【レビュー】Switchの「ペーパーマリオRPG」が想像以上にヤバいリメイク作だった…!!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は「ペーパーマリオRPG」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。

いやぁ想像以上にヤバいリメイクでした!

今回の「ペーパーマリオ」はゲームキューブで発売されたタイトルのリメイク作で、パッと見は原作とそんなに変わっていません。

そのため想像の範囲内に収まってくると思っていたんですが、軽くぶち抜いてくれました!

このゲーム、2024年の上半期に発売された任天堂タイトルの中では一番良く出来ています!

そのくらい愛が詰まったリメイクになっているので、原作ファンはもちろん新規で遊ばれる方にもおすすめしたいです!

一体、何がそんなにも凄いのか?

本記事で詳しく語っていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ペラペラなマリオが活躍するアクションRPG。
  • 2004年に発売されたゲームキューブソフトのリメイク作。
  • グラフィックや遊びやすさが向上している。
初リリース日 2024年5月23日
対応ハード Switch
ジャンル アクションRPG
推定クリア時間 25~35時間
発売元 任天堂

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ペーパーマリオRPGとは?

まずは「ペーパーマリオRPG」について簡単に紹介します。

本作はペラペラなマリオが冒険するアクションRPG。

荒くれ者たちが集まる港町「ゴロツキタウン」に眠る伝説の宝を見つけるべく、仲間と一緒に冒険していきます。

ものしりなクリスチーヌ、風を起こせるクラウダなどなど。

個性的な仲間を切り替えながら探索をしていき、伝説の宝を探していきます。

戦闘システムはターン制のコマンド式を採用。

「ジャンプ」「ハンマー」などのコマンドを選択することでマリオたちが自動で戦ってくれて、タイミングよくボタンを押すことでより多くのダメージを与えることができます。

元々はゲームキューブで発売された作品ですが、Switch版はグラフィックが強化されたほか、遊びやすく調整。

仲間を素早く変更する「なかまリング」の追加、別のエリアにワープできる「青ドカン」の仕様変更など細部に渡って手を加えています。

そんなSwitch版「ペーパーマリオRPG」ですが、実際のところどうなのか?

ここからは最後までプレイした感想を語っていきます。

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良いところ

原作の良さを徹底的に再現

本作をプレイして特に良いと思ったのが、原作の良さを徹底的に再現していることです。

ゲームシステムはもちろん、オリジナルキャラクターの良さもしっかりと再現されていて、よく出せたなぁって思いました。

「いやいや、KENTさん。リメイクなんだから、原作の良さを再現するのって当たり前じゃん」

と思うかもしれませんが、「ペーパーマリオ」シリーズの遍歴や社会情勢を考慮に入れますと、相当すごいことに感じます。

本シリーズは「スーパーマリオRPG」からの流れで生まれ、当初はペラペラなマリオとオリジナルキャラクターが活躍するRPGとして展開されていました。

それが「ペーパーマリオRPG」以降は大きな変貌を遂げて、時には迷走にも感じることがありました。

ゲームジャンルはRPGからアドベンチャーに。

戦闘では敵と戦っても経験値が貰えなくなり、レベルの概念も廃止。

そして登場キャラクターは元からいるキャラクターが中心となり、既存のキャラクターに変更を加えたり、マリオの世界に影響を及ぼすオリジナルキャラクターが少なくなってしまいました。

それでも世界観は素晴らしかったですし、謎解きも面白かったんですが、「ペーパーマリオのRPG」の新作を期待しているとコレジャナイ感じがしたんですね。

そんな中で発売された今作は迷走していた頃が嘘のように原作を徹底的に再現しているので感動しました!

戦闘で勝つと経験値が溜まってマリオが強くなりますし、クリボーを女子大生っぽくアレンジしたクリスチーヌなどのオリジナルキャラクターも健在です。

さらに原作で見られたブラックユーモア的な要素もしっかりと踏襲。

最初に訪れるゴロツキタウンには中央に絞首台が堂々と置かれていますし、マリオがボロドーにスリをされたり、透明になったピーチ姫が服を脱ぐなんて変態にはたまらない描写も残されています。

その影響でCEROレーティングが12歳以上対象の「B」になってしまいましたが、対象年齢を制限してまで当時の雰囲気を再現しようとするところに原作愛を感じました!

そして女の子のようで男の子のビビアンの設定もしっかりと踏襲。

それに伴い原作ではキツかった性別に対するツッコミもマイルドなメッセージに差し替えられていますが、今の時代にマリオのゲームで男の魔女っ子を登場させることに相当なこだわりを感じました!

逆に規制されているところはないのか?

うーんバニーテレサがキャットテレサになっているところとか、スロットマシーンが絵合わせパネルに差し替えられているところとか、

いくつかありますけど、大体は再現されているので、今の時代によく出せたなぁって思いました!

マリオって少し前までは保守的なところがあって、築かれた世界観を守ることに徹していましたが、ここ最近は攻めの姿勢を感じます。

強化された世界観の作り込み

このように本作は原作を尊重した作りになっています。

とはいえ尊重し過ぎているので、「リマスターみたいなもんだから当たり前だろ?」と思うかもしれません。

ですが、じっくりプレイしてみたところ、これをリマスターで片付けてしまうのは失礼なくらい色んなところが強化されていると思いました!

特に大きいのが、グラフィックの強化です。

背景の地面は反射するようになり、光と影の表現も強化されています。

その結果、より臨場感が伝わるようになっていて、薄暗いと言われていたところは本当に暗くなり、窓から光が差し込んでいるところも強調されているように感じました!

また、仲間キャラクターには後ろ姿のグラフィックが追加。

手前から奥へ移動する時に背中を見せてくれるようになったので、より愛着が持てるようになっています。

そしてBGMは全面的にアレンジ!

使われている楽器の数が増えて豪華になっていますし、戦闘のBGMに至ってはステージごとに変わるようになりました!

アレンジが変わるのはもちろん、メロディそのものが変わることもあるので、相当な手を加えています。

「ペーパーマリオRPG」の戦闘って劇場で行う関係上、ステージが変わっても代わり映えしないところがあったんですけど、BGMの変更によって気持ちを入れ替えることが出来ました!

でも、原曲が好きな人にとっては余計な変更に感じてしまう恐れがありますよね?

今作はそんな人に向けて原曲も収録されていて、「ナツメーロ」というバッジを付けることで切り替えることができます。

もし原曲が恋しくなった場合、戻してみるのも良いかも!?

このように本作はBGMの変更に力が入っていますが、もう1つ音に関する大きな変化があります。

それは、キャラクターのセリフが表示された時の効果音です。

原作では「ピピピピッ」という小さい音が鳴っていたんですが、今作では鳴き声のような音に刷新。

キャラクターによって異なる音が流れるようになりました!

例えば可愛いキャラは高い音が鳴って、体格が良いキャラは低い声が音が鳴る感じですね。

イメージ的には「アンダーテール」のような感じでしょうか。

この変更によってキャラクターの個性がより強調されている印象で、感情移入しやすくなっています。

他にもシーンに合わせたBGMが追加されていたり、カメラアングルが変わっていたり。

よりドラマチックになっているので、特に終盤の展開は心が打たれました!

「ペーパーマリオRPG」ってストーリーも感動的なので、グラフィックやBGMの強化は作品に良い影響を与えています。

マジでね、最後の展開は涙なしでは見られませんので。

見た目こそは子供っぽく感じるかも知れませんが、言葉の力によって大人でもグッと来るシーンが満載なので、未プレイの方も変な先入観を捨てて遊んでほしいです。

快適性の向上によってストレスが軽減

今回のリメイクで地味に良いと思ったのが、快適性の向上によってストレスが軽減していることです。

名作と名高い「ペーパーマリオRPG」。

確かに素晴らしい作品ではありますが、実はお使い的なイベントが目立っていて、同じところを行ったり来たりします。

個人的にはその点が引っかかってしまい、ストレスに感じるところもあったんですが、今作は遊びやすく改善。

面倒に感じないよう様々な点が調整されています。

まず良いと思ったのが、ショートカットポイントの増加です。

地下通路にあったワープできる青ドカンは4個から7個になり、ゴロツキタウン中央に繋がるドカンも追加。

この変更によってお使い的なイベントを攻略しやすくなっていて、例えば移動時にデモシーンを挟むウーロン街も青ドカンで直接ワープできるようになりました!

マジで本作、クリアまでに同じところを何回も何回も行き来しないといけませんから、ワープポイントの増加はめちゃくちゃ嬉しいです!

さらにステージ4と5には専用のドカンやジャンプ台が追加。

ストーリーを進めるとウスグラ村からオドロン寺院へワープできるようになったり、トロピコアイランドの面倒なアスレチックをジャンプ台でスキップできるようになりました!

どちらのステージもクリアまでに2回も3回も往復しないといけませんから、ショートカットポイントの追加によってテンポが良くなっています。

あとは「なかまヒント」も嬉しい追加に感じました。

フィールドでZLボタンを押すといまやるべきことを教えてくれます。

よくある機能ではありますが、なにかやるごとに細かく変わっていくので、ど忘れした時に役立ちました。

時には隠し通路的な物を探さないとストーリーが進まなかったりするので、「なかまヒント」は地味に助かります。

快適性の向上としてはそれ以外にも

  • 連れている仲間を素早く変更できる「なかまリング」の追加
  • バトルの練習ができる「しゅぎょう」の追加
  • イベントシーンをスキップできる機能の追加
  • 所持できるアイテムの初期数が10個から15個に増加
  • 入手できるコインの数が増加
  • ゲームオーバーになっても直前から再開できる機能の追加
  • ガード中のアニメーション追加

などがあります。

全体的にテンポを崩しているような部分が改善されている印象で、公式サイトに記載されている「遊びやすさを向上」という表記は伊達ではないと思いました。

やり込み要素の強化

原作で印象的だったやり込み要素はさらに強化されています。

「ゆうぎ場」でのメダル集め、困っている人の依頼を解決する「おなやみセンター」、どこまで行けるか挑戦する「100階ダンジョン」、各地に隠されている「ほしのかけら」「シャイン」集め。

これらの要素はしっかりと実装されていますし、新しくアートギャラリーとサウンドギャラリーが追加されました。

アートギャラリーは本作のアートワークを閲覧する機能で、サウンドギャラリーは収録されている曲を視聴する機能。

どちらも「オリガミキング」にもあった要素ですが、原作には搭載されていなかったので感慨深いものがあります。

解禁される条件も各ステージに隠された「ほしのかけら」「シャイン」のコンプリートと厳しめで、やり込みの動機付けとして機能していると思いました。

さらに凄いのが、裏ボスの追加です。

実は本作、原作には登場しなかった裏ボスが存在して、ラスボスを超える戦闘能力を誇ります。

ここからは追加された裏ボスについて触れるので、ネタバレが嫌な人はスキップしてくださいね。

知りたい場合はクリック/タッチ

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注意点

原作からフレームレートが変更されている

本作は原作を忠実に再現していますが、フレームレートに関しては変更されています。

フレームレートは動きの滑らかさを表す指標で、数値が高ければ高いほどヌルヌル動いているように見えます。

原作の場合、60fpsによる滑らかな動きを実現していますが、今作は30fpsと半減してしまいました。

その結果、原作ほど滑らかには動きませんので、紙のペラペラ感が薄れていますし、戦闘時に行うアクションコマンドもタイミングが微妙に変わっています。

ただ本作は2.5Dのゲームです。

キャラクターは2Dで作られているので、30fpsでもカクつきは感じませんでした。

「オリガミキング」も30fpsでしたので、近年の作品に慣れていたら違和感なく遊べると思います。

一方で原作をつい最近まで遊んでいますと、最初は違和感を持ってしまうかもしれませんね。

なんで原作と同じフレームレートにしないんだろうな?

おそらくグラフィックを強化した影響でしょうね。

映像を描き込むと処理が重くなるので、Switchの性能では60fpsにできなかったんだと思います。

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惜しいところ

もっと遊びを拡張する追加要素が欲しかった

これはワガママな意見かもしれませんが、遊びを拡張する追加要素がもっと欲しかったです。

追加ステージやエリアなどはないので、原作を遊び尽くしていると物足りなく感じる恐れがあります。

個人的に惜しいと思ったのが、「ペーパールイージRPG」を遊べないことです。

本作のルイージはマリオとは別行動をしていて、合流時はどんな活躍をしていたのか長々と語ってくれます。

それによるとマリオと同じように壮大な冒険に出かけていたようなんですが、どうせだったらプレイアブルパートも追加してほしいと思いました。

「ペーパーマリオRPG」って群像劇の側面があって、マリオ編・ピーチ編・クッパ編をローテーションしながら進んでいきます。

その中にルイージ編もあったらよりストーリーの深みが増すと思うので、「マリオ&ルイージRPG」シリーズのリメイクみたいに別パートとして入れてほしかったんですけどねぇ。

他にも「スーパークッパブラザーズ」をいつでも遊べるようにするとか、100階ダンジョンよりもさらに難しいダンジョンの追加とか。

そういったものはないので、追加要素に過度な期待は禁物です。

とはいえクリアまでの平均プレイタイムは約30時間。

やり込みを含めると追加で10時間以上も遊べるというのは十分なボリュームで、一定の満足感があります。

現代のゲームとしては気になるテンポ感

良いところでも挙げたように、本作は原作から様々な点が改善されています。

しかし、2024年のゲームとしてみたらそれでもテンポ感で気になるところがありました。

メッセージをBボタン長押しで早送りできなかったり(マリオストーリーでは出来たのに)、戦闘で何かする度にモタツキがあったり。

お世辞にもサクサク動作するとは言えないので、現代のゲームを基準にすると厳しいところがあります。

この辺りは「ペーパーマリオ オリガミキング」でも感じたので、シリーズそのものの課題と言えそうです。

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ペーパーマリオRPG(Switch)のレビューまとめ

ここまでSwitch「ペーパーマリオRPG」について語っていきました。

簡単にまとめると

  • 令和の時代に蘇った最強のペーパーマリオ!
  • 原作の良いところはそのままに短所を改善したシリーズ最高傑作!

といった感じです。

ただでさえ素晴らしかった作品が超絶パワーアップしているので、自信を持っておすすめすることができます。

感動的でちょっとブラックなストーリー、愛が詰まったキャラクター、ハプニング満載の戦闘 etc…

本家のマリオでは味わえない独自の良さが詰め込まれています。

ゲームキューブ版からSwitch版までの20年間、ペーパーマリオシリーズは目まぐるしい変貌を遂げました。

時には迷走にも感じることがありましたが、今作で原点に立ち返って「ペーパーマリオRPG」シリーズとして再出発してくれると嬉しいですね!

こんな人には特におススメ。
・アクションRPG好き。
・ブラックユーモア好き。

こんな人にはおススメできない。
・新鮮味を求める人。

お気に入り度【90/100%】

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