【解説】スプラ レイダース、評論家とユーザーで評価が割れた理由【Metacritic】

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

みなさん!いま「スプラトゥーン レイダース」がとんでもないことになっています。

日本国内の初週売上は47万本。Switch2のゲームとしてはトップクラスの出足になっていますが、それ以上に凄いのが、ユーザー評価の高さです。

Amazon評価は星5中4.7。海外のレビュー収集サイト「Metacritic」では10点満点中9.3点を記録しています。

これは任天堂のSwitch2ソフトとしては極めて高い数字で、YouTubeチャンネル「KENT for 任天堂ゲームレビュー」のコメント欄でも

時間泥棒にも程がある。頼むからDLCきて欲しい

中毒性がやばすぎる

など、絶賛の声が相次ぎました。

ところが評論家のレビューは冷静で、平均82点に留まっています。

決して低評価ではありませんが、「ドンキーコング バナンザ」の平均91点。

「ぽこ あ ポケモン」の平均89点と比べると低めで、ユーザー評価の高さを考えると、やや辛口にも感じる結果です。

もちろん、良いところは良いと言われていますけどね。

90点台に届いていないのも事実で、今年発売されたゲームのTOP10にも入らない結果になっています。

なぜ、ここまで温度差が生まれたのでしょうか?

両者のレビューを比べてみたところ、同じゲームを遊んでいるにもかかわらず、重視するポイントがまったく違うことが見えてきました。

今回はその違いを5つの視点から分析し、本当にシリーズ最高傑作なのか?実際にプレイしたぼくの結論も語りますので、ぜひ最後までご覧ください。

※この記事は「Metacritic」のメディア・ユーザー評価の差異について語っています。

ユーザー評価と評論家の評価が割れた理由

その1:「対戦しないスプラ」が潜在需要に刺さった

1つめの理由は、「対戦しないスプラ」への価値観が違うことです。

「スプラ」シリーズはこれまで3タイトルが発売されて、オンライン対戦を主軸にしてきました。

特にレートシステムを取り入れた「バンカラマッチ」「Xマッチ」は激アツで、累計数千時間遊んでいる人も珍しくなかったりします。

しかし、近年はプレイヤー間での実力差が大きくなってしまったうえ、マッチングへの不満が集まっていたりします。

その結果、界隈の雰囲気が悪化。「スプラトゥーン イライラ」というワードが定着するほどストレスを溜めるユーザーが目立っていました。

そんなタイミングで登場したのが、「スプラトゥーン レイダース」です。

本作ではシャケを倒して装備を集め、キャラクターを強化しながら攻略していくことになります。

シャケを倒すゲーム自体は「スプラ2」や「3」にも「サーモンラン」として収録されていましたが、本作でポイントなのが、ソロプレイを前提にしたバランス調整になっていることです。

イクラは拾った時点でカウントされるため、納品や細かな役割分担に追われず、シャケを倒すことに専念できます。

そのうえレートシステムは存在せず、失敗したとしても経験値などが蓄積されるので、マルチプレイでもギスギスする可能性が減りました。

この点は「スプラ」を遊びこんでいる人ほど恩恵が大きく、

スプラってこんなに面白かったんだ!?

イライラ感だけが取り除かれている!?

などの声が目立っています。

そして多くのユーザーが気付き始めたのが、「スプラ」自体の面白さです。

近年はあまり聞かなくなりましたが、そもそも「スプラ」は、アクションシューティングとしての基礎がしっかりしています。

インクを塗って縦横無尽に駆け回る爽快感、ブキごとに異なる操作感と立ち回り、ポップな効果音や世界観。

任天堂ゲームらしい手触り感の良さが徹底されていて、ずっと触っていたくなる魅力があります。

しかし、これまでは対戦ゲームという性質上、「勝った」「負けた」という印象が強く残りやすく、純粋なアクションの面白さに目を向ける余裕がなかったのも事実です。

「スプラ レイダース」の場合、そういった勝敗への意識が良い感じに取り除かれ、アクションゲームとして思う存分に楽しめます。

だからこそ、「スプラって対戦だけが魅力じゃなかったんだ!?」と再認識したユーザーが多かったのではないでしょうか?

一方で、評論家は少し違う視点から本作を見ていました。

それは、「スプラ」がアクションゲームとして良くできていることを前提として評価していることです。

インクを塗って移動する、イカになって潜る、ブキごとにまったく違う操作感を楽しめる。

こうした魅力は初代から10年以上かけて磨かれてきました。

そのため評論家からすると、面白いのは当たり前で、その先にある新要素を評価しているように感じます。

アクションシューティングとしての完成度を再認識したユーザーと、その先を見る評論家。

この違いだけでも評価が大きく分かれた理由は見えてきます。

しかし、それだけでは9.3点という異例の高評価は説明しきれません。

実はこのあとに紹介する要素も、ユーザーの熱狂を生んだ理由が隠されています。

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その2:アクションが苦手でも成長で突破できる

ユーザー評価と評論家の評価が割れた2つめの理由。

それは、成長によって突破できるシステムの評価が違うことです。

その1の理由に繋がりますが、本作は対戦モードが苦手な人でも遊びやすくなっています。

その最大の要因となるのが、成長要素が強いことです。

ダンジョンをクリアすると経験値や素材が手に入り、キャラクターのレベルやブキを強化できます。

すると、あれだけ苦戦していたダンジョンでもサクッとクリアできることがありました。

かつて「ドラゴンクエスト」が多くの人から支持された理由の1つに、レベルを上げれば誰でもクリアしやすくなるゲームデザインがあります。

アクションゲームのようなテクニックは必要なく、苦戦したらレベルを上げたり、装備を整える。そうすれば、少しずつ先へ進めるようになります。

だからこそ、普段ゲームをあまり遊ばない人でも最後までクリアでき、「自分でもエンディングを見られた」という達成感を味わえました。

「スプラ レイダース」も似たようなところがあり、少なくともクリア前だったらアクションゲームが苦手な方でもクリアできるような設計になっています。

ブキを集めたりキャラクターを強化すれば確実に攻略しやすくなりますし、難易度選択やヘルプも搭載。

難しくてクリアできないと思ったダンジョンでも、時間をかければクリアできる確率はグッと高まります。

この「遊んだ分だけ前進できる安心感」が、多くのユーザーから高く評価されたのではないでしょうか?

評論家レビューでも遊びやすさは評価されています。ただ、それ以上に反復性や既視感を重く見た結果、総合点は80点前後に落ち着きました。

なぜなら成長によって誰でもクリアしやすくなる設計は、RPGでは古くから採用されてきた王道のシステムだからです。

「スプラ」にとっては画期的でも、業界全体を見ると特別目新しくはない。

その認識の違いが両者の評価を大きく分けた理由の1つではないでしょうか?

個人的に今作のバランスはとても理想的に感じました。

ぼくは難易度ノーマルに相当する「レイダー」でプレイしていましたが、普通に進めていると、巣窟系のダンジョンがキツかったです。

物凄い数のシャケたちが押し寄せて来ますし、制限時間内にイクラを集めないといけないので、何度も時間切れになりました。

でも少しレベルを上げたり、ブキを強くしたりすると、信じられないくらい簡単に突破できることがあったんです。

基本難易度はちょっと高めだけど、キャラクターを育てたらクリアしやすくなる。

この塩梅が絶妙で、手応えと遊びやすさを両立しています。これって簡単なようでめちゃくちゃ難しいことですから、「よく調整できたなぁ」と思いました。

このようにユーザーと評論家。それぞれ遊びやすさに関する受け取り方が違っているように感じますが、その点を加味しても、両者の評価が割れた理由は説明しきれません。

次に注目したいのが、本作のゲームシステムを「新鮮」と感じるか、「見慣れている」と感じるかの違いです。

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その3:ハクスラとしての新鮮味

ユーザー評価と評論家の評価が割れた3つめの理由。

それは、ハクスラとしての新鮮味です。

「ハクスラ」とは、敵を倒して装備を集め、キャラクターを少しずつ強くしながら先へ進んでいく。そんなゲームのことを指します。

敵を倒して、ランダムで出現する強い装備を手に入れ、さらに強い敵へ挑む。

この流れを何度も繰り返すことが最大の魅力で、日本では「ディアブロ」「マイクラ ダンジョンズ」などが代表例です。

「スプラ レイダース」ではこのハクスラの面白さをシューティングゲームとして落とし込んだからこそ、これだけの中毒性があるんですね。

ここで注目したいのが、ユーザーと評論家の感じ方が大きく分かれていることです。

ユーザー評価にも反復性を指摘する声はありますが、それ以上に繰り返し遊べる点を中毒性として評価する声が目立っています。

Switchには「マイクラ ダンジョンズ」のようなハクスラはありますが、シューティングゲームになると、このような面白さを味わえるソフトはそこまでヒットしていませんからね。

ところが全機種を俯瞰してみるとどうでしょうか?

「ボーダーランズ」「Destiny」など、人気タイトルが数多く存在します。

特に海外では爆発的な勢いで売れましたから、「スプラ レイダース」の成長システムは、特別目新しいものには見られない傾向にあります。

そのため色んなゲームを遊ばれている評論家の間では既視感が目立ってしまったのではないでしょうか?

実際、The Guardianのレビューでは

装備を更新しながら敵の群れと繰り返し戦うサイクルについて、現代の協力型アクションでは既におなじみのものだ

という趣旨の指摘をしています。

「スプラ」として見ると革新的だけど、アクションシューティング全体から見ると王道。

この立ち位置の違いが、ユーザーと評論家で評価が大きく分かれた理由の1つではないでしょうか?

個人的にも「ボーダーランズ」や「Destiny」はそこまで遊んでいなかったので、本作のシステムはそこまで陳腐には感じませんでした。

ただ、それらのタイトルを何百時間も遊んだ状態で「レイダース」をプレイしていたら、「スプラ」にありきたりなハクスラ要素が加わっただけだと感じていたかもしれません。

そして、このジャンル経験の差は、同じ遊びを繰り返すことへの印象にも繋がっていきます。

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その4:反復性に対する印象が違う

4つめの理由は、反復性に対する印象が違うことです。

ここまで触れたように、「スプラ レイダース」は繰り返しプレイをすることで楽しさを感じられる作りになっています。

一方、低めの点数を付けたメディアレビューでは、反復性を欠点として挙げる傾向が見られました。

VGCのレビューでは戦闘自体を高く評価していますが、「プレイ時間の大部分が一つの遊びに集中しており、クリア後も基本的には同じ内容を難しくしたものだ」と指摘。

Creative Bloqのレビューでも、「終盤は敵が硬くなり、既に遊んだミッションを繰り返してレベルを上げる必要がある」点を減点材料にしています。

つまり反復性を「単調」と受け止められているんですが、ユーザーの間ではそういった声はあまり見られません。

むしろ反復性は「中毒性を高める要素」と受け止められている方が多く、

常に強いブキが手に入るので、報酬による刺激が続いて止まらない!

試しに新ブキの練習をしようと思っていたら、気が付いたらミッションを最後まで遊んでしまった!

という声が目立っています。

この点に関しては、その1でも触れた「スプラ」のアクションシューティングとしての楽しさも大きく影響しているのかもしれませんね。

もしアクション自体が単調であれば、同じミッションを何度も繰り返すのは苦痛になってしまいます。

でも本作はインクを駆使した塗りの気持ちよさに、ブキごとに異なる立ち回り。さらに装備やビルドが変わることで、同じミッションでも戦い方が大きく変化します。

ぼく自身も「同じことの繰り返しで単調に感じないかな?」と思っていたんですが、終盤になってくるとプレイヤーの腕前も重要になってくるので、予想以上に長く遊べました。

限界まで鍛えてもクリアできなかったのに、立ち回りを変えたら対処できた。クリア後のダンジョンではそういった発見があるので、反復性の強さは減点材料にはなりませんでした。

という訳でユーザー評価と評論家の評価が割れた理由を4つ挙げてきましたが、これだけでは、なぜ9.3点という極端な数字にまで達したのかは説明できません。

最後はゲーム内容以外の要因にも触れていきます。

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その5:期待値の反動と採点者の傾向

5つめの理由は、発売前の期待値と、ユーザースコアを投稿する人の傾向です。

実は「スプラ レイダース」の前人気は、シリーズの中では控えめでした。

というのも本作はオンライン対戦ではなく、ソロプレイを軸にした番外編だからです。

「スプラ」本編には、すでに一人用の「ヒーローモード」や、シャケと戦う「サーモンラン」が収録されています。

そのため発売前は、

ヒーローモードを豪華にしただけでは?

サーモンランの使い回しでは?

対戦がなかったら、すぐに飽きそう

といった見方もありました。

ところが実際に遊んでみると、育成や装備収集、ビルド構築、クリア後のやり込みなど、中毒性を高める要素が満載。

発売から10日ほどでブキレベルをカンストする人が現れるなど、予想以上にハマるユーザーが続出しました。

ぼく自身も発売日から1日10時間以上遊びましたが、一緒にプレイした人の中には、それ以上の勢いでやり込んでいる人もいました。

「70点くらいの番外編だと思っていたら、90点を超えるゲームだった」

そんな期待以上の驚きが、ユーザーの熱狂をさらに強めたのではないでしょうか?

ただし、9.3という点数を「すべてのゲームユーザーを代表した評価」と考えるのも注意が必要です。

Metacriticで採点するのは、購入者全員ではありません。

わざわざアカウントを用意して点数を付けるのは、本作に強い感情を持った人が中心です。

特にシリーズのファンや、育成・装備収集といったゲーム性にハマった人ほど、積極的に高評価を投稿している可能性があります。

逆にソロプレイ中心の内容に惹かれず購入しなかった人や、途中で遊ぶのをやめた人の評価は数字に反映されません。

また、Metacriticには魅力を詳しく説明したレビューがある一方で、理由がほとんど書かれていない10点評価も存在します。

ですので、ユーザースコア9.3を「任天堂ゲーム史上最高傑作の証明」とまで受け取るのは早計です。

ぼく自身も本作を非常に楽しんでいますが、Switch 2には、ほかにも方向性の違う名作がたくさんあります。

作品同士をユーザースコアの数字だけで単純に比較することはできません。

とはいえ1,600件ものレビュー数がありながらも平均9.3点という結果は「発売直後の盛り上がり」だけでは片付けられなくなっています。

期待を超えた完成度と、本作の遊びにハマったユーザーが積極的に評価している。

この2つが重なって、評論家以上に高いユーザースコアにつながったのではないでしょうか?

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「スプラトゥーン レイダース」は本当に最高傑作なのか?

ここまで評論家とユーザー評価が分かれた理由を語っていきました。

ほかにも評論家レビューでは、「サーモンランから流用された敵が多い」「終盤は急に難しくなり、レベル上げが必要になる」「野良マッチングの仕様が限定的」といった欠点が指摘されています。

つまり評論家も反復性だけを見ていたわけではなく、作品全体を比較したうえで82点に落ち着いたんですね。

では、「スプラ レイダース」は本当に最高傑作なのでしょうか?

ぼくの結論は、シリーズ最高傑作とまでは断定できません。ただし、初めて「スプラ」を遊ぶ人に一本だけ勧めるなら、現時点では「レイダース」を真っ先に挙げます。

「スプラ」本編のオンライン対戦も魅力ではあるんですが、どうしてもプレイヤースキルやマッチングに依存するので、楽しめる人とそうでない人がハッキリ分かれる印象です。

一応、「スプラ」本編にもソロプレイモードはありますけどね。

そちらは練習モードの側面が強く、長く遊べるものではないので、ソロプレイモードのために買うのは、よほど安くなっていないとおすすめできないところがありました。

一方の「スプラ レイダース」はメインストーリークリアだけでも15時間以上。

やり込めば50時間以上は遊べますし、何よりもクリア前だったら、アクションシューティングが苦手な人でも楽しめたりします。

システム面では複雑なところもありますが、一般的なRPGを遊んだ経験があれば、そこまで苦労せずに理解できると思います。

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全体のまとめ

という訳で結論としては、ユーザー評価と評論家レビュー。どちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではありません。

繰り返し遊べるシステムについて、ユーザーは「止め時のない中毒性」と評価し、メディアは「既視感や単調さにつながる要素」として慎重に評価した。

さらにユーザー側には、対戦疲れの受け皿になったこと、発売前の想像を超えたこと、そして本作に強くハマった人ほど積極的に採点するという傾向も影響した。

こうした評価軸と採点者の違いが、メタスコア82点とユーザースコア9.3点という差につながったのではないでしょうか。

ぼく自身、9.3点という数字には、本作に強くハマったユーザーの熱量も反映されていると思います。

ただ、それでも実際に遊んでみると、「なぜここまで高く評価したくなるのか」はよく分かりました。

任天堂がこの経験を次の本編にどう活かすのか。今後の展開が本当に楽しみです。

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