
オクトパストラベラー/Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2018年7月に発売されたSwitch「OCTOPATH TRAVELER (オクトパス トラベラー)」のレビューをしていきます。
本作はスクウェア・エニックスが贈る新規のファンタジーRPGですが、高くそびえ立つ山を好きな角度から攻められるレトロ風オープンワールドRPGです!
これはただのレトロ風のRPGではありません。
本作が発売された2018年だからこそ実現できた要素が満載で、最先端のゲームを追い求める人にもおすすめしたい作品です。
ここからはそんなSwitch「オクトパス トラベラー」の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- 8人の主人公が存在するレトロ風RPG。
- 好きな主人公を選んで物語を進められる。
- 戦闘システムはオーソドックスなコマンドバトル。
初リリース日 | 2018年7月13日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 30~60時間 |
売上 | 初週10.7万本/累計19.7万本 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
懐かしさと新しさが融合したグラフィック
1990年代前半。世のRPGはドット絵の記号で構成された温かみのあるものが中心でした。
本作のグラフィックはそんな1990年代前半のRPGを強く意識したテイストとなっていて、懐かしさを感じられます。
しかし、当時の雰囲気を単に再現している訳ではありません!
背景をフォトリアルテイストに仕上げ、キャラクターをスプライト風のポリゴンで描くことによって唯一無二の表現を実現しています。
例えで言うならレトロ風ファンタジーRPGの世界をジオラマ化したような感じでしょうか。
当時の作品で感じられた温かみを残しつつも古臭さを感じさせない絶妙なテイストで、今の時代に上手く溶け込ませています。
「16bitとフォトリアルの映像表現を融合するとこんなテイストになるのか!?」
ありそうでなかった映像表現にまずは魅了されてしまいます。
オープンワールド形式のフリーシナリオ
「表現方法は斬新でも中身は古臭いRPGなんでしょ?」
そんな声が聞こえてきそうですが、本作は現役ゲーマーにこそプレイしてもらいたい最先端を行く作品です!
なんと本作、こう見えても本質はオープンワールドゲームだったりします。
ストーリーはどこから始めても良いし、最初からほとんどのエリアへ行けるんです!
しかも用意されている街やダンジョン、道中の数が凄いことになっています!
ざっと数十はあるんじゃないかと思うほどの多さで、海外のオープンワールドRPGに匹敵するほどです。
この事実を知った時は目を疑いました。
てっきり、「ブレイブリーデフォルト」や「いけにえと雪のセツナ」のように1990年代前半のRPGを今の時代に再現することが根底にある作品だと思っていましたからね。
大量に用意されたクリアまでの抜け道
本作の難易度は高めに調整されています。
その時点での推奨レベルに到達したとしても頭を使わなければ大苦戦してしまうほどの難しさで、一筋縄ではいきません。
終盤になるとほぼ一撃で戦闘不能になってしまうような全体攻撃を連続でくらってゲームオーバーなんてザラです。
しかし、8人の主人公が持っているジョブを上手く使えばいくらでも攻略の抜け道が見つかります。
例えば一撃で9999ダメージ以上を与えられる技が存在したり、倒れたとしても自動で復活するサポートアビリティが存在するんです!
また、「あんたが世界を救えよ」と言いたくなるような最強の村人を仲間にしたり、嫌らしい状態異常攻撃を放ってくる魔物を仲間にすることもできます。
「次の強敵はどんな方法で倒そうか?」
攻略の自由度が高いおかげで例え強敵に出くわしてもそう考えるようになりました。
そして、その時間が凄く楽しい!
攻略の自由度と難易度の両方が高い作品は試行錯誤する楽しさがあるから大好きです♪
苦労した分だけ返ってくる見返り
RPGは苦労の積み重ねです。
幾度もの経験を積んでキャラクターを強化していくことになりますからね。
そういう意味で本作が素晴らしいのは、苦労した分だけ見返りがあることです!
例えば推奨レベルを大きく上回るほどの危険地帯に足を踏み入れるとします。
すると強敵が現れますが、苦労して倒すと大量の経験値が貰えて一気にレベルを上げることができるんです!
リニア式のRPGだとゲームバランスの崩壊を恐れてこのようなことはできない場合が多いので物凄いワクワクしました。
これも勝利までの抜け道が多く、例え推奨レベルを大きく上回る程の強敵と戦っても勝てる可能性があるからこそ味わえる物ですね。
プレイスタイルによってレベル上げの速度は大きく変化し、戦法も色々用意されているのでクリアまでのプレイタイムは人それぞれ大きく変わってきます。
メリハリあるバランスの戦闘
ここまで攻略の抜け道が多いことを強調してきましたが、その大きな役割を果たすのが戦闘バランスです。
本作の戦闘はオーソドックスなコマンドバトルながらも与えられる被ダメージの大小が極端で、1桁しか与えられない時もあれば連続して4桁のダメージを与えることもできます。
その鍵を握るのが「ブレイク」と「ブースト」の概念。
敵の弱点を突きまくると一定時間体制を崩し、より多くのダメージを与えられるようになります。
一方、ターンが経過する毎に技をブーストさせて威力を高めたり、1ターンに同じ攻撃を繰り返し発動することもできるんです。
これらの概念を上手く利用するとどうなるのでしょうか?
なんと、通常時の数十、数百倍大きなダメージを与えることができるんです!
最大限にダメージを与えるには頭の中でパズルを解かなければならず、大変ですが、決まった時の爽快感は癖になるほど格別です。
この爽快感をさらに強めてくれるのが派手な演出。
弱点を突いてブレイクさせるとヒットストップの演出が入り、ダメージ数も大きく表示されるんですが、頭の中で描いたパズルが解けた開放感と相まってまるでアクションゲームで攻撃が決まったかのような気持ち良さを味わえるんです!
あまりにも凄まじい快感なので、本作をプレイし続ける理由の5割がこれなんじゃないかと思うほど。
動機付けが丁寧に描かれたストーリー
本作には8人の主人公が存在し、それぞれに専用のストーリーが用意されています。
いずれも短めですが、短編ストーリーとしては良くできていると思いました。
どの主人公も生い立ち、境遇、人間関係を丁寧に描き、「この先どうなってしまうんだろう?」とプレイヤーが感情移入できるように作られています。
仮に導入部分で感情移入ができなくても厳しい戦闘を繰り返していけば自然と愛着が湧いてストーリーも気になり出すように作られているので、そういう意味では絶妙な味付けだと思いました。
素晴らしいのが、全員を仲間にして1周ですべてのストーリーを楽しめることです!
こういうのって主人公の数だけ周回プレイをしないといけないことが多いだけに、1周ですべてを体験できるのは嬉しいですね!
え?複数のストーリーを並行で進めたらそれぞれの内容を忘れそうだって?
本作はその辺もしっかり作られていて、新しい章に入ったらあらすじが手短に挿入されるし、メニュー画面からそれまでの流れを回想することもできるのでストーリーを忘れにくくなっています。
街中でやりたい放題楽しめる!
街の中ではフィールドコマンドによって色んなことができます。
住人と会話したり、施設を利用できるのはもちろん、以下のような行動を起こせるんです!
プロフィールを調べる、アイテムを盗むor買い取る、仲間にする、戦闘する。
これってゲームバランスを考えたらかなり無茶な仕様ですよね?w
モブキャラの細かいプロフィールや特性、所有アイテム、ステータスを考えないといけないなんて!?
しかも住人の中にはめちゃくちゃ強い奴が居たり、ゲームを有利に進められる情報やアイテムを持っていることもあるのだから油断できません。
新しい街に辿り着いたら全キャラクターでフィールドコマンド!
思わずそんな鉄則が生まれてしまうくらい街中でのフィールドコマンドは楽しく感じます。
サブクエストではフィールドコマンドを活かした謎解きを楽しめるのが面白かったです。
惜しいところ
型に嵌まり過ぎているストーリー
各主人公のストーリーを単独で見ると悪くはありません。
むしろ丁寧に描かれていると思うんですが、複数進めていると型に嵌まり過ぎていると思いました。
というのもどの主人公のストーリーも少ない章で構成され、それぞれ狭いエリアの中で規則的なイベントや探索、戦闘などを繰り返していくスタイルになっているからです。
他の主人公と絡むことは簡単なパーティチャットくらいで、群像劇とは言えません。
これではいくら過程を丁寧に描かれていたとしても予定調和感が生まれてしまい、刺激が薄れてしまうと思うので惜しく感じます。
開発者が計算して作ったレールの中を進んでいく長編リニア式RPGのような二転三転するシナリオはあまり求めない方が良いでしょうね。
型に嵌まり過ぎているダンジョン
ダンジョンは山、森、洞窟、神殿など非常に多く用意されています。
しかし、いずれも2つ程度の狭いエリアで構成され、乱雑に宝箱が置かれているだけで何の驚きもありません。
そのためRPGでは大切なフィールドを探索するワクワク感は薄く感じました。
本作の戦闘は推奨レベル内だとギリギリまで体力やSP(MP)を削るほど厳しいバランスなので、1~2回エンカウントしてボス戦まで辿り着けるダンジョンの構造は理にかなっていると思うんですけどね。
街中で使えるフィールドコマンドを活かせとまでは言いませんが、冒険している感を出すためもう少しダンジョンの構造を不規則にしたり、仕掛けを盛り込んだら良いなと思いました。
OCTOPATH TRAVELER (オクトパス トラベラー)のレビューまとめ
行動面、戦闘面、育成面、攻略面。
あらゆる面での自由度が高い作品で、その本質は紛れもなくオープンワールドゲームだと思いました。
プレイヤーによって進行ルートは全く変わってくるので、そこにロマンを求めている人には最高の作品です。
反面、どこを進んでも同じような印象を持たすためなのか際立ったギミックを入れているようには感じられず、戦闘の比重が高いことと相まって長くプレイしていると単調さも感じてしまいました。
そこは惜しく感じられましたが、どの方面から高い山を乗り越えていくのか試行錯誤するまでが非常に楽しく、飛び抜けた面白さを持っています。
高くそびえ立つ山を好きな角度から攻められるレトロ風オープンワールドRPG!
こんな人には特におススメ。
・コマンドRPG好き。
・育成好き。
こんな人にはおススメできない。
・ストーリー性を重視する人。
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スカイリムやフォールアウトの技法をコマンド式RPGにアレンジシステム、ロマサガのエッセンスが活かされた内容でもあるようですね。これは中々面白そう。
ただ、ほしいのは山々ですが、しばらくは忙しいので、後になりそうです。