2013年12月に発売された3DS「パズドラZ」を今回はレビューします。
3DS「パズドラZ」はスマートフォンで展開されている基本プレイ無料ゲーム、
「パズル&ドラゴンズ」をコンシューマー向けにアレンジしたパズルRPGです。
パズルとRPGを融合した戦闘システム
「パズドラZ」はスマートフォン版と同じく、ダンジョンに潜って敵と戦って行くゲームです。
ダンジョンの移動はオートで行われ、自動でエンカウントするシステムを採用。
新たに分岐や宝箱が追加されていますが、基本的には戦闘の繰り返しです。
それでスマートフォン版で良いと思ったパズル要素が強い戦闘は相変わらずの面白さでした。
戦闘で攻撃を行うには画面下に表示されたパズルブロックを1ターンに1つ動かし、
同じ色を3つ以上揃える必要があるんですが、単に揃えるだけではいけません。
自分の手持ちモンスターの属性に対応したパズルブロックを揃えないと、
攻撃をしてくれないんですよ。例えば水属性のモンスターしか
連れていない時に、赤のパズルブロックを揃えても意味がないんです。
また、一定時間以内だったら自由にパズルブロックを動かすことができるシステムも健在。
一定時間以内なら斜めだろうが一回転だろうが動かせてしまうので、
パズルブロックを揃えるテクニックは今作でも重要になっています。
3DS版では新たに「Zドロップ」というものが追加され、
これを揃えるとより派手な攻撃ができるのも細かいけど良いシステムです。
コンシューマー向けにアレンジしたシステム
スマートフォン版ではどんなに戦闘してもモンスターは強くならず、
モンスターを強くするには拠点でパワーアップ合成をする必要がありました。
これはダンジョンで手に入れたタマゴから生まれるモンスターを
ベースとなるモンスターに合成させて経験値を得られるシステムなんですが、
「モンスター愛」を感じられないシステムで、あまり好きじゃなかったんですよ。
それが3DS版ではシステムが一新されて、
普通に戦うだけで経験値が入ってレベルが上がるようになりました。
また、進化のシステムも一新されて、素材モンスターを集めて進化させるシステムから
チップと呼ばれるアイテムを一定数集めて行うようになったのも、表現的に良くなっています。
唯一入手したタマゴを犠牲にして経験値を大量入手システムは「モンスター愛」を感じられませんがw
それ以外にもストーリー要素、ダンジョンでの分岐、条件を満たす事で開けられる宝箱、
自由に移動ができる街の追加、タイムアタックが楽しめるミニゲーム、
ダンジョンで手に入る「竜石」集め、クエスト要素とコンシューマー版ならではの要素はいくつかあり、
この辺りはさすがフルプライスの買い切り型で販売するだけの事はあります。
ハックアンドスラッシュ要素が面白い!
ダンジョン内で手に入るチップと呼ばれるアイテム。
これを集めることで、モンスターを進化させることが出来ます。
下位モンスターだとレベル30くらいまでしか上げられず強さも限界があるんですが、
上位モンスターだとレベル99まで上がるうえに基本能力、スキルも優秀だから、進化させざるを得ません。
しかし、上位モンスターに進化するために必要なチップは簡単に手に入らず、
何回も同じダンジョンを潜って強力なモンスターを倒して集める必要があるんです。
モンスターを倒して経験値や強力なレアアイテムを入手し、
キャラを強化してさらに強力なモンスターを倒す。
こういうプレイスタイルの事をハックアンドスラッシュというんですが、
「パズドラZ」はそんな楽しさが含まれていると思いました。
寒いギャグ要素
この辺は好みの問題ですが、会話の中で度々出て来るギャグが個人的に気に入りました。
とある少年風の登場キャラクターが「僕はどんなパンツを履けば良いんだろう?」と質問してきて、
ブリーフ、トランクス、ふんどし、何も履かないという選択肢が出て来た時は笑いましたw
しかもその後、「ブリーフからトランクスにはきかえ、そしてコーヒーをのみながら待っていたよ」と
必要のない情報を教えてくるからヤバかった。
ここまで来ると逆に独自の味が生まれてきて、好きになって来ます。
それ以外にも選択肢の中に「ガンホー」が含まれていたり、
みそ汁の味で喧嘩するキャラクターが出て来たり、デリカシーの無い陽気なキャラクターが出て来たりと、
変なギャグ要素が満載で別の意味でアニメ化を希望したくなって来ます。
BGMが良い!
BGMはスマートフォン版と同じく伊藤賢治さんが担当しているだけあって良く出来ています。
特に好きなのが、「神殿」で流れる神秘的なBGM。
耳馴染みの良いメロディーとピアノサウンドが良くマッチしていて、とても良い雰囲気です。
戦闘のBGMも盛り上がる物ばかりで、単体で聴いていても耐えられるレベル。
実はこのゲーム、クリア後からが本番だったりします。
クリアまでにかかるタイムもそれなりなんですが、それ以降はスマートフォン版を
やり込んでいる廃人が喜ぶような強敵が続出する高難易度ダンジョンが出てくるんです。
タイムアタックのミニゲームも様々な種類が存在しますし、
すべてを極めようと思ったらかなりのプレイタイムになる事でしょう!
単調なゲーム進行
このゲームは中盤までは退屈に感じました。もう、投げ出そうかと思ったくらい。
何故そんな退屈に感じてしまったのかと言うと、難易度が低くて単調だったからです。
↓
② 分かれ道を進みつつ戦闘を5.6回繰り返す。
↓
③ これを3.4回繰り返し。
↓
④ 短いイベント
↓
⑤ ①から④を6回繰り返し
↓
⑥ ワールドクリア!街にちょっとした施設が追加される。
↑こちらは1ワールドクリアまでの進行の流れ。
スマートフォンの基本プレイ無料ゲームだったらアリですが、
コンシューマーのフルプライスタイトルとして見たら、あまりにも単調です。
パズルとRPGを融合したシステムには不満が無いので、
もう少し②と④と⑥に息抜きできる要素があったら良いなと思いました。
例えば街は1つしかないんだけど、ワールドごとに作って
そこにミニゲームなどのサブ要素を盛り込むとか・・・。
一応、コンシューマー版ならではの要素として住人から受注できるクエスト、
ダンジョンで手に入る竜石集め、ストーリー要素があるけど、
どれもとりあえず付け足した感が酷くてあまり意味をなしていません。
クエストはダンジョンにあるアイテムを取ってくるだけの完全なお使いですし、
竜石も同じようなもの。ストーリーもダンジョンクリア!→雑談の繰り返しでテンプレート化してくるので、
あってないようなものです(寒いギャグは好きだけど)。
このように進行の流れが単調なうえ、中盤までは難易度が低くてあまり戦略を考えなくても良いから、
もうひたすらパズルブロックをかき混ぜる作業で終わってしまうんですよ。
それを15時間くらいもやらされてしまうのだから、投げ出したくなって来ます。
前述の通り後半からはハックアンドスラッシュ要素や難易度上昇によってモンスターの育成や編成、
相性、スキルの重要性が増して面白くなってくるんですが・・・。
変に子供を意識している
良いところでギャグ要素を褒めましたが、ストーリー自体はテンプレート化していて微妙。
しかも子供っぽい演出が多く、大人がプレイしていたら恥ずかしくなって来ます。
表記に関しても、変に子供を意識し過ぎている気が。例えば「お母さん」という表記。
これは「母」にしても良いと思うし、「しんか」と言う表記も「進化」で良いと思う。
その一方で「クリア」を「clear」と表記していて良く分かりません。
キャラクターイラストは古臭く、主人公は某モンスターゲームのパチモン臭いです。
街のグラフィックも及第点はあげられるんですが、人間キャラクターは何故か2Dドットで描かれていて、
8方向しか移動が出来ず、ゲームボーイアドバンスのゲームみたい。
今作の装飾は、どれもこれも取ってつけた感が強くて宝石をダサい宝箱に入れているかのよう。
スマートフォン版で感じられたパズルとRPGを融合した
面白さは健在で、基本システムは良く出来ています。
しかし、コンシューマー版ならではのアレンジは必ずしも最適とは言えません。
また、フルプライスタイトルとして見るとまだ足りない要素も多く感じました。
こんな人には特におススメ。
・ハックアンドスラッシュ好き。
・本家シリーズのファン。
・課金に抵抗があって本家に手を出せない人。
こんな人にはおススメできない。
・単調なゲームが嫌いな人。
・子供っぽい演出が嫌いな人。
パズドラZ/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約28時間
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