【レビュー】Undertale(アンダーテール) [評価・感想] ゲームに詳しい人がニヤリとするアンチテーゼの塊

2017年8月に発売されたPS4/PSV「Undertale(アンダーテール)」を今回はレビューします。

PS4/PSV「Undertale(アンダーテール)」は誰も死ぬ必要がないRPGです。配信専用で、価格は約1,600円。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 全てのモンスターと友達になれるRPG。
  • 戦闘はターン制のコマンド選択式。
  • 敵の攻撃は弾幕シューティングゲームの形式で避けていく。
初リリース日 2017年8月16日
対応ハード PS4/PSVITA/Switch
ジャンル RPG
推定クリア時間 6~10時間
価格 1,650円(税込)
発売元 ハチノヨン

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良いところ

RPGへのアンチテーゼ満載の戦闘システム

モンスターと出会ったらなんで戦うことしかできないんだ?

行動を選択したあとはなんでオートで進むんだ?

今や当たり前になったRPGのコマンドバトルですが、冷静に考えると色々と疑問に思う事があります。

もっと色んな事が出来ても良いじゃないか!と。

本作の戦闘システムはそんな疑問から生まれたかのようなもので、なんと、モンスターを倒さずに進めることができるんです!

え?「逃げる」を選択しまくったら良いんじゃないかって?

確かに戦闘を避けるには「逃げる」を選択するのも一つの手ですが、それ以外にも戦闘を平和に終了させる事もできるんです!

戦闘を平和に終了させる。つまり、「逃がす」展開に持っていく事でアイテム購入に必要なお金だけを入手する事が可能で、その後のゲーム展開に支障をきたす事なく進められるんですね。

一方で普通に戦闘をして行く従来のRPGスタイルで進行する事も出来ます。

凄いのが、両極端な要素を持ち合わせつつもゲームバランスがしっかりしている事。

それぞれに異なるベクトルの面白さを盛り込んでいて、それを両立させているのは素晴らしいです!

例えで言うなら任天堂とPSを混ぜて両立しているような感じ!

弾幕シューティング風の回避システム

このゲーム、実は弾幕シューティングの側面が強かったりします!

と言うのも本作では敵のターンになると小さいウインドウが開き、その中で敵の攻撃を避けていくミニゲームが挿入されるからです。

ここで敵の攻撃を回避すれば無傷で済むので、弾幕シューティングのテクニックが求められます。

凄いのが、敵の種類によってミニゲームのアニメーションが変化する事。

犬系の敵だったら可愛いドットの犬が飛び出しますし、クモの敵だったらに張り付きながら飛び移って行く事になりますからね。

さらにこちらが取った行動によってミニゲームのアニメーションも変化していき、ストーリーとゲーム要素がしっかりと連動しているんです!

特にボス戦時はストーリーとゲーム要素の融合具合が半端なく、ゲームでしか味わえない体験を味わうことができます。

最初はRPGなのに弾幕シューティング?と疑問に思いましたが、「こんな表現があったのか!?」と驚きました。

センスを感じるグラフィック

いいなぁ~

本作のグラフィックは一目見た瞬間、惚れました。

16bit風のドット絵を採用しているんですが、丸みを帯びたデザインのため手描きチックな印象を持たせていて、まるで「MOTHER」シリーズのようなタッチを実現しています。

この手描き風のグラフィックが1990年代前半のゲームを彷彿とさせて懐かしい気持ちになれました。

随所に存在するメタフィクション要素

なんだこれ♪L( ^ω^ )┘なんだこれ └( ^ω^ )」

本作にはメタフィクション要素が数多く散りばめられています。

重りをスイッチまで押して行こうと思ったら勝手に明後日の方向へ動いたり、アイテムを購入しようと思ったら十倍に値上げされたり。

思わず「おいおいおいおいおい!とツッコミを入れてしまいたくなるようなネタが満載で、ゲームに詳しい人ほどツボにハマると思います。

ゲーム終盤になるとメタフィクション要素の嵐で、衝撃的な体験が続出しました。

「何がどうなってこうなった!?」と思わずにはいられなくなり、突発的なホラー要素によって時には恐怖を感じる事もありました。

本作を16bit風のユニークな戦闘システムを取り入れたRPGという先入観で最後までプレイすると、きっとビックリすると思いますよ~。そして、ふと思い出したんです。

このゲーム、アメリカ人が作っているんだ!と。

プレイしている時はとてもそうは思えず、捻くれ者の日本人が作っているんじゃないかと本気で思いました。

それだけ日本のゲームみたいなネタが詰め込まれていて、ローカライズが秀逸なんです。このゲームを洋ゲーとは全然思えませんでした。

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惜しいところ

RPGとしては物足りない

捻りに捻りまくった「Undertale(アンダーテール)」。オーソドックスなコマンドバトルのRPGとしてみると色々物足りないところがあります。

戦闘で「たたかう」を選択すると目押しのミニゲームが挿入されるだけで戦略性は薄いですし、フィールドもほぼ一本道でリニア式ですからね。

1周クリアも短く、勇者が魔王を倒して世界を救う冒険RPGを期待していると肩透かしを喰らいます。

弾幕シューティングが苦手だとキツイ

「逃がす」を徹底したルート選択をすると、ガチな弾幕シューティングゲームになります。

時には何十ターンも敵の激しい攻撃を避け続けなければならず、弾幕シューティングが苦手な人には厳しいと思いました。

お金を溜めて回復アイテムを買い込む事も出来ますが、持てる数は少ないのでそれも限度がありますしね。RPGの皮を被っているだけに面を喰らう人は出てくると思います。

セーブファイルを1つしか作成できない

色んなエンディングが用意されているのに、本作はセーブファイルを1つしか作成出来ません!

2周目を始めてセーブをする場合、前のセーブファイルを消さないといけないんです!

しかし、それすらもネタにしてくる辺りが油断できません。

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全体のまとめ

一体、このゲームの開発者はどれだけ捻くれているのだろう?

思わずそう感じてしまうほどゲームのお約束を破りまくった作品で、数多くのゲームをプレイしているほど楽しめるところがあります。

ストーリーはよく分からないところがあるけど、考察していく面白さもありますし、両極端なゲーム性を両立していて非常にバランス良く奥深い作品だと思いました。

ゲームに詳しい人がニヤリとするアンチテーゼの塊

こんな人には特におススメ。
・ゲームに詳しい人。
・弾幕シューティング好き。
・刺激を求めている人。

こんな人にはおススメできない。
・あまり多くのゲームをプレイしていない人。

Undertale(アンダーテール)/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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25件のコメント

レビュー早すぎる笑もしかしてもう三周したんですか…

そうですよね、RPGの常識をメタフィクション方向で使って来るのが好きです。制作者はまだ20代半ばのJRPG好きな青年ですから、インディーズで好き勝手やったんだなって感じがしますよね。コンティニューすら反応してくるしトロフィーで遊びすぎ笑そして戦闘システムの弾幕は演出として機能しすぎですね。言葉を発することもなく感情や心の底が見えてしまう。アイデア重視のRPGとして新しい体験ができる名作だと思います。

星九は勧めた身としては本当に嬉しいです。どうでしたか私の画像のサンズは。三周したならいやでも印象が残るはず。あとBGMのクオリティがファミコン音源や東方のトランペット音を使いながらハイクオリティでまとめられているのがJRPGへの愛を感じます。ちなみに戦闘システム、シナリオ、BGM全部同じ作者です。

いえ、さすがに3周はしていませんw

記事を公開した時点では1.5周しかしていません。レビューは早めに公開したいんですよね。

本作はインディーズゲームだからこそ作れた作品だと思います。
大手ゲームメーカーはこんなやりたい放題にはなかなか作らせてもらえませんからw
開発者が楽しんでいるのを感じる作品は大好物です♪

サンズは嫌でも印象に残りますよw
そして、最初は街毛さんの印象ばかりでしたw

書き忘れていましたが、BGMも良いですよね~。
16bitゲーム機時代の匂いを感じられました。

最低でも全員和解ルートだけは見てください笑。あと一周目は敵を倒そうが倒さなかろうが必ず固定エンディングなりますので。

で、余裕があれば三周目で虐殺ルートで全ての伏線を回収してもらいたいな笑kentさんがいろいろやってるのはわかりますけど、今回だけは是非ってのが正直なところです。

この作品、以前の紹介記事を見てからとても興味を持っているんですよね。

私は普段あまりプレイしないタイプのゲームだと思うんですが、メタなRPGと聞くと惹かれてしまいます。

丁寧にふざけた作品という感じなんですかね?
あまりこういった作品って類を見ないと思うので、タイミングを見つけてプレイしようと考えています。

これは大量のゲームをプレイされているエンタメさんだったら感じるものがあると思いますよ~。

ストーリーは一見すると「?」だけど、考察する楽しさはあると思いました。

単にふざけているのではなく、色々と計算されていますので、興味があったらぜひ、プレイしてみてください!

画面を見ていると昔のPCゲームを思い浮かべる画面ですね。なんだか「サラダの国のトマト姫」を想像しました。
PS4とVITAでクロスバイのはずですが、PS4とVITAでセーブファイルを共用しているということでしょうか?VITAにDLして子供にやられたいけど、セーブファイルが共用で一つだと別々に進行できないですね。

ワイヤーフレームで描き出されたようなところがあるので、昔のPCゲームっぽさを感じるのも分かる気がします。

セーブファイルは共有じゃないんですよ~
クロスバイだけど、クロスセーブじゃないんですね(^_^;)

でも、逆に言えば別々にプレイ出来て良いかも!?

今は3週目の序盤ですが面白すぎて一気にプレイしてます笑

個人的には演出、BGM、ストーリー、キャラクター、グラフィック全て群を抜いて素晴らしい大傑作だと思います。特にメタフィクションの要素をこんなにうまく演出やストーリーに落とし込んでるゲームは自分は他に見たことがないですね。

今回のローカライズはハチノヨンと原作者が共同で手掛けたそうですが、これまた素晴らしいクオリティでした。確かに何も知らなければ日本のゲームと言われても疑わないかもしれないですね。

冷静に考えると薄味な部分も確かにありますし、特に全てのルートをプレイしようとすると作業感が出てくるところもありますが、初プレイ時はそれが気にならないくらい熱中して最後までプレイできました。

強いて言うなら、せっかくクロスバイなのにクロスセーブがなかったのが残念ですね〜。(勘違いだったらごめんなさい)セーブのシステムが特殊なので無理なのかな。

おお!ハマっていますね!

これはゲーム経験が豊富な人ほど絶賛する作品だと思いますので、
大量のゲームをプレイされているnasturtiumさんがハマるのも納得です。

様々なエンディングが用意されているので、僕も周回プレイを楽しみたいなぁ。

ローカライズも良かったですよね!
日本のオタク文化みたいな描写とか、ほもぉ表現とか洋ゲーとは思えなかったw

確かにちょっと作業的なところはありますよね・・・
それでも、楽しい作品だと思います。

セーブの仕様は同意ですw

「敵を倒さないRPG」といえば「moon」を思い出しますねぇ‥いや、あれはADVか?まぁとにかく負けず劣らずの独特感がたまらないゲームでした(某番組で愛を語る回があったのに見逃してしまい、悔やみますわー)
やってみたいけど段幕が苦手だからなー‥
せっかくなら全員見逃しエンド目指したいですからね

「moon」は未プレイですが、アンチテーゼ的なものは共通しているかもしれませんね。
おそらく、アンダーテールはナギさんのツボにハマるゲームだと思いますw

パッと見の印象で思い出したのは、MSXの「白と黒の伝説」です。さすがに遊んだことはないですけど、なにかと語り草になっているソフトですね。

メタフィクション的な要素を取り入れたゲームはたくさんありますけど、日本のソフトの場合その多くが軽い突っ込み程度のもので、本気でゲームの世界のお約束そのものを解体しにかかるようなものはあまりない。その辺の容赦のなさは海外のソフトらしいなと思います。

ゲームをもってゲームを批評するという意味では、「moon」とかのラブデリック系は才気走ってましたね。「moon」はブックレットのデザインも凝ってて、いかにも90年代。ギャルゲーに対する「本当はこうだろ?」的な内容の「チュウリップ」も良かった。その他には「闘わないと経験値が入らないのはおかしい」と、あらゆる行動に経験値が伴うようにした「サバッシュ」や、主人公が悪役のRPG「ダークキングダム」などがありました。末席にはポリゴン崇拝の世相を風刺した?「女神天国Ⅱ」も。

でも「セガガガ」あたりになると、批評性よりも皮肉と自己憐憫が勝っちゃっていて。ユーザーの誰も彼もが、伊集院光さんみたいな腰の座った感性の人ではないですからね。ましてや今は実社会がメタフィクション化していて、ゲームの世界でまでそういうのと付き合いたくはないかなぁ。メタゲームと銘打ちながら、実際には「MOTHER」の微妙なフォロワーでしかなかった、「G.O.D~目覚めよと呼ぶ声が聞こえ~」あたりがちょうどいいのかも知れません。あれは大好きです。

そうですね、昔からメタフィクション的な要素のゲームは沢山あって、それぞれ、独特の味わい深さがありました。
アンダーテールはほにょさんがプレイしたら惹かれると思うんだよなぁ。
まだ、こんな表現方法があったのか!?と思います。
このゲームは沢山の作品に触れている人ほど衝撃を味わえる作品だと思いますので。
インディーズゲームでは意欲性に満ちた作品が色々出ていて、見ているとワクワクしてきます♪

私はアンダーテールをやったことはないんですが友達にオススメされたんで動画だけ見ましたが、このゲームは昔を思い出させる16bit.機のグラフィック そして色々な髪曲などがありアンダーテールはとても面白そうなゲームだと思いました もうプレイステーションVitaで発売されてるので機会があったら買ってみようかと思います 個人的に私はサンズが好きですね パピルスも良いんですがサンズの余裕っぷりとか話し方などがとても好きですね

先週、発売されました!

PSVITAでもプレイ出来ますので、興味があったらぜひ、触ってみてください!

弾幕シューティングの避けゲー感は実際にプレイしてこそなのでw

サンズは僕も気に入りました!一番、印象に残りましたもん。

ハッカーエンディングあるくらいアンテは作りこまれてるからなぁ。神曲も多いでせう。

多分日本人が作ったでしょうね
昔は凄まじきの弾幕に何秒生きられるテスティング無料ミニゲームがありましたよw

誰も死ななくていい優しいRPGのコンセプトは気になりました
漢字は全然ないから、警戒してるが、難しい日本語を使ってないでしょうかね
テーマが付いた時に買ってよかったのにね

弾幕は『Downwell』ほどマゾじゃなければ(笑)

11月に発売予定の『VA-11 HALL-A』はベネズエラのスタジオが開発しました
なかなか珍しくて、パッケージ版が欲しいかも

>弾幕に何秒生きられるテスティング無料ミニゲーム

これはしんどいw
僕は5秒も生き残れる気がしませんw

これは紅月ちゃん、注目ですぞ!
未プレイなのが意外なタイトルばかりだw

「VA-11 HALL-A」はノーチェックだったので調べてみます!

私はサンズが好きだな。あと、平和ルート三回連続で行くと、審判の間でサンズの部屋の鍵がもらえるんだと!そして、任天堂スイッチと、大乱闘シュマッシュブラザーズに、アンテがコラボするらしいよ!ゾンアマにアンテグッズも売ってるよ!

サンズは良い味を出していますよね。え?スマブラとコラボするんですか!?それは必見です。

switch版をプレイしてクリアしました。

戦闘は確かに弾幕避けゲーでもありますし攻撃も装備によってアクションも変わってきます、それと敵によってこうどうコマンドの内容も変わるんですね、中には突っ込みたくなるものもありましたし。

グラフィックはMOTHERを彷彿されて暖かみのある中あの独特な雰囲気も感じさせられるような気がします。

特に最後は色々驚きました、そしてささやかな恐怖も感じました。誰も死ぬ必要がないRPGと謳いますがボスを全員蹴散らして進みましたからエンディングはなんだか少しバッドエンドな気になってしまいました、LOVE(レベル)の本当の意味はあれかよ!って突っ込んでしまいました、本当に誰も死ななければエンディングも変わるかもしれませんが最弱で戦うことになりそうだからやり込み向けって感じですね。

セーブデータは1つしかありませんがボリュームも控えめなので初めからプレイするのには抵抗はありません。RPGを求めたら少しコレジャナイ感もありましたが衝撃的な展開やぶっ飛んだテキストもあって短めながら濃密な体験ができました。

実はこのゲーム、弾幕避けゲーになるんですよねw

コマンドRPGに見えてそうではないので僕も最初は驚きました。

MOTHERを彷彿させる可愛い見た目といい、プレイする前と後でのギャップが凄い!

KAさんもかなり印象に残る作品だったようですね。本作はマルチエンディングで色んな結末を楽しめます。余裕があったら周回プレイすると良いでしょうね♪