
GRAVITY DAZE 2/PS4
2017年1月に発売されたPS4「グラビティデイズ2」を今回はレビューします。PS4「グラビティデイズ2」は重力を使ったアクションが特徴的なオープンワールドアクションゲームの2作目です。
正式名称は「グラビティデイズ2 重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択」。
プレイ日記こちら。
目次
良いところ
相変わらず楽しい重力アクション
前作で良かった重力アクションは、相変わらず素晴らしいものでした!
主人公のキトゥンはスティックで照準を合わせたところを「下」と定義することでそちらに向かって落下することができるですが、これを上手く使えばまるで空を飛んでいるかのような感覚を味わう事が可能になるんです。
上手く使いこなせば自由自在に空中を移動することが可能なので、超気持ち良い!風切り音やエフェクトもしっかり存在するので、空を飛んでいる感は十分に味わえます。
高低差が激しい広大なフィールド
オープンワールドマップは前作から倍以上広くなっています。
特徴的なのが、前作よりも高低差が激しくなっている事。重力アクションで遥か上空に向かう事で新たな集落が見つかるような感じで、まるで天国と地獄のような関係性で”豊”と”貧”を描いています。
お気に入りのロケーションはジルガ・パル・ラオ。天空都市といっても良いような青空で覆われた国で、街も賑やかで前作で舞台だったヘキサヴィルのようなレトロ調の世界観とは違った雰囲気を醸し出していました。
前作から大幅に要素が増加
前作から5年もの歳月を経て発売された「グラビティデイズ2」。これだけ期間が開いたことで相当な数の新ネタを思い付いたのでしょう。前作から大幅に新要素が追加されていました。
・写真の撮影機能&コレクション要素。
・家具の設置。
・装備の作成・合成。
・オンライン機能を使ったソーシャル要素。
・採掘場での探索&素材集め。
・様々なポーズが可能なジェスチャー。
・戦闘モードの変化。
・一人称視点モード。
今作から加わった新要素。サブ要素が大幅に増したことで前作では物足りなかった寄り道要素の少なさが気にならないレベルになり、ボリュームも倍以上になっています。
また、ミッションではアドベンチャーゲームやパズルゲーム、ステルスアクションゲームの要素も含まれるようになり、重力アクションがメインのゲームとは思えないくらい様々なジャンルの要素を詰め込んで続編ながらも意欲作に感じました。
あくまでも前作を土台に要素を追加しているような感じなので新鮮味は劣りますが、グラフィックもパワーアップしていますし、進化の具合は「3」を名乗っても良いくらいのレベルです。
プレシャスジェム集めやチャレンジミッション攻略が楽しい
様々な寄り道要素が追加されていますが、一番楽しいのが前作にもあったプレシャスジェム集めやチャレンジミッション攻略。
プレシャスジェムはキトゥンの能力強化に必要なアイテムで、フィールドの至るところに設置されています。それを重力アクションでひたすら集めるのが単純だけどハマる!
チャレンジミッションはタイムアタック&スコアアタックのミニゲームで、様々なアクションを使ってハイスコアを更新していきます。
成績次第でプレシャスジェムが大量に貰えるので、ついやり込んでしまう。今作ではフレンドと成績を競ったり、挑戦状を送れますしね!
丁寧に描かれたストーリー
ストーリーは前作よりも丁寧に描かれていると思いました。
今作でもバンドデシネ調のイベントシーンを中心にストーリーが語られるんですが、複数の章に分かれた壮大な物語となっていて、キトゥンやクロウの事がよく分かる内容になっています。前作で謎だった部分も今作でハッキリしますよ!
バンドデシネ調のイベントシーンはトータルするとコミック1冊分はあると思うので、単行本化してほしいくらい。
全体的に丁寧で親切設計
開発期間が長かっただけあって全体的に丁寧で親切設計に感じました。
ユーザーインターフェースのデザインはSFポップで他にはない感じですし、何よりも期間限定ミッションが存在しないところが良い!
例えストーリーが進んだ状態でサブミッションに挑んでも「過去の出来事」として描かれるためいつでも楽しむ事が可能で、親切設計に感じました。
惜しいところ
イマイチなステルスアクション
ミッションの中にはステルス性が高いパートがありましたが、これは蛇足でした。
ステルス要素自体は前作にもありましたが、今作では警備がより厳重になっているため大胆な重力アクションをやりにくくなっていますし、尾行をする必要もあったりするので凄くもどかしいんです!
敵に見つかるとチェックポイントからやりなおしになるのでストレスが溜まります。
そもそも、重力アクションメインの本作はステルスアクション向けのエンジンで作られていないためカバーポジションなど繊細な行動を取りにくく、ゲーム内容に噛み合った要素には感じられませんでした。
ミッションが冗長になった
据え置き機で発売されるという事でガッツリ楽しんでほしかったのでしょうか?全体的にミッションが冗長になっています。
確かにアクションのバリエーションは増えたけど、だからといってミッションの長さを倍増するほど耐えられる作りにはなっておらず、思わず「まだ終わらないのかよぉ」と感じてしまう事が何度もありました。
代表的なのが戦闘。敵の群れを倒したと思ったらまた現れ、もう一度全滅させたらさらに現れ、まるで悪いプラチナゲームズの作品をやっているかのようです。
この冗長さは終盤になるとさらに悪化して、退屈で冗長過ぎる探索アドベンチャーパートやパズルパートが挿入され、何度も形態チェンジするうえ倒し方がイマイチ分からないボスと戦う事になってお腹いっぱいになります。
「グラビティデイズ」ってスピード感があってサクッと楽しめるところが魅力だったと思うんですが、今作のミッションは何度も同じような要素を盛り込んで水増し感がありました。
能力強化をしたらある程度はスムーズに行けるところはあるけど、それでも1ミッションで平均30分はあってお腹いっぱいです。
ただでさえ重力アクションで3D空間認識能力が要求されて人を選ぶのに、冗長さや倒し方が分かりにくいボス戦の存在によってかなり人を選ぶゲームになってしまいました。
冗長さによって露呈した練り込み不足の戦闘アクション
「グラビティデイズ」の戦闘アクションはシンプルな作りです。
ボタンを連打しての攻撃。カーソルを合わせての重力キック。重力で物を持ちあげての攻撃。必殺技。この4つが基本となっていて、良く言えばシンプル。悪く言えば練り込み不足で、攻撃パターンは出来上がりがちです。
前作ではサクサク楽しめるのでさほど気にならなかったんですが、今作では戦闘の比重が大幅に増しているので練り込み不足が露呈してしまいました。
確かに新アクションはあるけど、あくまでも形態チェンジでやっている事は変わらないので戦闘の比重アップに見合った豊富なゲーム体験を提供出来ておらず、単調に感じる事が増えています。
全体のまとめ
前作よりも大幅にボリュームアップして、まるで「3」のような感じでした。前作と比べて新鮮味が薄れている分、圧倒的な物量で勝負に出ています。
しかし、ミッションは冗長さが大幅に増していて、今作で加わった部分の多くは「パンの耳」に感じてしまう事も。
今作も楽しい作品ですが、個人的には無駄が少ない前作の方が綺麗な作品に感じられ、印象はそちらの方が良かったです。3を名乗っても良いくらい新要素が大幅に増した一方、パンの耳も大幅増!
こんな人には特におススメ。
・空を飛びたい人。
・寄り道好き。
こんな人にはおススメできない。
・3Dアクションゲームが苦手な人。
・冗長なのが苦手な人。
グラビティデイズ2/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約25時間
ああ、概ね同じような感想ですね。
元々グラビティデイズの戦闘は単調で爽快感も薄くあまり好きではなかったのですが、今作は戦闘の比重高かったですよね。
その戦闘もストーリーに絡めて工夫してあればいいんですが、石碑で「敵を殲滅せよ」みたいな作業的なのが多くてそこが残念でした。
ボス戦もやたら多い割にすばしっこいボスが多く、ロックオンも無いためしょっちゅう見失ってイライラ。カメラワークも良いとは言えず、ボス戦中しょっちゅうボスにカメラが埋れて嫌になりました。
おまけに意外と難易度が高く、後半のボスとか電撃2回くらっただけで死んだりして何なの?ってなりました。
ステルスミッションも、空飛べるから色んな攻略ルートあるかと思いきやしょっちゅう見つかって、結局開発側の想定ルートなぞるだけでなんだかなーといった感じ。
ステルスミッションとパズル要素は必要だったんですかね?
序盤の天空都市で探索したりサブミッションやチャレンジミッションやってた時が一番楽しかったです。
なんか年末に出た某RPGを思い出す笑
評価する点はそこのやりこみ要素と、フィールドの作り込み、チューンの切り替え、あとはストーリーがちゃんと完結したとこですね。
クリア後にやり込む気も出なかったので月曜日くらいに売っちゃいました。
評価するなら★5か6でしょうか。
…なんか悪い事ばかり書いてすいません。
間違いなく力作であることはわかるんですよ。ただ、その方向性が私に合わなかったという感じですね。
楽しめる人にはとても楽しめるソフトだと思います。