【感想】岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。 [レビュー・評価] まるでいわっち自らが執筆したエッセイ本のよう!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は書籍「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」のレビューをしていきます。

2002年に任天堂の社長に就任し、ニンテンドーDSやWiiを大ヒットへと導かせた岩田聡さん。

任天堂を再び王者へと押し上げた立役者として知られます。

しかし、2015年7月11日。2014年から発病した胆管腫瘍によってお亡くなりになられました。

本書はそんな彼の発言をまとめて再編集したものになりますが、まるで岩田聡さん自らが執筆したエッセイ本のようだったんです!

ここからは「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」を読んで思ったことを書いていきます。

岩田聡さんのエッセイ本を読んでいるような錯覚に陥る編集

本書に掲載されている岩田聡さんの発言は「ほぼ日刊イトイ新聞」や「社長が訊く」に掲載されている文章を引用・編集したものです。

その多くは対談という形式を取っているんですが、本書に掲載されている文章はまるで岩田聡さんがイチから執筆したエッセイ集のような形式になっています。

どういうことなのかと言うと、文中に聞き手が存在しないんです!

岩田聡さんが一方的に話をするような形式になっていて、本来なら存在したハズの糸井重里さんや宮本茂さんが登場しませんw

でも、テーマ毎に細かく編集をしているので、違和感がほとんどないんですよ。

例えば「岩田さんが社長になるまで」の章では高校時代、大学時代、HAL研究所時代といった感じで細かく見出しを作ってまとめており、文中に登場するハズの聞き手のコメントはバッサリとカット。

接続詞などを置き換えて違和感をなくしていますw

岩田聡さんは自分が主役の商品を出すような人じゃないので、もし、今も生存していたらこのような本を自らが出すことはなかったでしょう。

でも、ぼくは彼のエッセイ本を読んでみたかったので、お亡くなりになられたのは残念でなりませんが、こういう形で実現したのは良かったと思っています。

改めて岩田聡さんは凄いと思った

肝心の内容ですが、改めて岩田聡さんは凄い人だと思いました。

人間的な能力も優れているし、性格も良い。

「上司にしたい人ランキング」の1位に選ばれるべき素晴らしい人に感じます。

例えばHAL研究所や任天堂の社長に就任したら多くの社員と面談を取るようにしていたんですよ。

しかも横柄な態度を取らず相手を尊重することを心掛けているようで、その理由も詳しく語られていました。

その多くは共感できるものでしたし、中には「確かにそうだ!今日から心掛けよう!」と言いたくなるような素晴らしい哲学を語られています。

個人的な話になってしまいますが、数年前のぼくは少し調子に乗ってしまい、横柄な態度を取ることもありました。

でも、その後にはロクなことがなかったんですよ・・・。

そういう経験を経て本書の「岩田さんが社長になるまで」「岩田さんのリーダーシップ」を読んでいると痛感することが沢山ありますw

岩田聡さん、宮本茂さん、糸井重里さんの関係

このように前半は自身の半生や哲学などを語ったエッセイ的な内容になっています。

一方、後半は岩田聡さん、宮本茂さん、糸井重里さんの関係をそれぞれの視点から語ったような内容になっています。

岩田聡さん、宮本茂さん、糸井重里さん。

ほぼ日刊イトイ新聞を読めば分かるように、お三方はとても親密な関係だったりします。

後半ではそれぞれの出会いや想いを語っています。

そこから読み取れる情報は数多くありますが、印象的だったのが、お互いを尊重し合っていることです。

岩田聡さん、宮本茂さん、糸井重里さん。みんな天才なんですが、それぞれ抜きん出ている部分が違うんですよ。

分かりやすく言うと理系人間であるか文系人間であるかということになります。

やはり、人間の脳は理系・文系どちらかに偏るような作りになっているようで、例えば岩田聡さんは宮本茂さんの発想力を羨ましがっているのがひしひしと伝わってきましたw

あと、岩田聡さんのプライベートを垣間見れるような描写があったのも嬉しかったです。

岩田聡さんは家族に関して語ることは滅多にありません。

でも、特別収録されている「糸井重里さんが語る岩田さん」では岩田聡さんの家族について触れられていたんですよ。

それも「考え事をする時は親子揃って部屋の中を歩き回る」「2人とも考え事をする時は時々ぶつかる」なんてお茶目な一面を語っていましたw

岩田聡さんと言えばスーツ姿でハキハキと喋っているイメージが強いだけに微笑ましいです。

自身が携わったゲームの裏話も!?

岩田聡さんと言えば任天堂の社長であるイメージが一番強く感じます。

でも、かつてはゲームプログラマーだったんですよ。

本書では彼が携わったゲームについても少しだけ語られています。

特に印象的なのが、SFC「MOTHER2 ギーグの逆襲」の立て直し。

開発が頓挫しそうなところを岩田聡さんがリーダーシップを取ることで僅か1年で完成に漕ぎ着けるエピソードは何度聞いてもカッコよく感じます。

あと、DS/Wiiの開発秘話も見逃せません。

個人的にこの辺りの話は「社長が訊く」で何度も読んだので新鮮味はありませんでした。

しかし、本書にも記載されているようにインターネットのコンテンツというものは時が経つにつれて埋もれていき、二度と読めなくなることだってあります。

10年、20年経ったら今以上に希少性が増すでしょう。そう考えると本という形で残す意義を感じられます。

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岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。のまとめ

全体的には様々な角度から岩田聡さんを知ることができる素晴らしい本です。

自伝、哲学、友情。

224ページの中に様々な要素が詰まっているので、てっとり早く岩田聡さんを知りたい人は買って損はありません。

ホント、本書を読んでいると惜しい人を亡くしたと思ってしまいますよ。

「またあの温かくて落ち着いた声を聞きたいなぁ・・・」

本書を読み終わってからはそう感じるようになりました。




6件のコメント

これは良い本でした
岩田さんという人は自分の中にしっかりと一本筋の通ったものを持っていつつ、それを決して人には強制しない、人は必ず共感できる、伝わらないのは伝え方が悪いせい、という思想を持たれていたのですね
自分達の使命はみんなを幸せにすることで、そのためにはまず自分達が幸せを感じないといけない、ってすごいなー
なんか今の任天堂があるのがすこしわかったような気がします

全くの同感です。力で解決しようとする上司が多い中、聞く耳を持ちつつ相手を尊重するなんてなかなか出来ることではありません。確かに何故、任天堂が未だに圧倒的な存在感を見せているのかを垣間見ることも出来る本ですね。

やはり人とのコミュニケーションは、こちらが偉そうで横柄な態度を取らないことが大事ですね。

私は先輩にはもちろん礼儀を示しますが、後輩に対しても相手に馬鹿にされないレベルで対等な関係を持つように努力してますよ。
その成果もあったからか弟とは今でも非常に仲が良い関係を築けているので私はこれからも努めていきたいです。

老害になってしまっては、いわっち社長のようなDS,Wii,Switchのような発明はできませんからねwww

その心構えは大切だと思います。

もちろん、忙しい時などは冷静さに欠けてしまうこともあるとは思いますが、だからといって横柄な態度は良くないですよね。

まあ、人によっては舐めてくる場合もありますので、バカにされないレベルを保つのも重要ですが。

こんにちは。
岩田さんの発言集出てたんですね~
ちょうどお盆の前に少し部屋を大掃除していた時に、
岩田さんがお亡くなりになった時のニンドリが出てきたので、
岩田さんの追悼特集の記事(過去の岩田さんのインタビューや
サオヘンさんや伊藤紅丸さんインタビュー、その他等々)
を読み返していたところでした!
私もそのうちに手に入れたいと思っていますよ~

そうなると、くっぞこさんも岩田さんモードに入っている感じでしょうか?

くっぞこさんは岩田さんのことをよくご存知だと思うのでこの本から新たに分かる情報は少ないと思いますが、上手くまとめていましたよー♪