2013年10月3日にPSストアで配信されたPS3用ダウンロードソフト「rain/レイン」。
さっそくプレイを開始したらそのまま一気にエンディングを迎えてしまいました。本記事では本作を最後までプレイした感想を書いて行きます。
目次
姿が見えない事を活かしたアクション
本作の主人公は、姿を失った少年です。
ただし雨が降っているところに行くと姿が少し浮き出て来ます。
本作はこの特殊な特徴を持った主人公を操作し、怪物から姿をくらまし目的の場所まで進んでいくアクションアドベンチャーゲームです。
プレイして思ったのが、意外とアクション要素が強い事。
例えば頻繁にジャンプして屋根の上に登ったりとか、進行ルートには高低差があるんですよ。
平らな街中の道を進んでいく事がメインと思っていたので、少し意外です。
怪物はフィールドの至る所にいますが、主人公は一切攻撃できないし、攻撃を受けると一発でやられてしまいます。
そのため怪物がいたら基本逃げるんですが、単に逃げるだけではなく、雨が降っていない場所へ逃げて姿を隠し、隙を見て奥へ進んだり、ちくおんきの音を鳴らして気を逸らしたり、スイッチを押して仕掛けを作動させたりと様々な方法で危険を回避するのが面白いですね。
本作はチャプター形式で全部で8つのチャプターが用意されていますが、それぞれ異なったテーマが用意されていてチャプター毎に特徴的なギミックが用意されており、トンネル、教会、サーカスなどロケーションが多彩なので、単調に感じることはほとんどありません。
雨が降っている夜の街。という共通点はあるので、どうしても似たような景色ばかりにはなってしまいますが・・・。
少女と協力して先に進むシステムはまるでICOのよう!
ゲーム中盤になると、同じく姿が見えない少女と協力して目的地まで進む事になります。
少女とは単に同行するだけではなく、時には囮役になって怪物を引き寄せたり、高いところまで登らせたり、協力して仕掛けを解いたりと2人の力を合わせながら先へ進む事になりました。
この感覚は2001年に発売されたPS2「ICO」のようです。
雰囲気作りが凄い!
初公開された時から思いましたが、このゲームは雰囲気作りが凄いですね。
舞台となっているのは雨が降っている夜の街なんですが、シーンとした中世の世界(?)でただひたすらザーッと降っている雨が寂しさを演出してくれて状況に合わせてピアノサウンドのBGMが流れるからとても良い味を作り出しているんです。
ストーリーを解説したメッセージが移動する度にフィールドの至る所に表示される演出も良いですね。
この演出によってよりアート色が強まっていますし、ゲームを止めることなくプレイしながらストーリーを楽しむことができるからテンポが良いんです。
テンポが良いと言えば、チェックポイントが多く、ヒント機能が用意されているのもGood!
このゲームは覚えゲーのところがあって初見殺しの仕掛けがそれなりにあるんですが、チェックポイントが非常に多いから、死にまくってもそれほどストレスはたまりません。
それにある程度ミスが続くとヒントを見ることができるので、大抵はそれで解決するハズです。
マップが分かりにくい&主人公を見失い易い
これはゲームの仕様を聞いた時から予感していましたが、やはり主人公を見失うことがよくありました。
特に雨が降っていないエリアでは姿が見えないので、物理演算で動くオブジェクトの動きや移動する時に残る足跡を頼りにするしかなくて分かりにくいです。
視点が固定で全体的に暗い点も主人公の見失い易さを加速させていると思います。
とは言えそこはチェックポイントの多さやヒントシステムのおかげで、ストレスは最小限に抑えられていました。
思ったよりもボリュームが無かった
価格が1,500円である事。ダウンロードタイトルとしては珍しく発表から発売までに1年以上かかった事。
事前にダウンロード専用タイトルにしては満足のいくボリュームと聞いていたので、思ったよりもボリュームが少なく感じられました。
本作のクリアにかかるプレイタイムは3~4時間程度。
ヒント機能によって比較的サクサク進む事。同じところを何度も行き来せず、どんどん新しいエリアに進んでいく一本道、一方通行スタイルのゲームである事を考えると用意された素材の量は価格相応なんですが、プレイタイム自体は同じ価格帯のダウンロード専用タイトルと大差ありません。むしろ少ないくらい。
一応2周目以降には収集要素が追加されるんですけどね・・・。
全体のまとめ
全体的には丁寧な作りのアクションアドベンチャーゲームだと思いました。
雰囲気を重視して作られているためゲームとしてみるとやや薄く感じるところはありますが、それでもステルス、アスレチック、協力、謎解き、探索などゲーム要素は色々と含まれていてただの雰囲気ゲーとして片付けるタイトルでは無いと思います。
視点が固定のアクションアドベンチャー。少年と少女が協力して先に進むシステム。アート色が強い内容とあの「ICO」との共通点が多く、その手のゲームが好きな人はより楽しめると思います。
ICOからヒントを得た良質なアクションアドベンチャー
こんな人には特におススメ。
・雰囲気ゲー好き。
・アクションアドベンチャーゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・ボリュームを重視する人。
・ゲーム要素を求め過ぎてしまう人。
rain/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約3時間
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