【コラム】ゲームの「見えない壁」は必要悪?7種類の手法から見るプレイヤーを興醒めさせずにコントロールする重要性

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

ゲームによっては広大な世界を探索出来ますが、どこまでも行けるわけではありません。

ストーリー性が存在する限り何かしらの「見えない壁」が張られているでしょう。

何故ならプレイヤーをコントロールしないといけないからです。

効果的に「見えない壁」を張らない限りプレイヤーは次の目的が分からず挫折してしまうでしょう。

かと言って「見えない壁」をそのまま張ってしまったら興醒めてしまいます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

本記事では広大な世界でプレイヤーをコントロールさせる7種類の手法を研究していきたいと思います。

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手法1:普通に見えない壁を設置する

「細けぇことは良いんだよ!面倒だから見えない壁をそのまま設置するわ!」

なんてゲームが未だに見られますが、個人的には悪手にしか感じられません。

特にフォトリアルなゲームでそれをやられたら興醒めます。

見えない壁に「通行止めマーク」を設置しても同じです。

そんなことをしてもプレイヤーに「あぁ・・・所詮は作り物か」と思わせるだけですよ。

どうしても単なる「見えない壁」を設置したい場合、説得力を持たせる設定がないと興醒めてしまいます。

メリット
  • てっとり早くプレイヤーをコントロールできる。
デメリット
  • 見つける度にプレイヤーが興醒めてしまう。

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手法2:NPCを設置して通行止めにする

RPGやアドベンチャーなどの非アクション系はジャンプできないケースが多く感じます。

その特性を利用して細い道にNPCを設置すれば「見えない壁」と同等の役割を果たせるでしょう。

例えば酔っぱらいのおっさんを設置するとか、工事現場のおっさんを設置するとか・・・。

NPCでしたら特定のフラグを立てた時に消しても違和感がありませんから、プレイヤーを萎えさせないという意味では比較的有効な手段に感じます。

しかし、1回くらいならまだしも、2回、3回続くとどうでしょうか?

さすがにご都合主義過ぎてプレイヤーも自分自身が手のひらで踊らされていることが分かってしまうでしょう。

また、操作キャラの移動能力が高いアクションゲームでは使いにくく感じます。

メリット
  • 日常の世界に実質的な「見えない壁」を溶け込ませることができる。
  • ストーリーフラグを立てた時に消しても違和感がない。
デメリット
  • 多用しすぎると興醒める。
  • 操作キャラの移動能力が高いアクションゲームでは使いにくい。

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手法3:主人公自らが戻ろうとする

ある地点まで進もうとした場合、主人公自らが戻ろうとするのも「見えない壁」として有効です。

その際は「今はこっちじゃないな」と独り言を言わせるとよりプレイヤーも納得できます。

ただ、この手法は主人公=自分のゲームでは有効ではありません。

あくまでも1人の主人公を客観視するゲーム向きでしょう。

主人公=自分という側面が強いゲームで行った場合、プレイヤーは主人公に自己投影出来なくなってしまいます。

メリット
  • 主人公を客観視するゲームでは説得力を持たせられる。
デメリット
  • 主人公=自分とは思えなくなってしまう。

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手法4:ワープさせる

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向かってほしくない場所がある場合、特定の地点までたどり着いた時に強制ワープさせて元の場所に戻すのも手です。

ストーリーに説得力を持たせたい場合、ワープする理由みたいなものがあったらさらに良いでしょう。

例えば「周辺に見えないワープ装置が設置されている」とか。

そういう設定があればストーリーフラグを立てた時に強制ワープを廃止させて奥のエリアへ行けるようになっても違和感がありません。

ただ、現実世界を舞台にしたフォトリアル系のゲームでは使いにくく感じます。

フォトリアル系のゲームでは何かと描写の説得力が求められますから・・・。

メリット
  • ファンタジー系ゲームでは使いやすい(ゲーム上に設定があれば尚良し)。
デメリット
  • フォトリアル系のゲームで使用する際は説得力を持たせる設定が求められる。

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手法5:フィールドをループさせる

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「ワープさせる」に近い手法としてはフィールドをループさせるのも手です。

「先に向かおうとしたら同じようなフィールドが続いてしまう」

そんな状況に遭遇した場合、プレイヤーはいずれ引き返すでしょうから。

しかし、この手の不思議な手法を使い場合、「何故フィールドがループしてしまうのか?」の動機付けは必須です。

じゃないとプレイヤーは頭にクエスチョンマークを付けたままになるでしょう。

また、あまりにも不思議な手法なので、多用すると興醒めます。

メリット
  • 自分の判断で引き返せる。
デメリット
  • 説得力を持たせられる設定が必須になる。

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手法6:ダメージを負わせる

プレイヤーに行かせたくないエリアが存在する場合、特定の地点まで向かったらダメージを受けるように設定するのも手です。

ダメージを受けて体力が0になったらゲームオーバーになってしまいますから、大抵のプレイヤーは強制的に引き返すことでしょう。

しかし、ダメージを負わせるということはそこに危険物が無いといけません。

例えば地面が溶岩になっているとか、電撃の壁を設置するとか。

あくまでも世界に異常が起きたゲーム限定の手法で、平和な世界が舞台のゲームでは使いにくく感じます。

メリット
  • プレイヤーが心理的に引き返したくなる。
デメリット
  • 平和な世界が舞台のゲームでは使いにくい

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手法7:能力やアイテムをアンロックしないと進めないようにする

広大な世界でプレイヤーをコントロールさせたい場合、新しい能力やアイテムをアンロックしないと進めないようにするのも有効です。

分かりやすい例が「鍵がかかった扉」と「鍵」の組み合わせ。

次の目的地には鍵が掛かっているけど、アイテムの「鍵」を手に入れたら開けられるようにする。

閉塞感のあるフィールドでプレイヤーをコントロールさせたい場合、有効な手段に感じます。

また、ストーリーのフラグ立てを行うことで能力をアンロックできる仕様にするのも良いでしょう。

例えば次の目的地に大きな穴が存在するとしますね?

その場合、ストーリーのフラグ立てを行うことでジャンプアクションが解禁されるようにしたらプレイヤーをコントロールすることが出来ます。

加えて

  • 新しい能力を身に付けたことで成長を実感させられる
  • 別のエリアも進めるようにすることで探究心を高められる

ので一石三鳥です。

メトロイドヴァニアと言われるジャンルでお馴染みの手法ですが、ぼくは好きです。

メリット
  • ゲーム体験と綿密にリンクしているのでプレイヤーが納得しやすい。
デメリット
  • 開発の手間がかかる。

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全体のまとめ

以上!プレイヤーをコントロールさせるための手法について語ってみました!

個人的にゲームはプレイヤーを騙し続けてほしいと思っています。

現実世界とは違うもう1つの世界に入り浸る。

それこそがゲームの醍醐味ですから、「見えない壁」の存在が分かったら興醒めしてしまいます。

そして、そのゲームに対しての印象が1段階下がってしまうんですよ。

ゲームの面白さを数値化するのは難しく感じますが、「その世界に入り浸る」という点は少なからず面白さの指数とリンクしている気がします。

だからこそ、自然な形でプレイヤーをコントロールしてほしい。

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18件のコメント

ゲームによってですよねこの対処法は。
マリオみたいなタイプのゲームはキャラクターが出てくるなりでいいと思うんですけどね。
フォトリアル系だとむつかしいですよね・・・。
山とか坂みたいな場所だったら登り切れないとかできると思うんですがね。
GTA5はたしか海で限界点に行くとボートが動かなくなってプレイヤーも泳げなくなるとかだったかな。

まあ、見えない壁を突破しようとする猛者は結構いますねw
自分もですw

この辺りはケースバイケースですね。ゲーム側の世界観に合わせた選択をしてほしいです。

見えない壁を突破しようとする。ぼくもそこにロマンを感じますw

見えない壁は興醒め感がありますよね〜
PS2時代の3Dゲームはこういう系のゲームが多くて現実に引き戻されてしまいます。

手法2はポケモンでよくある手ですが、近年は第6世代=工事のおっさん、第7世代=ゲートキーパー、第8世代=エール団と定形化してるのでもうちょっと初代や第3世代のようにバリエーションがあればおもしろいのですけどね…?
でもパッと見で通行止めなのはわかるので一長一短かな。

手法3はこれをやられると「おまえ、主人公じゃないな!?」ってなりますねwww
今まで従順に命令に従っていたAIが意志を持ったなって気がしてしまいます。

手法4や手法5は個人的にはウザいと感じるなぁ〜。

手法6は好きです。特にRPGだとこのエリアは強すぎる敵がうじゃうじゃいるからレベルが上がってからにしようと決心させてくれます。ドラクエⅠがまさにそれ!

手法7はこれまた好きな方法ですが、昔のゼルダシリーズのようにヒントが少なくて詰むといらいらするので、絶妙なヒントが必要になると感じますね。
確かに開発者が一番、苦労する手法かも。

最後に主旨を崩すことを言ってしまえば、見えない壁を設置してユーザを期待させるのではなく、ドンと壁を築いたり、バリケード?を敷くことが一番手取り早いと思いますけどね。

この“見えざる壁”問題はプレイヤーをいかに興醒めにさせないかという開発者の手腕やセンスが問われる問題ですよね。

PS2時代はまだまだ3Dゲームの開発ノウハウが少なかったので、現実に引き戻されるようなシーンが多かったですよねー。

ポケモンの通行止めはお馴染みですねw 確かに今作はエール団を多用し過ぎかな。

手法3は言い得て妙ですねw そうそう、 今まで従順に命令に従っていたAIが意志を持った感じがするんですよ~。

手法6はそうそう、強敵を配置するのも同義なんですよね。ドラクエIは上手いやり方だったなぁ。

手法7は大好きです。アイテムや能力をアンロックして徐々に行動範囲を広げていくゲームは大好き! 個人的に没入感を重視しているのでこの手の見えない壁問題は色々考えてしまいます。

ここまでプレイヤーを止める「見えない壁」について分類するとは…w
普段気にしないので、参考になります。

んー個人的にゼルダをプレイして感じたのは、途中で透明な壁が存在するのは違和感しかなく、せめてループさせてほしいと思いましたね。
ただ、フォトリアル系においてその世界がループするとは限らないため、そういう場合はやはり見える壁や崖等を用意するのが妙手といえますが…不自然感が拭えないですし。もしくは海を用意して、溺れてしまうという感じにするとかもありますかね。

確かにここまで見えない壁を掘り下げるブログはないでしょうからねw

ゼルダをプレイしていたら色々考えてしまうんじゃないでしょうか?

フォトリアル系で世界をループさせる場合、幻覚が分かりやすい設定かな。島にして溺れさせるのもうまいやり方に感じます。

僕のように頭がよくなくすぐ道に迷うプレイヤーにとって見えない壁があるゲームのほうが長続きします。見えない壁があることによってこの世界はしょせんゲームだと気づき興ざめしてしまうプレイヤーも多く現在では制限の多いJRPGではなくオープンワールドゲームが世界のトレンドになっています。しかし、僕にとってゲームはできるだけ快適に簡単にクリアし気に入ったら二週目をプレイしたいので、プレイ時間を短縮する為や誰にでも簡単に先に進めるようにするために見えない壁や制限を積極的に作ってもいいと時代の変化に対応できなかった僕は考えています。

ぼくも全く行動範囲に制限がないゲームは混乱しますw

なので、ある程度はゲーム側にコントロールしてもらいたいです。

でも、露骨にコントロールされると興醒めしてしまうというジレンマがあります。

本記事で挙げた手法を世界観に合わせて活用して見えない壁を意識させないようにコントロールしてほしいです。

今作のポケモンではバリヤードによって作られた見えない壁で、主人公がこの先へは進めないことを演出をしてるシーンもありましたよね
あれとても気に入りました
見えない壁があることで、逆にバリヤードが自分の目の前いるリアリティを味わえる、なんとも不思議な体験をしました

とあるポケモンジムで見られましたね!実質一本道で一時的に引き返すだけではありますが、見えない壁をあえて演出に使っていたので興味深いです。

ポケモンは近年ひでんわざを廃止して遊びやすくなった反面、
ひでんわざは特定のジムリーダーを倒すことで使えるようになるアクションの1つで、ゼルダと同じように次のマップに行くたび成長を感じられたのですが、
廃止したことで成長を感じる瞬間が減ってしまいそこは残念だなと思ってますねー
ポケモンって、確かに今までもNPCを置いて壁を作り出すということもしてましたが、
どっちかというと、海に阻まれてなみのりが使えないと次の街に行けなかったり、
洞窟が真っ暗で先が見えなくてフラッシュが使えないと次の街に行けないという阻み方がメインだったので、
今作のようにほとんどNPC頼りというのはイマイチかなーと思わなくもなかったです 笑

確かにポケモンでも手法6に近いコントロールを行っていましたね!

今作は手法2に頼りすぎているところはあるかな。

まあ、ワイルドエリアがあったので個人的には気になりつつもレビューでは挙げませんでした。

もし、ワイルドエリアが無かったら一本道感が強くてイマイチに感じていたと思います。

 ゼルブレで唯一不満だったのが、最果てで壁登ってたりしてたらどストレートに「これ以上は進めません」とメッセージが表示されて阻まれる事だったんですよね。
 システム的に進ませないための絶壁であり、或いは大海原であるはずなんですが、薬駆使してがんばりゲージ維持し続けたら何処までも行けちゃうゲーム性なので潔くメッセージで阻止する方に舵切ったのかもしれないですが。延々登れる崖って何だそりゃって話ですし。
 現仕様でさえトロッコ2個くっつけてマグネで空飛ぶ厄災まで爆誕してますし、何処かで阻止する必要はあったんでしょうねと理解はします。メッセージで現実に引き戻されてしまいますが…。

 最近だとアストラルチェインが広いエリアマップ用意しつつも通行禁止も結構多かったんですが、「捜査範囲外」名目で×マークついてたりだったんで、主人公が警察官である事をちゃんと生かしてたと思います。
 警官だからってあちこちうろついてたら駄目だよなあ住民から顰蹙ものだよなあと納得しましたし。こんな風に設定と上手くリンクさせるといい感じですね。

ゼルブレのアレは強引でしたねwあそこはもうちょっと良い表現はなかったのかなぁと思いました。

アストラルチェインの見えない壁は設定によって納得出来るようにした好例ですね。

あれは見えない壁では珍しくぼくも納得出来ました。

こうして考えると見えない壁も設定次第では許せることが分かりますね。設定って大事です。

自分は、普通に見えない壁を設置するのだけは許せません。
他は許せるけど・・・。
逆に見える壁を設置してしまえば良いのでは?と思ってしまいます(笑)。

見える壁を潔く設置する感じですねw

そうだ!塗り壁を設置しまくりましょう!w

問答無用で落ちて死ぬってのもある意味見えない壁の解決法じゃないかな。

それもコントロールするうえでは有効ですね!使いどころは限られてくるかもしれませんが。