どうも!KENT(@kentworld2 )です!
先日、「ペーパーマリオRPG」と「ルイージマンション2 HD」の発売日が決まりました!
前者は2024年5月23日。後者は6月27日と言うことで楽しみにしたいところですが、こう感じた方もいるのではないでしょうか?
確かにここ最近の任天堂はリメイクが続いていますね。
11月のマリオRPGに翌年1月のアナザーコード、2月のマリオvs.ドンキーコング。
そして5月のペーパーマリオRPGと6月のルイージマンション2。
新作はプリンセスピーチとフォーエバーブルーくらいで、リメイクの比重が上がっています。
昨年はマリオやゼルダ、ピクミンの新作が発売されて盛り上がっただけに、ちょっと落差を感じますね。
これは一体、どういうことなのか?
考察をしてみたところ、様々な理由が思い浮かびました。
確かにこれはねぇ、リメイクばかりになるのも無理はない。
ただそれを100%肯定するのも違うと思うんですよね。
そこで、今回は任天堂の新作がリメイクばかりな理由を挙げていき、個人的に感じていることを語っていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
任天堂の新作がリメイク中心な理由
その1:次世代機の発売が近づいている
1つめの理由は、次世代機の発売が近づいていることです。
Switchも発売8年目を迎えるので、従来のゲーム機ですと寿命を迎える段階にあります。
ですので、任天堂関連のスタッフの多くは次世代機に移行して、残ったスタッフが現行のSwitchでリメイク作を手掛けているのではないか?ぼくはそう推測します。
本記事を投稿している時点では次世代機は正式発表されていませんが、耳にタコが出来るくらい噂が飛び交っているので、発売が間近に控えているのは確かだと思うんですよ。
そうなると次世代機向けの有力タイトルを揃えないといけませんから、今はそちらに全力を注いでいるのではないでしょうか?
3Dマリオやゼルダ本編の新作はもちろん、どうぶつの森やマリオカート、スマブラの新作などなど。
Switchで数千万本売った超人気タイトルの次世代機版を水面下で作り、その間に安定した結果を出せるリメイク作を現行のSwitchで展開する。今はそんな状況だと思うんですよね。
その裏付けとなるのが、3DSやWii Uが末期だった時代です。
当時も溜めに入っていると感じることがありまして、リメイクが目立っていました。
以下のタイトルは任天堂が3DS末期(2018年度)に発売したタイトルです。
「ザ・デッドヒートブレイカーズ」や「寿司ストライカー」こそは新作ですが、
- 進め!キノピオ隊長
- ルイージマンション
- マリオ&ルイージRPG3 DX
- 毛糸のカービィ
は他ハードで発売されたタイトルのリメイク作。
新作の「メイド イン ワリオ ゴージャス」も過去作の集大成的な側面が強く、準新作的なタイトルが目立っていましたし、その多くはマリオ系のタイトルでした。
Wii Uに至っては新作どころかリメイクすらも発売されず、半年もの空白期間がありました。
これは開発リソースをSwitchに集中させるための策でしたが、同じようなことがいま起こっていると思うんですよね。
つまり開発リソースを次世代機に集中させて、現行のSwitchでは人気タイトルのリメイク作でお茶を濁すと言いますか、そんな気がしています。
その2:ゲーム開発の長期化
ここまで次世代機の発売が近づいていることがリメイクばかりな要因であるとお話しました。
ですが、リメイクばかりなのは今に始まったことではありません。
2020年から2021年辺りもリメイク版が続いていましたし、スクウェア・エニックスなどの他社もリメイクの比重が高まっています。
そういったことも考慮に入れますと、任天堂の新作がリメイクばかりなのはゲーム開発の長期化も影響していそうです。
みなさんは一本のゲームを作るのってどのくらいかかると思いますか?
ファミコン時代は3ヶ月。あるいは半年で完成するケースもありましたが、近年はものすごい時間が掛かっています。
大作ゲームの場合、3〜4年でも早いくらい。
5年以上が当たり前になっていて、開発に関わるスタッフも数百人。
下手をしたら数千人規模に膨れ上がっていて、そんなにポンポン出せない状況になっています。
それは任天堂も例外ではなく、HDゲームが当たり前になってからは明らかに開発の長期化が進んでいます。
3D版「ゼルダの伝説」本編の場合、「風のタクト」から「トワイライトプリンセス」までは4年スパンで新作を出せていましたが、それ以降は5~6年と明らかに開発期間が長くなってしまいました。
最新作である「ティアーズオブザキングダム」の場合、「ブレスオブザワイルド」のマップを流用していながらも6年かかっていますから、完全新作だったらどれだけの時間が掛かっていたのか?想像するだけで恐ろしいです。
このようにゲームソフトの開発は明らかに長期化していますが、任天堂は株式会社なので毎年一定の売上をキープしないといけません。
ある年に5,000億円の売上を出したのにその次の年に500億円とかになったら大問題になってしまうので、せめて1割減とかそのくらいの減少に留めないといけないんですね。
しかし、毎年のようにビッグタイトルを揃えるのは難しい。
そういった時に比較的早く出せる名作のリメイクは便利な手法なんじゃないかと思います。
元が名作だったらある程度の面白さは保証されていますし、一定の売上も見込めるでしょうからね。
その3:Switchが好調
3つめの理由は、Switchが好調であることです。
Switchは国内だけで3,000万台以上を販売しており、全世界累計では1億3,000万台を突破しました。
この売上は任天堂の据え置き型ゲーム機では過去最高で、大ブームになったWiiを越えています。
ということは過去にあまり売れなかったゲーム機の名作をSwitchでリメイクしたら再評価されるチャンスがあると思うんですよ。
実は任天堂ゲームの中には対応ゲーム機の売上が低いが故に過小評価されてしまったタイトルが山のようにあります。
少し前だと「スーパーマリオ3Dワールド」や「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」でしょうか。
どちらも任天堂の看板タイトルで、非常によく出来ています。
しかし、前者はWii Uという売れなかったゲーム機で。後者はWiiブームが過ぎた頃に発売されたが故に売上を伸ばすことが出来ず、埋もれてしまいました。
どのくらい低いのかと言うと、シリーズの最低売上を更新するくらい。
ゲーム自体はよく出来ていただけにファンとしても歯痒い気持ちでいっぱいでした。
ところがSwitchで再発売したところ、元の作品よりも売れるという逆転現象が発生。
今では「3Dワールド」も「スカイウォードソード」も一定の地位を築き上げているので、再評価されたタイトルとして挙げたいくらいです。
このようにSwitchのリメイク・リマスター版は原作よりも売れるケースがいくつもあります。
「ゼルダの伝説 夢をみる島」や「スーパーマリオRPG」も原作より売れていますし、「マリオカート8 デラックス」に至っては全世界累計6,058万本というマリオ史上最大のヒット作になるほど売れました。
そういったことを考慮に入れますと、任天堂は潜在的な需要を掘り起こすこともリメイクを連発している理由の1つだと思いますね。
その4:大人の層に訴求できる
4つめの理由は、大人の層に訴求できることです。
任天堂のゲームって誰でも遊べるように作られているので、どうしても他社のゲームと比べて年齢層が下がりがちです。
そして、ある程度大きくなったら任天堂のゲームを遊ばなくなり、もっと刺激的な娯楽へ流れてしまう。
そんな状況になりがちだったんですが、そこで名作のリメイク版を発売したらどうでしょうか?
懐かしさで買われる大人の方も多いと思います。
特に顕著だったのが「スーパーマリオRPG」です。
本作はスーパーファミコン時代に発売された名作のリメイク版なんですが、発表当時は30代から40代のユーザーを中心に注目を集めました。
これはマリオゲームとしては異例の事態で、明らかにいつもよりも上の層に訴求することに成功しています。
こちらはYouTubeチャンネル「KENT for 任天堂ゲームレビュー」で投稿した「スーパーマリオRPG」の関連動画の視聴者層です。
25〜44歳が7割を占めるという他のマリオ動画とはまた違った結果になりました!
このようにリメイク版は原作を遊ばれた大人の層に訴求できる力があるので、ユーザーの囲い込みとしても有効な戦略だと思うんですよね。
実際、ポケモンシリーズはリメイクと新作を交互に展開することで世代を超えて愛されています。
実はポケモンシリーズって初期の頃は子供向けの印象が強くあったんですが、DS時代辺りから中高生以上にも人気が出てきて、今では大人が遊んでいるのが当たり前の状況になりました。
そうなった要因は色々あると思いますが、リメイク版を定期的に発売していることも一因としてはあると思っています。
人間というものは童心に帰りたくなる時があって、子供のときの心を思い出したくなります。
10年。あるいは20年前、あんなゲームにハマっていたなぁと感じることがあるので、リメイク版はそういった需要を満たす特効薬になります。
任天堂もそれはわかっているでしょうから、リメイク版を定期的に発売する理由はその辺りにも隠されていそうです。
その5:新作よりも作りやすい
5つめの理由は、新作よりも作りやすいことです。
リメイクは原型となる作品があるので、イチから作るよりも開発費を抑えやすいところがあります。
ストーリーは既に決まっていますし、ゲームバランスも出来ている状態ですからね。
あとはグラフィックやBGMを今風にしたり、原作で不便だったところを快適にすればリメイクとして成立するので、完成までを予測しやすく感じます。
加えてリメイクは基本的に評価が高い作品をベースにしていることが多いので、開発コストに対するプレイヤーの満足度が高くなりやすいところがあります。
特に顕著なのがニンテンドーダイレクトなどでリメイクが発表された瞬間でしょうか。
ぼくもよくあるんですが、好きな作品のリメイクが発表された時って発狂するんですよねw
やっぱり好きな作品って思い入れが強いじゃないですか?
そんな作品が綺麗になってリメイクされると当時の思い出が蘇ってワクワクするんですよ。
そういう訳でリメイクってファンを喜ばせるうえでは非常に美味しい手法なんじゃないかと思います。
もちろんリメイクにはリメイクなりに大変なところもあって、当時は許された表現が今では許されなくなってるから代替案を出すとか。
原作プレイヤーが満足いくように作らないといけないところはあります。
例えば3DSで発売された「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面3D」の場合、当時は許されたところを直しまくった結果、原作よりも開発期間が3倍も長くなってしまいました。
そのような例外もありますが、基本的には新作と比べたら作りやすいからこそリメイクが増えてしまうのではないか?ぼくはそう推測します。
リメイクに対する正直な意見
ここまで任天堂の新作がリメイクばかりな理由を考察してきました。
こうしてみると、いろんな事情が絡んでいるのがわかりますよね?
ですのでリメイクばかりなのになるのは仕方がないなぁと思います。
ただ個人的にはその一方でモヤモヤするところもあったりします。
ここからは個人的に思っていることを正直に語っていきます。
まず好きな作品のリメイクが出ること自体は嬉しいです。
特に多感な時期に遊んでいた作品のリメイク版が発表されますと興奮しますし、発売後もみなさんと思い出を共有できて、それもまた楽しかったりします。
ただリメイクって基本的には後ろ向きなんですよ。
楽しかった過去を振り返るという、それ以下でもそれ以上でもないので未来が見えないといいますか。
ゲームというものはまだまだ可能性を秘めた娯楽です。
グラフィックの向上ばかりが目に入りがちですが、それ以外にも没入感や一体感の追求とか。
いろんな可能性を秘めているので、そういった新しい試みを取り入れた任天堂の新作を早く遊びたいのが正直なところなんですよね。
任天堂のリメイクはどれも安定した水準に達しています。
「スーパーマリオRPG」は原作の要素をビックリするくらい丁寧に再現していましたし、「夢をみる島」もジオラマ風のグラフィックに感動しました。
もう遊んだ瞬間に原作が好きな人が作った作品だとわかるくらい愛が詰まっているんですが、一方では保守的な印象を感じることもあります。
追加要素は最低限の量しかありませんし、システム面もチューニング程度に留めることが多くありますからね。
「そこが良いんだよ!」という意見があるのもわかりますが、やっぱ今の時代に出すからこその未来を感じたいです!
オープンワールドになった「ゼルダの伝説 時のオカリナ」とか、大規模なオンライン対戦が可能になった「カービィのエアライド」とか。
そういうリメイクだったら未来を感じられるんですが、現状任天堂が発売するリメイクの多くはグラフィックを強化したリマスター的なタイトルが目立っています。
いや、わかるんです。下手に変えたら原作ファンから苦情が来てしまうから、別物にならないようチューニング程度に留めておく。
最大公約数的に考えたらそれが正解だとは思いますし、リメイクの存在自体を否定するつもりはありません。
ですが、ゲームの可能性を感じている者としては、懐かしいと思いつつも「新鮮味が欲しいなぁ」という気持ちになるのも正直なところなんですよね。
現状の発売スケジュールはそんなタイトルばかりが並んでいるので、ちょっと淋しいです。
ただぼくも任天堂ファンになってから長いので、これは一時的な現象だとは思っています。
任天堂は2028年に新しい研究開発拠点を建設させる計画を発表して、決算発表会 (※PDF)ではゲームの開発体制の拡張に最大1,000億円を投資することもコメントしていました。
同じようなことはWii Uが発売される直前にもありましたが、投資額は当時よりも遥かに多く、次世代に向けて相当な気合を入れていることが伝わってきます。
Switchが発売されてからの7年間。
任天堂は膨大な利益を手にしましたが、今後はそこで得た資金をゲーム開発にも投資するようです。
ということは大作の開発ラインが増えるでしょうから、期待して待ちたいですね。
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