【レビュー】RiME(ライム) [評価・感想] 良質な風のタクト風ICOライクゲーム

RiME(ライム)

2017年5月に配信されたPS4向けパズルアクションアドベンチャーゲームです。価格は約3,800円。本記事では本作のレビューをしていきます。

ICOや風のタクトを彷彿とさせるグラフィック

本作の世界観はPS2「ICO」(2001)に強く影響を受けているように感じました。

広大で自然がいっぱいだけど淋しげな遺跡。垢抜けない民族衣装の少年。静かなBGM。空気感のある絵作りがそっくりなんです。

タッチがトゥーンレンダリング調なのはGC「ゼルダの伝説 風のタクト」(2002)を彷彿とさせますね。どちらも15年以上前に発売された作品なので、開発者が子供の頃にプレイをして憧れていたのかもしれません。

広大な世界をノーヒントで謎解き!

ゲームを始めると、いきなり見知らぬ島に流されます。そこからはイベントシーンがほぼ発生せず、「どこどこに行け」などのメッセージも表示されないので突き放されたような感じを受けました。

マップも存在しないので、プレイヤーがゲームの謎を解かなければ先に進めません。とは言えマップはそこまで広くないので、数十分もしたら目的が何なのか分かって先に進めました。

突き放しているところはありますが、気が遠くなるほどマップが広い訳ではないので丁度良い感じですね。程良い広さのマップの中でヒント無しで謎を解くゲームデザインは好みです。

影を使った謎解きが面白い!

ゲームを進めて行くと遺跡でを解く事になります。謎解きはいくつかのバリエーションが用意されていますが、特に印象的だったのが影を使った謎解きです。

各地には影に重なると作動する仕掛けが存在して、ブロックを上手く動かすなどして謎を解く事になりました。

「ゼルダの伝説」と言うよりは「アンチャーテッド」シリーズにありそうな謎解きで、複雑な影の処理を上手くゲーム性に活かしています。

それ以外にも特定の順番でスイッチ作動させて高い足場へ登ったり、手強い敵を退治するため仕掛けを作動させるなど趣向を凝らした謎解きが満載で、バリエーションは豊かです。

難易度は程良いレベル。時には10分くらい詰まってしまう事もあったけど、詰んでしまうほどの難しさは感じられず、頭の体操には良いです。

大きなスケールの世界

マップはそこまで広くはありませんが、壮大なスケール感は伝わってきます。

高台に登ってみるとを見渡すことができるんですが、PS4のマシンパワーを活かして遠くまで描写されるのでオープンワールドゲームみたいです。

島は複数に分かれていてゲームを進めると長いロード時間を挟んで舞台が変化。用意されている素材は多く、マップの再利用はほとんどなくて短時間で色んなエリアを探索出来ます。このあたりのリッチさはPS2「ICO」の後継作とも言えるPS4「人喰いの大鷲トリコ」に通ずるものがありますね。

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上田ゲームとの違い

本作を語る上で避けられないPS2「ICO」、PS4「人喰いの大鷲トリコ」といった上田ゲーとの比較。最大の違いは相棒がいない事ですね。

本作には少女のヨルダや大鷲のトリコといった相棒は存在せず、終盤の一部を除いて基本的には少年一人で冒険する事になります。

そのため二人三脚の謎解きは終盤に少しだけ存在するくらいなので上田ゲーほど感心させられる謎解きやパズル要素は存在しませんが、逆に言えば煩わしさはなく、ストレスをほとんど感じずに進められました。

一方、共通するのがゲームデザインのシンプルさです。「ゼルダの伝説」シリーズのように様々なアイテムが存在して謎解きで使う事はなく、キャラクターのステータスは一切変化せず先に進みます。

収集アイテムや鍵こそはありますが、上田ゲーのようにシンプルにまとまっていて、悪く言えば物足りないところがあります。せっかく広大なマップを作っているのにアイテムの数が少ないもんだから密度を感じられません。

あと、微妙にラグを感じるカメラワークや操作感も共通しています。こんなところまで似せてくるとは、開発者は上田ゲームを相当、リスペクトしていますね。

ラストは少し感動的でした。アッサリなところがあったので、もう少し演出過剰にしたら泣けたかも。

価格は高め

本作の価格は約3,800円となりますが、これは高いと思いました。

ゲームクリアまでのプレイタイムは6時間程度。用意されているマップ・エリアも多く、3Dモデルのお金は掛かっていそうですが、全体的にシンプルなゲーム性でリプレイ性が低いのでもう1,000円安くても良かったような?

パッケージタイトルでこの価格だったらギリギリ許容範囲なんですけどね。

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全体のまとめ


全体的には良質な「ICO」のフォロワーに感じました。飛び抜けて凄い謎解き要素こそはありませんが、全体的に上手くまとまっていて雰囲気ゲーの中では遊び応えがある方だと思います。

上田ゲームが好きな人は購入しても損はないでしょう。良質な風のタクト風ICOライクゲーム。

こんな人には特におススメ。
・雰囲気ゲーム好き。
・謎解きアクション好き。

こんな人にはおススメできない。
・コストパフォマンスを重視する人。
・成長要素を重視する人。

RiME/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約6時間

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20件のコメント

なるほど、思った以上に雰囲気ゲーの側面が強そうな感じみたいですね。
値段からするとある程度のボリュームを期待したい所ですが、それには期待しない方が良いという事か…
ゲームの雰囲気自体はわりと好みですが、値段やDL専用タイトルという事を考えると迷い所だなぁ。

参考になりました。
Switch版が配信されたらSwitch版の値段やその時のゲーム事情で買うか決めたいと思います。

雰囲気重視の内容であることは間違いありません。
長く遊べるタイプのゲームではないですね。
プレイタイムでコストパフォーマンスを図るようでしたら高く感じると思います。

DL専用タイトルとしてはかなり高額の部類なのでコストパフォーマンスはかなり意識してしまいます。
もちろんボリューム的な意味のコストパフォーマンス以外に独特の体験を出来るかどうかという意味でのコストパフォーマンスもあるでしょうし、このゲームはそっち寄りのゲームみたいですね。

最近やっているソルトアンドサンクチュアリは両方の意味でコストパフォーマンスに優れていると感じました。
今はセールをやっているみたいなので尚更お得ですね。

このゲームは独特の体験が出来るのかどうかに重点が置かれています。
遊び要素を求めるような感じではないですね。
僕も両立した作品が好みですが・・・。

ICOは未プレイなので詳しくはわかりませんが、風タクは雰囲気ゲーとしても最高でしたのでそれを受け継いだ作品が改めて高画質で味わえるのはたまらないですね。確かに値段は少々強気だと思います。2,800円くらいのミドルプライスなら手を出しやすいですね。でもスイッチ版に関してならこの時期に発売されて良かったです。3月や4月とかだったら、まだゼルブレが盛り上がっていたので埋もれていたかもしれません。今の落ちついてマリカ8DXが取り上げられている時期でほんとよかったかもo(^o^)o

グラフィックに関しては風のタクトに近いものを感じました。
ゲーム性はまた異なりますが、あの雰囲気を味わいたいなら良いかもしれませんね。
価格はパッケージ版を出しても良いくらいの高さです。
ダウンロードタイトルは1,000円前後が理想的ですよねぇ。
今は閑散期なので、そんな時にこれだけの力作が発売されるのは嬉しいです。

コンシューマだと『たっかーい』ですね、pcは2.4kですたよ

しかし購入したけど、まだインストールしておりません。

今晩あたりやろうかな
謎解きとか楽しそうですな
RiMEも美味くて高い弁当ゲームって感じですかね?
しかし、きのうか一昨日発売のゲームをもうクリアしてしまうとは

うわぁ、海外版よりも安くて羨ましいw

本作も美味くて高い弁当系ゲームですね。
記事の方は速報性が大切なので頑張りましたw

自分もやりましたが、映像綺麗で良いですね

サクサク進んじゃうのがある意味もったないですな

映像の無駄遣いをしていますよねw
日本のゲームではなかなかこうはいきません。

6時間でクリアですか。。。
価格的に10時間位はほしいところだったんですけどね。
ICOとか好きなので気になってた作品なのですが、
セールとかで安くなる機会があれば買おうかな?

探索して収集アイテムを狙ったら10時間かかるかもしれません。
ICOとは大差ないけど、時代が違いますからね・・・

ふむ。kentさんがクリアまで6時間ということは、自分だと10時間といったところですか…。
プラチナトロフィーもあるようだし、プレイするのはやぶさかではないですね。
謎解きが程よい難易度なのは助かりますw

プラチナトロフィーを狙うとなったら10時間かかると思いますw
価格が高いだけあってそこはしっかりしていたか。

ドリフターやヘルシングと迷ってたんですが
値段が頭一つ飛びぬけてる割には遊び幅が少なそうですね
とても参考になりました

雰囲気ゲーなので、遊びの幅が少ないゲームです。
雰囲気を楽しむことを重点において作られていました。

「ライム」と聞くと、あの女子高生さん思い出します(笑)

 トゥーンレンダリング調ということでやはりパッと見、風タクを
思い出しますよね。最初の島はいいロケーションで「流れ着くなら
こんな島がいい」って思いましたw

 次のステージからは危険度も増し、パズル要素も強まっていき
やがてストーリーは佳境を迎え…と、なかなか楽しめました。
ただキツネと旅する冒険、という触れ込みはそうでもなくむしろ
衛兵の方が相棒って感じでしたね。

 EDは意外でしたね。てっきり鍵穴を覗くことで見られる絵から
昔の話だと思っていたのですがテレビが部屋に置いてあるとは。
 自分は実績1000取って12時間でした。こういうゲームってつい
散策してしまうからなー

衛兵との冒険は僕も印象的でした!あのシーンは良かったですね。あとはエンディング。

序盤の流れも良いですが、中盤以降の流れもクライマックスに向かう感じがしてお気に入りです♪

実績はしっかり獲得されましたね。僕はフルコンプしていませんでした。