【レビュー】アルワの遺産 [評価・感想] 個性は薄いが1990年代前半の香りが詰まってる!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

レトロ風ゲーム

昔の雰囲気を再現した最新ゲームを指す用語で、ダウンロード販売が定着してから急速に増えていきました。

この手のゲームは懐かしさを感じられながらも現代向けに遊びやすく仕上げていることが多いので、レトロゲームの美味しいところだけを抽出している印象です。

今回レビューする「アルワの遺産」もその典型例で、懐かしさと遊びやすさを両立させています。

小綺麗にまとめ過ぎている気もしますが、一定の面白さは保証できる作品です。

ここからはそんな「アルワの遺産」について詳しく語っていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 入り組んだフィールドを探索していく2Dアクションゲーム。
  • 各地に隠された3つの宝石を集めていく。
  • ゲームを進めていくと色んな能力を使えるようになる。
初リリース日 2020年12月17日
対応ハード Switch
ジャンル 2Dアクション
価格 1,800円(税込)
推定クリア時間 6〜8時間
発売元 フライハイワークス

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良いところ

随所で感じられるスーパーファミコンソフトのリスペクト

本作最大のポイントは、スーパーファミコン時代のゲームをリスペクトしていることです!

時は遡ること1990年代前半。

当時はドット絵の円熟期で、描きこまれた2Dグラフィックのゲームが続出しました!

ファミコン時代は単色だった背景は色彩豊かになり、キャラクターの表情は多彩に。

サウンド面も強化され、同時に鳴る音の数が大幅に増えました。

本作ではそんなスーパーファミコン時代の雰囲気が再現されていて、新作でありながらも当時の空気を強く感じました。

個人的に近いと思ったのが、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」です。

同作とは違って見下ろし型ではなく、横スクロールのアクションゲームですが、

  • ファンタジー世界が舞台
  • デフォルメされたキャラクターのグラフィック
  • ダンジョンとフィールド、街の概念
  • アイテムの入手によって行動範囲が広がる設計
  • 体力の最大値を増やせるアイテムの存在
  • ダンジョン内でのパズル・謎解き要素

などの共通点がありますからね。

入り組んだマップを探索している時は「神々のトライフォース」のように未知のエリアを切り開いていくワクワク感を味わえました。

↑過去と未来を行き来して攻略していくダンジョン。

類似する2つの世界を行き来していく謎解きはいかにも「神々のトライフォース」っぽいですねw

↑天井と地上を行き来して進めていくダンジョン。

頻繁に重力が入れ替わる仕掛けは「ロックマン5」にもありましたね。

(というかBGMも「ロックマン」っぽいような?)

ちなみに本作は続編もので、前作として「アルワの覚醒」があります。

こちらはファミコン時代後期のゲームをリスペクトして作られていて、1980年代後半の雰囲気が漂っていました。

あれから数年が経って続編が発売された訳ですが、今度はスーパーファミコン時代のゲームをリスペクトして作られるとは!?

両作を通してプレイするとファミコンからスーパーファミコンへの進化を疑似体験できるので、30年前にタイムスリップした気分を味わえますw

前作譲りの良質なゲームデザイン

肝心のゲーム部分はと言いますと、前作に続いて丁寧に作られています。

目的としては悪を倒すために各地に隠された3つの宝石を集めるという王道路線で、ゲーム進行は章仕立ての探索型。

ある程度は自由に行動が可能で、アイテムを集めながら宝石が隠されたダンジョンを攻略していきます。

そんな本作が丁寧に作られていると思ったのが、無駄な物を削ぎ落として作られているからです。

最近のゲームって奥深くするために色んな要素を足していくケースが多くありますよね?

本作の場合、本当に必要な要素だけを盛り込んでいるので、蛇足に感じることが全くありません。

使える魔法は数種類で、登場するアイテムも20種類程度。

成長要素もオーブを集めてスキルツリーを開放したり、「花びら」を集めて体力の最大値を増やしてもらうくらい。

スキルツリーで開放できる項目も12種類と無駄に細分化されていないので、面白さの本質が理解しやすくなっています。

その一方で難易度はやや高め。

体力の最大値が低いので敵の攻撃を数発くらっただけで倒れてしまいますし、魔法を使って的確に足場を作らないと渡れない箇所が多いので、ある程度のスキルが要求されます。

ですが、シンプルに纏まっているので攻略の糸口がわかりやすく、つい再挑戦したくなるバランスになっていると思いました。

ゲームクリアまでのプレイタイムは6~8時間。

多少の隠し要素はありますが、全体的にはスーパーファミコン時代に発売された2Dアクションゲームと同等のボリュームに感じました。

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惜しいところ

起動時のロード時間が長い

あくまでもSwitch版の話ですが、ゲームを起動して操作パートに移るまでの時間が異常に長いです。

ストップウォッチで計測してみたところ、40秒以上もかかりましたw

Switchのゲームでは珍しくないとは言え、本作はレトロ風ゲームです。

ロード時間がほとんどなかったスーパーファミコン時代のゲームをリスペクトして作られているだけに、40秒も待たされるのは違和感を持ってしまいました。

ゲームを始めてからは割とサクサクと動作する(別エリア移動時に多少待つくらい)だけに、起動時の待ち時間は惜しいです。

飛び抜けた個性がない

前述の通り本作はスーパーファミコン時代のゲームをリスペクトして作られています。

描き込まれたドット絵、メロディアスなBGM、「神々のトライフォース」を彷彿とする謎解き etc…

どれも1990年代前半の雰囲気が漂っていて、レトロ風ゲームとしてよくまとまっています。

ただこの手のゲームは今やありふれているので、飛び抜けた個性は感じませんでした。

探索型の2Dアクションゲームは他にもたくさんありますし、昔の「ゼルダの伝説」を彷彿とする謎解きも珍しくありません。

前作である「アルワの覚醒」をプレイしていた頃は独特な魔法を使ったパズル要素によって多少の個性を感じられましたが、続編になると物珍しさが薄れています。

加えて前作で見られた収集アイテムを集めてボスを弱くする要素も今作では廃止されていて、スキルツリーの解放というよくある形式に成り下がってしまいました。

そういった要因の積み重ねによって

「面白いんだけど、突出したものではない」

という印象が強く、80点以上を付けるのが難しく感じます。

ちなみに前作で気になっていた移動速度の遅さはさほど感じませんでした。

セーブポイントで「ティア」というアイテムを使えばワープポイントとしても機能するようになりましたし、移動面での課題は解消しています。

そういう意味では前作よりも完成度は増していますが、色々と丸くなっている印象で、どこか物足りなさを感じました。

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アルワの遺産のレビューまとめ

スーパーファミコン時代の2Dアクションゲームを今風にアレンジした良作。

目新しい要素はほとんどないので飛び抜けた個性は感じませんでしたが、当時の「ゼルダの伝説」や「メトロイド」シリーズが好きな人には刺さるものがあります。

数あるレトロ風ゲームの一本としては十分におすすめできる水準に達しているので、余裕がある時に手を出すのはどうでしょうか?

こんな人には特におススメ。
・スーパーファミコン時代の2Dアクションゲーム好き。

こんな人にはおススメできない。
・新鮮味を重視する人。

お気に入り度【80/100%】

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