
ゼルダの伝説 時のオカリナ/N64 / 3DS
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は1998年11月に発売されたN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のレビューをしていきます。
本作はコキリ族の少年リンクの成長を描いたアクションアドベンチャーゲームですが、あらゆる記号を3Dに落とし込んだ歴史的な名作でした!
1986年に誕生した「ゼルダの伝説」シリーズ。
トップビューによる広大な世界を冒険するゲームシリーズで、あらゆるゲームメディアで高く評価されました。
今回レビューするN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」はシリーズ初となる3Dグラフィックを採用していますが、単に3D化しただけではありません。
それまで記号化されていた数多くの要素を3Dゲームとして変換させることに成功していたんです!
おかげでかつてないほどの臨場感を味わえるようになり、従来のゲームを遥かに上回る体験を味わえました。
ぼくは発売日に購入してプレイしましたが、当時の興奮は未だに忘れません。
ここからはそんなN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」(以下、時のオカリナ)の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- 3D空間を探索するアクションアドベンチャーゲーム。
- ストーリーに沿って3つの精霊石を集めていく。
- 中盤以降は子供時代と大人時代を行き来できるようになる。
初リリース日 | 1998年11月21日 |
対応ハード | N64/3DS |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
売上 | 初週38.6万本/累計146万本 |
推定クリア時間 | 30~40時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
あらゆる要素が立体化!
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばトップビューの2Dグラフィックが基本でした。
図上からキャラクターを俯瞰して操作する。
そんなゲームシリーズでしたが、今回レビューする「~時のオカリナ」は違います。
N64「スーパーマリオ64」のような3Dグラフィックになり、カメラが主人公(リンク)の後ろへ回るようになったんです!
そのため視界が狭くなりましたが、臨場感が増しています。
「ゼルダの伝説」シリーズと言えば冒険が主題なので、臨場感の向上は大きな魅力に感じました。
さらに様々なアングルから描かれるイベントシーンが追加。
従来の作品では見られなかったドラマチックな演出が盛り込まれるようになります。
凄いのが、リアルタイムムービーでありながらも迫力を感じられたこと。
1998年当時、PS1などのCD-ROM機では容量の大きさを活かしてプリレンダリングムービーを収録するゲームが増えていました。
プリレンダリングムービーとは高性能パソコンなどであらかじめ作られた豪華な映像をムービーとして流す技術です。
収録するには膨大な容量が必要になるので、低容量なロムカセットを採用したN64ソフトではほとんど使用出来ませんでした。
そんなハンデを抱えていたのでイベントシーンはリアルタイムで動かすしか方法がなかったんですが、それでも当時としては美しく感じたんですよ。
大きな要因となっているのがライティング表現。
状況に応じてライトの色をキャラクターの顔に当てているので、ローポリゴンで作られていながらも空気感があったんです。
特に嵐の中でガノンドロフとリンクが初めて遭遇するイベントシーンは印象に残りました。
3Dゲームのハードルを下げる様々な配慮
1990年代末期。あらゆるゲームが3D化を果たしましたが、同時にハードルがグッと上がります。
奥行きが加わったことで覚えることが増えましたし、カメラを操作する必要が生まれましたから。
特に3Dゲームの代表格となるN64「スーパーマリオ64」は数多くの挫折者を生み出しました。
その反省を活かしてか「~時のオカリナ」は3Dゲームのハードルを下げる様々な配慮を設けていたんです!
代表的なのがZ注目。
前述の通り本作はカメラが主人公の後ろに固定化されているので、必ずしも敵が画面内に映っているとは限りません。
時には真横や真後ろに居て見失うこともあるでしょう。
そんな時に便利なのがZ注目。
なんと、敵をロックオンすることで常にカメラが敵の方向を向くようになるんです!
しかも攻撃ボタンを押すと自動で敵に向かって剣などを振ってくれるので、距離感さえつかめたら攻撃を当てるのは難しくありません。
このようなシステムは前年に発売されたPS1「ロックマンDASH」でも見られましたが、さらに使いやすくなっています。
同システムは様々なゲームに影響を与え、2000年代に入る頃には戦闘要素が存在する3Dゲームのデファクトスタンダードと言えるような存在になりました。
3Dアクションのハードルを下げるという意味でもう1つ挙げたいのが、ジャンプアクションの自動化。
ダンジョンなどでは崖から崖へ飛び移っていく箇所があります。
「スーパーマリオ」シリーズの場合、勢いを付けてジャンプボタンを押さないと落下してしまいますよね?
ところが本作の場合、勢いを付けて崖に向かえば自動でジャンプしてくれるんです!
おかげでジャンプアクションが苦手な人でも楽しめるようになっています。
このように本作は3Dアクションゲームのハードルを下げるための要素が満載なので、「スーパーマリオ64」と比べてアクション部分の難易度を下げることに成功しました。
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばアドベンチャー要素が強いゲームなので、アクション部分の主張が強すぎると別ゲーになってしまいます。
それだけに本作のさじ加減は絶妙です。
圧倒的なスケール感のハイラル平原
ゲームを開始してから約5時間。
プレイヤーは故郷の森を抜けて平原を進みますが、あまりにも広いので驚きました!
もうね、進んでも進んでも辺り一面が平原なんですよ。
N64「スーパーマリオ64」でもここまで広大な世界を駆け抜けることはなかったので衝撃を受けました。
あまりにも広く感じたので、発売当時、友達に
「今度のゼルダは端から端まで行くのに30分掛かるほどマップが広いんだよ~」
なんてアピールしていましたw
実際にはそこまで広くはなく、誇張になってしまいましたが、体感ではそこまで広く感じたんです。
初めてハイラル平原へ訪れた時の衝撃は忘れられません。
圧倒的な没入感
「スゲェ・・・あらゆるゲームを凌駕しているぞ!?」
発売当時、ぼくは本作をプレイして衝撃を受けましたが、その大きな要因となっているのが圧倒的な没入感です。
グラフィックが美しいのは言わずもがな。
それ以外にも”嘘の世界”とは感じさせないような仕掛けが大量に盛り込まれていたんです。
例えば本作、街の外に居る時は常に時間が流れているんですよ。
朝から昼になり、昼から夕方になり、夕方から夜になり・・・。
1日の時間は現実世界で表すと約5分。
その間、空の色が目まぐるしく変わり、出現する敵やBGMも変化します。
それが当時としては新鮮で、本物ソックリに感じたんです。
さらに驚いたのが、フィールド内に隠された要素が多いこと。
岩を持ち上げると出現する小さな虫、宙を舞っている蝶々、ポツンと置かれた巨大な岩。
フィールドを探索しているとこのような光景に出くわしますが、ただの飾りではありません。
それぞれ意味を成す存在で、理解できるとゲームを有利に進めることができるんです。
このように本作のフィールド内には様々な隠し要素が存在するので、その辺りも嘘の世界に感じせない役割を果たしています。
2つの時代を行き来する楽しさ
ゲームを進めると2つの時代を行き来することになります。
1つはガノンドロフにハイラル王国を支配される”前”の世界。
もう1つはガノンドロフにハイラル王国を支配された”後”の世界になります。
その間、約7年。舞台こそは同じですが、あらゆる面が異なります。
主人公の体は大きくなり、フィールドは荒れ果ててしまい・・・。
ゲーム中盤からはこれら2つの時代を行き来することになるので、謎解きの奥深さが増しました。
例えば子供時代に植物の種を植えるとしますね?
その後、大人時代に行くと植物が成長するんです!
どうでしょう?聞いただけでワクワクしませんか?
このように本作は2つの世界を行き来する楽しさがあります。
感動的なストーリー
大作ゲームと言えばストーリーも重要です。
その点、本作はストーリーも素晴らしいものでした!
内容の方は日本の漫画やアニメでは定番の冒険活劇。
旅する少年が大人になるまでの成長が描かれており、出会いあり別れありの感動的なストーリーとなっています。
特筆したいのが、タイムトラベル的な要素。
主人公のリンクは7年間を行き来することが可能になるんですが、おかげで世界観を掘り下げることに成功していたんです。
だって、7年間を断片的に描いているということは周囲の人々がどうなったのかも分かるということじゃないですか?
7年が経過すると人々は様々な変化を遂げます。
引っ越しをした人、お亡くなりになられた人、頭がハゲてしまった人 etc…
このように人々の変化を実際に感じ取ることができるので、ちょっとした群像劇の要素も備えています。
それがストーリーに深みをもたせていて、王道だけど見どころのある内容になっていたんです。
素晴らしいサウンド
本作を語るうえで外せないのがBGM!
何故なら本作は楽器を奏でることが大きなテーマとなっているからです。
ゲームを進めると「オカリナ」が手に入り、特定のメロディーを奏でると様々な効果を発揮します。
ストーリーのフラグ立てになるのはもちろん、ある場所にワープできるなんてことも!?
ゲームクリアまでに何度もメロディーを奏でることになるので、奏でるメロディーは難しくありません。
多くても8音。使用する音も5種類なので、小学生でもすぐに覚えられます。
にも関わらずメロディーとして美しく感じたので驚きました!
実際に流れるメロディーは付け足されていますが、それでも凄い!
このように本作はメロディーを奏でることがゲーム性に繋がっているので、BGMがゲームと綿密に絡んでいます。
おかげで従来のゲームよりもBGMが耳に残りやすく感じました。
発売から20年近く経過していますが、本作のBGMはしっかり耳に残っています。
ゼルダの子守歌 |
サリアの歌 |
嵐の唄 |
ハイラル平原 |
カカリコ村 |
魂の神殿 |
ゲルドの谷 |
中には過去作で使用されたBGMをベースにしたケースも見受けられますが、それでも1作品にこれだけの名曲を収めるとは凄い。
充実のサブ要素
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばサブ要素の多さも大きな特徴となっていますが、本作も凄かった!
例えば世界各地に「黄金のスタルチュラ」が100匹も潜んでいるんですよ。
一定数倒す毎にご褒美が貰えるので、探索する楽しさがさらに増しました!
シリーズでは定番のミニゲームは10種類以上を用意。
中でも「釣り堀」は異常なくらい作り込まれていて、一本のゲームとして売り出せるくらい良く出来ています。
というのもルアーを細かく操作できるほか、時間や天候によって釣りやすさが変わるからです。
本作の発売当時はバス釣りが流行っていたこともあって本編そっちのけて楽しんでいました。
それ以外にも本作には以下のような寄り道要素が存在します。
- 手に入ったアイテムを交換していく「わらしべイベント」
- 各地に隠された「ハートのかけら」
- 様々な噂話を聞ける「ゴシップストーン」
- 様々なアイテムが手に入る「隠し穴」
ストーリーを進めるだけでも十分なボリューム感があるのにこれだけのサブ要素を盛り込むとは凄い!
小ネタも相当隠されているので、広技苑等の裏ワザ辞典には本作の裏ワザ(小ネタ)が大量に掲載されていました。
さすが開発に3年以上も費やした超大作!作り込みの細かさはゲーム史に残るレベルです。
振動機能の使い方が上手い!
1998年当時はまだ珍しかったコントローラの振動機能。
多くのゲームでは単に振動させるだけでしたが、本作ではゲーム性と連動させていたので驚きました!
ある条件を満たすと「もだえ石」というアイテムが手に入ります。
このアイテムを入手した状態で振動パックを装着してみましょう。
すると、怪しい場所では振動するようになるんです!
当時としては画期的な仕掛けで、初めて振動パックの存在意義を感じられました。
もちろん、振動による手応えもバッチリですよ。
特にミニゲームの釣り堀では竿の振動と合わせるように震えるので、振動パックを装着しているのとそうでないのでは手応えが違い過ぎます。
個人的に合わない&気になったところ
やや面倒なアイテム登録
「ゼルダの伝説」は様々なアイテムを使って謎を解く側面が強いゲームシリーズです。
それ故にメニュー画面でアイテムを何度もセットし直さなければならず、面倒なんですが、その点は本作も継承しています。
もう、何度Cボタンユニットにアイテムを登録し直したことかw
しかも本作の場合、ポーズボタンを押すとほんの少しだけ画面が止まるので過去作以上にテンポを崩しているんですよ。
そんなテンポをさらに崩しているのがブーツの付け替え。
「水の神殿」「闇の神殿」などでは頻繁にブーツを付け替えなければ先に進めないようになっているので、さらにメニュー画面を開く頻度が増しました。
そのためこれらのダンジョンは個人的には苦手です・・・。
全体のまとめ
3Dゲーム黎明期の作品でありながらも様々な発明を起こした傑作。
記号の塊だった従来の2Dゲームをここまで違和感なく3Dゲームに落とし込むセンスの良さは相当なものです。
N64「スーパーマリオ64」から僅か2年半でここまでの傑作を生み出すとは・・・。
今となっては当たり前のシステムばかりなので、後追いではピンと来ないところがあるかも知れません。
しかし、それを差し引いてもゲームバランス、ダンジョン構成、サウンド、ストーリーの完成度は秀逸なので、今でも色褪せない良さがあります。
3Dアクションゲーム、3Dアクションアドベンチャーゲーム、3DアクションRPG好きにはマストバイな作品。
当時はあまりにも衝撃的だったので、本作をプレイしたことで様々な価値観が変わりました。
そういう意味でもぼくにとっては絶対に忘れられない作品です。
あらゆる記号を3Dに落とし込んだ歴史的な名作!
こんな人には特におススメ。
・アクションゲーム好き。
・アクションRPG好き。
・思い出に残るゲームをやりたい人。
こんな人にはおススメできない。
・分からなくなったらすぐに投げる人。
・3Dアクションゲームが極端に苦手な人。
ゼルダの伝説 時のオカリナ/お気に入り度【100/100%】
プレイした時間・・・約1,000時間
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