【レビュー】ドラゴンボールZ KAKAROT(カカロット) [評価・感想] 究極の原作追体験に挑戦した意欲作!


ドラゴンボールZ KAKAROT/PS4 / Switch

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

みなさんは漫画やアニメ原作のゲームに対してどんな印象を持っていますか?

ぼくは正直なところ、駄作が多いと思っています。

漫画やアニメ原作のゲームは納期優先で作られることが多いので、作り込む余裕がありませんからね。

しかし、今回レビューする「ドラゴンボールZ KAKAROT」は違います。

開発に5年の時間を費やし、徹底的に作り込まれているので、数百万本売れることを前提に企画されたのかと思いました。

断言します。

「ドラゴンボールZ」ファンはプレイして損はありません。

そのくらい、原作再現が素晴らしく、究極のファンアイテムとなっています。

ゲームとしての課題はまだ残されていますが、プレイしている時は「技術の進歩ってスゲェなぁ」と思いましたね。

ここからはそんな「ドラゴンボールZ KAKAROT」の良いと思った点から語っていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • アニメや漫画で知られる「ドラゴンボールZ」を題材にしたアクションRPG。
  • 戦闘以外にも「クエスト」「ミニゲーム」などの要素が盛り込まれている。
  • マップはセミオープンワールド形式となっている。
初リリース日 2020年1月16日
対応ハード PS4/Xbox One/Switch
ジャンル アクションRPG
推定クリア時間 25~35時間
売上 初週9.0万本/累計16.3万本 (PS4版)
発売元 バンダイナムコ

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良いところ

ドラゴンボールZの291話を20数時間のゲームプレイに凝縮!

「ドラゴンボールZ KAKAROT」で特筆したいのが、原作のアニメを20数時間のゲームプレイに凝縮していることです。

1989年から1996年にかけて放送されたアニメ版「ドラゴンボールZ」。

平均視聴率が20%を超えるほどの人気アニメで、当時は男の子たちのスタンダードに位置しました。

しかし、人気を持続させるために回想シーンを長くしたり、アクションシーンを長く取り入れたりと引き伸ばしが目立っていたのも事実で、後追いで視聴すると厳しいところがあったんですね。

今回レビューする「ドラゴンボールZ KAKAROT」はそんなアニメ版の291話を20数時間のゲームプレイに凝縮しているので、密度が凄いことになっています!

ちょっと進めるだけでアニメ版の数十話に相当するほど話が進んでいくので、夢中でプレイしましたw

こんなことを言うと

展開を端折っているだけじゃね?

と突っ込まれてしまいそうですが、そこは驚異的な原作再現で上手くカバーしています。

グラフィックがアニメっぽいのは言わずもがな。

演出やBGMもアニメ版を踏襲しており、章が変わった時には次回予告が挿入。

アニメ版でお馴染みのBGMやナレーション、それらしいサブタイトルが挿入されるので、

うぉぉぉ~アニメ版そのものじゃん!

と興奮しました!

さすがに30年も前のアニメになるので声優が変更になっているキャラクターも見受けられますが、今の時代にここまで再現してくれたことに感謝しています。

個人的に好きなシーンは、ミスターサタンと魔人ブウ(善)が仲良くなっていくところです。

駆け足ではありますが、展開は原作に沿っているので、アニメ版を視聴していた頃を思い出しました。

今から四半世紀も前になるのか・・・

圧倒的なクオリティのグラフィック

「あれ?ワイは「ドラゴンボールZ」のアニメを見ているのだろうか?」

本作をプレイしている時、そんな錯覚を覚えました。

そのくらい、グラフィックがアニメっぽいです。

表情は固くありませんし、煙などのエフェクトも徹底的に再現しています。

何よりも素晴らしいのが、そんなクオリティの映像を自分で動かせることです。

かつてのボケボケなセル画アニメを知っている者からしたら感慨深く感じます。

本作を手掛けたサイバーコネクトツーはアニメ原作のゲームを多数手掛けていて、とんでもないクオリティのCGを量産してきました。

ナルティメットストーム、ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル etc…

今作はその時のノウハウを活かしたのでしょうか?

パッと見ただけではアニメなのかゲームなのか区別が付かないほど悟空たちが生き生きと動きます。

技術の進化ってスゲェ

舞空術や筋斗雲でオープンワールドマップを飛び回るのが楽しい!

ここまで原作再現の凄さを語っていきました。

でも、「ドラゴンボールZ」のゲームって今までに沢山発売されてきましたよね?

それらのタイトルの中には原作再現が凄いものもあったので、

「ドラゴンボールZ」のゲームはもう良いよ

と思われる方もいるのではないでしょうか?

ですが、本作の魅力は原作再現だけではありません。

他のタイトルにはない魅力もあるので、ここからはその辺りについて語っていきます。

まず触れたいのが、本作の世界はセミオープンワールドマップで構成されていることです。

広大なマップを読み込み時間なしで。

それも「舞空術」や「筋斗雲」を使って空中を縦横無尽に飛び回れるのですから、移動するだけでも楽しかったりします。

空中には様々な色のオーブが浮かんでいるので、夢中で集めてしまいましたw

このような体験は従来の作品では味わえなかったので、本作の大きなプラスポイントになっている印象です。

補足

あくまでも1エリアが広いだけのセミオープンワールド形式なので、別エリアへ行くと10~15秒ほどのロード時間が挿入されます。

自然に盛り込まれた原作の追体験

本作ならではの魅力としては、戦闘以外の要素が充実しているというのもあります。

川で魚を釣ったり、野球の試合をしたり、二足歩行ロボでレースをしたり。

原作にチラッと登場したマニアックなシーンをゲームとして楽しむことができるので、従来の作品よりもワンランク上の追体験ができます。

「ドラゴンボールZ」と言えば戦いのイメージが強いので日常的な描写はスルーされがちなんですが、本作ではそういったシーンもゲームとして楽しめるようにしているのが凄いですね。

おかげで各キャラクターに感情移入しやすくなりました。

やはり、ムービーだけで済まされてしまうと

さっきまで自分が動かしていたキャラクターが勝手になんか色々やっているよ

といった感じで主人公たちに自己投影ができなくなるんですよ。

クエストやミニゲームは戦闘と比べたら地味ではありますが、合間に挟まれると各キャラクターへの感情移入や自己投影がしやすく感じます。

安定の戦闘要素

本作のメインディッシュとなる戦闘要素は、安定感抜群のクオリティとなっています。

ボタン連打で派手な技を決められる反面、近距離と遠距離の攻防が熱いので、繰り返しプレイが苦になりません。

地味に凄いのが、移動パートと戦闘パートがシームレスに展開されることです。

敵と遭遇したら画面暗転することはなく、すぐその場から戦闘が開始されるので、雑魚との戦いも苦ではありません。

ファン感涙のZ大全集

本作には「Z大全集」というおまけ要素が収録されています。

これはですね、ファン感涙のおまけ要素です。

「Z大全集」では「ドラゴンボールZ」にまつわる様々な情報が掲載されていますが、情報量が凄いんですよ。

例えば膨大なキャラクターの相関図が章ごとに掲載されています。

これは、公式設定資料集に掲載しても良い情報だと思うので、ファンでしたら十数分は眺められるのではないでしょうか?

それ以外の資料も充実していて、

  • ストーリー
  • キャラクター
  • ワールド
  • 生き物
  • 乗り物
  • アイテム
  • 用語
  • カードダス
  • BGM
  • ムービー

といった情報がズラーッと掲載されています。

カードダスに至っては実際に発売されたカードが掲載されているので、昔、集めていた人は懐かしく感じるのではないでしょうか?

追記

アップデートでカード対戦ゲームが追加されました。オンライン対戦にも対応した本格的なもので、これだけでも楽しむことができます。太っ腹すぎでしょw

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個人的に合わない&気になったところ

頻繁に挟まれるファストトラベルによるロード時間

原作の追体験に全力を注いでいる「ドラゴンボールZ KAKAROT」。

しかし、オープンワールド要素との融合は決して上手く行っていません。

ストーリーを進めていくと長いムービーが挿入され、半アニメ状態になります。

アニメ原作のゲームとしてはアリだとは思いますが、ムービーが終わったら

  • 適当なエリアに放り出され
  • ○○へワープしろと命令され
  • ワープしたら10~15秒以上のロード時間が挟まれ

なんて地味な流れが始まるので、興ざめすることがありました。

ムービーが終わった後に適当なエリアに放り出されるのはプレイヤーに寄り道する余地を与えてくれてはいますが、ストーリーメインに進めていたらテンポが崩れてしまいます。

寄り道要素にしてもお使いクエストや素材集めなど地味なものばかり。

ストーリーメインで進めていても章の合間には地味なお使いクエストが挿入されるので、トーンダウンしてしまいました。

セミオープンワールドは本作の魅力の1つではありますが、原作を追体験するという意味では映像+戦闘+ミニゲームだけで構成した方がテンポが良くなったでしょうね。

実際、本作と同じサイバーコネクトツーが手掛けたPS3/Xbox 360「アスラズラース」は映像+戦闘+ミニゲームだけで構成されていましたが、密度に関しては凄いことになっていました。

大雑把なアクションRPG要素

本作はアクションRPGとなっていて、寄り道をしてキャラクターを強化させる要素が存在します。

が、成長要素はキャラゲーらしく大雑把で、あまり奥深さを感じられませんでした。

スキルツリーで必殺技を強化したり、バッジを組み合わせてスキルを発動させたりと、アイデアは良いと思うんですけどね。

ストーリーを進めていくと強制的にレベルがドカーンと上がるので、終盤やクリア後を除けば回復アイテムをがぶ飲みしてのゴリ押しが通用してしまいます。

広大な世界を縦横無尽に飛び回ってキャラクターを強化できるのは魅力的ではありますが、取って付けた感は否めません。

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ドラゴンボールZ KAKAROT(カカロット)のレビューまとめ

原作の追体験への力の入れ具合が半端ない作品。

「ナルティメットストーム」シリーズをプレイした時も思いましたが、こんな凄いゲームを作れる会社が日本の福岡に存在するとはロマンを感じます。

ただ、「ドラゴンボールZ」とオープンワールドの融合は全てが上手く行っているとは言えず、ゲームプレイの足枷になっていると思いました。

「ドラゴンボールZ」の本格的なオープンワールドゲームと思って手を出された場合、肩透かしを食うかもしれません。

その点は気になりましたが、「ドラゴンボールZ」の素晴らしいストーリーはしっかりと再現しているので、クリア後には余韻に浸ることができました。

特に当時アニメを楽しんでいた人は懐かしさも合わせて感じられるので、プレイしていると色んな思い出が蘇ってきます。

原作を知らない方も駆け足で楽しむことができるので、今作から「ドラゴンボールZ」デビューするのはどうでしょうか?

究極の原作追体験に挑戦した意欲作!

こんな人には特におススメ。
・ドラゴンボールZファン。

こんな人にはおススメできない。
・テンポを重視する人。

お気に入り度【75/100%】

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8件のコメント

近年、DBというと格ゲーばかりが目立つので今回のアプローチは新鮮ですね(^^)!

去年のワンピースといい、近年は人気シリーズなら質の良いキャラゲーが台頭してますね。

個人的には、キャラもののスマホゲーが量産されるよりはこっちを応援したい?

今回のアプローチは歓迎です!

ワンピースはあまり売れなかったけど、今作は売れてほしいです。同じくこういう流れは歓迎したい!

レビューありがとうございます!
本作でドラゴンボールのことを知ろうと思い、買うことにします。

ドラゴンボールに詳しい職場の上司から聞いたのですが、Zというと本編では途中からのスタートなんですね…!自分は本当に無知なのだと痛感させられました。
この機に少年時代の悟空のことについても予習して、こちらのゲームを楽しみたいです。

おお!参考になりましたか!?

ドラゴンボールと言えば世代を超えて愛された少年漫画の代表格なので、知っていると年上の方とのコミュニケーションにも役立つと思います。

実はドラゴンボールZってドラゴンボールの続編になるんですよね。

買おうか悩んでいたソフトだったのでレビュー待ってました!
総合的にはまあまあのものでしたか
同じくジャンプゲームのワンピースのオープンワールドゲームがイマイチだったので不安でしたが、ホッとしました笑

開発インタビューによるとKAKAROTは開発に約5年かけていたそうですが、もし2作目が出るとしたら問題点も改善されているといいですね、ナルティメットストームも2作目からは色々と改善されましたし。

参考になったようで良かったです♪

短所も目立っているので手放して褒められるゲームではありませんが、原作の再現度はかなり凄いです。

このゲーム、開発に5年もかけているんですか!?発表されたのは1年前なのでそんなにも時間を掛けていたことにビックリしています。

この調子で初代やGTのストーリーを追体験出来る新作を出してほしいなー♪

トロコンしました!

とにかく原作愛が強い印象のあるCC2ですが、今回も流石ですね!しかも今回はZの範囲すべてなので、なおさら強く感じました。
原作と比較しながらプレイしていたんですが、ムービーでの表情や動き、エフェクトはもちろん、ムービー以外の細かいシーンのセリフや表情までほぼ完璧に再現されていて思わず「ここまで再現してるのか…!」と声に出てしまいましたwその上なるべくテンポを崩さないようにという配慮を感じました。やむなくカットされたシーンがあったのも、そういうことなのだと納得できます。重要なシーンではZの人気BGMを使っていたのもあり、超ヌルヌル動くアニメを見ているようでした!
また、原作を補完するエピソードも良く、Zで出番の少なかったキャラの登場、メインストーリーに直接繋がる良改変などがあり、決してボリュームの水増しには感じませんでした。
近年のゲーム、アニメのキャラや設定を盛り込んでいたのもよかったです。

広いフィールドを飛び回れるのはやはり本作の醍醐味ですね!恐竜を倒したり、果物をとったり、クエストをこなしたり、建物や風景も思った以上につくり込まれていて、ドラゴンボールの世界に入った気分になれました!ドラゴンボール集めも、同じミッションを繰り返すだけの作業になっていた従来の作品とは違い、実際にフィールドにあるものをクエストや素材集めをしながら集めることができたのが良かったです。ミニゲームも無理矢理いれたような印象はなく、むしろ没入感を高めるものになっていました!

バトルは気のオーラがアニメ風で熱かったし、敵とのレベルが近いと考えながら動かなければならないため、駆け引きを感じられて良かったと思います。ただ、スーパーアーマーはちょっと鬱陶しかったかな〜

一方で、ゲーム部分だけを見ると、やはり平凡な印象があります。クエストもやること自体は単純ですし、バトルも正直ゼノバースの方が好みかな〜
ちなみにロード時間に関しては、アップデートで改善されていて、ノーマルPS4でも10〜15秒ほどだったので、あまり気になりませんでした。

とにかく原作愛がすごい!の一言です。ファンなら絶対買いだし、ドラゴンボール入門用としても良いと思います。原作再現でこれを超えるゲームは(あったとしても)当分ないと思うので、永久保存版的なゲームと言えそうです!ぜひ、少年編やGT、超なども出してほしいです!

トロコンしましたか!?ドラゴンボール集め、大変だったんじゃ!?

ドラゴンボール好きのnicondさんなら興奮するんじゃないかと思いました!

ぼくは原作を視聴したのがだいぶ前なので記憶が曖昧ですが、「そういえばこんな風だったな~!」と懐かしみながら楽しむことが出来ました。

原作と比べてだいぶカットしているように感じますが、テンポが良くなっていますよね!

サブクエスト系も本編では描き切れなかった部分も描いているので、特に魔人ブウやサタンのサブクエストは嬉しかったです。

ドラゴンボール集めは実際に飛び回って探すところがオープンワールドゲームらしくて良いですね。初期のドラゴンボールで感じられた冒険を体感出来ました。

バトルはスーパーアーマーが不評ですねw 終盤のバトルはスーパーアーマーによって苦戦しましたが、ゲームらしいカタルシスを味わえたのが良かったです。

ロード時間はそんなにも短縮されましたか!?体感で半分以下になっているとは!?記事の方、訂正しておきますm(__)m

このゲーム、開発に相当な期間を費やした大作のようです。発表から発売までそれほどインターバルがなかったので驚きました。

確かに無印やGT、超版も出してほしいですね!出たら買ってしまいそう♪