【レビュー】バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦 [評価・感想] 8年の時を経て面白さのベクトルがガラリと変わった新世代のバンカズ!


バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦/Xbox 360

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2008年12月に発売されたXbox 360「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」のレビューをしていきます。

本作はマシンを作成してミニゲームをクリアしていく3Dアクションゲームですが、8年の時を経て面白さのベクトルがガラリと変わった新世代のバンカズでした!

1998年に発売され、全世界で大ヒットを記録したN64「バンジョーとカズーイの大冒険」。

N64「スーパーマリオ64」に大きく影響を受けた箱庭探索型3Dアクションゲームになりますが、独特の味付けによって数多くのファンを生み出しました。

かくいうぼくもその1人。発売当時はサルのようにプレイしてゲームクリアに必要のないアイテムまで全部集めようとしていましたw

しかし、2002年。開発元のレア社がマイクロソフトに買収されてしまい、「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズの新作が途絶えてしまいます。

「もう愉快なキャラクターたちとカラフルポップな世界を冒険することはできないのだろうか?」

なんて落胆してから約6年後に発売されたのが今回レビューする「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」。

対応ハードがN64からXbox 360になり、乗り物メインのゲームに変わってしまいましたが、世界観やキャラクターは過去作から見事に継承していたんです!

「ぼくが好きなバンジョーとカズーイが帰ってきた!」

初めてプレイした時はまるで旧友と同窓会で久しぶりに再会したかのようでした。

ここからはそんなXbox 360「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • マシンを組み立ててミニゲームをクリアしていく3Dアクションゲーム。
  • ミニゲームで好成績を収めると様々なアイテムを入手できる。
  • 指定の数だけキーアイテムを集めるとストーリーが進む。
初リリース日 2008年12月11日
対応ハード Xbox 360
ジャンル 3Dアクション
推定クリア時間 15~25時間
売上 初週1,900本
発売元 マイクロソフト

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良いところ

8年ぶりに帰ってきたクマとトリ

ぼくが「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズ好きである最大の理由。

それは、カラフルポップな世界観と強烈なキャラクターにあります。

眩しいくらい明るくてカラフルなフィールド、カントリーチックで賑やかなBGM、毒舌でユニークなキャラクター。

最初は苦手意識を持っていましたが、ゲームにハマることで好きになっていきました。

しかし、前述の通り本シリーズは開発会社周りのゴタゴタによって2000年の「2」を最後に国内での展開は途絶えてしまいます。

開発会社のレア社にしてもマイクロソフトに買収されてからは「カメオ:エレメンツオブパワー」「あつまれ!ピニャータ」などのオリジナルタイトルを手掛けてばかり。

そんな中で発売されたのが今回レビューするXbox 360「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」。

ナンバリングタイトルではありませんが、シリーズではお馴染みの要素をしっかりと引き継いでいたんです!

眩しいくらい明るくてカラフルなフィールド、カントリーチックで賑やかなBGM、毒舌でユニークなキャラクター。

ここで挙げた要素はすべて引き継いでいます。

特に嬉しかったのが、毒付いたキャラクターの台詞。

例えば冒頭では

「ごきげんいかがかな、二流ゲームキャラクターしょくん!」

「『グーリーズ』みたいな売れないゲームも?」

なんて自虐ネタが入るんですよw

自ら二流ゲームキャラクターと認めたり売れなかった自社のゲームを引き合いに出すって普通じゃ考えられませんw

このような毒付いた台詞を聞いたことで改めて「バンジョーとカズーイの大冒険」は健在であることを実感しました。

バンジョーの鼻がカクカクしているとか、台詞を鳴き声で読み上げてくれないとか、細かい部分で「あれ?」と思ったことはあります。

ですが、それ以上に「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズの関連作が久しぶりに国内で発売されたことに嬉しさを感じました。

色鮮やかなグラフィック

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Xbox 360ソフトと言えばどんなイメージを思い浮かべますか?

フォトリアルで暗い世界を舞台にしたゲームばかりを思い浮かべないでしょうか?

本作の場合、それらの作品とは一線を画したファンタジックでカラフルな映像で楽しむことが出来ます!

しかもN64の頃とは比べ物にならないくらいの美しさとなっているので初めて見た時は感激してしまいました。

本物ソックリなライティング処理、数え切れないほど生えた草、細かく描かれるようになったテクスチャ。

こんな表現、N64時代は考えられませんでしたから。

実はぼく、一時期はデフォルメ調のグラフィックはPS2/Xbox/GC世代で完成形の域に達していたと思っていたんですよ。

でも、本作をプレイしてデフォルメ調のゲームでも部分的にフォトリアルな表現を加えたら進化を感じられることが分かりました。

ファンとして嬉しかったのが、シリーズではお馴染みの「クルクルやまのふもと」というステージを探索できること。

しかもN64版とは比べ物にならないくらい美しくなってスケールアップしているので、10年という歳月を嫌でも実感してしまいましたw

マシンの組み立てが面白い

ここまで「バンジョーとカズーイの大冒険3」的な感覚で語っていきましたが・・・

実は本作、過去作とは全くの別ゲーとなっています。

いや、箱庭マップを探索してアイテムを集めていく要素もあるにはあるんですが、移動は徒歩ではなく乗り物メインになっているんです。

そのうえキーアイテムを集めるまでの手順は完全にミニゲーム化されており、乗り物を使って攻略して行く形に変更されました。

正直、最初はガッカリしましたよ。

何がどうなって「バンジョーとカズーイの大冒険」が乗り物ゲームに変貌を遂げるのか理解が出来ませんでしたから。

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でも、慣れてくるとこれはこれで楽しめました!

大きな要因となったのがマシンのカスタム要素。

カスタム要素と言っても作品によってマチマチですが、本作の場合、細かくパーツを組み合わせることができるんです!

それはもう、1マス単位でブロックを設置できるくらい。

これが試行錯誤する楽しさを強めていて、ミニゲームのジャンルによってマシンを組み立てることにハマってしまいました!

例えば逃げ回る敵のマシンを捕まえるミニゲームがあるとしますよね?

その場合、マシンの周りに横長の壁パーツを設置したら捕まえやすくなるのではないでしょうか?

いや、もしかしたら敵のマシンがスッポリ収まるU字型のパーツを前方に設置した方が捕まえやすくなるかもしれません。

こんな感じで試行錯誤をした末に上手く行った時の達成感が大きくてハマりました!

え?マシンを組み立てるのが面倒だって?

一応、ゲームを進めると設計図を入手できるうえ、そのミニゲームで最適なタイプの乗り物を教えてくれる機能も存在します。

設計図をベースにしてパーツを付け加えていくこともできるので、システム周りを理解出来ればめちゃくちゃ面倒って程ではありません。

ミニゲームの記録を更新していくのが面白い

ミニゲームの面白さをさらに強めてくれるのがご褒美の要素!

成績に応じて良いアイテムが貰えるので、最高ランクを目指したくなります。

「ミニゲームで最高ランクを取るにはどうすれば良いのか?」

それには最適解なマシンを設計しなければならないので、何度も何度も試行錯誤しました。

お馴染みのおまけ要素も満載!

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「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズと言えばおまけ要素が満載であることも特徴的でした。

例えば「1」では隠し要素としてゲキムズのパズルゲームが収録されていたものです。

本作でもその辺りは健在で、例えばとあるエリアではレトロ風のミニゲームをプレイできるんですよw

内容の方はツッコミどころ満載で決して出来はよくありませんが、その辺りも含めてネタにしてくるから好き。

また、おまけ要素と言ったら怒られそうですが、オンライン/オフラインでのマルチプレイも収録されています。

前述の通り本作は様々なマシンをカスタマイズできるので、オンライン対戦を収録することで遊びの幅がさらに広がったような気がしました。

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惜しいところ

やらされている感が強い

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キーアイテムを取るまでの過程が完全なミニゲーム形式になったことで分かりやすくなりました。

その反面、やらされている感が強くなっています。

いや、ミニゲームの攻略法自体は色々あるので試行錯誤する楽しさはあるんですが、そもそも「ミニゲームをクリアしなさい!」と言われることにやらされている感じがするんです。

ミニゲームを挟まず入手しにくいところにキーアイテムを設置して「あれはどうやって入手するんだろう?」と試行錯誤するような形式だったら良かったんですが・・・。

とっつきが悪い

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元々、「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズはハードコアなアクションゲームでとっつきは良いとは言えませんでした。

が、本作の場合はさらにとっつきが悪くなっています!w

大きな要因となっているのが、物理演算処理がなされていること。

マシンやオブジェクトは本物ソックリの挙動なので、衝撃を受けると転倒するんですよ。

起き上げるアクションも存在しますが、挙動がリアルになったことで面倒さが増しているのは確かです。

歩き回る楽しさが薄い

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一応、本作でもマシンから降りて徒歩で移動することも出来ます。

しかし、マップのスケールがN64版から大幅に増しているうえにキャラクターの移動能力がダウンしているので有効ではありません。

あくまでも徒歩での移動は補助的な物なので、N64版のようにジャンプアクションなどを駆使してアイテムを集めていく楽しさは薄く感じました。

N64版のような歩き回る面白さを求めていたら高確率でコレジャナイ案件になります。

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全体のまとめ

良くも悪くもN64版から大幅な変貌を遂げた作品。

変貌を遂げた理由も「時代遅れだから」と当時のゲームデザインを真っ向から否定する形なので、ファンの中にはガッカリされる方も居るとは思います。

でも、個人的にはこれはこれで楽しめました!

なんと言っても試行錯誤しながらマシンを組み立てて行くのが楽しい!

面白さの根底は男心をくすぶるものなので、子供の頃、ミニ四駆やチョロQで改造を楽しんでいた人には突き刺さるかもしれません。

そんなXbox 360「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」ですが、発売週には1,900本しか売れませんでした(泣)

対応ハードのXbox 360にファン層が皆無だったうえゲーム性もガラリと変わったので理解は出来ますが、この程度の売上に留めておくのは勿体ないくらい良く出来ています。

ぼくの場合、本作を目当てにXbox 360を購入してしまいましたw

それまでのぼくは任天堂ハードしか自分からは買わなかったので、これは凄いことなんですよ。

マイクロソフトに買収されてしまったレア社。

それ故に任天堂の元を離れてしまい、Xboxハードをメインに開発をするようになります。

当時は残念に感じていましたが、ぼくが任天堂ハード以外を買うきっかけを与えてくれたという意味では良かったのかもしれません。

8年の時を経て面白さのベクトルがガラリと変わった新世代のバンカズ!

こんな人には特におススメ。
・マシンをカスタマイズするのが好きな人。
・想像力を働かせるのが好きな人
・シリーズファン。

こんな人にはおススメできない。
・歩き回る楽しさを求めている人。

バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約30時間

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8件のコメント

64のバンカズシリーズの大ファンなのでこのゲームも買いましたが途中で面倒くさくなって積んでしまいました…。
マシンのカスタマイズは面白いのですが僕は効率を重視するあまり、ウンバの設計図にちょっと手を加えるだけで済ませていたので作業的になってしまいました。
マシンの挙動はモッサリしていますし、ちょっと高いところからジャンプするとパーツが取れることがあるので動かす楽しさは薄かったです。
あとチャレンジによって使用するマシンを固定されるのが嫌でした。
シリーズに1作くらいこういうゲームがあってもいいとは思いますが、やはり僕は車よりカズーイダッシュで走り回りたいです。
ところで画像のバンジョーはシャツとジャケットを着てますがゲームを進めるとそんなコスチュームが手に入るんですか⁉︎

>チキさん
変にリアルなところは、
最初はN64からの進化を感じましたが、
慣れて来ると余計に感じる事はありましたね。
マシンの転倒はもちろん、
オブジェクトの一部が取れて
障害物のように転がったりとか・・・。
次回作は原点回帰にして欲しいですね。
というか、発売されるのかも怪しいんですが(汗)
写真のコスチュームはなんだったかな?
気が付いたらこんな格好になっていましたw
もちろん、クリア済のデータです。

バンジョーのゲームですが、海外ではGBAも出ています。元々はあのおサルさんのレースゲームの続編として作られていたのですが版権が任天堂に渡ったため使えず、結果バンジョーのレースゲームになったのです。 赤リス君のバイオレンスゲーム、kentさんならプレイされてそうですが、やった事は…無いのでしょうか?

>星さん
レア社のトリビア、ありがとうございます!
任天堂から離れてしまったせいで、ややこしい事になっていますよねぇ。
コンカーのゲームはプレイしていないんですよぉ。
いつかやりたいなぁとは思っているんですが。

ガレージ大作戦はこれはこれでいいのかもしれませんが、(作り手が思ってた程に)ファンが多い作品でましてや8年ぶりの新作だったので最初は1や2の系譜にあたる「3」を出してから、本作を外伝作として出すのが良かったかもしれませんね。

作り手が新規層を取り込もうとしたために、誰得新作になっちゃった感じがします。
その割にはストーリーは前作の続きだし…。
最近はスマブラSPで参戦を果たして、バンカズの知名度を上げられたと思うのでいつか「3」が出るかもしれないですね。
もし作る場合は、「ユカレリ」のスタッフと合流したらよりベストかも。

当時は探索型箱庭アクションゲーム氷河期でした。

任天堂でさえも避けていましたから・・・(マリギャラはリニア式の3Dアクションゲーム)。

その結果、レア社は物理演算エンジンを駆使したマシンゲームを作ってしまったという・・・

ユーカレイリーも良いんですが、正当進化したバンカズ3も待っています!

グランチルダ
「オマエらみんな、
こうかいするよ!
「バンジョーとカズーイの
だいぼうけん3」で。
おぼえておくがいい・・・」
「バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦」
「バンジョーとカズーイの大冒険2」の続編で、「バンジョーとカズーイの大冒険3」とも言える作品だが・・・。
物語も前作から8年後が描かれており、前2作に関わるギャグも多いのだが、アクション・システム共に前2作とは全く別物です。
ファンが求めていたのは、バンジョーとカズーイという2キャラ操作を使いこなして遊ぶ探索型箱庭アクションゲームですから。
この動画を見て、
https://www.nicovideo.jp/watch/sm96455
まさかバンジョーとカズーイが乗り物ゲームになるとは予想出来ないでしょ?
ゲームの内容、ハードが任天堂じゃないこともあり、残念な事に初週には1,900本しか売れませんでした。
ファンからはガッカリクソゲー呼ばわりされてしまう可愛そうな作品です。
でも、実際に遊んでみるとマシンのカスタマイズ楽しいです。
乗り物の組み立ては非常に自由度が高くパーツ数も多いです。
チャレンジは自由度があり、どうやってクリアするのかを考えながら、カスタマイズしました。
あと64版では何の意味もなかった隠しアイテム「ヒミツのこうかんStop ‘N’ Swop」がガレージ大作戦に使えるのが嬉しいです。
自分の中では、評価は神ゲーです。
凄く面白いのに、このゲームが売れなかったのは、バンジョーとカズーイの新作ゲームとして出した事じゃないでしょうか?。
バンジョーとカズーイを使わないで新作のゲームとして出した方が売れたのでは?。
レア社も分かっていたのか、
キャラのセリフに、
ログ
「しばらくプレイしてみたものの、乗り物を使ったプレイがどうしても気に入らないというキミには Xbox Live アーケードで「バンジョーとカズーイの大冒険」購入する事をオススメしよう」
カズーイ
「あたいのアクション返してくんない?このゲームが売れなかったら、次回作で復活させなくちゃいけないからさ。」
ログ
「そうかもしれんな。だが続編はやらん」
など。
続編はやらんと言ってるので、バンジョーとカズーイの大冒険の新作はたぶん出
ませんね。
レア社「過去の人気作品のグラフィックが綺麗になっただけの新作は出さない」
レア社の方針としては既存の人気タイトルに最新ハードの最新グラフィックスを載せただけの新作は正しい方法ではないと語っています。
だからバンジョーとカズーイの大冒険の新作はたぶん出ませんね。

おまけ
Inside XBOX TGS2008 バンジョーとカズーイ クリエイターインタビュー
https://www.nicovideo.jp/watch/sm4886783?ref=search_tag_video&playlist=eyJpZCI6InZpZGVvX3dhdGNoX3BsYXlsaXN0X3NlYXJjaCIsInNlYXJjaFF1ZXJ5Ijp7InR5cGUiOiJ0YWciLCJxdWVyeSI6IuOCrOODrOODvOOCuOWkp-S9nOaIpiIsInBhZ2UiOjEsInBlclBhZ2UiOjMyLCJzb3J0IjoiLWYifX0&ss_pos=9&ss_id=c8999594-03d5-47f0-9a1a-e923973d9d19

動画視聴しました!うわぁ・・・これはミスリードだw 運良く(?)ぼくは発売前に見ていなかったのでガッカリしませんでした。売上を聞いた時はガッカリしましたがw

このゲームはコレジャナイだけで面白さの本質はしっかりしていたんですけどねぇ・・・Conker the Squirrelさんも楽しまれたようで良かった。

挙げられたテキストは読んでいてニヤリとしましたよw こういうメタ要素を盛り込んでくるところが好きですw インタビュー記事も今となっては貴重なので助かります!