【レビュー】極魔界村 改 [評価・感想] 死んで覚える古典的な楽しさを味わえる作品

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2007年8月に発売されたPSP「極魔界村 改」を今回はレビューします。
PSP「極魔界村 改」は高難易度2Dアクションゲーム「魔界村」の4作目となる作品です。
ベースとなっているのは、2006年8月に発売されたPSP「極魔界村」。

良いところ

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昔懐かしの死んで覚える楽しさ

死んで覚えるゲームの代名詞として知られる「魔界村」シリーズ。
本作でもその楽しさはしっかり備わっていて、各ステージには初見殺しの仕掛けが満載です。
例えば敵が待ち構えていたりとか、床が崩れてしまうトラップが設置されていたりとか、
ジャンプ力に影響のある追い風や向かい風が吹いたりとか。

とは言え多くは理不尽には感じられず、
プレイヤーが反省して「次回はこうしよう!」と思わせるように作られているため、
何度も再挑戦をして気が付いたらすごい時間が経ってしまった事がよくありました。

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シリーズのお約束を守った作り

本作の元なっている「極魔界村」は、なんと実に15年ぶりの完全新作だったりします。
それだけ時間が経つと原型をとどめていない場合もありますが、
本作の場合は過去作をしっかり尊重した作りになっていて、
例えばステージ開始時は全ステージを眺められるワールドマップが表示されたり、
真のエンディングを見るには2周する必要があったりと、過去作をしっかり踏襲していました。

グラフィックは2Dから3Dに変わっていますが、「魔界村」らしいおどろおどろしい雰囲気は健在。
むしろ、グロテスクな雰囲気が増しているかもしれない。
立体的な演出は控えめで、たまに別の部屋へ移動する時にカメラが90度回るくらい。
3Dポリゴンで作られている事を忘れてしまうくらい2Dアクションゲームになっています。

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全く異なる性質を持った2本のゲームを収録

本作には元となった「極魔界村」も収録されています。
このゲーム、ステージこそは「極魔界村 改」と同じなんですが、テイストは大きく異なるんですよ。
体力がなくなったらその場で復活。ゲームクリアの条件は、
各ステージに隠された33個のリングを回収する事。条件を満たすと以前のステージにワープが可能。
普通のステージクリア型アクションゲームとなる「極魔界村 改」とは違って
探索要素が重視された内容となっていて、全く異なる性質を持った作品になっています。

このゲーム単品で発売されたらコレジャナイ感が強くて低評価になってしまいますが
(実際、「極魔界村」自体はそこを指摘されてファンの間では低評価)、
従来の楽しみ方ができる「極魔界村 改」とのセットだったら
エクストラモードの様な位置付けとして楽しめるので良いと思いました。
同じ素材でも、バランスを変える事でここまで印象が変わるものになるとは。
ある意味、勉強にもなる作品だと思います。

個人的に合わない&気になったところ

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コンテニューシステムが活きていない

「極魔界村 改」は、コンテニューの回数に制限があります。
コンテニューの回数がゼロになると最初からやり直しになるというシビアなシステムに感じますが、
1ステージクリアするごとにセーブする事が可能のためシステムが活きていないと感じました。

だって、何度も死にまくってコンテニューする事になっても
タイトル画面に戻ってセーブポイントからやり直せば良い訳ですからね。
ロードしたセーブデータは消える仕様にしたら良かったのに。

また、コンテニューの回数は各ステージに隠されたリングを3個集める事で増やせるのですが、
リングを取った後にミスをしても回数はカウントされるうえに
入手したハズのリングは元に場所に再配置されるため
簡単に入手できるリングの場所を知ってしまえば
楽にコンテニューの回数を増やせるのも問題だと思いました。

とは言えゲームクリアまでには何度もミスをしてしまうくらいシビアなバランスにはなっているので、
このシステムが活きていなくても十分に歯ごたえは感じられると思います。
むしろ、今のユーザーに「最初からやり直せ!」は厳し過ぎたのでこれで良かったのかもしれない。

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相変わらず健在な癖の強い仕様

・ジャンプ中は制御が効かず、マリオのように細かい調整ができない。
・どんなにアーマーを入手しても1回でもダメージを受けたらパンツ一丁に。
・武器のストックは出来ず、新しい武器を手に入れたらそれまで使っていた武器とはおさらば。
・次から次へと敵がどこからともなく現れてプレイヤーを殺しにかかってくる。

このように癖の強い仕様は健在なので、これを理解できないうちはイライラすると思います。
他の2Dアクションゲームをプレイした直後に触った場合、
それとこれとは別だという事を念頭に置いてプレイした方が良いですね。
あと、ゲームオーバーにならないとタイトル画面に戻れないのは不便だと思いました。


死んで覚える古典的な楽しさを味わえる作品。
ファミコン時代にその手のゲームをよくプレイした者としては「これだよ!これこれ!」と言いたくなります。
現代に合わせてゲームオーバーのリスクは控えめなので、遊びやすいですよ~。

こんな人には特におススメ。
・高難易度アクションゲーム好き。

こんな人にはおススメできない。
・アクションゲームが苦手な人。

極魔界村 改/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約10時間

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4件のコメント

遊び応えがあって面白かったですね。
私は魔界村=2周制なので探索の方はやりませんでした。
2周目のボスが2Dアクションとは思えない迫力で印象に残っています。

>たこいちさん
個人的にストライクなゲームでしたw
探索も好きですが、魔界村に過度な探索要素は必要ないと思いました。
ですので、改良前のモードはちょっと触ったくらいです。

セール中だったので早速購入しました。
シリーズをプレイするのは「超魔界村」以来なので楽しみです。

>シロマさん
このタイミングで記事にして良かったー!
これは間違いなくシロマさんにおススメのゲームです。