ブレイブリーデフォルトII/Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2021年2月に発売されたSwitch「ブレイブリーデフォルトII」のレビューをしていきます。
結論から言わせていただきますと、旧式のJRPG好きには溜まらない作品です!
ストーリー、戦闘、育成、探索、世界観、BGM。
どれを取っても1980年代から1990年代によく見られた名作RPGを上手く踏襲した作りになっていて、新作ながらもノスタルジックな気持ちになれました。
かと言って「懐かしい」「王道」の範疇に留まっているのではなく、プレイヤーをあっと驚かせるような仕掛けも盛り込まれていて、舌が肥えてしまったRPGゲーマーでも刺激的な体験を味わえるように作られています。
少しテンポが悪かったり、玄人向けになり過ぎている気もしますが、旧式のJRPG好きは抑えておいて損のない作品です。
ここからはそんなSwitch「ブレイブリーデフォルトII」の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- ファンタジーRPG「ブレイブリー」シリーズの3作目。
- 戦闘はコマンド選択式。
- ブレイブ&デフォルトという独自のシステムを搭載している。
初リリース日 | 2021年2月26日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | RPG |
売上 | 初週9.3万本 |
推定クリア時間 | 40~50時間 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
王道ストーリーに隠されたメタ要素
ゲームを始めてから1時間。
主人公たちは4つのクリスタルを手にすべく冒険の旅に出かけます。
冒険の舞台となるのは
- 険しい谷
- 砂漠の遺跡
- 迷路のような森
- 極寒の雪山
などファンタジーRPGではお馴染みのフィールド。
ストーリーの主題も勧善懲悪で、要は正義の味方として悪い奴を懲らしめるものだと思えば差し支えのない内容です。
最近のRPGでよく見られるコメディ要素は控えめ。
多少のデフォルメはなされていますが、古き良きRPGの文法で作られています。
今までに何十ものファンタジーRPGをプレイされている場合、退屈に感じるかも知れません。
ですが、冒険の旅が終わりを迎えようとする頃、ファンタジーRPGの枠を超えた展開が続出します。
ネタバレになるので具体的には言いませんが、それまでは”機能”と思っていたものがストーリーのカギを握っていたことが発覚したので驚きました。
特に真エンディングまでの流れはエモく、長期間に渡ってプレイしていればいるほど心打たれる展開が待ち受けています。
その多くは冒頭の3時間ほどに伏線が張られているので、2周目をプレイした時は別の視点で楽しめました。
クリアまでのプレイタイムは早くて40時間。
遅いと80時間を超えるほど長いので最後までプレイできる人は限られてくるかも知れませんが、できれば真エンディングまで進めることをおすすめします。
そのくらい、本作の真価は隠しシナリオ&真エンディングに詰まっています。
一見すると古き良きRPGを令和の時代に再現しただけのゲームに見えるかも知れませんが、それは巧妙な罠ですw
コマンドバトルの裏を突いたゲームバランス
戦闘は昔ながらのコマンド選択式を採用しています。
特筆したいのがゲームバランスです。
簡単に言うとコマンドバトルの裏を突いたようなバランスとなっていて、適正レベルで挑んだ場合、頭を使わないといけません。
本作には「ブレイブ」というコマンドが存在して、使用することで3ターンまで先取りできます。
このコマンドを使用すればゴリ押しで進めることもできますが、強敵戦の場合、そう簡単には行きません。
というのもプレイヤーの裏を突くような特殊能力を持っている可能性が高いからです。
例えば魔法攻撃を反射してきたり、打撃攻撃を与える度にカウンターを仕掛けてきたり。
さらには味方が回復や能力アップを行う度に邪魔してくる場合もあるのでタチが悪いのなんのw
RPGにはセオリーというものが存在します。
魔法使いは防御力が低いから強力な打撃攻撃で倒すとか、火の属性を持った敵は水に弱いから水属性の魔法で倒すとか。
本作ではそのうえで
- 次のターンを先取りできる「ブレイブ」
- 特殊な効果を発揮する「アビリティ」
- 正常な戦闘が行えなくなる「状態異常」
などの対策をしなければならず、毎回、同じような戦法は通用しません。
時にはあまりの強さに無理ゲーなんじゃないかと思うこともありましたが、その分だけ倒した時の達成感が大きいので、主人公たちに感情移入することができました。
キャラクターの育成やカスタマイズが楽しい!
前述の通り本作のゲームバランスは生ぬるいものではありません。
難易度は3種類の中から選択できますが、一番簡単なモードでも厳しめに調整されています。
その代わりキャラクターの育成やカスタマイズの自由度が高めに調整されているので、そこに楽しさを感じました。
特筆したいのがジョブとアビリティの種類です。
ジョブを変更することでキャラクターの特性が変わっていきます。
剣士系だったら物理攻撃力が高くなったり、魔法使い系だったら魔法攻撃力が高くなったり。
そして、戦闘で勝つ度にジョブレベルという通常のレベルとは異なるステータスが上がっていき、様々な恩恵を受けることができます。
代表的なのがサポートアビリティ。
これは最大で5種類までセットすることが可能で、ジョブを変更しても継承されます。
その中には9999以上のダメージを与えられる「限界突破」とか、強力な効果を発揮するものもあるので、色んなジョブレベルを上げて良いとこ取りのキャラクターに育て上げることができるんですね。
この手のジョブシステムを採用したゲームは今どき、大して珍しくありませんが、本作で凄いのがジョブやアビリティの種類です。
なんと、ジョブに関しては20種類以上も用意されています!
同系統のコマンド選択式RPGでは10種類程度だった印象なので、倍以上も用意されているんですね。
ジョブ毎の個性も際立っているので、どんな順番で育てようか迷いましたw
でも、こんなにも種類が多いとジョブのレベル上げが面倒になってきそうですよね?
本作はその辺りの調整もバッチリで、コツを掴めば1つのジョブレベルを最大にするのに20分未満で済んでしまいます。
程良い時間で行えるキャラクターの育成、奥深いキャラクターのカスタマイズ。
プレイすればするほどコマンドRPGをわかっている人が作っていると実感できるバランス調整となっていて、洗練されまくっています。
名曲揃いのBGM
本作で流れるBGMは耳に残るものが多く感じます。
単純にメロディが良いのもあるんですが、世界観やキャラクターとのシンクロが凄いんですよ。
例えばワールドマップで流れる「平原の地平」というBGM。
壮大な世界を旅する感覚を引き立てるTHE・ファンタジーRPGと言えるようなBGMですが、国境を超えるとアレンジが変化するようになっています。
不気味な世界ではおどろおどろしくなったり、雪に覆われた世界ではキンキンした感じになったり。
聴き慣れたBGMのアレンジが変化することで臨場感が高まっていきます。
さらに驚いたのが、戦闘時に必殺技を放った時に流れるBGMです。
必殺技を放った時に流れるBGMは使っているキャラクターによって変化するんですが、イメージにピッタリなんですよ。
主人公のセスは船乗りということでエキゾチックなBGMが流れたり、エルヴィスは酒や賭け事が好きということでカジノっぽいBGMが流れたり。
面白いことに各キャラクターのBGMが流れている間は特定のステータスが上昇するようになっているので、必殺技を使った直後は自然とBGMに意識が向くようになっています。
本作のBGMは3DS「ブレイブリーデフォルト」と同じくSound HorizonのRevoさんが全て担当していますが、拘りが凄いです。
一通り揃っているJRPGに必要な要素
本作は旧式のRPGと同じ文法で作られていますが、中には今風の要素も見受けられます。
代表的なのがボイスの実装です。
イベントシーンはフルボイスとなっていて、キャラクターが喋りまくります。
また、「テイルズオブ」シリーズのような「パーティチャット」も実装。
本筋からそれたキャラクターの会話を好きなタイミングで聴くことができます(こちらはボイスなしですが)。
個人的に嬉しかったのが、寄り道要素が充実していることです。
膨大な数のサブクエスト、ボス並みに強い希少種モンスター、ミニゲーム「B&D」、宝箱の回収。
ストーリーに沿って進む以外にも色んな遊びが詰まっているので、窮屈な感じはしませんでした。
2000年以降、JRPGはストーリー主導になっていき、寄り道が軽視される傾向にあったので、この点を抑えているのは嬉しいですね。
驚いたのがサブクエストの物量とミニゲームの作り込みです。
用意されているサブクエストは100種類。
「ゼノブレイド」シリーズほどではありませんが、街を探索しているとサブクエストの依頼主がそこら中に見られるほどの物量に達しています。
そしてミニゲームの「B&D」。
これはオセロや将棋、カードゲームの要素を融合させたミニゲームで、慣れてくるとハマりました!
対戦相手は各地に点在するので、新しい街に足を運んだ時は「B&D」で対戦できる人が居ないか探してしまいますw
他にも戦闘スピードを好きなタイミングで早送りできたり、ダンジョンにはワープポイントが設置されていたりとJRPGに必要な要素は一通り揃っている印象です。
惜しいところ
テンポがやや悪い
全体的にテンポがやや悪く、もう少しサクサク動いてほしいと思いました。
エリア間を行き来する時には5~10秒ほどのロード時間が。
ロードが終わった後には画面がカクつくことが多いので、小さなストレスを生み出しています。
問題なのが、グラフィックを簡略化しているにも関わらずテンポがやや悪いことです。
本作のグラフィックは決して最先端ではありません。
キャラクターの頭身は低く、動きも記号化しているところがあります。
これは想像の余地を残している面もあると思いますが、簡略化することでサクサク動作するようにしているところもあると思うんですよ。
にも関わらず処理がやや重く感じるので、本末転倒ではないでしょうか?
この辺りはアンリアルエンジンの弱点が露呈してしまった印象です。
本作で使用されているアンリアルエンジンはロード時間が長くなりやすいと言われていますからね。
ジオラマ調のグラフィックは綺麗ではありますが、頻繁にエリア間を行き来したり、戦闘を行うゲームなので、処理速度を優先してほしかった。
キャラクターのカスタマイズが面倒
良いところで挙げたように本作には膨大な数のジョブやアビリティが存在します。
強敵を倒すにはその都度パーティメンバーのジョブやアビリティ、装備を見直さなければならないので、カードゲームのデッキを組むような楽しさを味わえました。
が、頻繁に変えているとカスタマイズに不備が出てきたり、面倒になることがあるので、登録・保存機能が欲しかったです。
ゲーム内でプレイできるミニゲーム「B&D」には搭載されているのに本編では何故付けなかったのかw
ブレイブリーデフォルトIIのレビューまとめ
王道のJRPGとしてのお決まりを守りつつも攻めの姿勢も感じられる作品。
グラフィックが簡素である割にはサクサク動作しない点は不満ですが、全体的には高水準に達しています。
難易度は高く、コマンドRPGを何十タイトルもプレイしていることを前提にしたようなバランス調整となっているので、この手のジャンルが好きな熟練者にはぜひ、おすすめしたい作品です。
コマンドRPGもアプローチ次第ではまだまだ行けます。
旧式のJRPGが好きな人のツボを抑えた良作!
こんな人には特におススメ。
・コマンドバトル好き。
・メタ的な表現が好きな人。
・ゲーム音楽好き。
こんな人にはおススメできない。
・コマンドバトルが苦手な人。
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