【レビュー】F-ZERO X エクスパンションキット [評価・感想] N64向け名作レースゲームのコースを自由に作成できる最高の拡張ディスク!


F-ZERO X エクスパンションキット/64DD

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2000年4月に配布された64DD「F-ZERO X エクスパンションキット」のレビューをしていきます。

本作はN64「F-ZERO X」のコースをクリエイトできるゲームになりますが、同作品の遊びを広げる最高の拡張ディスクでした!

1998年に発売されたN64「F-ZERO X(エフゼロエックス)」。

1,000km以上のスピードで反重力のコースを30台同時に走行できる当時としてはハイスペックなレースゲームになります。

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今回レビューする64DD「F-ZERO X エクスパンションキット」ではそんな「F-ZERO X」のコースを自由に作成できるのだから溜まりません!

残念ながらオンライン機能を使ってアップロード/ダウンロードすることが出来ませんが、トータルで280種類のコースを作成しました。

ここからは64DD「F-ZERO X エクスパンションキット」について詳しく語っていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • N64「F-ZERO X」のコースをクリエイトできるゲーム。
  • マシンのクリエイトモードも収録。
  • 新たに10種類のコースも追加収録。
初リリース日 2000年4月
対応ハード 64DD
ジャンル クリエイト
売上 累計1.5万本
推定クリア時間 5~6時間(追加コース分)
発売元 任天堂

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良いところ

輪ゴムを曲げる感じで「F-ZERO X」のコースを作成できる

ステージやコースを作成するゲームで代表的なのが、サンプルのパーツを繋ぎ合わせていくタイプになります。

例えばレースゲームの場合、カーブや直線のパネルを繋ぎ合わせていく形式が一般的でしょう。

ところが本作の場合、輪ゴムを曲げるような感じで作成できるんです!

まずは4つのポイントを設置していきましょう。

すると、丸い円形のコースが完成します。

そこからポイントを増やしていき、それぞれを引っ張っていくとアラ不思議。

コースレイアウトがグニャグニャと曲がって行くんです!

レールを繋ぎ合わせていく形式のクリエイトゲームに慣れていると最初は戸惑いますが、慣れてくるとアナログ感のあるコースを作成出来ます。

もちろん、ベースとなっているのは「F-ZERO X」なので、高さや角度を調整して立体感のあるコースレイアウトにも出来ますよ~!

簡単にギミックを設置できる

「F-ZERO X」のコースには様々なギミックが設置されています。

回復ゾーン、トラップ、パイプ、シリンダー、トンネル etc…

本作ではこれらのギミックを簡単に設置することが出来ます。

設置の方法は簡単。2つのポイントを選択して指定のギミックを選ぶだけ。

すると、自動でギミックが2つのポイント間に設置できるんです!

これを繰り返せば僅か10秒で数百メートルにも及ぶトンネルを設置出来たりします。

同じような手法で道路のデザインや背景の変更もできるので、慣れてくると簡単にコースを量産できるのが嬉しい!

100種類のコースを保存できる

なんと、本作には100種類のコースを保存出来ます!

さすが大容量の書き換え領域を持った64DDソフト!

N64ではありえないほど大量のコースを保存出来ます。

まあ、ぼくの場合、100種類作るのには飽き足らず、データを消して280種類も作成しましたがw

F-ZERO Xのコースをクリエイトモードで呼び出せる

なんと本作、N64「F-ZERO X」のメインモードに登場する全てのコースをクリエイトモード内に呼び出せます!

つまり、本編で苦戦したコースをクリエイトモードでイジることができるんです!

クリエイトモードではコースを俯瞰することもできるので、

あのコースのレイアウトはこうなっていたのか!?

という発見も生まれ、「F-ZERO X」をやり込んだ人ほど唸ることでしょう。

ぼくも本編のコースをクリエイトモードで色々と弄ってみましたが、さすが開発者が手掛けた神コース!

どのコースも複雑なレイアウトを美しい曲線で描いていて、イジっていると勉強になります。

コースをクリエイトできると言いますが、面白いコースって簡単には作れないんですよ。

本作の場合、少しでも難易度を上げたり複雑にするとCPUが思うように走行してくれず、コースアウトが多発しますから・・・。

最悪、全てのCPUがコースアウトしてレースが成立しなくなることだってあります。

美しい見た目、複雑なレイアウト、走行する楽しさ、CPUが脱落しない難易度調整。

これらの条件を満たしたコースを作成するのは簡単なことではありません。

追加コースを収録!

64DD「F-ZERO X エクスパンションキット」はクリエイトだけのゲームではありません!

新たに2つのカップが追加され、合計すると10の新コースがプレイできるようになったんです!

いずれも本編をやり込んだ人向けの高難易度コースで、「JOKER」カップのコースを上回るほどの難しさとなっています。

ぼくの場合、「DD-1」カップだけマスタークラスでクリアすることが出来ませんでした。

それ以外のカップはすべてマスタークラスでクリアしたと言うのに!!!

当時はプレイタイムが100時間を超えるのが当たり前になるほど1つ1つのタイトルをやり込んでいたので、20年経ってもクリア出来なくて悔しいw

オリジナルマシンをクリエイトできる!

さらに本作ではオリジナルマシンをクリエイトすることも出来ます!

といっても3×7種類のパーツを組み合わせて「色」「マーク」「模様」を指定するだけなので自由度は高くありません。

性能の設定も出来ますが、「ポケットモンスター」シリーズで言う種族値に限度があるのでチート級のマシンは作れないようになっています。

とは言えおまけとして考えたら有り難く感じました。

地味に嬉しい要素の数々

それ以外にも本作は「F-ZERO X」を拡張する機能が用意されています。

例えばBGMがモノラルからステレオにパワーアップしているんですよ。

初めてプレイした時は音質の向上を実感出来たので感動しました!

「F-ZERO X」は数多くの名曲が収録されているので、音質の向上は何気に大きなポイントです。

地味に嬉しいのが、64DD「マリオアーティスト ペイントスタジオ」との連動機能。

同作品のデータ管理画面で「F-ZERO X エクスパンションキット」のディスクを挿入すると、キャプテン・ファルコンを始めとするペイントデータを入手できるんです!

ということはキャプテン・ファルコンたちを64DD「シムシティ64」の住人にもできるということじゃないですか!?

単にペイントデータが収録されているとは言え、遊びの幅を広めてくれるおまけ要素に感じます。

新曲や新マシンも追加されていますぞ

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惜しいところ

とっつきにくい操作性

様々なコースをクリエイトできる64DD「F-ZERO X エクスパンションキット」ですが、クリエイトモードのユーザーインターフェースはイマイチに感じます。

まず気になったのが、クリエイト画面のコースはカメラの中央軸が設定できないこと。

そのうえカメラ調整は十字キーやLRボタンを使ったやりにくい形式なので最初は戸惑いました。

「マリオアーティスト」シリーズのように中央軸を設定して3DスティックとCボタンユニットでカメラ調整できる形式にしてほしかった。

レスポンスも良いとは言えず、何かを設置する度に一瞬だけ画面が止まります。

(ヒットストップに近い感覚を味わえるので設置した感は味わえますが)

オンライン機能には非対応

本作の致命的な欠点。

それは、オンライン機能に対応していないことです。

これでは作ったコースをアップロードしたり他人のコースをダウンロードできないじゃないですか!?

もし、出来たら遊びの幅がさらに広まったと思うだけに惜しい。

同じ64DDソフトである「マリオアーティスト」シリーズの場合、「コミュニケーションキット」というディスクを使ってアップロード/ダウンロード出来ました。

それだけに本作でも出来たら良かったのですが。

分かれ道を設置できない

本作のクリエイトモードは自由度が高く感じますが、プログラムの構造上、分かれ道を設置することは出来ません。

N64「マリオカート64」の「ヨッシーバレー」みたいな迷路を作れたら良かったのですが・・・。

SFC/GBA版の「F-ZERO」では分かれ道が存在しただけに、この点に関しては劣っているように感じます。

F-ZERO Xがないと楽しめない

本作はN64「F-ZERO X」の拡張キットなので、同作品がないと楽しめません。

問題なのが、64DDを購入すると本作も一緒に配布されたこと。

「F-ZERO X」がないと楽しめないというのに・・・(泣)

当時は「F-ZERO X」を持っていなかったので、泣く泣く買いました。

すると、これがめちゃくちゃ面白い!

きっかけはともかく、「F-ZERO X」という素晴らしいゲームに出会えたのは嬉しく思います。

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F-ZERO X エクスパンションキットのレビューまとめ

ぼくが持っていた夢を叶えてくれた作品。

ゲーム開発者になりたい欲は本作である程度満たすことが出来ました。

プレイしてくれる人はほとんど居ませんでしたが、自由にコースを作って走るだけでも楽しんでいた記憶があります。

オンライン機能に対応してリマスター化したバージョン、現行機向けに出ないかなぁ・・・。

N64向け名作レースゲームのコースを自由に作成できる最高の拡張ディスク!

こんな人には特におススメ。
・F-ZERO X好き。
・クリエイト好き。

こんな人にはおススメできない。
・クリエイトが苦手な人。

F-ZERO X エクスパンションキット/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約100時間

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4件のコメント

読み始めのときは、エフゼロ×64DDということで、マイナー×マイナーのかけあわせであまり読む気はそそられなかったのですが、読んでみて「これはクリエイティブな作品じゃん♪」とおもしろくなり一気に読み進めてしまいました。

こんなユニークなのをかつての任天堂が出していたなんて!?

確かにこれは是非、マリメのノウハウで現行機にリメイクしてほしいですね。
個人的には、「マリオカートメーカー」なるものを次回作として出せば面白いかなと思いました!
今のマリカは、8以降正統進化は頭打ちだと思ってますので。

エフゼロの場合は、15年前から休眠中なのでまずはリブートなんかして復活しないとね!
日本語圏だと微妙ですが、海外ウケしないのかな?

ケントさんは、ゼルダといいやっぱりきっかけはN64からスタートしてるんですねwww

おお!それは嬉しいお言葉です!

そうなんですよ、こんな素晴らしいゲームをかつては出していたんです!

64DDソフトは全部好きですが、本作もかなり楽しめました。

マリオカートメーカーが出たら本作のツールがそのまま使えそうw

マリオカート8のコースデザインって今作とかなり似偏っていますから。

F-ZEROの新作も出てほしいなぁ・・・

N64の時点でここまでしていたのにも関わらずGXでは何故導入しなかったのだろうな。
まあセガと組んだからやも知れんが。
ありがちなコースクリエイトと違う方式なのは興味があるな。
立体コースでコースアウトやらはジェットコースター作成可能なゲームでも良くある。
一見普通に行けそうなのにも関わらず加速しすぎていて飛び跳ねるとかな。
任天堂のレースゲームとしてはこの時点で完成してしまったのやも知れんが、DDユーザー以外に日の目を見なかったのは残念なところか。

その辺りはGXの不満点としてあります。

まあ、ゲームエンジンが全然違うので実装は難しかったとは思いますが・・・。

確かにクリエイトの方式はジェットコースターを作成する感じでした。

個人的には未だにレースゲームの最高峰です。