【レビュー】星のカービィ 夢の泉の物語 [評価・感想] 桜井政博さんが本領発揮したファミコン末期の名作!


星のカービィ 夢の泉の物語/FC

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回はFC「星のカービィ 夢の泉の物語」のレビューをしていきます。

本作は2Dアクションゲーム「星のカービィ」シリーズ2作目となりますが、完成度の高さがヤバいです!

どのくらい高いのかと言うと、前作が霞んで見えるくらい。

ファミコンソフトとしても完成度が高く、同ハードの最後を飾る名作として挙げても良いんじゃないかと思いました。

本作のディレクターは後に大物となった桜井政博さんですが、彼の本領が見事に発揮されています。

一体、何がそんなに凄いのでしょうか?

ここからはFC「星のカービィ 夢の泉の物語」の良いと思った点から語っていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • カービィが主人公の2Dアクションゲーム。
  • 新たに敵の能力をコピーして戦うシステムが追加。
  • 1つのボタンだけで楽しめるサブゲームも初登場。
初リリース日 1993年3月23日
対応ハード FC
ジャンル 2Dアクション
推定クリア時間 4~8時間
売上 累計100万本
発売元 任天堂

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良いところ

ファミコンの限界に挑戦した映像美

「え?これがファミコンソフト!?」

初めて本作をプレイした時、ファミコンソフトとしては異次元の映像美に驚かされました。

滑らかに動くカービィや敵キャラクター、描きこまれた背景。

どれを取ってもスーパーファミコンレベルで、ファミコンソフトの常識を超えています。

ぼくが特にそう感じたのが、背景の書き込みです。

カービィの後ろで流れる滝のアニメーションとか、影の表現によって奥行きを持たせた建物の中とか。

普通のファミコンソフトだったら単色で済ませてしまいそうなところをしっかりと描いているので感心しました!

さらにド肝を抜かされたのが、レベル3の「バタービルディング」です。

このステージではタワーを登っていくことになるんですが、屋外を移動している時はタワーが回転するように動くので、ファミコンソフトとは思えないほどの立体感を味わえました。

本作が発売されたのは1993年。

ファミコンが発売されてから9年も経っているので、同ハードの仕様を徹底的に知り尽くした設計がなされています。

1983年に発売された古いゲーム機でも本気を出せばここまでの映像表現が実現できるのか!?

コピー能力で大幅に広がった攻略の自由度

「星のカービィ」シリーズを語る場合、本作は絶対に欠かせません。

ぼくがそう思った最大の要因が、コピー能力が初登場した作品だからです。

今作では吸い込んだ敵キャラクターを飲み込むことで能力をコピーすることができます。

例えば炎タイプの敵を飲み込んでみましょう。

すると、カービィも炎攻撃ができるようになります。

コピー能力の中には複数のアクションを繰り出せるものもあるので、まるで別キャラクターを操作しているかのよう。

各ステージはそんなコピー能力を使うことを前提にして設計されています。

例えばレーザーを使うこと前提のステージでは反射する坂道を至るところに設けるとか・・・。

コピー能力とステージが連動することで前作では見られなかった体験が待っています

用意されているコピー能力は全25種類。

中には使い勝手が悪いものも含まれていますが、だからこそ攻略の自由度が高まり、同じステージでも複数の楽しみ方が生まれています。

お気に入りのコピー能力はバーニング♪

桜井イズムを感じられる遊び心

本作のディレクターは前作に続いて桜井政博さんが担当しています。

桜井政博さんの作品と言えば、

  • 幅広い層への気配り
  • スタイリッシュな演出
  • 独特なユーモアセンス

といった3つの特徴を併せ持っていますよね?

前作では控えめでしたが、今作では桜井節全快となっていて、彼のセンスがキラリと光る内容になっています。

まず紹介したいのが、前作のTVCMにもなったカービィの絵描き歌です。

この歌はオープニングに挿入されるんですが、ビックリするほど簡素な内容で、そこが笑いを誘うんですよねw

続いて紹介するのが、カービィの状態を視覚的に表現したウインドウです。

ここにはコピー中の能力が表示されるだけではなく、ダメージを受けた時や能力を持たない敵を飲み込んだ時、ゴールした時などにも専用のイラストが挿入されます。

その1つ1つがアートのようなデザインとなっているので「センス良いなぁ」と思いました。

個人的にはダメージを受けた瞬間、右下のウインドウに表示される「いたっ!」の演出がお気に入り♪

他にも1つのボタンだけで楽しめるサブゲームが収録されていたり、クリア後の隠しモードが充実していたりと桜井政博さんのサービス精神を感じられました。

ファミコンソフトではありますが、気配りの凄さは今でも通用するほどズバ抜けています。

好きなBGMはレベル5の「YOGURT YARD (ヨーグルト ヤード)」です♪

前作から大幅にボリュームアップ!

前作のGB「星のカービィ」は丁寧な作りではあったものの、ボリュームが圧倒的に足りませんでした。

用意されているステージは僅か5種類。

最終ステージに至っては過去に戦ったボスとの再戦が中心で、容量不足で四苦八苦しているのが伺えました。

開発者の方々も反省されたのか、今作は大幅にボリュームアップしています。

用意されているステージは47種類。

ボスステージを除いても39種類もあるので、前作比で見ると約8倍となっています。

そのうえ

  • 3種類のサブゲーム
  • 25種類のコピー能力

といった新要素も追加されているのですから、前作からの進化具合が凄いことになっています。

こんなにも詰め込まれたゲームを前作から1年足らずで発売したとは・・・今考えると恐ろしいw

ちなみにリセットボタンを押しながら電源を切ればデータが自動でセーブされます。

ファミコンソフトの中にはセーブ機能が搭載されていなかったり、パスワードをメモしないと続きから始められなかったので、素晴らしい仕様だと思いました。

探索する楽しさ

各ステージには「スイッチ」が隠されています。

「スイッチ」を押すと各レベルの施設が解禁されるんですが、これがですね、巧妙に隠されているんですよ。

壁にカモフラージュした扉の奥とか、特定のコピー能力を使わないと壊せないブロックの奥とか。

初見だと気が付かないような場所に隠されているので、探索する楽しさも強化されているなと思いました。

この点はコピー能力とも相性がよく、どの能力を使えば隠し部屋が見つかるのか?

終盤のステージでは考えることもありました。

そんな「スイッチ」ですが、全てを作動させ、ゲームをクリアすると「エキストラモード」が解禁されます。

こちらは前作にも見られた高難易度のモードになるので、腕に自信がある方は試してみると良いかも!?

クリアするとさらなるご褒美が待っていますぞ

初心者への配慮もバッチリ!

ここまで「星のカービィ 夢の泉の物語」で追加された要素などを語っていきました。

でも、これだけ要素が追加されていると

初心者が混乱するんじゃないの?

と思われるかもしれません。

ですが、そこは初心者に優しい「星のカービィ」。

今作では超わかりやすいチュートリアルビデオを収録しているので、そちらをご覧になればどんなゲームなのかバッチリわかります!

もちろん、チュートリアルビデオを見なくても体で覚えていけるような設計で作られているので、初心者でも安心の作りとなっています。

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惜しいところ

処理落ちが発生する

ファミコンの性能では限界があったのでしょうか?

全体的に処理落ちが目立っていて、画面がスローモーションのようになることがあります。

特にスパークというコピー能力を使用すると必ず処理落ちするので、人によっては気が散るでしょうね。

個人的には必ず処理落ちすることで意図的なスローモーションを起こすことができてそれはそれで面白く感じましたが、テンポは悪いなとは思いました。

ちなみに2012年に配信された3DS「3Dクラシックス 星のカービィ 夢の泉の物語」では処理落ちが改善されています。

基本的な内容はファミコン版と一緒なので、快適に楽しみたい方はこちらがおすすめです。

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星のカービィ 夢の泉の物語のレビューまとめ

とんでもないくらいの進化を遂げた作品。

前作が「1」だったら今作は「3」と名乗っても良いくらいパワーアップしています。

本題では挙げませんでしたが、後のシリーズではお馴染みとなった

  • ステージセレクトができる「エントランス」
  • ボスと連続で戦っていく「ボスラッシュモード」
  • タイミングよくボタンを押していく「ゴールゲーム」
  • ダッシュやスライディング、貫通弾といった「テクニック」

などの要素が初登場していますし、「星のカービィ」の基礎は本作で確立された印象です。

後に大物となる桜井政博さんがディレクターとして関わった作品の2作目ですが、個人的には今作で彼の本領が発揮されたと思っています。

桜井政博さんが本領発揮したファミコン末期の名作!

こんな人には特におススメ。
・2Dアクションゲーム好き。
・2Dアクションゲーム初心者。

こんな人にはおススメできない。
・処理落ちに神経質な人。

お気に入り度【75/100%】

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16件のコメント

今作のカービィはマリオでは「3」みたいな感じで今作がフォーマットとなって発展した作品が多いのである意味今作がカービィシリーズのスタートのようなものですね(^^)
僕はGBA世代なので「鏡の大迷宮」のあとにリメイク版の「夢の泉デラックス」で始めてプレイしました。はじめやったときは「鏡の大迷宮」と違ってコピー能力のアクションが少ないので微妙でしたが、高校ぐらいで3Dクラシックスの本作をやってようやく本作の味を知りました。
まだコピー能力の出始めでコピー能力一つ一つに多彩な技はないのですが、そのシンプルさとステージがテンポよくポンポンと行ってしまうので、高校時代に改めてのめり込みました。
このシンプルなコピー能力や1ステージの短さは近年のカービィにはできない魅力だと思います。
ちなみにオリジナル版は塔がまるで立体的に動くのですごかったです。あれだけはリメイク版がある一点を移動するもしくは霧が晴れると扉が出てくる謎仕様だったのでそこはオリジナル版がいいと思いました。
でもオリジナル版はスパーク発動時の処理落ちはちょっといただけないですね?欠点を言えば、そのくらいですが。
オリジナル版☆8
デラックス版☆9

マリオでいう「3」みたいなポジションなので、例えはあながち間違いではなかったようですねw

「夢の泉デラックス」は未プレイですが、本作の発売から9年後でも通用する内容だったのではないでしょうか?

1993年のゲームになると色褪せている作品も多いけど、本作は普通に楽しめるので凄いですよね。

今、映像を見てもさほど粗くは感じられないからビックリです!

今の感覚では信じられませんが、ファミコンの頃は処理落ちも楽しんでいました。

処理落ちを狙うかのようにプレイしたりしてw

欠点ではありますが、遊び要素にもなるんですね~

夢の泉の物語はオリジナル版は持ってなかったんですが、3DSVerやVC、後は20周年版でやりました。

このカービィからコピーが登場しましたし、ある意味カービィの原点かもしれないですね。
メタナイト戦が異常にむつかしかった記憶がありますけど、あれどうも見た目以上に横に判定が広くなっていたみたいです。3DS版は目移植だったからか修正されてました。

ゴールゲームの7から順番にやると30upって今でこそ知名度は上がってますけど、当時知ってる人は相当少なかったでしょうね。
おかげで3DS版は再現されてなかったですしw

あと、HAL部屋!カービィと言ったらHAL部屋ですが、あれは見つけづらいw
仕様と言うよりバグみたいな出し方ですしwww

個人的にナイトメアウィザード(第2形態)よりナイトメアーズパワーオーブ(第1形態)の方が難しかったwww (ナイトメアーズパワーオーブは後にナイトメアパワーオーブに名称変更してますね)

今やカービィでコピー能力はあって当然ですもんね~。

本作で基本的なシステムは完成したと思います。

改めてリメイクして発売しても通用しそう。

3Dクラシックスはベタ移植かと思いきや、目コピ移植のようでビックリしました!

こういう移植タイトルってそれぞれを比較しながらプレイするのも面白そうですよね♪

HAL部屋ってこんな早くから収録していたんだ!?

改めて知って驚きましたよ~。

メタナイト戦は異常に難易度が高いことで有名ですよね。

あと、30UPの裏技は初めて知りましたよ。そんなものがあったのか!?

確か社長が訊くに載っていたことですが、敵を消滅させてカービィが変身するというのがプログラマーにとってはかなりキツい仕様だったみたいですね。
プレイヤーにとって普通というか、何でもないところでも開発者は苦労を重ねて違和感の無いように作品を作り上げているんだなぁと感心しました。

私はWiiのカービィ20周年パッケージで初めて今作のオリジナル版をプレイしたのですが、本当にファミコンのゲームとは思えなかったです。
メタルスレイダーグローリーのVCをプレイした時も思いましたが、HAL研のプログラマーは天才集団かよ!ってw
岩田社長もHAL研出身ですし。

そういえば各ステージの頭文字をつなげると別の意味になる遊び心も今作からですね。

社長が訊くなどのクリエイターインタビュー記事って、プレイヤーからは想像も付かないほどの苦労話が出てきて参考になります。

確かにファミコンのゲームで敵を消滅させてカービィを変身させるって高度なプログラミング技術がないと難しい気がするな~。

本作はファミコンゲームの先入観を持っていると今でもビックリしますよねw

ファミコンのロンチタイトルとして発売されたドンキーコングと本作を比べてみると同じハードでとても発売された作品とは思えませんw

HAL研究所は天才集団と時が流れる毎に感じましたね~。

カービィが倒産危機から救ってくれて本当に良かった・・・

桜井さんは本当に天才的ですよねー
個人的には、パルテナ2をずっと待っているのですが
なかなか出ませんねw
もしくは、カービィ、スマブラ、パルテナに続く、別の新作も見てみたいですね!

桜井さんはスマブラ以外の新作もどんどん発売して欲しいと思っています!

パルテナ2はもちろん、それ以外にも色々出して欲しい!

前作から結構な期間が経っているので、今年中に動きがあったら嬉しいのですが・・・

ミニゲームが入ったのもこれからだったな。
ダメージを受けた時のはこちらも似た様な印象だった、芸が細かいと。
マイクが消耗品3回になったのはこれからだったかね。
処理落ちは気にしていなかった様に思う。
言われてみればと思い出したぐらいで、これも楽しめていた印象しかないのだろう。
絵描き歌は当時のCMで印象深く出たのをFCで再現してあり、今でもラクガキにカービィを描く時は思い出す。
GBの1に比べてヒゲのようなものが追加されているな。

昔聞いた話ではメタルスレイダーと夢の泉には因縁が有るとか無いとか。

ミニゲームはカービィの定番になりましたもんね。

マイクは強力なので、消費型にしたのは良かったと思います。

本作の処理落ちは個人的には遊びとして楽しんでいましたが、気になる人は気になるようですね・・・

そう言えばTVCMも絵描き歌なんでしたっけ?

もし、YouTubeにあったらチェックしてみようかな。

メタルスレイダーと夢の泉に因縁があったとは!?

同じHAL研究所なので、何かしらあるかとは思っていましたが・・・

3Dクラシックスで初プレイしてその後カビコレでオリジナル版をプレイしました。1作目と比べてかなりパワーアップしてますね、ボリュームも大幅にアップしてますしグラフィックもFCとは思えないクオリティでコピーもこれが初登場なんですね。この作品でカービィシリーズの基礎が完成したといっていいほどでした。
最後のボスラッシュモードもあって途中で回復できない仕様でしたから結構苦戦しました

本当に1作目からのパワーアップぶりが半端ない作品だと思います。

ナンバリングは付いていませんが、ファミコンソフトとしては破格のクオリティですし、カービィの歴史に残る作品ですね。

そうそう、ボスラッシュモードもしっかり用意されていて、この頃からあったんだなぁと感心させられます。

自分がカービィを知ったのはこの作品が初めてでした
コピー能力やダッシュ、スライディング、水鉄砲、貫通弾など
以降のカービィでも採用されている基本アクションは
本作でほぼ確立されていますね
当時はあまり関心を向けていませんでいたが
今見ると豊富なキャラパターンや多重スクロールなど
FCゲームとしてはかなり高度なプログラミングが
されているのが分かります
FC末期に発売された本作はミリオンヒットを記録し
FCの終わりを鮮やかに飾ったといえるでしょう

僕がこのゲームを初めてプレイしたのは2007年のバーチャルコンソールからでした。

その頃はある程度ファミコンに対する知識があったので、驚きましたね!

こういうのってある程度、ゲーム歴がないと気が付かないことなのかもしれません。

売上に関しては末期なのにも関わらず100万本前後とは凄い!

これ楽しいけど難しいwコピー能力の始まりもここからなんですね!!