どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2004年7月に発売されたGC「ペーパーマリオRPG」のレビューをしていきます。
本作はペラペラなマリオが活躍するRPGシリーズの2作目ですが、前作よりも黒い作品になりました!
一見するとホンワカした世界観のゲームに感じるので「これのどこが黒いの?」と思いますよね?
確かにパッと見は前作と大差ないように見えますが、物騒な描写が散見されたり、悪ノリにも捉えられるような演出が増加していたりします。
そのうえで前作でも見られたキャラクターの細かい描写も踏襲されているので、プレイされたユーザーの間で絶賛されました。
「ペーパーマリオRPG」は素晴らしい作品!
・・・ではありますが、一方ではお使い的なイベントが多いなど人を選ぶ点も散見されます。
本記事ではその辺りも踏まえてレビューしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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- ペラペラなマリオが主人公のアクションRPG。
- 「紙飛行機」「ボート」などの変身アクションが追加。
- 戦闘時は舞台の中で戦うという設定が追加された。
初リリース日 | 2004年7月22日 |
対応ハード | GC |
ジャンル | アクションRPG |
推定クリア時間 | 25~35時間 |
売上 | 累計43万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
ぶっ飛んだ演出
「前作を越えてやるんだ!」
多くの開発者はそんな気概で続編を作ることでしょう。
本作でも前作(マリオストーリー)を越えてやろうという気概を感じられ、特に”刺激”の面を重点に置いているような気がしました。
マリオのゲームと言えば王道のイメージが強く、キャラクターも丸いですよね?
今作に登場するキャラクターも見た目こそは可愛らしく感じますが、素性に関しては一癖も二癖もあったりします。
泥棒をした犯罪者、男の魔女っ子、マフィア団のボス etc…
反社会的なキャラクターもいれば当時は珍しかった属性を持ったキャラクターもいたりして、マリオの常識を壊しています。
さらには「スーパークッパブラザーズ」なんてクッパが主人公の2Dアクションゲームが挿入される場合があったり、透明になったピーチ姫が裸になるという妄想が捗る描写があったり。
見た目がペーパーなのを良いことにやりたい放題やっています。
イメージ的にはマリオファンが手掛けた二次創作のよう。
実際、本作を開発しているのは任天堂ではなく、インテリジェントシステムズという別の開発会社です。
同社は任天堂のゲームを多数手掛けていますが、完全に独立した会社で、一切の資本関係がありません。
このような背景によって本作は任天堂本社が手掛けるマリオ作品とは異なる作風になったのだと思われます。
(生み親の宮本茂さんはよくOKしたなぁw)
ゲームキューブの性能を活かした群衆の表現
「前作を越えてやるんだ!」という気概は群衆の表現からも感じられます。
対応ハードがN64からゲームキューブに変わり、より多くのキャラクターを表示できるようになりました。
シーンによっては数十どころか数百ものキャラクターが一度に登場し、絵面のインパクトが凄いことになります。
特に印象的だったのが、ステージ2のダンジョンです。
ここでは100体以上のぷに族と行動を共にすることになり、トゲ族と戦っていきます。
その際には数百体にも及ぶ大規模な戦いが展開されるので、初めて見た時は衝撃を受けました。
いくらペラペラの紙とはいえ、ゲームキューブの性能を駆使すればこんなにも多くのキャラクターを同時に動かせるのですね。
紙であることを活かした仕掛け
前作はキャラクターが紙であることがゲーム性にほとんど活かされていませんでした。
一方、本作ではマリオたちが紙であることにゲーム的な意味を持たせています。
紙飛行機に変身して遠くまで移動したり、ペラペラになって細い通路をすり抜けたり。
ゲームを進めることで紙であることを活かした変身アクションを覚えていき、今まで行けなかった場所へ行けるようになります。
このような要素を本編のマリオシリーズに盛り込もうとしたら違和感が生まれてしまうでしょうから、本シリーズならではだと思いました。
さらに前作で見られた仲間のアクションも踏襲。
離れた場所にあるスイッチを作動してくれるノコタロウ、色んな物を吹き飛ばしてくれるクラウダ、爆発でヒビが生えた物を破壊できるバレル etc…
仲間ごとに専用のアクションが用意されているので、終盤のダンジョンでは切り替えながら進めていました。
フィールドで使えるアクションはトータルで10種類以上。
最終的には全てのアクションを使って仕掛けを解いていくことになるので、前作以上にパズルアクション的な側面が増しています。
劇場システムの追加
戦闘システムはターン制コマンド式をベースにアクション要素を加えたような感じで、前作と大差ありません。
ですが、戦闘の舞台が劇場になり、マリオたちの行動によって観客が増えたり減ったりする要素が追加されました!
観客は派手な技を決めると増えていき、増えるとスターパワーが貰えやすくなります。
スターパワーはスペシャル技を使用する時に使う概念。
多ければ多いほど強い技が使えるようになるので、それもあって観客席を盛り上げたくなりました!
面白いのが、技を使っている最中にアクロバットをすることでより多くのスターパワーを貰える要素です。
アクロバットを使えるタイミングは技によって異なるので慣れが必要ではありますが、戦闘にアドリブの要素を盛り込むことで深みが増している印象で、劇場というコンセプトにもピッタリハマっています。
マリオ史上最高クラスのストーリー
「ペーパーマリオRPG」が高く評価されている大きな理由の1つに、ストーリーの良さがあります。
大まかな内容としては各地に散らばる「スターストーン」を集めて悪いヤツを倒すという王道路線なんですが、陳腐に感じないよう趣向を凝らしています。
マリオ編・ピーチ編・クッパ編の3つに分けて描かれていたり、闘技場で順位を上げてチャンピオンを目指すことになったり。
一味違った展開が待ち受けているので、最後まで飽きずに楽しめました!
何よりも良いのが、キャラクターへの愛です。
今作に登場するキャラクターには細かい設定が存在して、膨大なテキストで過去や素性などを描いています。
特に仲間キャラクターはイベントシーンに合わせたセリフがそれぞれに存在するので、今回は誰を表に出そうか迷いました(※)。
一見すると雑魚キャラを少しだけイジったようなキャラクターばかりですが、魅力的なテキストや設定によって愛着が持てるようになっていて、クリアする頃にはみんな好きになってしまいます。
いやぁまさかマリオの雑魚キャラにここまで愛着を持ってしまうとは!?
※本作では仲間キャラクターを最大1体までしかフィールドに出せず、ストックされたキャラクターのイベントメッセージは聞けない仕様になっている。
充実のやり込み要素
前作はエンドコンテンツが不足していた印象です。
収集要素こそは充実していたんですが、高難易度の隠しダンジョンがなかったので、ゲームをクリアしてしまうとやり込む必要性が薄く感じました。
一方、本作の場合は
- 様々なミニゲームをプレイできる「ゆうぎ場」
- 住人の悩みを解決していく「おなやみセンター(サブクエスト)」
- バッジ、ほしのかけら、シャイン・料理などの収集要素
といった感じでやり込み要素が用意されていることに加え、高難易度の100階ダンジョンが追加されました!
このダンジョンには10階ごとにバッジやレアアイテム入りの宝箱が置かれていて、最奥には強敵が潜んでいます。
戦闘能力はラスボスを超えるほど高いので、やり込み好きにはたまりません。
さらにクリア後には専用のミニイベントが追加。
意外なゲストキャラクターがとある場所に出現したり、後日談を聞けたりします。
前作にはこのような要素は存在しなかったので、クリアしてもまだ遊べることにワクワクしました。
惜しいところ
お使い要素が目立つ
全体的にお使い色が前作よりも強くなっています。
「○○の所に行って○○を渡してくれ」などのイベントが目立っていて、何度も同じ場所を行き来しました。
特に印象的だったのが、ステージ4と5です。
ステージ4ではひょんなことからウスグラ村からオドロン寺院に3往復。
ステージ5では集落から洞窟までの道中を2~3往復もしないといけません。
その間には難しいアスレチックをこなしたり、専用のアクションを使わないと先に進めないので、とにかく面倒なんですよ。
極めつけがステージ7のホワイト将軍さがしです。
ホワイト将軍は色んなところウロウロしていて、探し出すまでに今まで訪れたいくつもの街に戻らないといけません。
「ドラゴンクエスト」シリーズのルーラに相当するようなワープ機能が搭載されていたら良かったんですが、用意されているのは少数のショートカットポイントのみ。
「ウーロン街」「ウスグラ村」「サイハテ村」に至ってはショートカットポイントが存在せず、直接足を運ばないといけないので、何度も往復しないといけない時は困りました。
「おなやみセンター」の依頼(サブクエスト)だったらまだ良いんですが、メインストーリーでこんなにもお使いイベントが多いのはRPGとしては微妙に感じます。
「スーパーマリオRPG」がそうであったように、RPGって次から次へと新しい街やダンジョンをハシゴして冒険するイメージが強いので。
イマイチな快適性
快適性はイマイチに感じました。
前作で見られたB長押しでのメッセージ早送り機能、スピンダッシュは廃止(ちびヨッシーに乗ってのダッシュは追加されたがジャンプできない)。
チュートリアル時に挿入される選択肢のカーソル位置は「もう一度見る」がデフォルト(そのせいで誤爆して何度も見させられる)。
ナンシーの料理イベントはスキップ不可、アイテムを複数買う便利機能はなし。
といった感じで快適性に欠けるので、もう少し工夫してほしかったです。
ペーパーマリオRPGのレビューまとめ
前作よりもキャラクターが紙であることを活かして作られた作品。
ゲームシステムも洗練されており、前作で物足りなかったエンドコンテンツを拡充している点は好印象です。
また、やや上の層を意識したかのようなブラックユーモアも妙な中毒性を持たせており、キャラクターの描写も細かいので、後に語り継がれる作品になったのも分かります。
お使いイベントが目立っていたり、快適性に欠けるところはありますが、それを補って余りあるほどよく出来ています。
黒い任天堂が炸裂した悪ノリ満載の迷作!
こんな人には特におススメ。
・探索好き。
こんな人にはおススメできない。
・めんどくさがり屋。
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