【レビュー】Owlboy(オウルボーイ) [評価・感想] 丁寧に作られたストーリー主導でノスタルジックな探索型2Dアクションゲーム

2018年2月に配信されたSwitch「Owlboy(オウルボーイ)」を今回はレビューします。

Switch「Owlboy(オウルボーイ)」は雲間に浮かぶ世界の謎を解き明かす探索型2Dアクションゲームです。

ダウンロード専売で、価格は約2,700円。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ストーリーに沿ってフィールドを探索していく2Dアクションゲーム。
  • 仲間を持ち上げて空を飛びながらステージの仕掛けを解いていく。
  • 仲間の他にオブジェクトも持ち上げられる。
初リリース日 2018年2月13日
対応ハード PS4/Xbox One/Switch
ジャンル 2Dアクション
推定クリア時間 6~10時間
価格 2,700円(税込)
発売元 D-Pad Studio

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良いところ

天空の城ラピュタのような世界観!

わぁ・・・なんて開放的な世界なんだ!?

本作は映画「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせる開放感に満ち溢れた天空の世界が舞台となっています。

表現面で特筆したいのが、スーパーファミコン後期やプレイステーション1時代を彷彿とさせる細かな2Dドットで描かれている事!

使用されている色はそこまで多くはないんですが、影の表現が非常に上手く、粗さと美しさが上手く融合しているように見えます。

パッと見ただけで1990年代のゲーム黄金期を彷彿とさせるようなグラフィックで、ここだけを見ても価値を感じられる作品です。

屋外ばかりに目が行きがちですが、屋内のグラフィックも描きこまれていてお気に入り♪

開発期間は9年と言われていますが、グラフィックを見ただけで納得してしまう

キャラ×ストーリー×武器が絡み合ったゲームプレイ

本作は2Dアクションゲームとしてはユニークな操作方法を取り入れています。

まず、特筆したいのが、主人公のオータスは空を飛べること!

多くの2Dアクションゲームでは空を飛ぶことが出来ず、穴の1つを飛び越えること自体が大変なのにオータスは高低差が激しいエリアも簡単に上へ上へと行けるんです。

さらに複数の仲間を持ち上げながら空を飛ぶことも可能で、好きなタイミングで仲間の武器から弾を発射する事も出来ます。

それも上下左右好きな方向に発射する事が可能で、まるで全方向シューティングをプレイしているかのよう。

武器の特性は仲間によって変化。言ってしまえばアサルトライフル、ショットガンのような感じで使い分けていく必要があり、使い分けていかなければ戦闘はもちろん、謎解きもクリア出来ません。

ここまで読んでいるとまるで仲間が道具のような感じですが、生きているからこそゲームプレイにドラマ性が生まれていました!

仲間は状況に応じて増えたり減ったりしていき、増えることで今まで行けなかった場所へ行けるようになるんですが、そこにはしっかりとドラマがあり、出会いや別れがあるんです。

滝の先へ行きたいんだけど、仕掛けが邪魔で進めない!

仕方がないので別のルートを辿るとイベントが発生して○○が仲間になった!

○○が仲間になったことで今まで行けなかった滝の先へ行けるようになったぞ!?

こんな感じでキャラ×ストーリー×武器が絡み合ったゲームプレイだからこそ感じられる物があり、他の探索型2Dアクションゲームとの差別化を図っています。

探索型2Dアクションゲームにここまでストーリー性を絡めてくるとはお見事!

持ち運びアクションを使った謎解き

主人公は仲間を持ち運べるほか、様々なオブジェクトも持ち運べます。

ダンジョン内の謎解きではこのアクションを大活用することになりました!

例えばオブジェクトをある地点まで持ち運んで仕掛けを解いたり、武器を持った仲間を持ち運びながら敵や仕掛けに攻撃を与えたり。

こうして文にするだけだと簡単そうですが、意外と難しかったりします。

と言うのも本作の敵は積極的に攻撃してくるうえ主人公は打たれ弱く、ちょっとダメージを受けただけで吹っ飛んだりやられてしまい、持ち運んでいるオブジェクトを落としたりしますから。

特定のエリアまでオブジェクトを持ち運ぶシーンでは何度も敵に邪魔をされて詰まってしまいました。

少々もどかしいですが、だからこその歯ごたえがあり、どのようにして障害を乗り越えていくのか試行錯誤する楽しさがあります。

アイテムを集める探索要素

探索型2Dアクションゲームだけあって、探索要素もしっかりあります!

ダンジョン攻略の際は抜け道を探すことになり、やりこみ要素としてはコインやメダル集めという物がありました。

コインを集める事で体力の最大値が増えるなどの特典が存在し、メダルをすべて集めることで隠しエリアへ行けるんです!

コインの隠し場所は細々としているので、全部集めようと思ったら骨が折れると思います。

メダルは数こそ少ないものの隠し場所が分かりにくく、「え?こんなところに隠されているの!?」と驚きますよ~。

1990年代のRPGチックなストーリー

ストーリーは1990年代のRPGチックな感じがしました。

冴えない主人公の成長を描いている点。徐々に仲間が増えて一緒に冒険を繰り広げていく点がそれっぽく、王道な感じがします。

登場キャラの中には嫌なヤツも居るけど、仲間との友情や絆を感じられる描写も多く、熱さを感じられました。

あと、主人公のオータスが可愛い!

見た目はもちろん、たまに聞こえる「キュー」という鳴き声が溜まらないんです!

キュー…

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惜しいところ

煩雑な操作形式

操作形式は煩雑な感じがしました。

特にそれを感じたのが、地面に埋まっている野菜を引っこ抜く時。

野菜を引っこ抜いて食べることで体力が回復するんですが、それをやるには持ち上げている仲間を一旦下ろし、野菜を引っこ抜かないといけないんですね。

しかし、仲間が埋まっている野菜の近くにいる時に持ち上げアクションを使うと仲間に判定が行ってしまい、野菜を引っこ抜けません。

持ち上げている仲間が引っこ抜いて主人公に食べさせてくれたら良かったんですが、そこまで気が利かず、面倒に感じる事がありました。

また、個人的には1~2時間で慣れましたが、全方位シューティングのような操作形式は2本のスティックを使ったものなのでハードルが高く感じられます。

主人公は打たれ弱く、敵が積極的に攻撃してくる点と合わさって難易度は高めの印象なので、ピクセルアートでポップな見た目とは対象的に意外と人を選ぶ作りに感じられました。

自由度が低くて一本道

探索型2Dアクションゲームとしてみると意外にも本作は自由度が低くて一本道だったりします。

自由に移動して好きなダンジョンを探索できる期間も存在しますが、基本的にはストーリーに沿って一本道のダンジョンを攻略していくのがメインでストーリー主導の作りです。

個人的に本作はメトロイドヴァニアのような物を期待していたので、どうしても窮屈な感じがします。

アイテム収集にしても細々としていたり、そもそも成長要素が控えめなので報酬に魅力を感じにくく、ワープ機能もないのであまり積極的にやる気はしませんでした。

もう少し攻めたBGMやSEにしてほしかった

本作はノスタルジックなグラフィックですが、意外にもBGMの主張は弱かったりします。

ゲームをクリアしても耳に残る曲は皆無に等しく、最近の海外ゲームらしくBGMは環境音のような感じでした。

また、効果音の主張も弱く、敵に攻撃を当てても大した音は鳴らず、爽快感はありません。

個人的にはもう少し音の面で攻めてほしかった。

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全体のまとめ


ユニークな操作形式や熱いストーリー、魅力的な世界観など評価できる点は多く、2Dアクションゲームとしての完成度も高く感じられました。

個人的にはもう少し自由度や探索要素、音周りに力を入れて欲しかったという気持ちはありますが、ストーリーや世界観を楽しむ事に重きを置いた作品としてみたら完成度が高く感じられます。

BGMや操作形式はともかく、グラフィックやストーリーは1990年代のスーパーファミコンやプレイステーション1時代の大ヒットRPGを彷彿とさせる物なので、その手のゲームが好きな人には突き刺さる一作かもしれません。

丁寧に作られたストーリー主導でノスタルジックな探索型2Dアクションゲーム。

こんな人には特におススメ。
・王道のストーリー好き。
・謎解き好き。

こんな人にはおススメできない。
・シューティングが苦手な人。

Owlboy(オウルボーイ)/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約8時間

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16件のコメント

パッと見て思い出したのは「メタルスラッグ」、「ぽっぷるメイル」、そして「キャプテンクエーザー」です。あとは「モンスターワールド」シリーズとか。サターンの「プリンセスクラウン」を思い出す人もいるでしょうね。

「キャプテンクエーザー」は金髪にケツあごのベタなアメコミヒーローが活躍する探索&8方向アクション・シューティングで、3DOも末期になってようやく現れたゲームとしてちゃんと面白い「いいソフト」であり、3DO社のゲームソフト屋としてのポテンシャルの高さを示すものでした。そりゃEAの別名義なんだから当たり前と言われればそうなんですが。

「モンスターワールド」シリーズはPCエンジンではずっと「高橋名人の冒険島」シリーズだったわけですけど、最後だけ「超英雄伝説 ダイナスティックヒーロー」として、ちょうどこういうファンタジー調の設定に、タツノコアニメ風のキャラクターを載っけたRPG風アクションにリブートされました。すでにPCエンジン=ギャルゲーの時代に入っていたので居場所のないソフトでしたが、円熟味のあるしみじみと良いソフトでした。音楽にニック・ウッド(日本で多くのCMソングを手掛けるイギリス人ミュージシャン。キリンビールのサッカー関連のCMソング「パッション」などが有名)を使ったりして力入ってたんですけどね。

そんなことを思い出す、僕の目から見て「ゲームらしいゲーム」だと思います。

挙げられたタイトルは言われてみるとリスペクトされているかもしれませんね。

少しプレイしただけでも様々な作品から影響を受けているんだなーと感じられましたので。

モンスターワールドと言えば最近、「2」のリメイク作がSwitchでリメイクされるようで、しかもパッケージ版が発売されるようで驚いています。

2D横スクアクションで右スティック使うのか・・。ここで紹介されたアイコノクラスツを買ってドハマリしたからコレも買おうと思ったんだけど。うーん悩みますね。あっちは操作自体はシンプルだったから何周もできたけど、ケントさんが高難易度と言うとクリアできるかな。PS4版配信日がでるまでに決めるかな。
あと、いつも素早いレビューごくろうさまです。すごい参考になってます。

はい・・・操作感覚は普通の2Dアクションゲームとは異なります。

思ったよりも人を選ぶゲームかもしれません。

んー、中盤までプレイしたんですがちょっと合わないかな…
一々仲間を掴まないと攻撃できないもどかしさや照準の合わせづらさもあるけど、売りというストーリーが面白くない、てかカタルシスにかける気がします。

師匠キャラが近年稀に見る酷い奴なのがなんとも…

合わない感じですか・・・

攻撃は仲間のテレポートですぐ出来るような感じなので個人的にはそこまで気になりませんでした。

ストーリーはまだ大きく動いていないけど、思ったよりも主張がないですね。確かに主人公は酷い扱いをされている気がしますw

最初の神殿をクリアしたとこまで進めましたけど今のところ楽しめてますけどやや期待外れな感じです。思ったより自由度が低く寄り道するところも無いのが残念、さらに進めると自由度が上がってくるかもしれないのでこれからどうなるかな。ステージの攻略は探索というよりは謎解きに近い印象でした、メトロイドというよりはゼルダっぽかったです。

あとあらかじめダウンロードで購入時のアイコンはこれは酷いと思いましたけど今のに差し替えてくれて良かったです。

このゲーム、メトロイドヴァニアを期待すると肩透かしかもしれませんね。

自由度は高いとはいえず、ストーリー主導の探索型ゲームに感じます。

今後、変わってきたら良いのですが・・・

アイコンは正式版の場合、可愛気があって良いですね!

ひゃ〜こいつも海外タイトルよろしく難度が高いのかぁ〜。

雰囲気はテラリアや洞窟物語よりは好きかな。

操作感覚はどのくらいで慣れました?もとがマウス+キーボード操作のゲームのようなので気になります。

難易度はそこそこ高めに感じました。

チェックポイントは多いので、今のところはそこまで詰まっていませんが。

個人的には程良い難しさですねー。

操作感覚は1~2時間程度で慣れました。この辺は個人差が出てきますが。

買いました。グラは流石です。携帯モードで遊ぶと密度があってより良い感じです。
でも難しくてクリアは無理かも…自分はシューターはほとんどやってないので右スティックエイムは難しいです。レベル制ならレベルを上げてのゴリ押しも出来るのでしょうが…
ストーリーは好きなタイプです。BGMはkentさんに同意。JRPGみたいにゴリゴリ鳴らして欲しかった。

難しすぎる感じでしょうか?

こういうのは上達してプレイヤーが成長していくものだとは思いますが・・・

何とか頑張ってクリア出来るよう応援しておきます。

ピクセルアートのグラフィックを見てしまうと、どうしてもメロディアスなサウンドを期待していますねぇ。

全体的にかなり近い意見ですねー。でも個人的には世界観がかなり好きなのでもう少し評価が高くなる感じですね。なんと言ってもグラフィックが美しすぎる!ロケーションも豊富で見所満載でした。

操作はやや複雑ですよね。これはこれで慣れてくるとかなり面白いと感じましたが、僕はシンプルな操作な方が好みなのでとくに序盤は煩雑に感じてしまうことがあったかな。仲間を武器のように使うシステムはユニークで良かったと思います。

探索要素は実際にやるとうまく隠されていて面白いんですけどねー。見返りがやや薄いのと、ファストトラベルが無いのは痛い。流石にコンプする気が起きなかったですね。

難易度は個人的には程よい感じでしたが、以前お話ししたようにストーリー主導だし世界観もライトユーザーに受けそうなので、もう少し難易度を落とすかイージーモードはある方が良いと思います。

一本道なのはよりけりだとは思うのですが、常に飛べる分狭く感じてしまうのでしょうかねー。その分ギミックは凝っていた印象で、ゼルダの謎解きみたいな面白さがありましたね。

世界観。改めてスクリーンショットを見ても良いな~と思いました。

携帯モードではなく、TVモードでもっとじっくりと天空の世界を眺めてみようかな?

そう言えばナスタさんはこういった天空の世界感が好きなんですよね!確か、ゼノブレイド2でも気に入られていましたので。

操作はもっと最適化しても良いんじゃないかな~と思いました。

本作はパソコン発なので、マウスでプレイしたらもしかしたら印象が変わるのかもしれませんが。

能動的な探索要素はもう少し一工夫して欲しかったですね。

ターゲット層を考えるとゲームバランスは簡単な方に突き進んだほうが良かったのかも。

コメント欄を見た感じでも意外と人を選んでしまう作品かもしれませんね~

普通によく出来た作品でしたけど開発期間の長さと値段を考えたら少し微妙な感じでした、期待し過ぎたせいでもあったかもしれません。

グラフィックはこの手のゲームではトップクラスでドット絵が綺麗に描かれたのは良かったです。
ストーリーは確かにアクションゲームながらRPGを彷彿させる感じですね、基本リニア式のゲームだけど探索要素もそこそこでメインストーリーに関係ないないミニゲームもありましたし。地味な感じでしたけど悪い作品ではないことは確かでした。

正直なところ、ゲームとしてみると開発期間の長さと価格の高さには釣り合っていないかなと思います。

全体的にストーリーや世界観に力を注いでいる印象で、そこに価値を見いだせるのかどうかなんでしょうね。

少し物足りないところはありましたが、光るものは感じられました。本作の世界観をベースにした新作が出たらまた買うかも!?