【レビュー】スーパーペーパーマリオ [評価・感想] 前作以上にアクが強まったマリオの珍作!


スーパーペーパーマリオ/Wii

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2007年4月に発売されたWii「スーパーペーパーマリオ」のレビューをしていきます。

本作はペラペラなマリオが活躍するアクションアドベンチャーゲームですが、前作以上にアクが強い作品になっています。

2004年に発売されたGC「ペーパーマリオRPG」。

可愛い見た目とは裏腹に黒い一面が強い作品で、シリーズの中でも高い人気となっています。

今回レビューするWii「スーパーペーパーマリオ」は同作品で見られたアクがさらに強くなり、開発元であるインテリジェントシステムズの暴走ぶりが垣間見える作品に感じました。

あまりの暴走ぶりに任天堂本社が手掛ける「スーパーマリオ」シリーズとは180度異なる作品となっていて、これはこれで見どころが多く感じます。

が、ゲームジャンルがアクションRPGからアクションアドベンチャーに変更されたことでシステム面での粗さが目立ってしまい、ゲームとしての完成度は前作よりも落ちている印象です

ここからはそんなWii「スーパーペーパーマリオ」について詳しく書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ペラペラなマリオが活躍するステージクリア型のアクションアドベンチャーゲーム。
  • 「次元ワザ」を使って2Dと3Dの世界を行き来できる。
  • ハザマタウンで寄り道を楽しむこともできる。
初リリース日 2007年4月19日
対応ハード Wii
ジャンル アクションアドベンチャー
売上 累計57万本
推定クリア時間 15~25時間
発売元 任天堂

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良いところ

2Dと3Dの世界を切り替えるゲームデザイン

前述の通り本作はゲームジャンルがアクションアドベンチャーとなり、本家の「スーパーマリオ」シリーズに近くなりました。

しかし、そこはチャレンジングな「ペーパーマリオ」シリーズ。

単なるアクションアドベンチャーゲームには終わっておらず、画期的なシステムを搭載しています。

こちらのスクリーンショットをご覧ください。

スーパーマリオブラザーズ」のような平面世界を舞台にした2Dアクションゲームに見えますよね?

ところがWiiリモコンのAボタンを押すとそれまで2Dだったマップを3Dに切り替えることができるんです!

すると、

2Dの世界ではブロックの階段に見えていたところが3Dの世界に切り替えるとトンネルになっていることが判明した!

なんてギャップを感じることがあります。

このように本作では2Dと3Dの世界を行き来して謎を解くのが大きな特徴となっていて、過去作以上に発見する楽しさを感じられるようになりました。

各ステージには大量の謎が隠されているので、頻繁に世界を切り替えて探索を楽しんでいきましょう!

マリオのゲームとは思えないほどやり過ぎな演出

「このネタをマリオのゲームでやっちゃいますか!?」

なんて口に出してしまうくらい本作にはブラックユーモアが詰まっています。

前作でもその兆候は見られましたが、本作ではさらに増して完全にマリオの二次創作ゲーとなってしまいましたw

代表的なのがストーリーの序盤~中盤辺りに登場するカメレゴンのキャラクター性です。

彼はオタクという設定なんですが、とある場所で確認できる日記を読んでみたところ、現代のオタク像を見頃に表現していましたw

○月×日 今日は天気が良いので、久しぶりに「すいーとドキドキぷりりん」を全話観る。良質のシナリオに歯切れの良い演出。

まさに傑作アニメーション。とても楽しかった。

ただしそれも2クールまでで監督が交代してからは駄作としか言えない。

3クールからはファンへの媚とおもちゃを売るためのテコ入れが見え見えで見るに耐えない。

どうでしょう?

商業的な部分にも触れていますよね?

売り手側の視点に立って理屈っぽく語る点はいかにもオタクっぽく、読んでいて笑ってしまいましたw

バンダイナムコが発売するような中高生向けのゲームだったらまだしも、マリオのゲームでこんなネタを盛り込むとは開発者に拍手を贈りたいですw

このように本作はスーパーマリオ本編では絶対に見られない面が多く感じますが、一方ではマリオファンが喜ぶようなネタも盛り込まれています。

例えばFC「スーパーマリオブラザーズ」の1-1を再現したようなステージが用意されているんですよ。

今となってはありきたりなネタに感じるかもしれませんが、当時プレイした時はニヤリとしました。

オシャレな世界観

「ペーパーマリオ」シリーズと言えば絵本のような世界観が印象的ですよね?

本作の場合、キノコ王国とは異なる次元が舞台である関係上、異質な雰囲気を醸し出しています。

例えばワイヤーフレームを強調していたり、ドット絵で構成されていたり。

冒険する世界は全部で8種類。

それぞれ世界観が大きく異なっており、本編マリオでは見られなかったオシャレなテイストで作られているので、不思議な印象を持ちました。

そのため新しいワールドへ進む時はワクワクしたものです。

充実の収集要素

「ペーパーマリオ」シリーズは収集要素が充実している点も大きな特徴となっています。

今作もその点は健在で、

  • 料理作り
  • ミニゲーム
  • カード集め
  • 地図集め

なんてやり込み要素が用意されています。

ゲームジャンルがアクションRPGからアクションアドベンチャーに変わった関係上、本編をクリアするまでの時間は短くなっていますが、やり込みをすれば長く楽しめますよ~。

クリア後に登場する数々の追加要素

本作のやり込み要素はこんなものではありません!

なんと、ゲームをクリアすると

  • 一度クリアしたステージで新たなイベントが発生
  • とっても長いダンジョンが出現

なんてやり込み要素が解禁されるんです。

エンドコンテンツの充実ぶりは前作以上に凄いので、クリア後からが本番といっても良いのではないでしょうか?

この辺りはエンドコンテンツがほぼなかった前々作の反省を活かしている印象です。

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惜しいところ

中途半端な戦闘システム

今作からゲームジャンルがアクションRPGからアクションアドベンチャーに変更されたことで戦闘はリアルタイム制に刷新されました。

つまり、従来の2Dマリオと同じような感じになっているんですが、これが実に中途半端なものなんです。

ターン制コマンド式じゃなくなったことで戦略性が落ちていますし、かと言って爽快感があるのかと言われると本家マリオほどありませんから。

何故かというと操作感覚・挙動が従来の「ペーパーマリオ」シリーズと大差ないからです。

「ペーパーマリオ」シリーズは本家マリオほど操作感に感性がなく、移動速度を細かく調整することができません。

その点がアクションゲームとしての気持ち良さを削いでいるように感じられるので、ジャンプアクションで敵を踏み潰してもそこまで気持ち良く感じないんですね。

その一方でヒットポイントなどのRPG要素がまだ残っている関係で敵が固くなってしまい、アクションゲームとしてみるとテンポを崩しているように感じます。

なんというか、「ペーパーマリオ」シリーズと本家マリオのエッセンスを強引に混ぜ込んでしまったような?

Wiiリモコンを無理やり活かした操作性

本作が発売されたのは2007年4月。

対応ハードのWiiが発売されてから4ヶ月しか経っていませんでした。

そのためか同ハードのデモンストレーション的な一面が強く見られ、Wiiリモコンの機能を無理やり活かしているようにも感じます。

例えばWiiリモコンを振ってハンマーを振るミニゲームを収録していたり、ポインター操作で隠し部屋を見つけるような要素を搭載していたり。

いずれもボタンやスティックで代用できそうですし、そちらのほうが遥かに手軽だと思いました。

ぼくがこう感じてしまったのは元ゲームキューブソフトであることも大きかったりします。

実は本作、当初はゲームキューブソフトとしてアナウンスされており、当初は2006年8月3日に発売予定でした。

ところがゲームキューブの商品寿命が切れかかっていた関係からか発売日未定になってしまい、その後、後継機のWiiソフトとして2007年4月19日に発売されることが決まったんです。

ですので、本作に搭載されているWiiリモコンのモーション・ポインター操作は完全な後付なんですね。

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スーパーペーパーマリオのレビューまとめ

2Dと3Dの世界を切り替えていくのが面白い作品。

前作以上に濃くなったブラックユーモアなど見どころは多く感じますが、ゲームとしては中途半端に感じてしまいました。

何故、「ペーパーマリオ」と2Dマリオの要素をミックスさせてしまうのかw

ネタゲーとしては面白いので、風変わりなマリオのゲームを楽しみたい方は手にとってみてください。

前作以上にアクが強まったマリオの珍作!

こんな人には特におススメ。
・ネタゲー好き。

こんな人にはおススメできない
・RPGのマリオを求めている人。

お気に入り度【60/100%】

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10件のコメント

懐かしい!初めてプレイした時は興奮して2Dと3Dを何回も切り替えていました。すぐあきましたけどねw

ペーパーマリオ作品だと、この作品までが面白く楽しめた印象。
ストーリーの深さが非常に心を掴まれたし、従来のマリオにはないものがたくさん詰まっていた。
固定概念に囚われ、昔のマリオが好きな人からしたらもしかしたら嫌われてしまうのかもね。
もう一回やりたくなりました。

マリオとしてはストーリーがやたら重かったのも特徴ですよね。
ネタバレになりますが、特にラブエルの真実とか、ノワールとアンナの正体とか。
当時まだガキだった自分には「アニメみたいな展開だな」くらいしか抱きませんでしたが今思うとかなりマリオ的には異質だったんだなと。
カメレゴンは色々特徴的過ぎますよねwwwww
あの恋愛イベントなんかは今見ると爆笑もんですwwwwww
自分はゲームとしては割と面白かった印章抱いたんですがね。豚の貯金箱みたいなエネミーは倒すの面倒だけど倒したらコイン大量で気持ちよかったし。
まあ前作のGCのペパマリと比較してどっちが面白いかと聞かれると断然ペパマリなんですけどね。俺は。

> さん
3DSのペーパーマリオにあわせてのレビューです!
このゲームは練りこみ不足でしたね。
面白い点もあったけど。

>黒魔さん
ペーパーマリオシリーズは、可愛い見た目とは裏腹に結構黒いゲームですよねw
このギャップは好きです。開発者の悪乗りを感じられて。
ただ、今作の場合はそこに力を入れすぎて、
肝心のゲームとしての面白さが
ちょっと練りこみ不足かなと思いました。
とりあえずリアルタイムでの戦闘は
ペーパーマリオでは止めたほうが良いでしょうね。
近いうちにペーパーマリオRPGのレビューもしますよ!

2Dと3Dの世界を切り替えての探索は悪く無いけどアクションゲームとしては非常に簡単なのはどうかと思いましたね。
ただでさえ難易度は低いのに途中で仲間になるクッパは、攻撃力がマリオの2倍なので完全にバランスブレイカーでした。
でもゲームはいまいちだけどすぐ飽きたり、途中でプレイするのが苦痛にならなかったのはストーリーが面白かったからですね。
ペーパーマリオシリーズならではの破天荒なストーリーと敵キャラ達の設定に惹かれてどんどんゲームを進めたくなりました。
このシリーズでは出番があまりなかったルイージが大活躍したのも良かったです。

>シロマさん
なんか、色々と問題ありましたよね。
最初は面白いシステムのゲームだなぁと思っていたんですが、
最終的には普通くらいに感じてしまいました。
でも、ネタ要素が多くてそこは気に入っています。
マリオのゲームでここまで黒い部分が強い作品って他にないですもんね。
ルイージに関してはファンサービスw

ストーリーも謎解きもステージのバリエーションもやりこみ要素も全部好きだった。ただハンマーのリーチがね。飽きっぽい僕としては常にワンパターンじゃなくて飽きさせてくれないのが嬉しかった。例えばシューティングになったりだとか。6のステージが消滅して2までしかないだとか。ルイージが敵として現れるだとか。ラスボスで一人離脱しちゃうとか。ハンマーのリーチが短いとか。

遊び心が詰まった作品ですよね。改善の余地はありますが、アトラクション感覚で楽しめるのは良いです!

僕的にはどちらかというと面白いゲームだと思いますが、世間でクソゲー扱いする声が少なくない理由もわからなくもないです。本筋とあまり関係なく下品なネタも少なくないシナリオ、難易度設定が変更できないのにコアゲーマーでは満足できない簡単すぎる難易度、二週目には10時間以内でエンディングに到達できるボリュームなどやはり今作は完成度が高いゲームといえないと思います。しかし、意外性のあるオリジナルキャラクター達や明るくポップなBGM,そして何よりマリオシリーズ屈指の評価を受けているラストバトルとエンディングなど根強いファンを作ることができたゲームでもあると思います。