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【レビュー】Switch版「ファミコン探偵倶楽部」がファン泣かせのリメイク作だった件について

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ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女/Switch

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2021年5月に発売されたSwitch「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。

任天堂、ありがとう!

思わずそう口に出してしまうくらい、原作への愛が詰まった作品でした。

タイトルに「ファミコン」と表記されているように、本作は30年以上も前に発売されたファミコンソフトのリメイク作です(正確にはディスクシステム)。

「スーパーマリオ」のように世界的な大ヒットを記録しているシリーズならまだしも、ニッチなアドベンチャーゲームを今の時代にリメイク。

それも原作を尊重して作っているのですから、感謝の気持ちでいっぱいですよ。

任天堂の宮本茂さんは2019年の株主総会質疑応答 でアドベンチャーゲームの制作に対し、

  • ローカライズのコストが膨大になる
  • 若い人はこのジャンルに興味を持ってくれない傾向にある

といった背景があることから「制作は結構厳しい状況」と仰っていました。

そんな状況の中で「ファミコン探偵倶楽部」2作を今の時代にあえてリメイクする。

これは、採算度外視でユーザーに満足してもらえるものを提供しようとする気持ちの現われなんじゃないかと思うんですよね。

ここからはそんなSwitch「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女」の良い点や注意点を語っていきたいと思います。

最後にはおまけとして「コレクターズ・エディション」の同梱物をプチレビューしていきますので、ぜひ、最後までご覧になってください。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 1988~1989年に発売されたアドベンチャーゲームのリメイク作。
  • リメイクにあたって演出面が大幅に強化された。
  • コマンド選択でストーリーを進めていく。
初リリース日 2021年5月14日
対応ハード Switch
ジャンル アドベンチャー
推定クリア時間 1タイトル5~6時間
発売元 任天堂

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ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女とは?

「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女」とは、少年探偵となって殺人事件の真相を突き止めるのが目的のアドベンチャーゲームです。

ストーリーはコマンドを選択することで進行していきます。

「移動する」を選択すると現在地とは異なる場所へ進んでいき、「呼ぶ」を選択すると話をしたい人物の一覧が表示。

そして、「聞く」を選択すると話をしている人物から質問したい言葉が一覧に表示され、どれかを選択すると質問に答えてくれます。

イメージ的には「ドラゴンクエスト」の移動や戦闘、育成のシステムを排除してストーリーに特化したような感じでしょうか。

実際、「ドラゴンクエスト」を手掛けた堀井雄二さんは同作よりも前に「ポートピア連続殺人事件」という、「ファミコン探偵倶楽部」のようなコマンド選択式のアドベンチャーゲームを手掛けているので、実は、RPGの前身とも言えるジャンルだったりします。

「ファミコン探偵倶楽部」がその手のコマンド選択式アドベンチャーゲームと大きく異なるのが、ストーリーを楽しむことに重点が置かれていることです。

この手のゲームでストーリーを進める場合、いわゆるフラグ立てを行わなければなりません。

例えば「明神村」から「綾城家」という豪邸に行くのが目的としましょう。

その場合、呼ぶで「駅員」を選択。

その後、「聞く」で「綾城」「綾城家」「明神村」「自分のこと」の順番で選択します。

すると、「移動する」の項目が追加。目的としていた「綾城家」へ進むことができます。

テキスト選択型のアドベンチャーでストーリーを進める場合、こんな感じでフラグ立てを行うことになるんですが、従来の作品ではロジックが複雑で思うようにストーリーが進まなかったんですね。

本作の場合、進行フラグを立てるまでの謎解きの難易度が控えめに調整されており、状況に応じて選択できるコマンドの数が増減するようになっているので、「コマンド選択に夢中でストーリーを忘れてしまった!」なんてことが起きにくくなっています。

肝心のストーリーはミステリー系。

「消えた後継者」では綾城家当主の不審な死の真相を突き止めていくのが。

「うしろに立つ少女」では女子高生殺人事件の真相を突き止めていくのが目的となっています。

どちらも

  • 終盤で伏線が一気に回収されていく点
  • 任天堂史上、最恐と言えるほど怖い展開が待ち受けている点

が特徴となっていて、ミステリー好き。ホラー好きにはおすすめの内容となっています。

そんな「ファミコン探偵倶楽部」ですが、冒頭でも触れたように今作はリメイク作で、オリジナル版は30年以上も前にファミリーコンピューターディスクシステムで発売されました。

「消えた後継者」は1988年に。「うしろに立つ少女」は1989年に発売。

1998年には「うしろに立つ少女」のリメイク版がスーパーファミコンの書き換え専用ソフトとして発売されました。

という訳で「うしろに立つ少女」は今回のSwitch版で2度目のリメイク作になるんですが、「消えた後継者」は初のリメイク作になるんですね。

一体、どんな感じのリメイク作になっているのでしょうか?

ここからはリメイク版で良いと思った点を語っていきたいと思います。

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良いところ

大幅に強化された演出

今作で特筆したいのが、演出面が大幅に強化されたことです。

キャラクターのイラストはLive2D(ライブツーディー)というソフトウェアを使用しているので滑らかに動きます。

髪のなびく表現、瞬き、体の揺れ。

最近のキャラゲーみたいに細かな動きを見せてくれるので・・・

ドット絵だった橘あゆみちゃんもこんなに可愛くなりました!

背景の描き込みも大幅に強化。

オリジナル版では殺風景だったところも細かく描かれるようになったので、空気感が生まれています。

驚いたのが、用意されている背景やCG、イラストの種類がめちゃくちゃ多いことです。

描くのに数日は掛かったであろう背景であっても一瞬しか使われないことが多々ありますし、モブキャラのイラストも使いまわしをすることなく描き分けています。

本作を手掛けているMAGES.はアドベンチャーゲームの開発を得意としているんですが、演出面に関しては同社が発売したタイトルよりも凄いですw

キャラクターはグリグリ動きますし、背景のバリエーションも凄いことになっています。

挿入されるメッセージにはボイスが追加。

最近のゲームらしくフルボイス仕様となっていて、人気の声優さんが挿入されるメッセージを読み上げてくれます。

その点で良いと思ったのが、主人公の声を担当している緒方恵美さんの声質です。

彼女は中性的な少年の役に定評がある方で、アニメでは「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジくんの声を。

ゲームでは「ダンガンロンパ」シリーズの苗木誠くん、狛枝凪斗くんの声を担当しています。

本作でもあんな感じの声質で喋ってくれるんですが、ぼくが「ファミコン探偵倶楽部」の主人公に抱いていたイメージとピッタリなんですよね。

それ以外のキャラクターも概ねイメージ通りの配役で、ぼくがオリジナル版で脳内再生していたメッセージを違和感なく読み上げてくれます。

滑らかに動くキャラクター、大幅に強化された背景の描き込み、人気声優によるキャラクターボイス。

このように本作はオリジナル版から演出面が大幅に強化されたので、それまでは想像していたストーリーや世界観が具体化されたことによる感動を覚えました。

イメージ的には好きな漫画の世界がアニメで具体化された時のような感じでしょうか。

まさか、今の時代に「ファミコン探偵倶楽部」の世界が具体化されるとは思わなかったので、めちゃくちゃ感動しています!

原作へのリスペクト

ここまでオリジナル版から演出面が強化されたことを中心に語っていきました。

見た目に関してはオリジナル版とは全然違うので、コレジャナイと感じる方も居るでしょう。

ですが、ぼくは紛れもなく「ファミコン探偵倶楽部」のリメイク作だと思いました。

そう思った大きな要因としては、原作へのリスペクトが半端ないことです。

ゲームシステム、ストーリー、イベントシーン。

何もかも原作を尊重して作られています。

ストーリーには変な肉付けが行われていませんし、「橘あゆみちゃんとのラブラブ度チェック」とか、妙なおまけ要素も継承されています。

正直、ゲームシステムに関してはもう少しイジっても良いとは思ったこともあったんですけどね。

先程、「ファミコン探偵倶楽部」はストーリーを楽しむことに重点が置かれているために進行フラグを立てるのが楽と言いましたけど、あくまでもそれは30年前の話です。

今のアドベンチャーゲームを基準にすると煩わしいところがあります。

ですが、最後までプレイして行ったところ、オリジナル版をプレイされた方が当時を懐かしみながら遊ぶゲームとして見たらこれが正解だと思うようになりました。

「気がついたこと」を3回も4回も連続で選択しないと進行フラグが立たないところとか、そういう不便なところも含めて楽しんでほしいというか。

そんな開発者の気持ちが伝わってきました。

ちなみにオプションでは色んな設定を変更できるんですが、なんと、効果音やウインドウ、BGMをオリジナル版に変更する機能も用意されています。

試しに変更してみましょうか。

うわぁぁぁ~・・・懐かしい。

このピコピコサウンドの聞き心地が最高なんですよね。

「うしろに立つ少女」の場合、BGMをファミコン版だけではなく、スーパーファミコン版のものに変更することもできます。

オプションからさりげなく変更できるようになっていますが、これって実質、3タイトル分のBGMを収録していることになるので、相当な労力が掛かっているのではないでしょうか?

任天堂って「スーパーマリオ オデッセイ」のドット絵シーンで数十種類もあるマリオのコスチュームを反映させるとか、さりげなく狂気じみたことをしでかすので油断なりませんねw

刷新されたユーザーインターフェース

先程も触れたように本作はMAGES.というアドベンチャーゲームの開発を得意とする会社が手掛けています。

ユーザーインターフェースは同社のタイトルを踏襲しているので、オリジナル版の色を残しつつ、良い感じにアレンジしている印象です。

新機能としてはオート、既読スキップ機能が追加。

ボタンを押さなくても自動で次のメッセージを読み上げてくれたり、既に読んだメッセージを高速でスキップできるようになりました。

また、過去に表示されたメッセージの履歴を確認できる「バックログ」機能も追加。

スーパーファミコン版で追加された

  • 人物などの情報が書き込まれていく「手帳」
  • これまでのストーリーを振り返ってくれる「あらすじ」

といった機能も引き継がれているので、ストーリーや目的を忘れてしまった時の配慮もなされています。

何気に嬉しいのが、Joy-Con片手持ちで遊べることです。

これはSwitchで発売されている多くのテキストアドベンチャーゲームに言えることですが、本作では基本的にスティックと決定、キャンセルボタンしか使いません。

そのため片方のJoy-Conを持つだけで遊べてしまうので、楽な姿勢でプレイできるんですね。

同じようなことはWiiリモコンでもできましたが、Joy-Conの場合、非常に軽いので、さらに遊びやすくなりました。

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注意点

本作はオリジナル版を尊重して作られているので、昨今のテキストアドベンチャーゲームと比べたらサクサクと進めることはできません。

ですので、文字を読むのが中心で、たま~に選択肢が挿入されるゲームに慣れている場合、コマンド選択をして進める点に煩わしさを感じる恐れがあります。

また、ストーリーに大幅な肉付けが行われておらず、分岐もないので、ボリュームは控えめです。

消えた後継者、うしろに立つ少女。

どちらもクリアまでに5~6時間程度で終わってしまいます。

その分、濃いストーリーを体験できますし、内容も今、プレイしても色褪せない面白さがあると思いますが、最近のテキストアドベンチャーゲームと比べたら短めです。

全体的にオリジナル版を昔、遊んだ方をメインターゲットにしている印象なので、新規の方が「なんかSwitchで面白そうなアドベンチャーゲーム出たし買ってみよ」って感じのノリで手を出したら不満に感じる恐れがあります。

そのためか本作のパッケージ版は税込み10,978円の「コレクターズ エディション」のみしか用意されておらず、ゲームソフトだけが同梱された通常版は用意されていません。

また、ダウンロード版は2タイトルがバラ売りで販売されており、1タイトル税込み4,378円。

2タイトル合計で税込み8,756円という、新規には手を出しにくい価格設定となっています。

任天堂と言えば幅広い層に広く売っていくイメージがあると思いますが、本作は一部の層に売っている印象で、100万本とか、そんなに沢山売るタイトルには見えません。

ですので、もし、幅広い層が遊べる任天堂製の良質なアドベンチャーゲームを求めている場合、「バディミッションBOND」をおすすめします。

こちらは新規でもスッと入っていける内容となっていて、ボリューム満点ですからね。

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ファミコン探偵倶楽部 (Switch)のレビューまとめ

ここまで「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女」の良い点や注意点を語っていきました。

簡単にまとめると

  • オリジナル版へのリスペクトが半端ないリメイク作
  • ストーリーは今も色褪せない良さがある

といった感じです。

オリジナル版から見た目が大きく変わっていますが、紛れもなく「ファミコン探偵倶楽部」となっていますので、昔、プレイされた方が懐かしみながら遊ぶ分には最高のゲームとなっています。

改めてプレイして思ったんですが、任天堂って多様性のあるゲームメーカーですね。

マリオやカービィのような幅広い層をターゲットに据えたゲームから本作のように一部のコアな層をターゲットに据えたゲームも展開する。

こんなこと、なかなか真似できないと思うんですよ。

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おまけ

最後におまけとして「コレクターズ エディション」のプチレビューしていきます。

こちらが「コレクターズ エディション」のパッケージになりますが、デカッ!

あまりにもデカイので、石鹸が入っているんじゃないかと思いましたよw

セット内容は以下の通り。

  • Switchのパッケージ
  • サウンドトラックと
  • アートブック
  • オリジナル版のチラシを復刻したミニポスター

パッケージはリバーシブル仕様となっていて、裏面はファミコン版のパッケージになっています。

ファミコン版の方が味があって良いかもしれませんねw

パッケージケースの中に入っているゲームカードは1枚だけですが、Switchに差し込むと自動で「消えた後継者」と「うしろに立つ少女」のアイコンが追加される特別仕様となっています。

こちらはサウンドトラックです。

CD 2枚組で、ファミコン版、スーパーファミコン版の音源が収録されています。

個人的に好きなBGMは、「綾城家」と「調査」です。

「綾城家」はクラシックが原曲ではありますが、「綾城家」の中で聞き込みをする時にずーっと聴いていたので耳に残っているんですよね。

「調査」はシリアスな雰囲気と切なさが融合したようなメロディで、「うしろに立つ少女」を象徴する曲という印象です。

続いて紹介するのがアートブック。

ネタバレ満載ですが、これはファンには最高のグッズです。

リメイク版のイラストからオリジナル版の原画、さらには坂本賀勇さん、浅田誠さんの長文コメントが掲載されているので、非常に資料価値の高い内容となっています。

ボリュームも多く、ページ数にすると170にも及ぶので、これだけでコレクターズ・エディションを買ってよかったと思いましたね。

最後に紹介するのが、オリジナル版のチラシを復刻したミニポスターです。

オリジナル版のパッケージがモチーフになっていますが、キャッチコピーとか、ディスクシステムのソフトラインナップとか、時代を感じますね。

以上!「コレクターズ・エディション」のプチレビューでした!

ダウンロード版よりも2,000円ほど高くなっていますが、その分だけの価値はあります。

特に「ファミコン探偵倶楽部」ファンでしたら絶対に泣けるので、まだ購入されていない方は「コレクターズ・エディション」がおすすめです。

おそらく、生産数が少ないと思うので、早めに購入をすると良いでしょうね。

こんな人には特におススメ。
・オリジナル版にハマった人。

こんな人にはおススメできない。
・現代のアドベンチャーに慣れてしまった人。

お気に入り度【75/100%】

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  1. 匿名 より:

    リメイクに関しては全面的に肯定です
    すごく良いリメイクになってると思います
    残念なのが三作目、雪に消えた過去がないことですが、一番悲しかったのはブックレットで『ファミ探は全2作で終わり、続きはない』と書かれてたことです
    雪に消えた過去がなかったことにされていたのが悲しいです
    当時、満足いくまでやれてなかったのでもう一回やり直したいとずっと思っているのですが、難しそうですね
    実はこのタイミングでSwitchOnlineで出してくれたりするんじゃないか、とちょっと期待してたのですが

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