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【レビュー】ラストウィンドウ 真夜中の約束 [評価・感想] 手堅くまとまった無難な作品

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ラストウィンドウ 真夜中の約束

2010年1月に発売されたDS「ラストウィンドウ 真夜中の約束」を今回はレビューします。DS「ラストウィンドウ 真夜中の約束」はアパートに隠された謎を探していくアドベンチャーゲームです。

製作は2007年1月に発売された前作DS「ウィッシュルーム 天使の記憶」と同じくCINGが担当。

良いところ

前作を良い点を踏襲

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DS「ウィッシュルーム 天使の記憶」の続編となるDS「ラストウィンドウ 真夜中の約束」。

前作で個人的に良いと思った点は今作にもしっかりと引き継がれていて、そこはとても安心しました。ここからはその踏襲した点を一つ一つ書いていきます。

DSの機能を活かしたゲーム性

⇒タッチスクリーン、2画面、マイクなどDSならではの機能を使ったゲームシステムは前作のような新鮮味こそは無いものの小説を読み解くような雰囲気が出ていて味になっていました。前作で不満だったインターフェース面に若干の改良が見られたのも良かった。

雰囲気の良さ

⇒モノトーンの手書き風イラストで描かれたキャラクターはよりシャープな仕上がりとなり、そのせいか前作よりもキャラクターが魅力的に描かれているような気がしました。

大人っぽい渋い雰囲気のBGMも相変わらずで、雰囲気ゲーとしても楽しめる仕上がりになっていると思います。

物語の分かりやすさ

⇒前作同様各チャプターの終了時には「これまでの出来事」を振り返るイベントが発生するため、定期的におさらいが出来て物語を理解しやすい作りになっていると思いました。

小説システム

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本作からの追加点として、各チャプターが終了する毎に主人公の行動が小説として描かれ、それを読むことができるようになりました。

小説のボリュームは非常に多く、内容も主人公の行動次第で微妙に変化するようになっており、「おまけ」の域から出た作りになっています。しおり機能やBGM変更機能も嬉しい。

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惜しいところ

やや面倒な移動

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何度も行き来しなければならず、少々ストレスが溜まりました。終盤からはエレベーターが使えるようになりますが、これを使っても移動が快適になる訳ではないので残念。

理不尽な謎解き

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2.3個ほど非常に難解でヒントが少ない謎解きが存在して、多くの方がそこで躓くと思います。

また、感度的な問題で詰まってしまう事もチラホラあって相変わらず謎解き部分の出来はイマイチに感じました。

良く出来ているけど無難なストーリー

ストーリーは良く出来ていると思うけど、イマイチ引き込まれません。ハードボイルドな雰囲気は良いし、みんな良い人なんだけどもう少し意外性というか刺激が欲しいんですよね。

例えば殺人事件が発生するとか。任天堂のゲームだからかそういう刺激的な描写が少ないんです。

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全体のまとめ


前作からの改善点もいくつか見られ、その点は頑張っていると思ったのですが、肝心のゲーム性、ストーリー性共に前作同様突き抜け切れておらず、良くも悪くも無難な作りになっていました。

ストーリー自体は良く出来ているんですが、引き込まれる要素が少なく、そこまで熱中する内容では無かった気がします。

この無難な作りこそがCING製アドベンチャーゲームなんだと思いますが、他の尖ったアドベンチャーゲームを遊んでからだとどうしても何かを求めてしまう。

こんな人には特におススメ。
・ミステリー小説好き。

こんな人にはおススメできない。
・ミステリー・サスペンス物で「殺人・誘拐」を求める人。
・テキストを読むのが苦手な人。

ラストウィンドウ 真夜中の約束/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約15時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。

 

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  1. y.crash より:

    ハードボイルドでストーリーはしっかりしていても無難だと微妙になっちゃうんですね。任天堂のゲームだと確かに刺激的なゲームは出にくいって感じはありますけど、中には例外がありますからね。ベヨネッタ2とかw

    任天堂のゲーム機で殺人事件を求めるなら、ポートピア連続殺人事件・・・いや、何でもないですw まあ、ほかの会社が発売したゲームならあると思いますねw

    • kentworld より:

      ベヨネッタ2はそんな刺激的なのか!?まあ、キャラデザインがまずねw
      最近はどうなのかわかりませんが、当時の任天堂は外注でも規制みたいなものがあったんですよ。
      ラストストーリーも任天堂チェックでストーリーが無難な物に変更されたとか。

  2. トモフミ より:

    ラストウィンドウは気になっているのですが、DSの後期に出た分、前作のウィッシュルームと比べ全然中古が出回ってないですよね。むしろ今、中古で購入したらプレミアが着いてそう…これこそVCで出すべきだと思うのですが、最近はその資産をスイッチに生かすためなのかWiiUであまりソフトが追加されなくなってきました(;_;)

    • kentworld より:

      このゲームは出回っている本数がウィッシュルームと比較してかなり少なめだったりします。
      いずれバーチャルコンソールに出そうなんだけど、スイッチ向けに出すのかなぁ?

  3. ヨウタイガ より:

    ウィッシュルームはやりましたが、続編は未プレイです。確か、妻が妊娠中に安静にしなくちゃいけない時期があり、暇つぶしにと初代DS本体とソフトを買ってプレゼントしました。まあ、その後は僕の方が多く本体を使いましたが(笑)
    ミステリーが好きなので、この手のジャンルはどんどん出て欲しいのですが、やはりシステム周りの快適性が評価に大きく影響しますよね。今作も行ったり来たりがあるようで、早くストーリーを進めたい時にそれだと、ちょっと残念ですね。

    • kentworld より:

      ウィッシュルームはプレイされていたんですね!
      期間が開いているようでしたらこのゲームを始めてプレイした時に懐かしさを感じられるかも。

      このレビューを書いたのが実はかなり前なので詳しい事はあまり覚えていないんですが、
      確か、快適性に欠けた気がするんですよね。CINGがDS/Wii向けに出したアドベンチャーゲームはいずれも謎解きの出来がもう一歩でした。

  4. シロマ より:

    任天堂にしては非常に珍しいハードボイルドな雰囲気のゲームですね。
    スマブラXかforに主人公にフィギュアがあったと思います。

    • kentworld より:

      主人公のフィギュア、そう言えばありましたね!任天堂のゲームではマニアックな位置付けになると思います。

  5. ☆☆☆☆ より:

    殺人が無いと退屈か…
    自分も同様では有りますが、いざ言葉にされると物騒な思考してるなwと思います

  6. 黒詩★紅月 より:

    『極限脱出』シリーズと同じくタイトル関連性が低いですね
    『レイトン教授』シリーズが流行った時期に出て埋められましたな
    コナンは死人が出ないときになんだ?死んでないのかと同じですか(^q^)
    大幅ジャンルの謎解きは多すぎるとストーリーが微妙な法則があるかも(レイトンを見ながら)
    でも『レイトン教授VS逆転裁判』はそこそこ良かったですね

    • kentworld より:

      ラストウィンドウの意味はプレイしてもイマイチ分かりにくいです。
      前作は売れましたが、こちらはレイトン教授などのアドベンチャーゲームバブル崩壊後に出てきたので埋もれてしまいました。
      謎解き重視のゲームは確かにストーリー微妙かも。「レイトン教授VS逆転裁判」も最後は残念だったし。

  7. koji より:

    シングの作品はアッサリなんですね。
    元シングの開発スタッフが関わっているという3DS「CHASE 未解決事件捜査課~遠い記憶~」をプレイした事がありますが、これもハードボイルドで無難な作品でした(しかもすぐ終わる)。
    このメーカーの作風なんですかね…。
    ま、こっちはちゃんと人がくたばるので、多少は刺激的ですが。

    • kentworld より:

      このメーカーが作るゲームは雰囲気重視の印象です。
      ストーリーは特筆するものじゃないですよね。
      なんとなく好きになってしまう作品が多いです。

  8. くっぞこ より:

    こんにちは。
    「ラストウィンドウ」は好きなゲームですね~
    ハードボイルドな雰囲気にひたれるところが気に入っています。
    確かに殺人事件やスプラッター的な表現は出てこないですけど、
    それはそういうゲームだと思えば楽しめました!
    ミステリー小説にも、殺人や強盗事件が全く出ない「日常の謎」というジャンルがありますしね~(笑)

    • kentworld より:

      これは「日常の謎」というジャンルのストーリーだったんですね!w
      そういうタイプのストーリーがある事自体知らず、
      前作もそうだったんですがミステリアスな雰囲気から何か凄い刺激的な展開が待っているのかなと勝手に期待してしまったんです(^_^;)

  9. えす より:

    タイトル通り手堅く纏まった作品でしたねー。
    ウィッシュルームの真ED見てから続けて本作もプレイしました。
    最後の謎解き?の難易度がちょっと高かったような印象あります。
    UI改善もですが人物補足が入っていったのは良かったです。
    スケールは減少気味で前作の最後の方が引き込まれたのでその点は前作の方が良かったかなぁと
    ですが前作同様独特の雰囲気を味わえたので満足でした。
    音楽も作風にマッチしていてとにかくこの世界観に浸れるかどうかでしょうね。
    あと主人公カイルハイドは個性的で良いキャラしてます。

    • kentworld より:

      個人的にも前作の方が良かったですね。
      丁寧に作られているんだけど、何か、もう一味も止めたくなるようなゲームでした。
      この雰囲気は完成されていて素敵だと思ったんですけどねー。
      謎解きのバランスは微妙でしたね。僕も分からなくなるところがいくつかありました。

  10. Ryou より:

    カイルさんきた!皆と同じくウィッシュルームはクリア済みだけど
    このラストウインドウは未プレイですね。とはいうものの去年、
    アキバ巡りでソフトだけは確保してあるので、頃合いを見てやりたい
    とは思ってます。CING系のAVGって結構ヒントが少なくて詰まる
    ポイントも多いイメージですね。まあ、AVGでスイスイと進めて
    しまうのも、それはそれでどうかとは思うけど。

    • kentworld より:

      未プレイでしたか!?ちょっと意外です。
      CINGの謎解きはどれも不親切ですよね。
      酷い時は一時間近く詰まってイライラしましたw

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