スーパーマリオ オデッセイからマリオのオープンワールド化を考える by C-rex

どうも、「C-rexのさすらいな日々」のC-rexです!

今回はkentworldさんに代わって「スーパーマリオ オデッセイ」をプレイして思ったことを書いていきます。
※注:この記事の編集や文字装飾はkentworldさんが行っています。

「スーパーマリオ オデッセイ」~赤い帽子のアイツの世界旅行~(C-rexのさすらいな日々)

先日、僕のブログで公開したレビュー記事でも書いた通り、「斬新で天才的なアイディアが生んだ3Dマリオの極致」と言えるくらい、素晴らしいゲームでした。

飽き性の僕が久しぶりに永久保存、攻略本の購入、コンプリートまで考えているくらいです。こうしてみると、改めてこのシリーズが「歴史を変えてきた」ということを感じます。

「ドンキーコング」では、それまで1つだったボタンの機能を複数にしたことで「ジャンプアクション」というジャンルを確立させ

「スーパーマリオブラザーズ」では画面内を走り回れるほどの自由度の高さ、至るところに隠された謎でゲームに「奥深さ」の概念を定着させ

「スーパーマリオ64」では3次元の空間を自由に移動できることでオープンワールド、ひいては3Dアクションの礎を築きました。

その後もマリオは進化を続け、「オデッセイ」では1つの極致に達するほどの進化を遂げました。

さて、こうして進化し続けているマリオ。その進化は一体、どうなるのでしょうか?

僕は「オデッセイ」をプレイしていたときの「広大で自由度の高いステージ」から1つの可能性が頭に浮かびました。それは、

「オープンワールド化」

近年、シリーズもののタイトルでこれがトレンドとなっていることも考えると、いずれ、スーパーマリオシリーズでもこのような変化が起きるのではないか?と思うのです。

そこで、本記事では「マリオのオープンワールド化」について語っていこうと思います。

なお、この記事ではオープンワールド

旧世代型オープンワールド(旧世代型)……行動範囲が狭く、ロードを頻繁にするタイプ。俗に「箱庭」と呼ばれるもの。
新世代型オープンワールド(新世代型)……行動範囲が非常に広く、ほとんどシームレスなタイプ。現在「オープンワールド」と呼ばれているもの。

の2つに分類して定義します。当然ながら、オープンワールド化とは「新世代型オープンワールドへの移行」のことを指します。

オープンワールド化する可能性

まず、「実際にオープンワールド化する可能性」はあるのでしょうか?

僕の個人的な見解では、「旧世代型オープンワールドでやれることの限界が来たら可能性はある」と思います。

旧世代型はほどほどの広さであらゆる場所を冒険できるのですが、何かと制約が多いです。

そうなると当然、スタッフの工夫に限界が訪れ、マンネリ化が起きます。

こうした「限界」を超える工夫が「新世代型への移行」=「オープンワールド化」の流行となっています。

「ゼルダのアタリマエを見直す」の究極の発展形と言える「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」は典型的な例です。

このような潮流、そしてオデッセイで実現した広大でほぼ全ての場所に行けるくらい自由度の高いステージを見ると、マリオのオープンワールド化はありえると思います。

しかし、マリオのオープンワールド化には大きな壁があります。

新世代型への移行の「リスク」

METAL GEAR SOLID V_ THE PHANTOM PAIN_20150904061931

オープンワールド化について興味深い記事があったので、そちらを引用してみます。

では「オープンワールド化」に当たって、何が成否を分けているのか、個人的に3つ思いつく点がある。

まず膨大なリソースと、その計画的な運用が必要なこと

『MGSV』とか『FF15』が顕著だったけど、明らかに途中で予算が尽きていて、中途半端な所で「世界」が途切れていたりする。

次に、これは伝統的なシリーズモノにありがちなのだが、ゲーム本来の方向性が捨てきれない問題

『MGS』にしろ『FF』にしろ、元々かなりリニアなタイトルが、一気にオープンワールドに振り切れると、開発陣側も上手く意思統一が取れていなくて(気がする)脱線する。

最後に、オープンワールド化最大の問題は、コンテンツを希釈化させてしまう点

マップを広げる以上、ゲームの部分毎はリニアなゲームより薄い濃度となる。

仮にマップ全てを味わえば、100%の濃度を味わえるが、そもそも全プレイヤーがゲームの全てを味わい尽くすのも無理な話。

ゲームの「オープンワールド化」が、逆にマップを狭めている問題(ゲーマー日日新聞)

この記事で示されている内容を基に、マリオのオープンワールド化で起こりうる問題を考えてみましょう。

リソースの問題は最悪なんとかスタッフの努力と経験で解決できるかもしれないので、あまり問題はないでしょう。

しかし問題は「マリオシリーズ本来の方向性」が新世代型の特性と相容れず、マリオという「コンテンツが希釈化」してしまうということにあります。

簡単に言えば、「マリオらしさが失われる」可能性があるということです。

マリオらしさ——「アスレチック」と「共感」——

では、マリオらしさとは一体何なのでしょうか?

人それぞれ意見があると思いますが、僕は「アスレチック」と「共感」だと思います。

マリオシリーズは「ジャンプでさまざまな障害を飛び越えて、ゴールにたどり着く」という「フィールドアスレチック」的なゲームシステムです。

形は変わっても、このシステムは「ドンキーコング」から始まり、現在に至るまでしっかり受け継がれています。

このことから、「アスレチック」はマリオの伝統というより、「アイデンティティ」と言えるでしょう。

また、小泉プロデューサーのインタビューで何度も出てきた「共感」というフレーズも、マリオらしさの1つだと言えます。

『スーパーマリオ オデッセイ』小泉Pに訊く、心に刺さる驚きを目指した“箱庭マリオ”の革新と、名作が続く任天堂開発の秘訣(ファミ通.com)

この「共感」とは、「たくさんの人が同じ感情を持つこと」で、言い換えれば「誰もが楽しめる」ということです。

Newスーパーマリオブラザーズ以降のマリオに顕著ですが、基本的な難易度が低いので(ただし、やりこみは上級者向けになる)、幅広い層がプレイできます。

そうすると、プレイヤーの数が増え、「誰もが楽しめる」=「共感」できます。これはマリオの方向性を固定する重要な「コンセプト」です。

「アスレチック」と「共感」、この2つは新型の特性に合うでしょうか?

答えは「共感」は合わせられると思いますが、「アスレチック」は難しいです。

「アスレチック」は「ある程度の広さの中で、落とし穴や罠といったある種の「制約」を乗り越えてゴールにたどり着く」というゲームデザインです。

当然、「制約」が少なくなると、このゲームデザインの面白さは希釈化されてしまいます。新世代型は、制約を減らすことを是としていますので、必然的に「アスレチック」の面白さと衝突します。

大きな争点は「穴」と「アスレチックのデザイン」です。

前者はシームレスの観点から必然的に数が減るので、「数をどこまで減らすか」ということが問われます。

一方、後者ではフィールドの拡大に伴い、「どこにどれくらい配置するか?」、「サイズはどうするか?」の2点が問われます。

この「アスレチックの壁」を超えられなければ、企画を通すことはかなり難しいでしょうし、仮にオープンワールド化しても大コケに終わるでしょう。

オープンワールド化したマリオを想像してみる

さて、ここまでマリオのオープンワールド化の可能性と壁について語ってきましたが、ここからは実際にオープンワールド化したらどうなるのか、想像してみましょう。

まず、フィールドはどういったデザインになるのでしょうか?

個人的には、「オデッセイ」の形式を間違いなくベースにして、「ニュードンクシティ」のような密集地的なデザインと、「アッチーニャ」のような広大で平面的なデザインが混在するデザインになると思います。

具体的には、キノコタウンやドルピックタウンのような町が「グランド・セフト・オート」シリーズの街並みに近い大きさになり、街のどこかや道端などにはシリーズ恒例のアスレチックがあり、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のような自然のロケーションもある、という感じになるでしょう。

それと、広さは容量を考えると、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」より少し狭いくらいになると思います。

マリオはゼルダに比べるとかなりアクションが多く、それに合わせるとロケーションも大きくなるからです。

5

次に舞台についてですが、最有力なのは「マリオストーリー」型の「キノコ王国」だと思います。

マリオシリーズは「さらわれたピーチ姫を救う」「舞台はキノコ王国」「ラスボスは必ずクッパ」というのが定番ですので、「キノコ王国」という設定を変える可能性は低いと思います。

しかし、目新しさがない上に、「マリオストーリー」のときのようなデザインのままでは「穴」がほとんどなくなり、「マリオらしさ」を潰してしまいかねないという問題があります。

また、ストーリーのほうも上記の「定番」と考えるといつものように誘拐パターンの可能性が高いですが、オデッセイをベースにしたデザインならストーリーはある程度しっかりしたものになるのではないかと思います。

とはいえ、マリオはあくまでもゲーム性に重点を置いているので、オデッセイや「ギャラクシー」よりはストーリーに力を入れない可能性は否めません。

個人的な「新世代型オープンワールドマリオ」の案

個人的な「新世代型オープンワールドマリオ」のを挙げると、

①「天空都市」のような空の世界を舞台にする

②デイジー、ルイージを登場させる(デイジーはポリーン市長的ポジションか、ピーチポジション。ルイージはプレイアブル)

③帽子投げアクションの継続とブラッシュアップ

の3つです。

空を舞台にすれば、マリオ特有の「穴」の必要性がある設定だと思ったのと、「天空の城ラピュタ」や「アンチャーテッド」のようなロマンがあると思ったので、①の案が浮かびました。

一方、②はオデッセイでマリオしか使えないという点を反省して、ルイージをプレイアブルキャラとして参加させる(いっそ、マリオとは別のストーリーのあるキャラとして登場させることもあり)ということです。

デイジーはピーチ誘拐パターン以外の「モチベーション」、ポリーンというスーパーマリオとは別のヒロインの登場を考えた結果です。

③は、先ほどリンクを載せた小泉プロデューサーのインタビューで「ネタが無限に広がる」という発言からマリオのさらなる進化に貢献するということから、この案に至りました。

今回プレイしたオデッセイが見せてくれた「オープンワールド化の可能性」。

その希望が受け継がれ、新世代型オープンワールドに進化したマリオが生まれる。

またオデッセイのときのような興奮を味わえるかもしれないから、僕はマリオのオープンワールド化に期待したいです。

それと、「スーパーマリオ オデッセイ」はマリオシリーズの歴史を大きく変える可能性、そして今までにないマリオの面白さが詰まった傑作です。

今のゲームがつまらない、新世代型オープンワールドが苦手

そういう人こそプレイしてほしいです。

そして、そこから僕の感じた「オープンワールド化の可能性」を感じてほしいです。

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スーパーマリオ オデッセイ【レビュー・評価】マリオの問題点をほぼすべて解決した非の打ち所がない傑作!(kentworld執筆の当ブログ記事)

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12件のコメント

ピーチやデイジーもしくはロゼッタ、ポリーンも出てきてもいいかも。せっかく歴代のヒロインが何人もいるんだからこの全員がさらわれるストーリーも面白いかもしれません。これは、どう思うかわかりませんが、マリオRPGみたいにクッパと共闘でも面白くなりそうな気がします。今回のラストでクッパを操作できたのであの一部だけじゃなく他のステージでも操作したいなあと感じたりしました。ということはクッパ以外の邪悪なボスが必要になりますね。(これはスタッフに頑張ってもらおう)良い感じしませんか?

あ!ロゼッタのこと忘れてましたw歴代ヒロイン登場は面白そうですね。
クッパと共闘ですか。これもいい案ですね。ただ、ラスボスが固定されているのでどうなるんでしょうかね?

この記事読んで真っ先に思いついたのがレゴシティですね。あれレゴ版GTAとよく言われてますが一番近いのはマリサンだと思っているので。

なるほど。余談ですが、僕の中学の友人がレゴシティを見て、「GTAのパクり」と言ったのを思い出しましたね。
サンシャイン、そんな感じだったんだ……。

マリオのオープンワールド化は以前なら鼻で笑ってたかもしれませんが、マリオデの可能性からオープンワールド化もありだなと思いました。タイトルはマリオデ2もしくはマリオデデラックスかな(^^)スイッチがロングヒットしたら実現しそうですね。その前に来年あたりはスイッチ版の2Dマリオ(マリオメーカー付き)とかがまずは出てほしいですけどね。

①天空の城といえば、スーマリRPGにはマシュマロ宮殿というのがありましたし、雲の国は次回作でさらにブラッシュアップのしがいがあるかも。

②ルイージやデイジーってなんという俺好みのチョイス♡実現してほしい!今作はルイージなんて衣装だけですからね(笑)

③キャッピーの続投は3Dマリオ路線ならいいですね。あと一作くらいはキャプチャーアクションがみたい!でもカービィのコピー能力化してきたらそれはちょっと問題かも。

あと任天堂ゲームのオープンワールド化といえば、ポケモンが良い題材だと感じます。今度のスイッチのポケモンはどうなるかわかりませんが今作のポケモンUSMで1つの集大成となるようなので次回作はかなりポケモンのアタリマエを打ちこわしてほしいです!

オデッセイとほとんど同じ路線なら「2」とかになりそうですが、路線継続は容量とリソースの関係で難しそうですね。
これまでの流れからいけば、2Ⅾマリオの新作が出る可能性はかなり高いですね。あっちのマンネリ化は凄まじいので、どうにかしてもらったほうがいいですね。

雲の宮殿か……。個人的には、ラストクレーターのゴールの建物とかが並んだりしているような古代都市のイメージでしたね。

ポケモンですか!それは思いもよりませんでした。

Switchの発表会でマリオオデッセイの映像を初めて見た時、これオープンワールドなのか?と、一瞬だけ勘違いしそうになったのを思い出しました。

マリオオデッセイで色々な意味でやり尽くした感は正直言って感じたので、今後、マリオシリーズの新機軸を、というコンセプトになった時はオープンワールドが視野に入ってくる可能性はありそうですね。

次は2Dマリオの新作じゃないかと思うので、実現するにしてもかなり先の話になりそうですが、マリオオデッセイによってマリオシリーズの今後への期待が高まったので、次の3Dマリオ新作にも大いに期待したいです。

確かに、ニュードンクシティの映像とか見ると、ぽいですもんね。
「やりつくした感」は本当そんな感じですよね。フィールドとかに制限があるので、マンネリ化しちゃうんですよね。新機軸でオープンワールドになる可能性は十分にありえますよね。

個人的には、これまでの開発ペースを考えると、10年以上はかかると思ってます。小泉Pのインタビューを見たらそう思うのです。

記事の執筆、お疲れ様でした~!

また壮大なテーマのコラム記事が来ましたね!

マリオのオープンワールド化は僕も夢見ています。

今回のSwitch「スーパーマリオ オデッセイ」は当初、オープンワールドになるかと思っていたけど、実際にはN64「スーパーマリオ64」の流れを汲む旧式の箱庭系でしたね。

個人的にマリオをオープンワールド化するにあたって問題に感じるのがフィールドの密度です。

密度の濃さを残しつつマップを広げてくれるのであれば良いんだけど、なかなか難しい問題ですからね・・・

PS2「ジャック×ダクスター 旧世界の遺産」のように各エリアの行き来をシームレス化するのが一番、自然なやり方かも。

エリア間の行き来をシームレス化するだけでも全然印象が違っていて、見えているところに画面を切り替えず行けて興奮しましたよ!

関連記事:ジャックXダクスター 旧世界の遺産【レビュー・評価】PS2ソフトだけど、やっている事はPS3レベル!

何にしても、今回も素晴らしい記事の執筆をありがとうございました!

広すぎるフィールドだとkentさんの指摘する問題は発生すると思います。ただ、マリオはゼルダと違って、デカい建築物が必要となるゲーム性なので、フィールドは少し狭いのであれば問題ないと思います。

エリア間のシームレス化、これは絶対にやるでしょうね。というか、オープンワールドの前提条件ですからね。

国内でも海外ゲームが台頭してきていてオープンワールドは以前ほど
珍しいものでは無くなってきてるけど、一番の課題はライトユーザー
がマリオがオープンワールド化しても付いていけるのかという点かな。
ゲーマーからしたら歓迎なんですけれどもね。砂の国辺りが半オープン
ワールド的な構造なので次作では既に視野に入れてるかも!?

実は、僕もその点は懸念してます。オープンワールドはスタッフの真の技量が問われますから、一寸先は闇です。
とはいえ、マリオはあと10年くらいすればオープンワールドになると思います。