【レビュー】ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ [評価・感想] ハードコンセプトにはあまりマッチしていないが、盛り沢山な内容


ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ/Switch

ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ

2017年5月に発売された対戦格闘アクションゲームです。本記事では本作のレビューをしていきます。

ストリートファイターIIシリーズのさらなるバージョンアップ版

1991年にアーケードで登場して以来、一世を風靡した「ストリートファイターII」。

複雑なコマンド技を入力してライバルを倒して行く対戦格闘ゲームのジャンルを築き上げた作品としてあまりにも偉大な存在で、その人気は計り知れません。

本作はそんな「ストリートファイターII」の何作登場したのか分からないバージョンアップ版からさらに要素を追加した作品です。ここからはニンテンドースイッチ版の追加要素を中心に書いていきます。

プレイアブルキャラクターがさらに追加!

当初は8体だけだった「ストリートファイターII」のプレイアブルキャラクター。

様々なバージョンアップ版によって少しずつ増えていきましたが、本作ではさらに2体追加されて全19体のプレイアブルキャラクターが登場します。

新たに加わったのは殺意の波動に目覚めたリュウと洗脳されたケン。どちらも既存キャラクターをベースにパワーアップさせた汎用キャラですね。

豪鬼のように相手キャラクターの後ろに素早くすり抜ける技など通常のリュウやケンにはない派手な技を使う事が可能で、友達との対戦時に使用したくなります。ただ、これらのキャラクターが加わった事によって汎用キャラの割合が増えてしまいましたね。

充実のゲームモード

本作に収録されているゲームモードはかなり多いです。

スーパーファミコン版などでお馴染みのコンピュータを連続で倒して行くアーケード。友達とローカル対戦を楽しむバーサスといったお馴染みのモード以外にも今の時代ならではの新モードが追加されていました。ここからは新モードの感想を書いていきます。

バディファイト

2人で協力してコンピュータを倒して行くモード。これは1対1のバトルが繰り広げられる「ストリートファイターII」では新鮮でした!

まず、20年以上キャラクターが向き合って戦う映像しか見ていなかったので、同じ方向を向いたキャラクターが2体いるのが新鮮ですねw

このモードはおすそ分けプレイを前提にして作られていると思いました。

後述でも振れますが、Joy-Conで本作を正確にプレイするのは難しいけど、本モードでは協力プレイのためある程度はアバウトな操作でも戦う事が可能ですからね。味方には攻撃できないため好きなように敵をタコ殴り出来ます。

ちなみに相棒をコンピュータにする事もできるので1人でも楽しむ事は可能です。

ネットワーク

オンラインでプレイヤーと対戦できるモード。最近のシリーズ作品ではお馴染みですが、完成度の高い「ストリートファイターII」でできるのが嬉しい!

用意されている機能は最低限のものでアイコンの変更やコミュニケーション機能はありませんが、ランクマッチでは勝つとポイントが溜まるので集めていくのが地味に面白いです。

マッチングは驚くほど良好でした。無線でもすぐに繋がります。通信に関しては無線だとラグが発生して遅くなる事がありますが、待ち時間なしにサクサクと楽しむことができるのでこれは嬉しい!

トレーニング

各キャラクターの技を練習できるモード。嬉しいのが、どのボタンをどのタイミングで押したのか分かるキーディスプレイの搭載です。

キーディスプレイは最近のシリーズ作品ではお馴染みですが、昔は搭載されていなかった記憶なのであると嬉しいですね。

ストリートファイター」シリーズは最近の簡単操作でコンボを繋げていく格闘ゲームとは違い、シビアなコマンド入力を必要とするので最初は思うように技を出せません。

そんな時にキーディスプレイ機能を使えば何故、狙っている技を出せないのか視覚的に確認ができるので上達が早まります。

他のモードでも確認出来ますが、本作には最近の格闘ゲームではお馴染みの技表も収録されていました。

これを見れば各キャラクターの必殺技などをどのようにボタンを入力したら発動できるのか分かるようになっています。

ただ、他のゲームにも言える事ですが、コンシューマーゲーム機向けの作品なのにキックボタン、パンチボタン表記は普段、格闘ゲームをプレイしない人にとっては分かりにくいですね。

放て!波Do拳

一人称視点で波動拳などの必殺技を放って戦うモード。イチから3Dグラフィックを描き下ろしているのは頑張っていると思うけど、これは一発ネタでした。

波動拳はJoy-Conを水平に構えながら前に振ると発動出来ますが、これと昇竜拳などの少ない技を繰り返すだけですぐに飽きます。

にも関わらず成長要素や複数のステージを収録していて、完全クリアしようと思ったら作業になりました。

本作の分かりやすいセールスポイントを加えようとして収録した安易なゲームモードです。1回やっただけで満足してしまう。

ギャラリー

改編、抜粋した「ストリートファイターアートワークス 覇」を閲覧できるモード。273ページもの大ボリュームで、大量の描き下ろしイラストを閲覧出来て思った以上に凄いです!

携帯モードではフリック操作でページをめくったり、拡大する事も可能なので完全に電子書籍が丸々1冊入っているような感じ。本書はなんと定価3,675円(税込)もするので、それが収録されているのはかなりお買い得に感じます。

個人的に本書で良かったのが、春麗の鍛え抜かれた太ももをじっくりと閲覧できる事。

春麗はストッキングを履いているので生足ではないんですが、焦げた肌色のような感じなので股間の部分は何も履いていないと妄想をして眺められるんですよ!

それだけ妄想できるくらい高い画力で描かれていると思いました。お尻に付いた筋肉の質感がたまらない!

その他の追加要素について

グラフィックは新・旧の2種類から選ぶことができます。

解像度を高め、アレンジを加えた「ニュージェネレーション」。スーパーファミコンチックなレトロ感あるグラフィックで楽しめる「クラシックジェネレーション」。さらに効果音も新・旧の2種類から選択可能です。

個人的に「ニュージェネレーション」は違和感があります。解像度は高くなっているけど、全体的に安っぽい。動きも違和感あるものがあってしっくり来ないので、すぐ「クラシックジェネレーション」に変更しました。うん、やっぱりこっちの方がしっくり来る。

会話シーンやゲームオーバーシーンは「ニュージェネレーション」のみでした。こちらも違和感ありまくりなので、「クラシックジェネレーション」にも対応してほしかったなぁ。

タッチスクリーンを使って簡単に必殺技を放てる機能も搭載されていました。初心者には便利ですが、タッチスクリーンを押してもすぐに発動するかと言われるとそうではなく、少しラグがあるのでそこは注意が必要です。

キャラクターのカラーをエディットできる機能も搭載されていました。マイキャラにするとそのキャラクターを特別なものだと思い、他の人と被ると差別化を図りたくなるのでそういう時に便利な機能ですね。

カラーエディットでは4つのパーツを好きな色に変更する事が可能で、例えば肌を緑にして服も気持ち悪い色にしたらゾンビに感染したかのようなキャラクターにもできるんです。

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Joy-Conでの操作について

Joy-Conでの操作はやりにくく感じました。波動拳のように下→斜→横とコマンドを入力するタイプの技は発動しやすいんですが、春麗のスピニングバードキック(下長押し→上+キックボタン)のようなタイプの技はスティックでも、十字ボタンでも発動しにくいです。

スティックだと正確に下や上に倒しにくいですし、十字ボタンだと入力中はつい横ボタンを押してしまう。ニンテンドースイッチのJoy-Conって十字キーではなく、十字ボタンですからね。

PROコンだと十字ボタンではなく、十字キーなので素早く上方向に重圧をかけられて発動しやすいですが。

僕はベガ使いなので、困りました。ベガのサイコクラッシャーアタック、ダブルニープレス、ヘッドプレスは方向キー長押し→反対方向へ素早く入力+パンチorキックボタンを押す事で発動しますからね。

なので、慣れるまでは入力時、コントローラを見ながらやる事にしました。そうする事である程度は発動確率が上がるので。

おすそ分けプレイでガチ対戦は無理!

片方のJoyでのガチ対戦は無理があると思いました。片方のJoy-Conだけで操作するとスティックと4つのボタンが寄りすぎているので、Lボタンを押しにくい!

「ストリートファイター」シリーズで対戦しようとなったら方向キーと6つのボタンを正確に入力しなければならないので、「とりあえず」コントローラになるJoy-Conでプレイするようなゲームには感じられません。なので、本作はニンテンドースイッチと相性が良いようで悪く感じます。

おすそ分けプレイでガチ対戦を満足に楽しむのが困難だからこそ、緩く楽しめるバディプレイを搭載したんでしょうね。本作を購入して友達と手軽に楽しみたい場合、対戦をするのではなく、協力プレイをするもんだと思った方が良いです。

どうしてもしたい場合、PROコンを2個揃える必要があってお手軽感がなくなってしまいます。

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全体のまとめ


ハードのコンセプトにあまりマッチした作品ではありませんが、「ストリートファイターII」を「これでもか!」というくらい様々な新要素を搭載しているため遊びの幅は広く、5,000円の価値はあると思いました。

ゲームシステムは「ストリートファイターIV」を少しシンプルにしたような感じなので最近のシリーズ作品に慣れている人でも意外と入りやすく、環境さえ整えればある程度は楽しめます。ハードコンセプトにはあまりマッチしていないが、盛り沢山な内容。

こんな人には特におススメ。
・気軽にローカル協力プレイをしたい人。
・ストリートファイターIIファン。

こんな人にはおススメできない。
・気軽にローカルガチ対戦をしたい人。
・格闘ゲームが苦手な人。

ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約5時間

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14件のコメント

懐かしさもあいまって購入しましたが、全体的にまぁまぁな出来でしたね
リメイクされたグラフィックは表情とか何だかしまりがなくてイマイチでした
もっと最近の格闘ゲームみたく綺麗にかけると思うのですが
新キャラは結構楽しめました
必殺技ワンボタン登録は、CPUとは違い実際に発動時のコマンドを入力しているようです
溜め系の技とか連打系の技とかは予備動作を表示させないようにする工夫が必要ですね
(左斜め下を入力している状態で押すとラグ無しで発動できます)
書き下ろしのエンディングはまぁまぁでしたね
買って損したとは思いませんがちょっと待てば値崩れしたような気はします

飛び抜けて素晴らしい作品ではないですが、僕もそれなりに楽しめました。
新キャラは派手な技があって、面白いですよね!

>CPUとは違い実際に発動時のコマンドを入力しているようです

そんな気はしていました。だから、サクサク発動できないんだと。

値崩れはするかもしれませんね。初期のタイトルはそういう傾向があるので。
でも、今のところニンテンドースイッチソフトはほとんど値崩れしていないから凄い。

バディファイトといえば ストゼロにも似たようなモードがありましたね、リュウとケンがタッグを組んで 一緒にベガを倒すモードです、ゼロ2以降廃止されたが 久々に見ると 懐かしく感じますねw

そうだったんですか!?
過去にも似たようなモードがあったのか。
そうなると復活したということなんですね。

バディファイトは『愛しさと切なさと心強さと』が流れてベガと戦えるモードもあるのかな?
無理だとは思ってたけど、やはり片方ジョイコンで対戦は辛いんですなぁ

「愛しさと切なさと心強さと」はバディファイトでは聴きながら楽しむことが出来ます。
ステージをクリアすることでベガとも戦えますよ!
片手Joyコンはさすがに無理がありましたw

洗脳されたケンは劇場版に登場しましたけど格闘ゲームのプレイヤーキャラとしては2004年に発売されたSNKの「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」以来の久しぶりの登場なんですよね。

これらのキャラクターは再登場だったんですね。
2004年以来とは、ファンにとっては超久しぶりじゃないですか!?

自分も気になっていたので購入しました。全然格闘ゲームガチ勢ではないので懐かしさだけで買いましたが、思ったよりも楽しめています。クラシック版のドットいいですよね。わざわざオプションにいって切り替えではなくて、対戦中に切り替えられたらもっと良かったですが。May’nさんの愛しさと~カバーがかなり良アレンジで気に入ってます

このゲームは今の格闘ゲームを現役でプレイしているユーザーでも懐かしさで買いたくなってしまいますよね。
グラフィックはクラシック版が気に入っています。瞬時に切り替えられたら面白いんですけどねぇ。
カバー曲は原曲のイメージを損なっていないと思いました。

プレイ動画を見ただけですが、フルプライスでリメイクするなら、データ継ぎ足しじゃなく、大胆にやってほしかった。スト5のゲームエンジンにのせて水墨画の演出にするとか。

スト2でもジョイコン1つプレイは厳しい感じですか…
格ゲーだからというのもあるんでしょうがぶっちゃけスーファミのゲームですら厳しいとなると
おすそ分けプレイはよっぱど単純なゲームしか厳しいのかな。
別にシンプルが悪いとは言いませんが5,000円オーバーの価格取る代物がどれだけ出せるかとなるとうーん。
話聞く限りボンバーマンや1-2-Switchも価格相応とは言いづらいでしょうしね。
結局外でのテーブルモードで複数組のジョイコンかプロコンいるとなったら
コンセプトだいぶ薄れちゃいますよね。
おすそ分けプレイはどういう流れになっていくのやら。

ストリートファイターIIは正確なコマンド入力が必要ですからね~。
人によってはPROコンでも厳しいと思います。
ストリートファイターIIのようなクラシック格闘ゲームはアーケードスティックあって初めて土俵に立ったといえるほどガチですから。
なので、そのようなゲームでおすそ分けプレイを楽しみましょうという企画自体がナンセンスだと思います。
単純、複雑というよりは操作のシビアさの面でおすそ分けプレイとの相性は悪いです。
基本的にカプコンのゲームはおすそ分けプレイに向いてなさそうですね。