どうも、久しぶりのC-rexです!
この前、ついに逆転裁判シリーズのナンバリングを制覇したので、逆転裁判シリーズを再評価と分析をしてみようと思います。
ただ、これはあくまでもボク個人の意見でありますので、その点をお忘れなく。
さて、近年の逆転裁判シリーズの評価(主にamazon)を見てみると、初期の、いわゆる「成歩堂3部作」のころに比べて芳しくありません。高くてもせいぜい☆3.5くらいです。
しかも、逆転裁判4に至っては、ゲームカタログにおいてなんと「黒歴史」のレッテルを貼られています。
評価なんて、人それぞれであるのはアタリマエです。だが、ボクはこうした評価にこう言いたい。
「その評価は公正とは言えません!今、ここで、再検証すべきです!」
そこで今回は、逆転裁判シリーズをQ&A方式で読み解いていくことにしましょう。なお、今回はナンバリングを中心に考察をしていきます。
それと、宣伝するためこの記事で、ボクがシリーズのタイトルにどんな見解を持っているかを分かりやすくするため、ところどころにボクの記事のリンクを貼っておきます。この点もご了承ください。
Q1.成歩堂3部作は名作なのか?
A.1(蘇る逆転)と3は名作ですが、2は改悪要素が目立つので名作とは言えません。
(C-rex)
1(蘇る逆転も含む)から3までのナルホド君が主役の「成歩堂3部作」。シリーズの中でも評価が最も高いタイトルばかりです。
確かに、ストーリーという観点だけで見れば、どれもこれも比較的クオリティーが高く、トリッキーな展開が魅力的です。
しかし、システムやゲームバランスを考えると、3部作全てのタイトルを名作と呼ぶには無理があります。
では、1から3までのタイトルをザックリ分析していきましょう。
1(蘇る逆転)はストーリーがとてもぶっ飛んでいて魅力的で、比較的難易度が低く、初心者へのフォローがしっかりしています。しかし、セーブや移動は面倒です。
以上のことから、1は名作と判断できます。
2は前作の魅力的なストーリー、ゲームシステムを受け継いでいます。
しかし、前作の欠点に加え、前作から打って変わって、ヒントが分かりづらくなり、即死ペナルティが追加され、ペナルティ付きのサイコ・ロックが導入されるなど、急激な高難易度化でゲームバランスが悪いです。
以上のことから、2は名作と判断できません。
3はシリーズ最高レベルの怒涛の展開、初代のゲーム性を受け継ぎつつ、2のゲームバランスの悪さを大きく改善されています。
しかし、1からの欠点は改善されておらず、3話以降は少し高難易度になっています。以上のことから、1と同様に名作と判断できます。
このように、成歩堂3部作は確かに面白いタイトルではありますが、完全な名作とは言い切れません。
関連記事:C-rexの俺的!逆転裁判ランキング!(C-rexのさすらいな日々)
Q2.逆転裁判4は黒歴史なのか?
A.致命的な欠陥はありますが、ゲームシステムはある程度改善されているので、黒歴史ではありません。
(C-rex)
逆転裁判4の問題点をまとめた記事を以前書いたので、そちらのリンクを下に貼っておきます。今作の問題点の詳しい見解を知りたい方は下記のリンクへ。
Gaming Stone 第5回「逆転裁判SP 『逆転裁判4再調査委員会』逆転裁判4の失敗の分析とそこから見えるもの」(C-rexのさすらいな日々)
逆転裁判4の問題点は大きく分けて「ストーリー」と「キャラ」の2つで、特に後者は致命的な問題でした。
この点だけを見れば、シリーズ最悪のタイトルと言われても仕方がないと思います。
しかし、他の側面から見ると、少し評価は変わってきます。
相手の行動のクセでウソを「みぬく」、蘇る逆転から追加された「科学捜査」の本格的な導入といった、新要素が追加され、シリーズの新たな面白さが切り拓かれました。
また、2、3から高難易度化された謎解きも改善され、無印のころの低い難易度に近づき、初心者への対応が良くなりました。
このように、ゲームシステムは改善されており、こうした点は高く評価できます。
「黒歴史」というコトバは「忘れ去りたいもの」という意味です。これをシリーズもののゲームに当てはめて考えると、
「シリーズ最悪レベルで、シリーズから消し去りたいほどひどいゲーム」
↓
「ゲームとしてプレイする価値がない」
↓
「クソゲー同然」
というような感じになります。「クソゲー同然」のゲームを黒歴史とする場合、逆転裁判4はこの定義に当てはまるゲームでしょうか?
さっき書いた内容を考えれば、コタエはアキラカです。全く当てはまりません。つまり、逆転裁判4を黒歴史と評するのは、過小評価だと言えます。
余談ですが、逆転裁判の黒歴史があるとすれば、2012年に公開された実写版「逆転裁判」だと思います。好きな人には申し訳ありませんが、アレはホントに最悪な映画でした。
関連記事:原作の面白さをガン無視した別物で、ストーリーも演出もつまらないクソ映画 「逆転裁判」映画レビュー(C-rexのさすらいな日々)
Q3.成歩堂3部作以降、逆転裁判シリーズは劣化したのか?
A.いいえ。劣化したというよりは、ナゾトキのスタイルが変わっただけです。
(C-rex)
Amazonで逆転裁判5、6の評価を見てみると、約☆3.5です。
こういう評価を見ると、シロートは「ああ、このシリーズは段々劣化していったんだなぁ……。オワコンなんだ」と考えてしまいます。実際、ボクだったらそう思います。
しかし、5、6を実際にプレイしてみると、劣化をしていると思ったのは、とんでもない誤解でした。
実際にプレイしてみて思ったのは、ナゾトキ(法廷パート)が「推理」よりも「分析」に重きを置いているなと思いました。
4ではさっき書いた相手の動きのクセを「みぬく」ことで相手のウソを指摘、5では「ココロスコープ」で相手の感情を分析し、感情のムジュンを見つけ出し、6では姫巫女の霊媒による「霊媒ビジョン」で死者の最後の光景を分析します。
このように、成歩堂3部作以降は、「分析」に重きを置いています。
また、こうした「推理」から「分析」への変化と同時に、低難易度化が進みました(6で少し難易度が上がりましたが)。
こうしたシステムとゲームバランスの変化で、新規ユーザーやナゾトキ初心者が入りやすくなりました。
しかし、タクシューのセンスや推理に面白さを求めていた旧来ファンは「コレジャナイ感」を覚えるようになり、成歩堂3部作以外を受け入れられなくなり、低評価が多くなってしまったと考えられます。
確かに、成歩堂3部作以降の5、6は世界観が陳腐な感じになり、ストーリーは主人公が複数になったことで統一感がなくなったりして、センスを失ってしまったという側面は否めません。
その点は、タクシューのセンスのスゴさを感じます。
しかし、4から6は成歩堂3部作のシステム面、高難易度化の問題を改善し、新たな面白さを切り拓きました。こうした点を考えると、このシリーズは劣化ではなく、むしろ進化し続けていると言えます。
Q4.逆転裁判シリーズの最大の失敗は?
A.「成歩堂龍一」という過去の栄光を引きずり、神格化してしまったことです。
(C-rex)
確かに、逆転裁判シリーズは面白いタイトルです。ぶっ飛んだ世界観、ギャグとシリアスが入り混じったトリッキーな展開はホントに楽しいです。
しかし、近年の動向を見ると、ブランドとしての地位が下がっています(他のカプコンブランドも同様の傾向が見受けられます)。
これの原因は、「成歩堂龍一」という存在を大きくしすぎてしまったことだと考えられます。その原因をさらにたどると、4が原因です。
プレイした方なら分かると思いますが、4のナルホド君はオドロキ君のアドバイザーであり、最終話ではほぼ主人公のようなポジションでした。
これは、本来の主人公であるオドロキ君を抹殺しているような状態です。
ただでさえオドロキ君は、ナルホド君とキャラが似ていて微妙なキャラになっているのに、旧作の主人公に主役の座を取られてしまうと、存在意義をなくしてしまいます。
しかも、完結した物語の主人公にまた主役のポジションを与えることは、「世代交代をしない」ということです。
言い換えれば、前作からの世界観を引き継ぎ、大きな変更はしないということです。そうなると当然、新主人公は登場しないはずです。
しかし、4にはオドロキ君という新主人公がいます。
これは、世代交代のタイトルという証拠です。なのに、旧主人公のナルホド君に主人公のようなポジションを与えるのは、なおさらオドロキ君の存在意義をなくします。
こうして、ナルホド君のキャラ改悪も絡んで、4は世代交代ができず、ナルホド君という「過去の栄光」を引きずってしまいました。
その後のタイトルでもオドロキ君の存在感は薄いまま、ナルホド君の存在感が大きくなっていきました(もっとも、6ではオドロキ君の存在感は多少ありましたが)。
こうした状況を見ると、ナルホド君は「メタルギア」シリーズのビッグボスのような存在になってしまったんだなと思います。
ビッグボスはアメリカを救った伝説の兵士で、「BIG BOSS」の称号を獲得したのち、ゼロの組織に偶像(イコン)にされるほどの存在になりました。
強引なのかもしれませんが、ナルホド君はビッグボスと同じように、ある種、神格化されてしまったのかもしれません。
その証拠に、稲船さんはナルホド君が登場すれば受けると考え、彼を登場させようという意見を出していましたからね(ウィキペディア情報なので、ウソの可能性がありますが)。どんな判断や!
歴史にIF(もしも)はないので、今さら後悔のようなことを言うのはナンセンスではありますが、4を完全に独立した世界観にすればこうなることは避けられたように思います。
(C-rex)
4つの疑問のコタエ、いかがでしたか?
古参、新規の方も逆転裁判の歴史がハッキリ見えたと思います。そして、このシリーズの評価が少しだけ変わるかもしれません。
最後は、「このシリーズは今後どうしたら良いか(どうしてほしいか)」を考えてみました。ボクの案はこうです。
① ナンバリングを次で完結させる
② 大逆転裁判と逆転裁判シリーズの時系列の中間(または、逆転裁判と同じ時代)のタイトルの製作
③ システムの抜本的な改変
という感じです。とにかく、今の逆転裁判シリーズには他のブランド同様、「大きな変化」が必要だと思います。
逆転裁判のシステムは15年以上大きな変化がありません。
理由は、今までストーリーでシステムのマンネリ化をカバーしていたからです。
しかし、ナンバリング・大逆転裁判の評価の低迷を見ていると、もうストーリーではカバーできる状況ではありません。
だからこそ、次回作はシステム面の大きな進化が大事だと思います。
最後に
(C-rex)
さて、ここまで逆転裁判を分析しましたが、最後の最後に言わせてください。
逆転裁判シリーズは、明るくシリアスで、まさかの展開に満ちたトリッキーなストーリー、強烈で親しみやすいキャラ、ウソつきを証言台で叩きのめす楽しさ、そして分かりやすいナゾトキが魅力です。
そして、高難易度のゲームが特徴的なカプコンの中では珍しく、比較的易しい難易度です。
ボクはアドベンチャーは苦手ジャンルです。しかし、去年プレイして、一度2で挫折し、3か月前に大逆転で再ブームが来ました。
このシリーズはアドベンチャーが好きじゃない人でもハマるほどの魅力があります。だから、人生で一度はこのシリーズをプレイしてほしいです。
以上、C-rexの「論理と推理の実験劇場」でした。
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