2017年4月に配信されたiOS/Android「エグリア〜赤いぼうしの伝説〜」を今回はレビューします。
iOS/Android「エグリア〜赤いぼうしの伝説〜」は街の作成や住人とのコミュニケーションを楽しむファンタジーRPGです。
開発は「聖剣伝説」シリーズやGBA「マジカルバケーション」などで知られるブラウニーズが担当。価格は1,200円で、課金要素はありません。
目次
良いところ
ユニークなすごろく風バトル
本作の戦闘システムはターン制のすごろく風バトルとなっていました!
自分のターンになるとサイコロを振る事が可能で、出たマスの分だけ移動することが可能。敵に近付く事でダメージを与えることが可能で、マスが大きいほど攻撃力が高まります。
注目したいのが、ゴール地点に行けば敵を倒さなくてもステージクリアできる事。
そのため敵を避けながらゴールを目指していく攻略法も可能となっていて、戦闘一辺倒になっていないのが良いと思いました。
本作の戦闘システムを例えで言うならローグライクゲームをすごろく形式にしたような感じ。敵に囲まれたら通路に逃げるなど、ローグライクゲームのセオリーも通用しますからね。
街や世界の作成が楽しい
本作の大きな特徴となっているのが、街や世界の作成です。
拠点となる街はクエストやダンジョンを攻略する事で建てられるものが増えて行き、寄ってくる住人も増えて行きます。
また、ダンジョンはタマゴを入手する事でワールドマップの好きな場所に設置することが可能で、面白い組み合わせで隣接することができるんです(組み合わせ次第では隠しダンジョンが出現する事も!?)。
街を発展させていくゲームは今時珍しくありませんが、好きな場所にダンジョンを設置できるのは珍しく感じました。
コメディ要素満載のイベントシーン
住人とのイベントシーンは全体的にコメディ色が強く感じられました。
ジョークを連発する奴や大ボケをかます奴など茶番感が強いところはありますが、ボイスなしでSDキャラが寸劇を繰り広げるという昔ながらの手法でこのようなイベントシーンを挿入するのは意外と珍しく、冒険の良い息抜きとなります。
スマホゲームとして見ると、立ち絵だけで誤魔化している訳ではないのが良いですね。
サクサクと楽しめて中毒性が高い
中毒性は高く感じられました。1ステージのボリュームは少なめなんですが、テンポ良く挿入されるイベントシーンやクエスト、様々な育成・やり込み要素によって次から次へとやりたい事が出て来ます。
「素材を集めて家具を作成し、家に飾りたい」
「栽培などをしてレアなアイテムを作成したい」
「ふくびきで入手できるカードをコレクションしたい」
「レベル2の高難易度ダンジョンをクリアしたい」
等など、できる事が多く、1つ1つやっている事は地味なんですが、気が付いたらそれなりの時間プレイしていたなんて事がありました。
暖かさを感じられるグラフィック
グラフィックはブラウニーズ節が全開でした!全体的に色鮮やかで自然がいっぱいで、同社が手掛けたGBA「マジカルバケーション」や「聖剣伝説」シリーズの良いところを見事に引き継いでいます。
BGMはお馴染みの下村陽子さんが担当しているので、ブラウニーズやスクウェアのゲームが好きな人は雰囲気だけでも買う価値があるかもしれません。
惜しいところ
随所で漂うソーシャルゲームっぽさ
本作は1,200円の買い切り型タイトルで、課金要素は存在しません。
しかし、随所で基本プレイ無料のソーシャルゲームっぽさが漂うゲームデザインになっていると思いました。
細かく分離されたステージ。スタミナゲージと思われる仲間のやる気(やる気がなくなると時間経過かアイテム使用で回復するまで連れていけない)。
栽培時などに発生する10分以上の待ち時間。ログインボーナス。フレンド機能。全体的に煩雑な育成システム等など。
直前まで買い切り型でやっていこうか、それとも基本プレイ無料でやっていこうか迷っていたようなので、随所で課金ゲームの名残を感じてしまいました。
個人的に苦手なのが細かく分離されたステージです。これのせいでチマチマした感じがしてゲームに没頭出来ません。それが好きな人もいると思うけど、個人的には苦手。
あと、煩雑なパラメーターもちょっと。ゲームの導入部分でシステムの解説が挿入されたけど、「なんでそんなに面倒なパラメーターを入れるんだ?」と突っ込みたくなってしまいました。
主人公や仲間の経験値だけではなく、連れていける精霊の経験値。仲間のやる気。住人の好感度、ミッションクリアに必要な達成度、栽培などの待ち時間など、戦闘システム自体はシンプルなのに味付けの役割を果たすパラメーターが多過ぎる。
慣れたら気にならなくなりますが、開始30分くらいはチュートリアルの連発もあって面倒な印象を強く持ちました。
全体的に単調
単調さもソーシャルゲームっぽく感じられました。
基本的にやる事はすごろく風バトルと街の発展やコミュニケーションで、合間にイベントシーンが挟まれるとは言えだんだんと展開がテンプレ化していきます。
基本プレイ無料のゲームとは違って課金ありきのゲームバランスにはなっていませんし、ダンジョンのロケーションも多彩ですが、もう少しメリハリが欲しかった。
例えばダンジョンのマップを広くするとか、ギミックのバリエーションを増やすとか。
ダンジョンには敵が出現する穴や障害物の木くらいしかギミックが存在せず、せっかくロケーションが多彩なだけにもっと色々あっても良いと思いました。
全体のまとめ
買い切り型のスマホゲームという事で期待していましたが、実際には基本プレイ無料のソーシャルゲームと大して変わりません。
グラフィックやイベントシーンの作り込み、要素の多さなどもトップクラスのソーシャルゲームと同程度で、違いは無課金で楽しめるのかどうかといったところ。
スマホゲームのゲームデザインは最初から買い切り型のつもりで作っていかないとソーシャルゲームっぽさから抜け出せないんだなぁと痛感しました。
無課金で楽しめるのは有難いですが、それでもソーシャルゲームのチマチマ感、刺激の少なさによって凡作の域から抜け出せていません。課金要素なしの有料ソーシャルゲーム。
こんな人には特におススメ。
・課金要素なしでソーシャルゲームを楽しみたい人。
・作業ゲーム好き。
・サクサク楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・刺激的なゲーム体験を味わいたい人。
・作業ゲームが苦手な人。
エグリア〜赤いぼうしの伝説〜/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約5時間
ソシャゲレビューだ珍しい、マジバケスタッフなんですなー、やってみようかな
自分は最近プレイしたソシャゲでは坂口さんと植松さんのTERRA BATTLEが面白かったッスねぇ