

アサシン クリードII スペシャルエディション/PS3 / Xbox 360 (Z指定)
2009年12月に発売されたPS3/Xbox 360「アサシン クリードII」を今回はレビューします。
PS3/Xbox 360「アサシン クリードII」はオープンワールドのステルスアクションゲームシリーズ2作目となる作品です。
目次
良いところ
緻密に描かれたイタリア都市
本作の舞台となっているのは15世紀のイタリア都市。建造物のクオリティはもちろん、街を歩き回っている100人近くの住人ひとりひとりの服装、動きもしっかり作られており、前作同様技術力の高さを感じられました。
オープンワールド型のマップでここまで背景を作り込むとは素晴らしい!実在する建物も登場するので、観光に行った気分も味わえると思います。
お金の概念の追加
今作からお金の概念が加わりました。そのため、各イタリア都市に存在する多数のお店で買い物ができるようになったんです!
お金はミッションやスリなどで入手が可能なので、よりミッションをクリアするモチベーションがアップし、お金の概念が加わった事によって街でできる事が前作から飛躍的に増えたので、より「グランド・セフト・オート」らしい箱庭ゲームになった気がします。寄り道ができるゲームは大好きなので、自由度の上昇は個人的には凄く嬉しかった。
殺し屋になれる快感
前作同様、本作の目的は様々な武器を使ってターゲットを暗殺する事です。
注目したいのがバリエーションの増加。武器の種類が大きく増えており、様々なシチュエーションでターゲットを暗殺することができるようになったので、前作にあった単調さはほとんど感じられませんでした。
相変わらず街の住人は死体を見つけると大騒ぎして走り回るなどリアリティを感じるし、殺し屋になれる快感は前作以上にあったと思います。
秘密の場所(ダンジョン)を探索する楽しさ
イタリアの各都市には秘密のダンジョンが隠されています。
ダンジョンでは隠されたお宝を見つけるため、フリーランニングと呼ばれるアクションを使って道なき道を進み、ダンジョンによっては謎解き要素があるので、屋外とは違った楽しさを感じる事が出来ました。
感覚的にはPS3/Xbox 360「プリンス・オブ・ペルシャ」のアクションを難しくしたようなゲームをやっている感じですね。
非常に作り込まれたストーリー
物語は過去と近未来を絡めたものになっています。
エツィオ編(過去)では前作よりも主人公の成長が上手く描かれており、見応えのある物になっていました。
ラストが相変わらずいかにも続編に続きそうな終わり方をしていたり、前作をやっていないとゲーム導入部分のストーリーが分かり難かったり、相変わらず使い捨てのキャラクターが多い点はどうかと思いますが・・・。
充実のデータベース
各キャラクター・建物・アイテムなどのデータが充実しているので、自由度の高いゲームにありがちな「ストーリーを忘れてしまう」危険性は本作では全く無いと思いました。
また、常に目的地がマップ上に表示されるのも、自由度の高いゲームにありがちな「何をすれば良いのか忘れてしまう」危険性が無くなっていてgood!
音声は日本語(※英語、イタリア語に変更も可能)でチュートリアルも沢山用意されているので、海外産タイトルとは言え非常に親切なゲームです。
惜しいところ
ロード時間の長さ
別のマップに移った時や、ミッションをリスタートする時、ゲーム起動時には長いロード時間が発生します。
ロード時間中は自由にキャラクターを操作出来たりヒントを見ることができますが、何度もミッションをリスタートする時には若干テンポが悪いと感じてしまいました。オープンワールド型のマップなので仕方が無いとは思いますが、もう少し頑張ってほしかった。
写本の断片探しが作業的
ゲーム終盤には写本の断片と呼ばれるアイテムを各都市で探す事になりますが、どれも似たような建物の中に隠されていて、しかも味方を雇えば簡単に建物の中に侵入出来てしまうので、少々作業的に感じてしまいました。ゲーム自体は非常に面白いだけにちょっと勿体ないですね。
作りの粗いキャラモデル
キャラモデルは粗く感じました。前作とは違いイベントシーンは映画的なカメラアングルで展開されるため、見ていて退屈しなくなったのは良いのですが、そのせいで作りの粗いキャラモデルが露呈してしまっているんです。
オープンワールド型のマップを採用して、100人近くの人間が街を歩き回っているのであまり一人一人にポリゴン数を割く事が出来なかったんでしょうが、キャラモデルが作り込まれたゲームをやってからだと少々萎えてしまうと思います。
カットされた物語
全部で14つあるシークエンス(チャプター)ですが、そのうち2つ(12と13)は通常版では挑戦出来ません。
残りの2つは有料ダウンロードコンテンツとなっており、購入していない場合はシークエンス11クリア後、シークエンス14までジャンプしてしまうんです。どうやら時間が無くて製品版に入れる事が出来なかったようですが、何だか残念。
もちろん本編だけでも十分ボリュームがあるし、有料とは言えお蔵入りにならず遊べる訳なので、一概に悪いとは言えませんが、本作を購入しても本来あるべき物語のすべてを楽しめる訳ではないので悪いところとして挙げさせていただきました。
ちなみにダウンロードコンテンツは各480円となっています。もしすべての要素が本作に収録されていたら約9,000円で売るつもりだったのだろうか?
※スペシャルエディション版には収録されています。
癖のある操作性
ダッシュ時に壁にぶつかるとよじ登ってしまうなど、前作同様癖のある操作性で、時々イラッと来る事があります。もう少し操作面は改善が必要かもしれませんね。
ゴリ押し可能な戦闘
前作よりは戦略性が増した戦闘ですが、相変わらずゴリ押し可能なシンプルな物になっているので、もう少し練り込んで欲しかった。戦闘がシンプルで単調なので、印象に残ったボス戦もありませんでした。
おかしな日本語
「得点した」など、一部で違和感のある日本語が使われているような気がします。日本語吹き替えに対応しているなど頑張っているところはあるのですが、もう少しローカライズに力を入れて欲しかった。
全体のまとめ
まだまだ改善点はいくつかありますが、大げさに言ってしまえば豪華なミニゲームレベルの作り込みだった前作から飛躍的にゲーム性がアップしており、ようやくアサシン クリードというゲームの土台が完成した印象。箱庭アクションゲームが好きな人はぜひやってみましょう!
こんな人には特におススメ。
・箱庭ゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・アクションゲームが苦手な人。
アサシン クリードII/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約30時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
面白さの階段を2段飛ばしに駆け上がった作品ですよね。
やっと作りたいレベルのものとして制作できたというか。
ついにアサシンとして覚醒をしたデズモンドが、この先どうなるのか興味が尽きません。