どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は、2Dマリオの新作が11年も発売されなかった理由を語っていきます。
10月20日、「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」がいよいよ発売されますね。
本作は2Dマリオシリーズの最新作で、「New スーパーマリオブラザーズ U」以来、実に11年ぶりの新作だったりします。
ぼく自身も久しぶりの新作を心待ちにしていますが、そもそもなんで11年も空いてしまったのでしょうか?
マリオと言えば超人気のゲームですから、普通だったらもっとポンポン出してもおかしくないのに。
気になって調べてみたところ、色んな理由が思い浮かびました!
後半には海外のインタビュー記事によって判明した新事実にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
2Dマリオの歴史
まずは2Dマリオの歴史を簡単に振り返っていきます。
2Dマリオが最初に発売されたのは1985年で、「スーパーマリオブラザーズ」として売り出されました。
同作はファミコンソフトの集大成として開発が進められ、左から右へと進んでいき、ジャンプアクションを駆使してゴールを目指していきます。
すると、
- 小気味よい操作感
- 手応え抜群のゲームバランス
- 癖になるBGMや効果音
などが好評を博し、空前の大ヒットを記録。
任天堂の業績に貢献したのはもちろん、ファミコンブームの火付け役となり、家庭用ゲームの文化を日本で浸透させるきっかけにもなりました。
その後は
- 難易度をさらに上げた「スーパーマリオブラザーズ2」
- アイテムや新システムを大幅に加えた「スーパーマリオブラザーズ3」
- スーパーファミコンの機能を活かして作られた「スーパーマリオワールド」
- 夢の国を舞台にした「スーパーマリオUSA」
と、毎年のように新作が発売。
派生作品も続々と発売されましたが、時代が3Dへと移り変わってからは新作の発売が途絶えてしまいます。
そんな中で発売されたのが、ニンテンドーDS用ソフト「New スーパーマリオブラザーズ」。
同作は過去に発売された2Dマリオを意識して作られたリバイバル的な作品で、かつてマリオを遊んでいた層に向けて作られています。
その狙いが功を奏したようで、発売週から爆発的な売上を記録。
国内での累計売上は640万本と、単品作品としては2000年代・1990年代に発売されたあらゆるゲームソフトの中で最も高い数字を記録しました。
本作の大ヒットを受けて2Dマリオシリーズは再び活発となり、新作が続々と発売されるようになります。
2009年にはマルチプレイモードをウリにした「New スーパーマリオブラザーズ Wii」が発売され、2012年7月にはコインを集めるシステムが追加された「New スーパーマリオブラザーズ 2」が。
2012年12月にはHD画質に対応した「New スーパーマリオブラザーズ U」が発売され、いずれも大ヒットを記録。
誕生から30年以上が経っても「スーパーマリオブラザーズ」シリーズの人気は健在であることを証明しました。
しかし、それから11年もの間、2Dマリオの新作が発売されなくなってしまいます。
なぜ、あれだけ新作が続いた2Dマリオの新作が11年も途切れてしまったのか?
ここからはその理由を語っていきます。
2Dマリオの新作が11年も発売されなかった理由
その1:New マリオシリーズが完成されすぎていた
2Dマリオの新作が11年も発売されなかった1つめの理由は、New マリオシリーズが完成されすぎていたことです。
New マリオシリーズはいろんな機種で展開されていまして、いずれも高く評価されています。
小気味良いアクション、多彩なギミック、個性的な敵キャラクターなど、アクションゲームとしてほぼ完成されている印象です。
しかし、その高い完成度が新作を発売する妨げになってしまった気もするんですよね。
操作感覚を変えようと思っても元が良すぎるので変えようがなかったり、ギミックを変えようと思ってもマリオらしさが薄れてしまうので半数以上は変えようがなかったり。
アクションゲームとして完成されているが故に新作として発売するのが難しくなっていた印象です。
また、任天堂はマリオ以外にも色んなアクションゲームを展開していまして、2Dアクションに限定しても
- 星のカービィ
- ドンキーコング
- ヨッシーアイランド
- ワリオランド
- メトロイド
- 伝説のスタフィー
など、非常に多くのシリーズが存在します。
これだけ多くのシリーズがありますと、それぞれのポジションをしっかりさせないといけません。
例えば「星のカービィ」や「伝説のスタフィー」は初心者向けにして、「ドンキーコング」や「メトロイド」は上級者向けにするとか。
そんな感じでポジションが定まってくるなか、マリオシリーズは万人をターゲットにします。
つまり、初心者でも楽しめるようにしないといけないし、上級者にとって退屈なゲームにしてもいけない。
そんな最大公約数的な作品を提示することがマリオの使命になっていきました。
その結果、「New マリオ Wii」以降の作品では初心者から上級者までが楽しめるようなバランスになっていきましたが、新作を重ねる毎に差別化を図るのが難しくなっていきます。
冒険の舞台はいつものキノコ王国で、宿敵はクッパ。
ゲームシステムも
- 左から右へ進んでいく進行形式
- 100コイン集めたら増加するマリオの残り人数
- コース毎に3枚隠されたスターコイン
といった基本的な部分は変わっておらず、コース上のギミックやBGMもほとんどが似通っていました。
もちろん作品ごとに新しい挑戦はしっかりとされていまして、DS版では巨大マリオを追加したり、Wii版では最大4人でのマルチプレイを追加したり。
3DS版に至ってはコインをテーマにした新システムを追加して、Wii U版ではHD画質によるクリアな映像表現を実現していました。
そのことから挑戦を怠った訳ではないとは思いますが、「スーパーマリオブラザーズ2」から「3」。
「3」から「ワールド」ほどの変化はありませんでした。
それはマリオのパブリックイメージが確立されたのもあると思いますし、New マリオシリーズが2Dマリオにおいてこれ以上ないくらい正解を導いたのも大きく感じます。
初心者から上級者まで楽しめる、みんながイメージするマリオ。
そんな作品を作ろうと思った場合、どうしてもNew マリオのような作品ができあがってしまいますからね。
実際、New マリオシリーズを手掛けたスタッフも
そもそも『スーパーマリオ』というゲームは、よりたくさんのお客さんに遊んでいただくために、コースがどうしても万人向けになってしまうんです。
と「社長が訊く 」で語られていましたので、マリオが持つ使命感に縛られているのが伺えます。
また、任天堂の2Dアクションゲームは他にも沢山あるので、下手に変えると他のシリーズと被る可能性があります。
コースマップを迷路のようにしたら「メトロイドで良いじゃん」と言われてしまうかもしれないし、ヨッシーのような仲間を増やしたら「ドンキーコングで良いじゃん」と言われてしまうかもしれない。
そういうこともあってNew マリオシリーズの進化は最適解だったとは思いますが、人間というものは飽きる生き物です。
いくら正解だからといって同じようなものを乱発したら飽きてしまい、新作を買わなくなってしまいます。
任天堂もそれをわかっているからこそ、さらなる正解を導き出すため、新作を作るための充電期間を設けたのだと推測します。
その2:スーパーマリオメーカーが始動
2Dマリオの新作が11年も発売されなかった理由。
2つめは、「マリオメーカー」シリーズが2015年から始動したことです。
本シリーズはコースを作成するクリエイトゲームで、タッチスクリーンを使った直感的な操作システムを採用しています。
また、オンラインに繋いで作ったコースをアップロード・ダウンロードできる機能を搭載したことで世界中のユーザーとオリジナルコースを共有できるようになりました。
この機能によって2Dマリオの可能性がグーンと広がりましたが、新作を買わなくても新しいコースを遊べるようになったのも事実だったりします。
オンライン上に投稿されたコースは1000万種類以上。
これだけ多くのコースを遊べるのであれば理論上、一生遊べるといっても過言ではありません。
もちろんオンライン上にアップロードされているコースの多くは一般ユーザーが作ったものですから、プロが作るコースほどは作り込まれていなかったりします。
理不尽な敵の配置にストレスを溜めることもあるでしょうし、変に仕掛けが凝っているせいでどうすれば先に進めるのかわからなくなることもあるでしょう。
ですのでプロが作ったコースが収録された新作を出す必要性が0になった訳ではありませんが、マリオメーカーシリーズが展開された時点でNew マリオシリーズが4作も発売されていました。
New マリオ1にNew マリオWii、New マリオ2、New マリオU。
どの作品もよくできていますが、世界観やゲームシステムは似通っていました。
そんな状況の中で、ちょっと変化を加えただけの新作を発売するのは果たして正解なのだろうか?
そういった議論があったからこそ、マリオメーカーシリーズが展開されている間は新作を控えていたのではないでしょうか?
その3:期限を設けずに開発していた
ここまで2Dマリオの新作が11年も発売されなかった理由を2つ語っていきましたが、どちらも最新作が発表される前からある程度は想像ができました。
ですが、ここからの話は最近判明した衝撃の事実を交えての理由だったりします。
最近判明した衝撃の事実。
それは、最新作の「マリオワンダー」は期限を設けずに開発していたことです。
あくまでもプロトタイプを作る段階の話ではありますが、ある程度のところまでは締切を設けていなかったようなので、それもあって2Dマリオの新作が11年も空いてしまったことが判明しました。
なぜ、期限を設けなかったのか?
プロデューサーの手塚卓志さんによると、
『期限に間に合わないからやらなかった、できない』と言われるのを防ぎたかった」
とのことです。
やはり、New マリオシリーズが完成されすぎていたこと。
「マリオメーカー」というマリオのコースを作れるゲームが世に送り出されたことから、新作を中途半端なものにするつもりはなかったようですね。
実際、マリオワンダーは現時点で判明している情報だけでも相当な気合を入れて作られている印象で、シリーズ最高傑作になりそうな予感が漂っています。
新しい世界を舞台にすることで一新されたコースデザイン、ワンダーフラワーに触れることで大胆に変化するコースの仕掛け。
ゾウ変身やドリル変身などの多彩なパワーアップ、知らない人と緩い繋がりを楽しめるオンライン要素、バッジを装備することで追加される新アクションなどなど。
New マリオシリーズにはなかった要素が満載で、2Dマリオの新しい可能性を提示しています。
なんでも本作のアイデアは立場や在職期間を問わずチーム全員から求めたようで、合計すると2,000以上も集まったようです。
で、その中から絞り込んだ結果、「ワンダーフラワー」の大胆な仕掛けが採用されたようで、この話を聞くだけでも「マリオワンダー」のアイデアは洗練されていることが伝わってきますね。
その4:任天堂の業績が好調である
そもそも「マリオワンダー」のプロトタイプを期限を設けずに開発できた要因として、任天堂の業績が好調であることが大きかったりします。
2Dマリオと言えば全世界で数千万本売れるほどのポテンシャルを秘めています。
これだけ売れると会社の業績も大きく変わるので、本来であれば納期を設けて発売時期を明確にしないといけません。
新型ゲーム機の発売に合わせて完成させるとか、少しでも多くの売上を出すために決算の直前に発売するとか。
株式会社である以上、計画的に新作を出していかないと業績の安定感がなくなってしまいます。
ですが、みなさんご存知の通り近年の任天堂は業績が好調です。
2Dマリオの新作を発売しなくてもヒット作がどんどん生まれている状況なので、慌てて作る必要がなかったりします。
だからこそ、「マリオワンダー」をじっくり作り込み、結果的に前作から11年も空いてしまったんじゃないかと思うんですよね。
思えば「New マリオ2」や「New マリオU」が発売された頃の任天堂は切羽詰まっている状況でした。
新型ゲーム機を発売するも思うように売上を伸ばすことができず、3期連続で営業赤字。
その一方でスマートフォンのゲームが台頭し始めたので、多くのメディアは任天堂が苦境に立たされていると報じていました。
だからこそ任天堂も起死回生を図るべく「New マリオ」シリーズを立て続けに発売しようとしましたが、開発スケジュールはかなり厳しいものでした。
「New マリオ2」に至っては「マリオカート7」が完成してからすぐに開発を始め、僅か半年で作られたと言われています。
本作の半年後には「New マリオU」の発売が控えていましたので、本来であればこんなに早く出す必要はなかったと思いますが、「New マリオ2」が発売された年の任天堂は364億円もの赤字を計上していました。
つまり、業績的に絶不調だったので、少しでも損益を減らすべく、急いで発売したと推測します。
その点、最近の任天堂は過去最高益を更新するほど好調ですので、余裕を持って新作ゲームを開発できる環境になりました。
「マリオワンダー」はここまで話した通りですし、他にも「ゼルダ ティアキン」や「ピクミン4」など、本来であればあり得ないくらい開発に時間をかけた傑作が生まれています。
どれもこれも任天堂に好循環が生まれているからこそ起きている現象だと思いますので、今後もこの状況が続くよう、応援していきたいですね。
新作が出たら買うようにしたいですし、ゲーム自体も時間が許す限り遊ぶようにしたいです。
そして、ブログやYouTubeを通じて、遊んだ時の楽しい気持ちをみなさんと共有したい。
それがぼくにできる、任天堂への支援だと思っています。
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