【レビュー】任天堂の新作「笑み男」が衝撃作過ぎた!【ファミコン探偵倶楽部】

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

任天堂と言えばマリオを始めとする万人が楽しめるゲームを作る会社で、多くの人に親しまれています。

そんな任天堂ですが、腹黒い一面を持ち合わせていまして、子供には分からないような社会風刺を盛り込むとか。

よく考えるとヤバいことをたくさんしている会社でもあるんですよね。

今回レビューするSwitch「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」はそんな黒い任天堂が炸裂した衝撃作で、結末を知った時はとんでもない作品だと思いました!

ネタバレになるので具体的には言いませんが、「誰もが楽しめる傑作」とか、「子供にも安心しておすすめできる任天堂ゲーム」とは口が避けても言えません。

それよりは「何じゃこのゲームは!?」「そんなのアリ!?」と言いたくなるような作品で、掟破りなことをしまくっています。

大袈裟でもなんでもなく、任天堂史上最もダークでエグいゲームと言っても良いくらいです。

ここからはそんな「笑み男」の良い点、惜しい点を語っていきます。

ネタバレしないようストーリーの核心には触れないようにしていきますが、まっさらな状態で楽しみたい人はクリアしてからご覧ください。

累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ

このゲームを3行で説明すると?
  • コマンド選択式のアドベンチャーゲーム。
  • 奇妙な殺人事件の謎を解き明かしていく。
  • 「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ35年ぶりの新作。
初リリース日 2024年8月29日
対応ハード Switch
ジャンル アドベンチャー
推定クリア時間 12~15時間
発売元 任天堂

スポンサーリンク

ファミコン探偵倶楽部 笑み男とは?

まずはゲームの概要を簡単に紹介します。

本作はコマンド選択式のアドベンチャーゲームで、少年探偵となって殺人事件の謎を解き明かしていきます。

被害者となったのが、男子中学生。

首には締められた跡があり、不気味な笑顔が描かれた紙袋が被せられています。

これだけでも奇妙ですが、それ以上に注目したいのが、被害者の様子が18年前に起きた「連続少女殺人事件」と酷似していたことです。

18年前、少女が連続で殺められる事件が起こりまして、被害者の顔には笑顔の紙袋が被されていました。

そして、これらの事件は「笑み男」という都市伝説によく似ていると言われています。

果たしてどんな関連性があるのか!?

探偵である主人公は様々な人の力を借りて事件の真相に迫っていきます。

ゲームはコマンド選択で進行。

「調べる」を選択して辺りを確認したり、「聞く」を選択して会話している人にいろんな質問をしたり。

プレイヤーの意思でストーリーを進めることができます。

そんな「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」ですが、冒頭でも触れたようにとんでもない作品だったんですよね。

ここからは何がどう凄いのかを語っていきます。

目次へ戻る

ファミコン探偵倶楽部 笑み男の凄いところ

その1:畳み掛ける終盤の展開

本作最大のポイントが、畳み掛ける終盤の展開です。

中盤まではコマンド選択で聞き込みをしたり、集めた手掛かりを元に推理をしていくというオーソドックスな形式なんですが、終盤からは一変。

それまでに張られた伏線が一気に回収されていくので、「あの時のあれはこういうことだったのか!?」と腑に落ちるところがありました。

この時、勘の鋭い方でしたら「真犯人はアイツ」「どんな動機で殺害したのか?」みたいなことが予測できると思いますが、本作でそれをするのは困難です。

そのくらい予想もできない真相が明かされるので、事実を知った時は「そんなのあり!?」と言いたくなりました。

そして思ったんです。このストーリーにGOサインを出す任天堂ヤバいと。

プロデューサーの坂本賀勇さんは公式動画で

自分の描き方をストレートに表現している、結末は賛否が分かれるものになるかもしれない

などと仰っていましたが、なるほど確かにこれは人を選ぶ作品です。

やっていることがエグすぎますし、全てを納得することはできませんでした。

推理モノって犯人の思考を読み解くことで謎が解けたりしますが、本作の場合、独自の思考を持っているので、結末を読める人はほとんどいないんじゃないかと思います。

ですので推理モノとして見たら掟破りに感じられる方もいるかもしれませんが、「13日の金曜日」のようなサイコホラーとしてみたら面白い作品に感じました!

マジで任天堂のゲームとは思えないくらいの描写が含まれているので、人によってはトラウマになるんじゃないかと思います。

なぜ子供を殺めて笑顔の紙袋を被せるのか?

真相が明かされた時の解釈は人によって大きく変わると思うので、ぜひみなさんもこの目で確かめてほしいです。

グロいゲームなのか?

過激なシーンはありますが、そこを強調するようなゲームではないです。

それよりはジワジワと来る恐怖感といいますか。

和製ホラー的な怖さを楽しむゲームなので、ドキドキしながらプレイしましたね。

その2:緩急をつけているコメディ要素

ここまで「笑み男」が恐ろしいゲームであることをお話してきました。

ただホラー的な要素が強すぎますと、気持ちが重くなってきますよね?

本作の場合、コメディ的な要素によって上手く緩急を付けていると思いました。

ストーリーを進めると関わることになる神原刑事と福山先生。

2人とも陽キャに分類する性格なんですが、どこか抜けているところがあって、作中では頭のネジが外れたような発言を連発します。

神原刑事はイケメンなのにチャラチャラしていますし、福山先生は熱血すぎて空回りしているところがあります。

本作ではそんな彼らがフルボイスで喋ってくれるので、声優さんの演技力も相まってクスッと笑えるところがありましたw

過去作にもコメディ的な要素は散見されましたが、今作は比重が増している印象で、本編のどんよりした空気を緩和してくれます。

さらにシリーズではお馴染みのむっつりスケベ要素も健在。

探偵であることを建前に婦警さんの胸を調べて「ゴージャス」と口にするとか。

出来心でいかがわしいことをすると何かしらの反応が返ってくるので、ネタゲー的な側面もあります。

ぼくの場合、膨らんでいるものはトコトン調べるようにしていましたが、ある時にゲーム側から盛大なツッコミを頂きましたw

ヒロインである橘あゆみちゃんは相変わらず可愛いですし、目の保養としても楽しめる作品です。

その3:快適になったシステム

本作はコマンド選択でストーリーを進めていきます。

こういうゲームって特定のコマンドを選択しないと会話の内容が変化しなかったりするので、詰まってしまうと足止めされているように感じてしまい、ストーリーに没頭できなくなるところがありました。

今作の場合、その辺りの問題が改善されているので、快適に進めることができます。

大きな要因となっているのが、コマンド選択が簡略化されていることです。

過去作の場合、いろんな場所に移動したり、特定の順番でキーワードを選択しないとストーリーのフラグが立ちませんでした。

今作でもそのようなシーンは散見されますが、大抵は同じ場所で同じ人物の話を聞くだけで進んでいきます。

「聞く」の後に表示される選択肢も少なめで、多くても4種類。

会話の内容によっては聞くを選択するだけで話が進んでいくので、サクサク進めることができます。

コマンド選択とか、探索に楽しさを感じている方ですと物足りなく感じるかもしれませんが、昨今のアドベンチャーゲームはビジュアルノベル中心です。

純粋に文字を読むだけで進めるゲームが大多数を占めているので、コマンド選択式は不便に見られることが多くあります。

自分の思い通りに進んでいる時は楽しいけど、詰まるとテンポが悪く感じるところがありますからね。

ただファミコン探偵倶楽部シリーズはコマンド選択式が伝統なので、完全に失くすのは危険です。

そう考えると簡略化してサクサクできるようにしたのは良い塩梅だと思いますね。

ストーリーの重要な単語などを強調する機能も追加されていますし、コマンド式のアドベンチャーゲーム初心者の方も楽しみやすくなっている印象です。

スポンサーリンク

目次へ戻る

注意点

本作は推理ものとしては人を選ぶところがあります。

真犯人が独自の思考を持っているのもありますが、終盤から推理系のアドベンチャーゲームとしては表現方法が変わっていくので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

この手の推理アドベンチャーゲームは事件の手がかりを少しずつ集めて情報を整理して真相を推測することに重点が置かれています。

本作でもある段階まではそのような楽しさもありますが、終盤からはジェットコースターのようなスピードで進んでいくので、置いてきぼりに感じてしまうところもありました。

開発者は本作のジャンルをコマンド選択式のアドベンチャーゲームではなく、インタラクティブドラマと表現しています。

これは過去作と比べて探索要素が薄く、任意のタイミングで「聞く」や「考える」のコマンドを選択するバランスになっているからだと思っていましたが、終盤の展開を考慮に入れてこう名付けたのかと思いました。

もしコマンド選択式のアドベンチャーゲームと表現した場合、終盤の展開は掟破りと言いますか、「コレジャナイ!」と言われてしまう恐れがありますからね。

これからプレイされる方はコマンド選択式のアドベンチャーゲームではなく、インタラクティブドラマなのを念頭に置くことをおすすめします。

ていうか、ファミコン探偵倶楽部って知らないけど、前作やってなくても楽しめるのか?

前作をやっていた方が主人公のバックボーンなどがわかってより楽しめますけど、ストーリーは独立しているので、今作から始めても大丈夫です。

むしろ「ファミコン探偵倶楽部」という先入観に縛られない分、終盤の展開もフラットに受け止めることができるかもしれませんので、「笑み男」の触れ込みに興味を持った方は今作から始めても良いかもしれませんね。

目次へ戻る

惜しいところ

空木俊介パートが少ない

本作は3人の視点からストーリーが展開されます。

メインとなるのが少年の主人公で、サブがヒロインの橘あゆみちゃんと空木俊介所長。

3人とも空木探偵事務所のスタッフで、それぞれが分担して事件を調査していきます。

そして、暗くなってきたら事務所に戻って手にした情報を共有して推理していくんですが、ある時から空木俊介所長が姿を見せなくなって、どんな情報を手にしたのか分からなくなっています。

これはストーリーの構成上、仕方がないのかもしれませんが、「ファミコン探偵倶楽部」は推理ものです。

手掛かりを少しずつ集めて事件の真相に導くことに面白さの重点が置かれているだけに、もう少し空木俊介所長のパートを増やして考える余地を持たせてくれても良かったんじゃないかなと思いました。

ここまでの話を聞いて

「いやいや、ファミコン探偵倶楽部の空木所長は毎回出番少ないじゃん」

と感じるかもしれませんが、本作を最後までプレイしたら少しは理解できると思います。

終盤以降は良くも悪くも作品の性質が変わっていきますからね。

それが意外性にもなっているとは思いますが、期待外れに感じる人もいるでしょうから、緩和するために空木所長パートを増やす選択肢もあったのではないでしょうか?

イマイチ活かされていない新システム

今作では新要素として「携帯電話」というアイテムが存在します。

これは特定のキャラクターと電話で会話できるシステムで、かける時期によってやり取りが変わっていきます。

プレイヤーがゲームに介入できる要素ではありますが、

  • 電話を使えるシーンが限られている
  • 主人公がうっかり充電を忘れて使えないシーンが散見される
  • ストーリーが気になって携帯電話まで意識を持っていけない

ことからイマイチ活かされていないと思いました。

ある時に起こした行動がかなり先のイベントで反映されるとか。

見えないところに力を入れている感じは伝わってきましたが、それは「よく考えたら凄い」という感じですし、ストーリーの本筋は一本道です。

本筋のエンディングが1つである以上、繰り返しプレイする必要性が薄いので、プレイヤーが起こした行動によって起こる差異がわかりにくく感じました。

何やら相当細かいところまで気を配って作られているようですが、分かる人にはわかるという感じで、ちょっと勿体ないです。

目次へ戻る

ボリュームについて

本作は昨今のアドベンチャーゲームと比べたらそこまでのボリュームはありません。

ぼくの場合、15時間弱でクリアできました。

昨今のアドベンチャーゲームはクリアまでに30時間前後。

長いと50時間を超えることがあるので、それらと比べたら短いです。

探索の自由度も低いですし、終盤からは駆け足で進んでいくので、ちょっとボリューム不足に感じました。

元々「ファミコン探偵倶楽部」シリーズはボリュームのあるゲームではありませんが、新作である以上、昨今のアドベンチャーゲームと比較されるでしょうから、不満に感じる恐れがあります。

目次へ戻る

ファミコン探偵倶楽部 笑み男のレビューまとめ

ここまで「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」について語っていきました。

簡単にまとめると

  • 賛否両論必至の衝撃作!
  • 任天堂のゲームとは思えないくらい刺激的で人を選ぶ!

といった感じです。

ハッキリ言って誰もが楽しめるゲームなんてことはなく、最後にはとんでもないどんでん返しが待ち受けているので、いやぁこれよく出せたなぁって思いました。

個人的にはこういう刺激的なゲームも好きなので、最後の展開も含めて楽しめました。

具体的には伏せますが、辛い境遇だったり兄弟や姉妹への愛を持っている人でしたら、何かを感じられるんじゃないかと思います。

ぼくの場合、何となく重なるところがありましたので、入れ込むところがありましたね。

良いのか悪いのかはさておき、間違いなく記憶に残るゲームなので、本記事で興味を持った方はぜひ触れてみてほしいです。

こんな人には特におススメ。
・サイコスリラー好き。
・黒い任天堂ファン。

こんな人にはおススメできない。
・推理要素を求めすぎる人。

お気に入り度【80/100%】

累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ

ハードメーカー別レビュー記事リスト
Nintendo PlayStation
Xbox etc

目次へ戻る

おまけ:コレクターズ・エディションプチレビュー

最後におまけとして「コレクターズ エディション」をプチレビューしていきます。

同梱されているのは

  • サウンドトラック
  • アートブック
  • 笑み男の紙袋

ですね。

サウンドトラック、アートブック共にネタバレが含まれているので、警告マークが付けられていました。

クリアしてから開封してみましたが、なるほど確かにこれはガッツリネタバレしています。

ただ事件の真相などが整理して掲載されていたり、開発者の意向などがわかったりするので、クリアした時の気持ちを補完するうえでは良いと思いましたね。

そして「笑み男」の紙袋w

これは1/2サイズの証拠品という形で同封されているので、成人男性が被ることはできませんw

「笑み男」と言えば第一報が大きな話題となってネットミームにもなりました。

ですので被って踊れたら盛り上がったと思うんですが、まあこれを手本に自作してみますかねw

以上!「コレクターズ・エディション」のプチレビューでした!

通常版よりも3,000円ほど高くなっていますが、クリア時のモヤモヤ感をある程度は晴らせると思うので、100%楽しみたい方にはおすすめです。

目次へ戻る

本記事の動画版

 

関連作のレビュー記事