに。

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惜しいところ

処理落ちが気になる

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これだけWiiで複雑な処理をしているという事で、一部のステージではフレームレートがかなり低く感じられました。

カクカクするというほどではないんですが、0.7倍速程度で動いているように感じるので徐々にストレスを感じてしまうかもしれません。

1ミッションが長い

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終盤のミッションになると、クリアするのに20分ほどかかります。

様々なオブジェクトを調べてエレビッツを銃で捕まえていく関係上、脳に刺激が入る機会が多いので、20分でも非常に長く感じられました。

目標スコアに到達すると残りタイムがあっても終了することができるので、1プレイが長くて疲れてしまったらそこで終了してしまいます。

処理落ちによって0.7倍速程度で動く場合があるのも1ミッションの長さに拍車をかけているのかも!?

ごちゃごちゃしてしまう

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ミッションの終盤になって来ると、色んな物を持ちあげられる関係上、部屋が散らかって何が何だか分からなくなってしまう時があります。

このごちゃごちゃ感も子供の頃を思い浮かべて面白いものですが、良いスコアを稼ぐ場合は困ってしまいます。

もちろん、慎重にオブジェクトを移動させれば散らからずに済みますが、雑な性格だとなかなかそうはいきません。

ポインター操作でオブジェクトを持ちあげる関係上、テレビ画面が小さい場合も慎重な操作は難しいと思います。

目標スコアが開始時しか分からない

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各ミッションを開始した直後しか目標スコアが表示されないため、プレイ中は分からないため困ってしまう事がありました。

10分、20分もプレイしていると、目標スコアがどの程度だったのか忘れてしまいますからね。

目標スコアが分かる事で「焦り」や「余裕」が生まれ、その後のプレイに影響が出てしまうので、結構重要な事だと思います。

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全体のまとめ

殺伐とした印象が強いFPSの新たな一面を見せてくれた作品。

それも一発芸ではなく、ちゃんと本作に合ったネタを大量に盛り込んでおり、長く遊べるサブ要素が満載なので、非常に完成度が高く感じられました。

これをWii本体と同日に発売したとは驚きです。

こんな人には特におススメ。
・Wiiらしいゲームをやりたい人。
・探索好き。

こんな人にはおススメできない。
・雑な性格の人。
・使っているテレビが小さい人。

エレビッツ/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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24件のコメント

個人的にWiiってレールシューティングとかに向いてそうな気がします。
WiiリモコンのBボタンをトリガーと見立てれば、それっぽくなるのでw

イラストは自分も結構好きなほうですね、やさしいタッチで。
たしかにこっちがパッケージ絵だったら自分も目に飛び込んだかもw

物理演算ですか、物理エンジンを使ってるのかそれともほかの方法なのか。
処理を限界までやると、確かに遅くなりそうですね。

そういえば、スマブラXって物理エンジンのハヴォック使ってましたね。
いったいどこに使ってるのやら、分かりずらいですが
おそらくホームラン競争あたりだと思いますね。
Wiiで物理演算ってことで思い出しました。

レールシューティング。例えばバイオハザードアンブレラクロニクルズですね。
Wiiざっぱーの発売によって一時期はその手のゲームが色々出て来ました。

スマブラXで物理演算。心当たりがあるのは僕もホームラン競争だなぁ。
それ以外だとタルとかかな?

エレビッツってありましたね、そんなWiiのソフトが!ファミ通DSで広告があったのを覚えてます。でも私は当時、おどるメイドインワリオやWii Sports にばかりに興味がいってしまいました。それの積み重ねでWiiは任天堂専用機になってしまったのかな(><)
申し訳ないけど、ファーストのほうが一見、完成度が良さそうにみえてしまうんですもん。

任天堂ソフトが強過ぎて埋もれてしまいました。Wiiはロンチにタイトルを集中させすぎましたね・・・

はー懐かしい!本体とゼルダと一緒に買いましたねーコレ。
面白かったけどかなり難しかった覚えがあります。謎解きに詰まって走り回っているうちにどんどん散らかってよりわからなくなるという。
残念ながら私は自宅から出られませんでした……

確かに慣れるまでは何度かミスをしてしまいますね。
あとはFPSなので空間認識能力も重要で、ある程度は人を選びます。
自宅を抜けられませんでしたか・・・そこから色々凄いんだけどなぁ。

本体と同時発売とは驚きました。名前くらいしか知りませんでしたが、内容的にはもっと売れていても良さそうな印象を受けました。
記事にもあった通り、パッケージのイラストを変えていれば、かなり印象も違った気もします‥。

トワプリやWii Sports、はじめてのWii、おどるメイドインワリオ。
それに加えて他ハードの話題作によって完全に埋もれてしまいました。
まさしく隠れた良作です!

Wiiのロンチはこれの他にも、DSからの移植ですがアトラスのカドゥケウスがあったり、サード製でありながらもリモコン操作を使い熟している作品が見られて驚きます
因みにこのゲームの主題歌は同じコナミのbeatmaniaIIDXなどで遊べたりする

Wiiのロンチ付近はサードタイトルも粒ぞろいでしたね!残念ながらほとんど埋もれてしまいましたが

FPSのイメージって銃もってドンパチってイメージが強いから「エレビッツ」のみたいなライトユーザー向けは貴重ですけど、コナミが10年前にこのような独特なゲームを作っているのをこのレビューで知りました。

今のコナミを見ていると意外なタイトルですよね。
粘り強く続けていたら今頃人気シリーズになったかもしれないのに・・・

このゲームはすごいおもしろそうですね
てかなんとなくパッケージだけは覚えていますが、パッケージだけだとなんのゲームだかわかりませんねw
コナミもなかなか尖ったゲームだしてますね
こーゆーゲームが気軽にできるようにスイッチではwiiのソフトをできるようにしてほしいなーって願望です

パッケージデザインのせいで売上が落ちた気がしてなりませんよw
Wii UではWiiのゲームソフトをゲームパッドでもプレイできましたね。
そのような機能は省いていそう・・・

雰囲気はまったく違うけど、『ぎゃる☆がん』と同じくことやってますねw
Wii版は知らなかったが、DS版は女の子っぽいショタパッケージをよく覚えてます
それはまた違うジャンルみたいですね

ぎゃる☆がんもFPSに新しい風を吹かせていますねw
DS版は2Dのトップビューで完全に別物でした・・・
デザインは確かにショタっぽいw

イベントシーンの一枚絵がすごく優しげな感じがして素敵ですね。
ゲーム内容としても、探索やサブ要素が充実していてよく完成されていますね。
戦争モノの作品が多いFPSですが、たまにはこんな感じの作品があってもいいですよね。

イベントシーンは一枚絵・BGM・ボイスすべてが温かいです。
こんな完成度が高いゲームをロンチで、シリーズ1作目として出してきたのは凄いです。
コナミの本気を感じました。

捻るといった細かい動きの判定の精度が悪かったり終盤の処理落ちなど荒削りな部分はありましたが意欲的なゲームで楽しめました。
そのあたりを改善した続編を期待したんですけど、続編でまさかのDSへ移行&ジャンルも変更でがっかりしました。もう少し上手く育てられなかったかなと思うシリーズでしたね。

操作の精度は確かに問題でした。だからこそWiiリモコンプラス対応の続編を出して欲しかった。
DS版は全然違うタイプのゲームで全然惹かれませんでしたね・・・

どうも。

エレビッツのレビュー記事、地味に待ってました。

良いですね〜エレビッツ。
このブログのファーストインプレッションの記事が公開された当時はまだ未プレイでしたが、その後プレイして大好きなゲームになりましたよ。
まるでオモチャ箱をひっくり返したような、純粋に楽しいを詰め込んだゲームだと思ってます。
(遊園地壊滅させたり、家を持ち上げてぶん投げたり出来るのはちょっとバカゲーっぽいなとも思ったりw)

私はこのゲームが初めてのFPSでしたが、かなり衝撃的で、とても面白かったです。
そんなシューティング初心者にもオススメできる作品だと思いますが、このゲーム、実は見た目以上に難しいんですよね……下手すればクリアすらままならない位には;(1プレイで疲れ切るというのも、凄く分かりますw)
特に、最後から3番目のミッション『ボクと小さな戦争』の難易度は……初見でクリア出来る人を本気で尊敬します。

このゲーム、雰囲気の可愛いらしさもさることながら、猫又masterさん作曲の音楽がどれも素敵なんですよね……特にED曲は美しすぎて感動もの。

とにかく、wiiのロンチであれだけwiiの性能を活かしたゲームが出せたなんて驚きでした!
こんなゲームが他にもあればやってみたいですね〜

お待たせしました!ようやく公開する事が出来ました!
ファーストインプレッション記事は2年ほど前に公開したんですよね・・・
レビュー記事自体はかなり前から出来上がっていましたが、ここまで公開が遅れてしまいました。

ミッション3は僕も何度かやり直しをしてしまいましたね~。
最初の関門であることは確かです。

BGMはゲームの雰囲気を温かくさせてくれましたね!
殺伐としたFPSのイメージを見事に塗り替えてくれました。

Wiiのロンチでここまで本気を出して作られたタイトルがサードから発売されていたとは!?

エレビッツはロンチタイトルとしては結構評価高かったですよね。
(自分はトワプリ、カドケZにしましたけど)
今では考えられないですが、当時のコナミは色々な事に挑戦的だったなー。
セールスは最終的に6万位行ってなかったっけ?

セールスはロンチ需要で最終的にはそこそこいきました。
コナミ的には不満でしたでしょうけどねー。
今思うとWiiロンチはサードも頑張っていたんだと思うようになりました。