【レビュー】バイオハザード6 [評価・感想] 欧米のAAA級タイトルに影響を受けすぎた「バイオ」ではないなにか

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バイオハザード6/PS3 / Xbox 360 / PS4
バイオハザード トリプル パック/Switch

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2012年10月に発売されたPS3/Xbox 360「BIOHAZARD 6(バイオハザード6)」のレビューをしていきます。

本作は2010年代が舞台のサバイバルホラーアクションゲームですが、欧米のAAA級タイトルに影響を受けすぎた「バイオ」ではないなにかです!

閉塞感のある屋内でゾンビから逃れつつ、探索や謎解きを行う。

「バイオハザード」シリーズはそんなゲームだったハズですが、「4」からアクションシューティングゲームに移行。

5」ではオンライン協力プレイの要素を加えて独自の進化を辿っていました。

しかし、「5」が発売された頃には欧米市場でアクションシューティングのマナーが出来上がってしまいます。

それ故に「4」を継承した「5」の操作形式は古臭いとみなされ、さほど評価されませんでした。

そんな中で発売されたのが今回レビューするPS3/Xbox 360「バイオハザード6」。

操作形式を欧米のAAA級タイトル風に切り替え、銃を構えながらのカニ歩きや緊急回避のアクションを追加します。

環境破壊描写も強化され、ストーリーにもスピード感を持たせて欧米のAAA級タイトルに真っ向から勝負を挑みましたが・・・

もはや「バイオハザード」では無くなってしまいました!w

カプコンが贈るAAA級タイトルとして面白ければそれでも良かったんですが、「バイオハザード」シリーズの癖が変に残っているので不味い部分も多く感じます。

力の入れようは伝わってきましたが、シリーズの今後が心配になってしまう作品です。

ここからはそんなPS3/Xbox 360「バイオハザード6」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ストーリーに沿って仲間と協力しながら目的地を目指すホラーゲーム。
  • 7人の主人公が存在し、4つの独立したシナリオが用意されている。
  • ゲームを進めていくとそれぞれの主人公がクロスオーバーすることもある。
初リリース日 2012年10月4日
対応ハード PS3/Xbox 360/PS4/Xbox One/Switch
ジャンル TPS
推定クリア時間 25~35時間
売上 初週67.7万本/累計85.8万本(PS3/Xbox 360)
発売元 カプコン

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良いところ

壮大なスケール感とスピード感

かつての「バイオハザード」シリーズはこじんまりとしていました。

閉塞感のある屋内をグルグル回って脱出していく。

そんなゲームだったのでストーリーにスピード感はありませんでしたが、今作は凄い!

全体のスケール感が増したほか、ダッシュの移動速度がアップしたことで広大なフィールドを高速で駆け抜けることができるようになりました。

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さらにカーチェイス、空中戦などのミニゲームが挿入されるようになり、ストーリーのスピード感が大幅に増してます。

さすが数百人の開発スタッフによって製作された超大作!

スケールの大きさが前作とは比べ物になりません!

開発規模だけを見たら欧米のAAA級タイトルと比較しても遜色の無いレベルに感じます。

ここまで開発費をかけられたのも巨大な欧米市場で人気を博しているのが大きいのでしょう。

2012年当時の和ゲーで同じくらいヒットしていたのは任天堂とスクエニくらいだったので、フォトリアル系に限定すると「バイオハザード」だからこそ出来た芸当に感じます。

圧倒的なボリューム

前作からスケール感やスピード感が増したPS3/Xbox 360「バイオハザード6」。

でも、高速で広大なフィールドを駆け抜けられたらあっという間にクリア出来そうですよね?

本作の場合、ボリュームも過去最大級なので、その点は杞憂でした!

レオン&ヘレナ、クリス&ピアーズ、ジェイク&シェリー、エイダ。

なんと、これらのキャラクターを操作して4つの独立したストーリーが展開されます!

驚いたのが、1つのシナリオをクリアするだけで6~7時間もかかってしまうことです。

すべてをクリアしたら30時間近くになるので、体感的には過去作の2~3倍長くなっています。

なんて書くと「マップの使い回しがあるんじゃないの?」と思いますよね?

本作の場合、マップの重複はほとんどありません。それぞれ、新規でキチッと作っています。

カプコンさん、本作の開発にいくら使っているんですかw

複雑に交差する群像劇を楽しめる!

様々なシナリオが存在するPS3/Xbox 360「バイオハザード6」。

それぞれが独立しているので単独でも楽しめますが、複数プレイするとストーリーに深みが生まれてきます。

というのも各シナリオの主人公が合流することもあるからです。

初見だと「あぁ、合流したね」で終わりなんですが、そのあとに別の主人公でプレイしてみてください。

同じ合流シーンでも主人公が変わることで受ける印象が大きく変わります。

過去作でも群像劇の描写を取り入れていましたが、本作の場合、複雑に交差しているので、深みが違います!

中には過去作で見られなかった各キャラクター同士の共演もあるので、ファンにはたまりません!

一部のチャプターで見られた原点回帰

前作の反省点を踏まえて原点回帰を図る。

それが本作のコンセプトになりますが、確かに原点回帰と言えるような描写が見られます。

特に印象的だったのが、レオン編の序盤です。

レオン編の序盤は初期作を彷彿とさせるロケーション、謎解き、ホラー演出が用意されています。

俯瞰してみると「バイオハザード」らしさに欠けている本作ですが、レオン編の序盤に関してはバイオとしての片鱗が見られます。

本編で一番面白いチャプターはどこなのか訊かれた場合、ぼくはレオン編の序盤と答えますね。

オンラインをフルに活用したシステム

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時代はオンライン!

という訳で本作は前作以上にオンライン要素が存在します。

2人での協力プレイが楽しめるのはもちろん、シナリオがクロスオーバーすると全世界からマッチングされ、最大4人での協力プレイができるようになりました!

さらに特定のステージに出現するモンスター(クリーチャー)を操作できるモードも搭載。

モンスターとなって他プレイヤーの世界に乱入することができるようになりました!

シングルプレイでの敵はAIで動くのが基本なだけに、これは凄い!

モンスターが普段とは異なる動きをしている場合、それは他プレイヤーが操作していると思った方が良いでしょうw

「ザ・マーセナリーズ」での協力プレイも引き続き搭載されていますし、今回もオンライン接続をすることでより楽しめる作品になっています。

ザ・マーセナリーズが面白い!

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さきほどチラッと触れましたが、今作にもサブゲームとして「ザ・マーセナリーズ」が収録されています。

ルールは簡単。制限時間以内に沢山の敵を倒して得点を稼ぐだけ。

なんですが、今作はシリーズの中で最も面白い「ザ・マーセナリーズ」となっています!

というのも今作では

  • 移動しながらアイテム選択ができる。
  • 緊急回避ができる。
  • 銃を構えながらカニ歩きができる。

といった感じで操作周りが快適になっているので、純粋なアクションシューターである「ザ・マーセナリーズ」とマッチしているんですよ。

従来の作品ではホラーゲーム寄りの操作形式になっているが故にキメ細やかな操作が出来ずもどかしいところがありました。

今作の場合はそういった”もどかしさ”が薄れているのでフラストレーションが溜まりにくくなっています。

それが面白さを高めていて、特にコンボを途切れずに敵を倒していくことに楽しさを感じられました。

ぶっちゃけ、本編よりもハマりましたから!w

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惜しいところ

システム刷新により大雑把な作りに

前作から大幅にシステムが刷新されたPS3/Xbox 360「バイオハザード6」。

移動速度が向上し、銃を構えながらカニ歩きができるようになり・・・

こうしてみると快適性が増して面白くなったように見えますが、大切なものを失ってしまいました。

それは、ホラーゲームならではの恐怖感です。

「『バイオハザード』が何故怖いゲームと言われていたのか?」

開発者はそれを分かっていたのでしょうか?

完全なアクションシューターに移行した代償として過去作で見られた恐怖感が完全になくなっています。

銃を構えながら移動できないことで生まれる恐怖感、もどかしさ。

ゾンビが強くて弾薬が限られているからこそ生まれる心細さ。

謎解きが難しいことで生まれてくる探索性の高さ。

「バイオハザード」が何故怖いと言われていたのかぼくなりに分析してみました。

しかし、本作ではここで挙げたすべての恐怖感がなくなっていたんです。

銃を構えながら移動できるようになったのは言わずもがな。

いつでも格闘技が使えるようになったことで弾薬が限られているからこそ生まれる心細さはなくなってしまいました。

さらにマーカー機能が追加されたので謎解きや探索難易度は大幅に低下しています(そもそもゲームの大部分が銃撃戦で謎解きや探索は一部を除いてほとんどありません)。

ストーリーにスピード感を持たせるためにこうしたんだと思いますが、「バイオハザード」の醍醐味はなくなっています。

その結果、大雑把なアクションシューティングになってしまいました。

もうね、ダッシュで逃げ走りながらゾンビを蹴散らすなんてことができますから、”狙い撃つ楽しさ”が無いんですよ。

銃撃戦メインのクリス&ピアーズ編ではダッシュ&近接攻撃をしてできる限り敵との戦いを避けてゴールまで突き進んでいましたw

ぼくは一体、何のゲームをプレイしているのでしょうか?w

冗長過ぎる展開

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このように今作は「バイオハザード」の醍醐味が無くなっていますが、個人的に苦手だった部分は残っています。

それは、冗長過ぎるボスキャラクターです。

過去作のように「倒したと思ったらまた復活して~」が繰り返されるのでウンザリしました(特にレオン&ヘレナ編の最後)。

このような演出は恐怖感を出すには有効ではありますが、前述の通り本作の場合は恐怖感が薄れているので単にしつこいボスとしか思えませんでした。

ここまで多いと死に対する説得力も薄れてしまいますし、ストーリーの水増し感も出てきますよ・・・。

コントローラを酷使するボタンアクション

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AAA級タイトルのトレンドを取り入れたかったのでしょうか?

今作はクイックタイムイベントが過去作以上に強化されています。

スティックをグリグリ回す、ボタンをハイスピードで連打する。

イベントシーンではこれらの操作が頻繁に要求されるのでやり過ぎなんじゃないかと思いました。

ここまで多いとコントローラが壊れないか心配になります。

クイックタイムイベントの中には異様な難易度のポイントもありましたし、せっかく生み出しているスピード感を帳消しにしているような?

改善の余地があるグラフィック&カメラワーク

「バイオハザード」シリーズと言えばグラフィックの美しさにも定評ありました。

という訳で今作はさらに凄くなっている!

・・・と思っていましたが、見栄えに関しては悪化していますw

前作よりもフィールドのスケール感が増したことで個々の質を落とさないといけなかったのでしょうか?

全体的に灯火ばかりが目立って目がチカチカします。

せっかく中華街やアメリカを舞台にしているというのに勿体ない。

また、カメラワークも悪化しています。

移動速度が向上した一方でカメラがキャラクターに寄りすぎていますからね。

視界を狭くすることで恐怖感を演出したかったんでしょうが、前述の通り今作は怖くないですし、画面がグラグラ揺れ動くせいで3D酔いを起こしやすくなっています。

アップデートで多少改善されたとは言え、中途半端に「バイオハザード」らしさを持たせておかしなことになっているような?

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バイオハザード6のレビューまとめ

完全なアクションシューティングに振り切ろうとしながらも「バイオハザード」要素が足を引っ張ったような作品。

全く異なるジャンル同士が融合を果たすことで化学反応が生まれることもありますが、本作の場合は苦味の方が強くなっています。

人によっては不味いと感じられるかも知れません。

たちが悪いことにそんな味であるにも関わらず特盛ボリュームなので、すべてを食べ終わった頃には「もう食えねぇ」となりましたw

個人的にはシリーズ最高の面白さを誇る「ザ・マーセナリーズ」のおかげで及第点には達しましたが、おすすめできる作品ではありません。

欧米のAAA級タイトルに影響を受けすぎた「バイオ」ではないなにか。

こんな人には特におススメ。
・ハリウッド映画の主人公を体感したい人。
・クロスオーバーするシナリオが好きな人。

こんな人にはおススメできない。
・3D酔い耐性が無い人。
・クイックタイムイベントが苦手な人。

お気に入り度【65/100%】

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8件のコメント

こんにちは!初めまして!アメブロ時代から見させて頂いてたんですがついに初コメです
最近バイオ4と5がセットになってるもの買って凄く楽しめたんで個人的にバイオブームが来てるんですけど、Kentさん的には6は低評価ですね
6廉価版でるの待とうかなww

>ユウさん
はじめましてー。
バイオシリーズは4、5、6とだんだん
ダメになってきている印象ですね。
4は凄く楽しかったんだけどなー。
恐怖を楽しむのであれば断然デッドスペースですね!

こんにちは!私はアクション映画をそのままプレイできてるようで私はどハマりしました、けどホラーではないて感想本当にそうだと思いますwホラー苦手なのにどハマりしましたので…

ドハマリしましたか!w このゲーム、ハマる人はハマるようですね。そういう声もよく聞きます。

バイオ6も5と同様にSwitchで遊べるようになりますが、こっちも微妙だな〜www
群像劇は映画ならいいけど、プレイヤーキャラに感情移入しがちなゲームだとチャプターごとにキャラが変わると萎えてくるんですよね。個人的に逆裁シリーズだけは成長要素がないので例外ですが。

今回のレビューを読むとどのようにして次回作のバイオⅦやバイオRE2が作られたのが、よくわかりました。これは失敗作の匂いがプンプンするぜ〜。

確かにこれはバイオじゃない何かですねwww
デビルメイクライのようにタイトルを変えて、サブタイトルに”バイオハザードGAIDEN”と銘打ったほうがよかったかも。

今回のバイオシリーズのレビューをいろいろ読んでみて、やっぱり僕はバイオ4だけでいいかな〜と思いました。
というかバイオ4の正統派続編がないのも事実だしな。
バイオシリーズはナンバリングごとにゲームがまったく異なるので個人的にFFシリーズに通ずるものがあります。

一部ではバイオハザード6という映画を体感するゲームと言われていますw

一応、4つのシナリオは独立しているので、4本のゲームが収録されているような感じです。レオン編はレオンしか操作出来ません。

本作を経てバイオ7やバイオRE2が発売されたのですから感慨深いです。バイオシリーズに歴史ありですね。

Switch向けに体験版が配信されたので怖いもの見たさでプレイするのも良いかもw

バイオ6については、楽しい場面もありましたが、振り返ってみれば大体のシナリオは他のメーカーのヒット商品の劣化コピーに感じてしまいました(レオン編=L4D、クリス編=ギアーズ、ジェイク編=アンチャ、エイダ編=よー分からんステルス)。
個人的に一番腑に落ちなかったのが武器やアイテムの管理の仕様で、消耗品の枠が少なく拾いきれないぐらい手に入るのでジャブジャブ使うといったプレイになってしまうので緊張感もへったくれもなく、かといって不要な武器をわざと無視して先に進むと、今度はクリア特典として強制的に持ち歩かされてしまい、縛りプレイそのものを縛られるという、4や5から大幅退化には面喰いました…。

色んなゲームの影響を受けている感じはしますね。カプコンも急速に移り変わる市場の適応出来る低迷していた頃なので、それを象徴させる作品と言えるかも。

このバランスだとアイテムスロットの枠はもっと増やしても良いと思いました。中途半端にバイオっぽさが入っていますね。