2000年6月に発売され、全世界で高い評価を貰った3Dアクションゲーム、
DC「ジェットセットラジオ」。2013年2月にはPS3/Xbox 360/PSVITAで、
HDリメイクされました。今回はそのHDリメイク版のレビューをしていきます。
このゲームの目的は、箱庭マップ内で指定された場所に落書きをする事!
移動はスケートシューズで行い、時には警官から逃げる必要も出て来ます。
こうやって文章にしてみると「グランド・セフト・オート」にも通ずる犯罪ゲームに見えますが、
トゥーンレンダリングによって描かれたカラフルな世界観やポップなBGMがそれを抑えてくれて、
ちょいワルな題材なのにあまり抵抗なくプレイする事が出来ました。
キャラクターのモデリングは今見るとカクカクだけど、
トゥーンレンダリングの表現によって今見ても古臭さは感じられません。
それよりも感心したのがフィールドの作り込み!ドリームキャストと言う、
プレイステーション2とニンテンドウ64の中間に位置するスペックのゲーム機なのに、
箱庭マップには沢山のビルが並んでいるし、車が走っていたり、沢山の人が居ます。
さらに自転車などのオブジェクトにぶつかると物理演算(?)で吹っ飛んで、凄くリアル。
マップも終盤になるとかなり広くなって、よくもまあドリームキャストで
ここまでの箱庭マップを作ったもんだと感心してしまいました。
「ソニックアドベンチャー」や「シェンムー」も凄かったし、
当時のセガは凄い技術力を持っていたんだなーと実感させられます。
落書きをするには、マップの至る所にあるスプレーを入手する必要があります。
これが無いと落書きができないので、まずはスプレーを集める必要があるんです。
各ミッションで落書きをする事になるポイントは
10~20箇所ほどあるんですが、どこから落書きするのもプレイヤーの自由。
ある程度落書きをすると警察や戦車、スナイパーなどによる攻撃が激しくなってくるので、
いかに敵からの攻撃を避けつつ効率良く落書きをしていく必要があって、
攻略の自由度はかなり高い印象です。クリア後はランク式の評価をされるので、
一度クリアしたミッションでも再チャレンジしてハイスコアを更新する楽しさがあるのは良いですね。
箱庭ゲームらしくマップに隠された収集アイテムを探す要素もありますし。
前述の通り、移動はスケートシューズを使って行います。
このスケートシューズによる移動は癖が強く、慣れるのに時間がかかるんですよね。
スケートシューズで最大の特徴は、急に止まれない事。
クイックターンを覚えたら良いんですが、初心者はそうはいきません。
時にはビルの上に行く事になるけど、慣れていない場合は何度も地上に落ちてしまう事でしょう。
また、レールなどの細い足場を滑る事もできるけど、地上で加速を付けないと思うように進みません。
このように操作は慣れが必要なんですが、
上達すると様々なトリックを決められて華麗に落書きができるようになるから、
スポーツゲームのような楽しさがあるんですよね。
本編以外にもプラティクスと言うサブモードが用意されているんですが、
そちらでは敵が存在せず、要求されたアクションを次々とクリアして行く事になります。
最終的には50ものトリックを連続して決めろ!という難しい課題が要求されるんですが、
これが達成できた時は凄く嬉しかったなぁ。HD版はトロフィーや実績が貰えますしねw
ミッションのクリア条件は、制限時間以内に指定されたエリアに落書きをするだけではありません。
中にはライバルのトリックを真似るレッスン形式のミッションやレース形式のミッション、
逃げるライバルの背中に一定数落書きをするミッションもあり、バラエティに富んでいます。
個人的に面白い!と思ったのが、逃げるライバルの背中に一定数落書きをするミッション。
ライバルは同じところをグルグル回っているのでパターンを覚えてしまえば良いんですが、
癖のある操作と相まってなかなか同じ速度で背中について行く事が出来ず、
制限時間以内に全員の背中に一定数落書きすることができないんですよね。
何度も時間切れになって、ムキになってプレイしてしまいました(笑)
このゲームの音楽は、ボーカル付きです。
ジャンルも幅広く、ポップスからヒップホップなど多彩で、耳から離れません!
キャラクターの服装が若者っぽいのと相まって、
これは当時のハイティーンにとってはたまらないゲームだなぁと思いました。
もっとキャラクターを今風のアニメ調にしてPSVITA辺りで出したら、結構売れるんじゃないかな?
特に印象に残った曲は、「スーパーブラザーズ」。超ポップなメロディと歌詞が印象的で、
「LOVE」と「スーパーブラザーズ」を多用する事から耳から離れませんでした!w
何とこの曲、あの有名なヒゲ兄弟を歌にしたんですって!?
当時セガは任天堂とライバル的な関係だったというのに、凄い度胸だw
本作はスポーツゲームの側面が強い印象ですが、箱庭ゲームならではの楽しさも沢山あります。
前述の通り収集アイテムを探す探索要素もありますし、箱庭マップは高低差が激しく、
自分で攻略ルートを作ることができますから!ゲームらしいボスキャラもいますし、
このゲームはセガ流の箱庭アクションゲームと言っても過言ではありません。
「スーパーマリオ64」のような隠されたアイテムを探す箱庭アクションが主流だった当時に、
このような形で箱庭アクションを表現するとは恐れ入りました。
今回配信されたHDリメイク版は単にグラフィックが綺麗になっただけではなく、
いくつかの追加要素があります。一番嬉しいのは、
右スティックを使って自由にカメラを動かせる事でしょうか。
これは今時の3Dアクションでは無くてはならない機能ですもんね。
それ以外にもPSVITA版の場合はタッチ操作で落書きが出来たり、
カメラ機能を使ってオリジナルの落書きを作成出来たり、
オリジナル版開発者たちのインタビューを集めた映像が収録されていたりと、結構力が入っています。
特に映像特典はこのゲームの開発意図がよーく分かって当時プレイ出来なかった者としては有難い。
たまに大きな落書きを描く必要になるんですが、
その時に発生するクイックタイムイベントが少々面倒です。
スティックを右や左に180度回転させたり、
一回転させたりの操作を10数回も繰り返す事になるんですよ・・・。
上手く連続で決まったらスコアがアップするからそういう時は気持ち良いけど、
もうちょっとやっていて気持ちの良いクイックタイムイベントにしてほしかった。
あと、エリア外に出るとミッションを終了して選択画面に行く仕様は無くても良かったと思う。
何度か順調に行っていた時に誤ってエリア外に出てしまい、
ミッションが強制終了してしまう事がありましたから。
ミッションを止めたい時はポーズボタンで選択できるので、余計な仕様です。
それ以外にも細かい粗はいくつかありますが、
箱庭アクションにスポーツゲームやスタイリッシュな要素を取り入れた内容は当時としては珍しく、
全世界で高く評価されるのも納得です。中毒性も高く、今プレイしても十分に楽しめます。
こんな人には特におススメ。
・箱庭アクションゲーム好き。
・スポーツゲーム好き。
・スタイリッシュな物が好きな人。
こんな人にはおススメできない。
・3Dアクションゲームが苦手な人。
ジェットセットラジオ/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約10時間
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