【レビュー】風来のシレンDS [評価・感想] 長所と短所がハッキリ分かれたリメイク作!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2006年12月に発売されたDS「不思議のダンジョン 風来のシレンDS」のレビューをしていきます。

本作はSFC「不思議のダンジョン2 風来のシレン」のリメイク作ですが、長所と短所がハッキリ分かれています。

元が良いので、決して悪い作品ではありません。

しかし、プレイすればするほど変更点&追加要素が気になってしまい、後味はあまり良い作品ではありませんでした。

あくまでも原作プレイヤーの意見であって、これからシリーズデビューを果たす方は気にならないかもしれませんが、昔を懐かしみながらプレイすると劣化している点が目につくかもしれません。

ここからはそんなDS「不思議のダンジョン 風来のシレンDS」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 和風の世界を舞台にしたローグライクゲーム。
  • 1995年に発売されたSFC「不思議のダンジョン2 風来のシレン」のリメイク作。
  • ゲームバランスが大幅に変更されて多数の要素が追加された。
初リリース日 2006年12月14日
対応ハード DS
ジャンル ローグライクRPG
推定クリア時間 5~20時間
売上 累計23.0万本
発売元 スパイク・チュンソフト

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良いところ

新作並みに手が込んでいる変更点&追加要素

1995年に発売され、カルト的な人気を博したSFC「不思議のダンジョン2 風来のシレン」(以下、初代)。

本作はそんな初代のリメイク作になりますが、驚くほど手を加えています!

基本的なストーリーや世界観はそんなに変わっていないので、一見すると移植版に感じてしまうかもしれません。

ですが、細かいところまで目を向けると新作レベルで手を加えています!

ダンジョン数は倍増し、モンスターやアイテム、イベントも大幅に増加。

新作並みにコンテンツが追加されているので、初代プレイヤーでもある程度新鮮に楽しむことが出来ました!

加えてタッチ操作・便利機能が追加され、ゲームバランスやグラフィック・BGMも刷新。

既存のダンジョンもプレイ感覚が大きく変わりました。

数えた訳ではありませんが、変更点・追加要素を箇条書きで挙げたら軽く100項目は超えるレベルで、相当手間がかかっているのではないでしょうか?

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初心者向けの配慮

初代は非常に不親切なゲームでした。

時代が時代なのもあるんですが、いきなり本編のダンジョンへ向かうことになりますからね。

本作の場合、「宿場への道」というチュートリアルダンジョンが追加されました!

このダンジョンでは基本を学ぶことができるので、初心者でもシステムを理解しやすくなっています。

また、本編のダンジョンとなる「テーブルマウンテン」は特定の階層までは引き返せるシステムが追加。

アイテム集めや装備品の強化をしやすくなり、準備万端の状態で挑むことが出来るようになりました。

大味だったモンスターの強さも現代風に刷新。

レベルが1つ上がるだけで攻撃力が50から255になるなど極端に強くなるモンスターがいなくなり、良くも悪くもマイルドになっています。

あの極端なゲームバランスこそが初代の持ち味でもあるので、この辺りは寂しくもあるんですけどねw

GB「風来のシレンGB2」で初登場した風来救助機能も搭載されていますし、初心者でも楽しめるようにする気配りは感じられました。

ニンテンドーDSの機能を活かした快適なユーザーインターフェース

今作はシリーズ初となるニンテンドーDSソフトになりますが、その恩恵はユーザーインターフェースの面で味わえました!

特に有難かったのが、2画面によって実現した情報量の増加です。

メイン画面は下画面になるんですが、上画面には以下の情報を表示できます。

  • 居場所マップ
  • メッセージ履歴
  • 全体マップ
  • ステータス
  • 操作説明

メッセージ履歴によって過去の出来事を振り返りやすくなっていたり、全体マップを表示したら自分がどこにいるのか人目でわかったり。

これらの機能によって快適性が向上しています。

さらにオプションには移動速度を「速い」に設定できる機能を搭載。

通常移動でもサクサク動いてくれるので、テンポよく進めることができます。

「風来のシレン」シリーズって慣れてくると作業的になってくるので、快適性の向上は嬉しいです!

(ゲームスピードが速くなる分、ミスが増えてしまいがちですけどねw)

携帯機で発売されたことによる恩恵

初代は据え置き機で発売されました。

今作は携帯機での発売なので、いつでもどこでも楽しめるようになったのが嬉しいです!

また、本作は携帯機だからこそ実現したタッチスクリーン機能にも対応しています。

ボタン操作に慣れていると最初は戸惑いますが、慣れてくると片手でもプレイできるのでめっちゃ快適です。

ぼくの場合、作業的になりがちな序盤は片方の手で何かを食べながらプレイしていました(←行儀が悪いw)。

最強装備の存在意義が増した

本作の目的は「テーブルマウンテン」の頂上を目指すことです。

が、「テーブルマウンテン」の終盤に出現するモンスターはゲーム全体で見ると中堅クラスだったりします。

最強クラスのモンスターはクリア後の隠しダンジョン下層に潜んでいるんですが、まともに戦うのは困難でした。

というのもクリア後の隠しダンジョンはいずれもアイテムの持ち込みが出来ず、鍛えた装備を活かせなかったからです。

一方、今作はアイテムの持ち込みができる隠しダンジョンが多数追加されたので鍛えた装備を活かせる機会が増えました!

特に印象的だったのが「魔蝕虫の道」です。

このダンジョンの入り口は「テーブルマウンテン」の頂上にあるので、実質ラスボス戦の続きを描いています。

階層が「テーブルマウンテン」の続きになっていたり、ラスボスの強化バージョンとなる強敵が出現したり。

ラスボスは一度しか戦えなかったので、その続きを楽しめるのは初代プレイヤーとしては胸アツです!

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惜しいところ

肩透かしな追加要素

様々な要素が追加された「風来のシレンDS」。

しかし、その多くはぼくの期待に応えられるものではありませんでした。

ダンジョン数が倍増しているのは良いんですが、どれも変化に乏しいです。

もう少し独自のルールが欲しかったし、背景にも変化が欲しかった。

新規モンスターの追加に関してもイマイチ恩恵を感じません。

今作では多くの種族にレベル4が追加されたんですが、いずれもオリジナル版のレベル3よりも弱かったりします。

加えて特殊能力の嫌らしさがレベル3から大して強化されていないので、単に種類が増えただけなんですよ。

さらに問題なのが、カラカラペンペンという新しい種族のモンスター。

後述で詳しく触れますが、ゲームプレイをつまらなくするためだけに存在するような感じなんです。

プレイヤーを不利にしてばかりの変更点&追加要素

「風来のシレン」シリーズは難しいゲームです。

ですが、数多くの対処法があり、困難を乗り越えていく楽しさがありました。

そういう意味で今作の変更点&追加要素は対処法を潰してゲームプレイを窮屈にしてばかりなのが残念に感じます。

以下、今作で気になった変更点&追加要素です。

  • ゲイズの催眠術使用率が上昇(50% → 67%)。
  • 特殊攻撃を跳ね返す「やまびこの盾」が廃止。
  • 装備品だけではなくアイテムも呪われるようになった。
  • 手持ちのアイテムを帯電させて使用不能にする「カラカラペンペン」族が追加(対処法なし)。

ゲイズの催眠術使用率が上昇したり、手持ちのアイテムを帯電させて使用不能にするモンスターが追加されたこと自体はまだ良いんですよ。

問題なのが、それらを対処する方法を用意するどころか廃止していることです。

何故、「やまびこの盾」を廃止(※)してしまったのでしょうか?

「呪い」の強化にしても過去作に存在した「祝福」の概念を追加するなどプラス要素を加えたらまだ良かったのに・・・。

確かに極端な攻撃力のモンスターがいなくなり、風来救助機能が追加されるなどマイルドになっている部分はあります。

でも、全体的にはプレイヤーを不利にする要素ばかりが追加されていて、対処法は潰してばかりなのが気になりました。

「風来のシレン」シリーズに限らず、ローグライクゲームは自由度の高さがウリのジャンルです。

今作ではそれを自らが潰しているような感じがします。

正解が限られたゲームの方が良い時もありますが、ランダム要素が強いローグライクゲームでは多くの正解を作った方が良いような?

※「ゲイズの盾」「プリズムの盾」といった効果が分散された盾が追加されたもののどちらも入手困難。

致命的なフリーズバグ

さらに問題なのが、致命的なフリーズバグです。

実は本作、長時間中断なしでプレイし続けると画面がフリーズする確率がアップします。

オリジナル版の場合、1ターン毎にオートセーブされるので、フリーズしてもさほど致命的ではありませんでした。

しかし、今作はDSカードの特性上、1ターン毎にオートセーブされないようになっています。

そのためか中断セーブせずに電源を落としたあとに再開するとゲームオーバー扱いになるという鬼仕様が搭載されているので、フリーズバグに遭遇すると・・・。

ぼくの場合、隠しダンジョンの70階辺りでフリーズバグに遭遇し、順調だったのにゲームオーバーになるという理不尽な目に3回くらい遭いましたorz

とは言えこの問題点はこまめに中断セーブをすれば対処できるのでまだ良いです。

もっと問題なのが、「ゲイズの催眠術にかかる」→「未識別の壺にアイテムを入れる」と高確率でフリーズすること。

前述の通り今作のゲイズは催眠術使用率が上昇しているので、「ずっと俺のターン」になりやすくなっています。

それだけでも嫌なのに、催眠術にかかった状態で未識別の壺にアイテムを入れるとフリーズしやすいとはなんて理不尽なw

このように本作はバグと仕様のコンボが仕込まれており、やり込めばやり込むほど理不尽な部分が見えてきます。

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風来のシレンDSのレビューまとめ

力作ではあるものの欠点も目立つ作品。

特に初代プレイヤーとしては「なんでこうするの?」と首をかしげる点が多く感じます。

本作が発売されるまでの4年間、「風来のシレン」シリーズは休眠期間に入っていました。

新作を期待しているのになかなか発表されず、ヤキモキしていた2006年。

本作が発表された時は胸が高まったのをよく覚えています。

その期待度は非常に大きく、ぼくにとって本作はWii/GC「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」と並ぶ2006年末の本命タイトルでした。

それだけにガッカリしたんですが、駄作なのかと言われたらそんなことはありません。

元が良いので「テーブルマウンテン」までなら普通に楽しむことが出来ますし、後に発売された続編と比べたら全然マシですw

しかし、クリア後の隠しダンジョンを含めてプレイすると欠点が目立ち始めるので、シレンジャーであればあるほど不満が出てくる作品。

ぼくの場合、文句を言いながら100時間以上プレイしていましたw

クリア前までならマイルドになっているので、どちらかと言うとシリーズ初心者がサクッと楽しむ場合におすすめしたい作品です。

長所と短所がハッキリ分かれたリメイク作!

こんな人に特におススメ。
・初代シレンを携帯機で楽しみたい人。

こんな人にはおススメできない。
・追加要素を期待している人。

お気に入り度【70/100%】

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4件のコメント

懐かしいですね。ついにキマシタか!
でも僕は買う気にはなれなかったです( ゜∋゜)

「風来のシレン」
このシリーズをやりたくなったらこのゲームを思い出してください。
面白さの面では「1」「2」「アスカ」には及びませんが
難易度は比較的低いです。

レビューの熱量がすごいなぁ〜。
それだけシレンはやり込んでいるのですね!

スマホ版は確かにDS版がベースですね!
チュートリアルダンジョンが確かにありましたもん。
それがオリジナルにはないのか!?結構、ユーザを突き放したつくりなんですね、オリジナルは。
敵の理不尽なレベルアップがなくなったのはいいけど、そのぶん新たに理不尽な性能が加わっているのですね(^_^;)
そこはもうちょっとユーザを楽しませるつくりにしたらいいのに…。

おお!熱量が伝わってきましたか!?

風来のシレンシリーズは語り甲斐があるからついつい長文になってしまいますw

もう10年以上前の作品になるので忘れていましたが、実は賛否両論なリメイクだったんですよ~。

スマホ版ではその辺りの話をほとんど聞かないので、新規ユーザーが買っているのかな?

だとしたら新陳代謝が高まっているということなので良いことかも!?