どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2021年1月に発売されたSwitch「バディミッション BOND」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。
このゲーム、「逆転裁判」が好きな人は絶対ハマります。
「逆転裁判」と言えば裁判を題材にしたアドベンチャーゲームで、
- 個性豊かなキャラクター
- 頭を使って謎を解いていく推理要素
- ハチャメチャな大どんでん返し
などが特徴的ですよね?
本作の場合、裁判パートこそは存在しませんが、遊んでいると随所で「逆転裁判」っぽさを感じるんですよね。
それでいて任天堂のゲームらしい丁寧さを感じられるので、Switchで良質なアドベンチャーゲームを遊びたい方にはぜひ、おすすめしたい作品です。
ここからはそんな「バディミッション BOND」の良い点、惜しい点を語っていきますので、興味がある方はぜひ、最後までご覧になってください。
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- 相棒と共にミッションを遂行していくアドベンチャーゲーム。
- 「捜査」「潜入」の大きく分けて2つのパートが存在する。
- 潜入パートでは3Dキャラクターを操作してゴールを目指していく。
初リリース日 | 2021年1月29日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | アドベンチャー |
売上 | 初週0.7万本 |
推定クリア時間 | 20~30時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
バディミッション BONDとは?
「バディミッション BOND」とは、チームBONDの一員となって相棒と共にミッションを遂行していくアドベンチャーゲームです。
ゲームは
- 登場人物と事件の推理をしていく「会話」パート
- 推理で得た手がかりを元に聞き込みを行う「捜査」パート
- 捜査で得た情報を元にゴールを目指していく「潜入」パート
の3つに分かれていて、各ミッションでは順番にこなしていきます。
各パートの割合で数字で表すと、会話パートが全体の7割。
残りの捜査パートや潜入パートが3割といった感じとなっているので、文字を読んでいくのが基本のゲームなんですね。
そんな「バディミッション BOND」なんですが、何度も言うように「逆転裁判」のようなアドベンチャーゲームが好きな人は絶対ハマると思いました。
ここからは本作の良い点を挙げていき、何故、「逆転裁判」好きの人におすすめなのかを語っていきます。
良いところ
魅力的なキャラクター
本作に登場するキャラクターの多くは「逆転裁判」シリーズに負けないくらいの魅力を持っています。
特にタイトルにもなっているチーム・BONDのメンバーとなるルーク、アーロン、モクマ、チェズレイ。
彼らはですね、全員、何かしらの魅力を持っています。
主人公らしく正義感が強い警察官のルーク、ぶっきらぼうだけど頼りになる怪盗のアーロン。
お茶目な元忍者のモクマ、美形だけど詐欺師のチェズレイ。
4人とも男性ではありますが、見事なくらい異なる性格なんですね。
4人について詳しく語らせていただきますと、主人公のルークは正義感が強く、ヒーローになることを夢見ています。
わかりやすく言うとぼくのような好青年って感じでしょうか。
あ・・・ここ突っ込むところですw
それはともかく、冒頭では彼の生い立ちなどが語られるので、開始から数十分で感情移入をしてしまいました。
ストーリー重視のゲームは主人公に感情移入できるのかどうかが重要だと思うんですが、本作はその点をバッチリと抑えていますね。
そんな主人公と最初に出会う相棒がアーロンです。
彼は怪盗だけあって気性が荒くて怖いんですが、いざという時は主人公たちを守ってくれます。
イメージ的には兄貴キャラってところでしょうか。
最初は何だコイツ?って思いましたが、だんだん好きになってきます。
こういうツンデレキャラって良いですよね。
モクマは「ニンジャジャン」というヒーローショーに出演する芸人なんですが、このおっさんも凄いですよw
何が凄いのかって、ノリの軽さですw
女性の前でデレデレしたり、シリアスな場面で仲間にサシ飲みを誘ったり、少しでもキュンとすることがあったら乙女っぽくなったりw
立ち絵も変化に富んでいて、何かあると表情どころか絵のタッチまで変わりますw
イメージ的にはムードメーカーと言ったところでしょうか。
変人ではありますが、彼のおかげで和むところがあるので、個人的には4人の中では最も気に入っています。
チェズレイはと言いますと、狂人サイコパス。
この表現がしっくり来ますw
というのも彼は変装と知的犯罪を得意とする詐欺師だからです。
一見すると美形男子に見えますが、本性はドス黒く、様々な人物に変装して人を騙したり、豹変して目の前の人間を破滅に追い込みます。
本作のストーリーは二転三転しますが、チェズレイによるところも多いので、彼の手のひらで何度踊らされたことか。
このようにチーム・BONDのメンバーは全員、全く異なる色を持っています。
そんな彼らが何故、手を組むことになったのか?
キャラクターの紹介だけを見ると謎に感じると思いますが、作中では彼らの出会いを丁寧に描いていたので感心しましたね。
ところで本作、開発元がコーエーテクモゲームスの乙女ゲーを開発しているルビーパーティーということで女性向けと間違われることが多くあるんですが、個人的には男性でも楽しめる正統派のアドベンチャーゲームだと思いました。
いや、メインのキャラクターは全員、男ですけどねw
モクマやチェズレイは女性のような側面があるのでむさ苦しさはそんなに感じませんし、少年漫画のような感覚で手を出す分には気にならないんじゃないかなーと思います。
二転三転するストーリー
本作のストーリーは「逆転裁判」のように先の展開が気になるように作られています。
ストーリーはミッション1、ミッション2といった感じで区切られているんですが、毎回、終盤には次のミッションに繋がるような大どんでん返しが待っているので、止め時を失ってしまいましたw
もうね、「今日はこのミッションをクリアしたら終わろう」なんて決めていても終盤の展開を見たら無意識に次のミッションを選択してしまいますからw
特筆したいのが、前提条件をひっくり返すような展開が多いことです。
例えば仲間だと思っていたキャラが裏切ったり、とあるキャラの意外な過去が明らかになったり。
「ちょっと退屈かな~」と思いかけてきたらとんでもない爆弾をぶん投げてくるので、終始、楽しく遊べましたね。
それこそ、「逆転裁判」に引けを取らないくらいの意外性があるので、ゲームでハラハラドキドキするようなストーリーを求めている者としては溜まりませんw
こうして聞くとサスペンスものに感じますが、一方ではコメディの色も強くあります。
イメージ的には少年漫画のような感じでしょうか。
例えば主人公が猫のモノマネをして敵をおびき寄せたり、モクマがとんでも忍術で仲間を助けたり。
リアリティを重視し過ぎると冷めてしまうかもしれませんが、適度に漫画チックな描写を盛り込んでいるので、この辺りも「逆転裁判」に通ずるものを感じました。
圧倒的なボリューム感
本作は中身がギッシリ詰め込まれています。
それこそ、「逆転裁判」と比べても遜色ないくらい。
こういった新規のアドベンチャーゲームって売れるかわからないので開発費を抑える傾向にあるんですが、天下の任天堂が発売元だからでしょうか?
アドベンチャーゲームとしては破格と言えるほどの開発費をつぎ込んでいるようで、圧倒的なボリュームを誇ります。
いや、クリアまでのプレイタイムにすると30時間未満なんですが、充実感が凄いんですよね。
それはストーリーが濃いのもありますし、使用されているイラストの種類が多いのもあると思います。
本作のキャラクターデザインは「アイシールド21」「ワンパンマン」の作画を手掛ける村田雄介さんが担当してるんですが、任天堂は彼にどれだけの費用を支払ったのでしょうか?
次から次へと新しいイラストが挿入されるので、思わず、「村田さん、お疲れさまでした!」と口に出したくなってきましたw
大作ゲームに慣れていると当たり前のように感じるかもしれませんが、これがね、テキストアドベンチャーとしてみたら地味に凄いんですよ。
本作のような文字を読んでいくのが中心のアドベンチャーゲームは一般のゲームよりも収録されている文字数が多くなる傾向にあります。
それこそ、小説数十冊に相当する文字数になるんですが、多くのゲームでは文字に見合った数だけのイラストを用意できず、同じような絵のシーンが続くというジレンマを抱えているんですね。
ところが本作の場合、次から次へと新しいイラストが挿入されます。
中には分岐ルートにしか挿入されないイラストもあるので、正気を疑いましたよw
圧倒的なボリュームという意味では、バディエピソードとサイドエピソードの数も凄いですね。
バディエピソード、サイドエピソード。
いずれもメインミッションを高ランクでクリアしたり、特定の条件を満たすと解放されるんですが、合計すると100以上も用意されています。
メインミッションとは違い、1つ1つは短いんですが、こんなにも沢山のエピソードを収録するとは驚きました。
しかもですね、どのエピソードにもボイスが収録されているんですよ。
フルボイスという訳ではありませんが、これだけのボリュームがありながらも大抵のシーンにボイスを収録するとは大したもんです。
推理や聞き込みが楽しい
本作は「逆転裁判」のように推理をする楽しさもあります。
代表的なのが選択肢とサーチモード。
会話パートを進めていくと選択肢が挿入されたり、気になる部分にカーソルを合わせて手がかりなどを調べていくシーンが挿入されます。
その多くはストーリーの核となる事件に関係することなので、主人公たちと一緒に少しずつ黒幕の陰謀を解き明かす感覚を味わえました。
プレイヤーがゲームに介入するという意味では、「捜査」パートでの聞き込みも面白いですね。
「捜査」パートでは「会話」パートでの推理で得た手がかりを元に色んな場所へ訪れて聞き込み調査を行います。
しかし、行動力ゲージの概念によって好きなだけ移動することはできず、0になるとスタート地点に戻されてしまうんですね。
そのうえ4人のうち2人でしか行動できず、特定の仲間で聞き込みをしないと情報を引き出せないようになっています。
思わず「なんでこんなにも制限を掛けるの?」と言いたくなってしまいますが、一方ではパズルゲームのような楽しさも増している印象で、特にマップが複雑になる終盤は頭をフルに回転させて聞き込みをしましたw
聞き込みという要素はアドベンチャーゲームでは定番ですが、本作は独自の制限を掛けることで新たな面白さを生み出している印象です。
そして本作の目玉要素としてアピールされている「潜入」パート。
これは「捜査」パートで得られた情報を元にゴールを目指していくのが目的となっていて、「逆転裁判」というよりは「ペルソナ5」のダンジョン攻略に近い楽しさを感じられました。
というのもシチュエーションが似通っているからです。
敵のアジトなどに潜入する点、内部の仕掛けを解いて先に進む点はまんま「ペルソナ5」の怪盗団で、攻略するダンジョンが複雑化する終盤は特にそんな印象が強くありましたね。
アドベンチャーゲームが売れなくなったと言われて久しいですが、その大きな要因として動画サイトで満足されてしまうというものがあります。
本作の場合、アドベンチャーゲームでありながらもコントローラを握ってプレイしないと味わえない体験がタップリ盛り込まれているので、少なくともぼくは動画サイトでは満足できないゲームだと思いました。
惜しいところ
やり込み要素が面倒
やり込み要素としてはバディエピソード、サイドエピソードを解放するというものがありますが、全てを解放するのは面倒に感じました。
というのも全てを解放する場合、メインミッションをオールSランクでクリアしたり、ミッション内で特定の条件を満たさないといけないからです。
これがねー、狙ってやろうとしたら地味に大変なんですよ。
まず、Sランクでクリアするにはヒーローゲージを最大まで溜めなければなりません。
ヒーローゲージは会話パートで挿入される選択肢で正しいものを選ぶと上がっていき、逆に間違ったものを選ぶと下がってしまいます。
1回くらいの間違いならまだしも、2回、3回も間違えるとSランクでのクリアは不可能になるので、そういう時はミッションを最初からやり直さないといけません。
一応、セーブファイルを10個まで作れたり、選択肢やボタンアクションなどが挿入されるまでスキップできる機能によってある程度は短縮できるんですけどね。
「捜査」「潜入」パートはスキップできるシーンが少ないうえに終盤はマップが複雑化してクリアまで時間が掛かってしまうので苦痛に感じることがありました。
いや、解禁されるエピソードは本編ではなく番外編なので、ゲームをクリアする分には見なくても良いんですけどね。
困ったことに本作に登場するキャラクターはみんな魅力的なので、番外編であっても見たくなるんですよw
選択肢や「潜入」パートのルート分岐のおかげで周回プレイをする楽しさは生まれていますが、フローチャート機能を追加するなど、もう少し繰り返しプレイに耐えられる作りになっていたら良いなーと思いました。
バディミッション BONDのレビューまとめ
「逆転裁判」に通ずる魅力を持ったゲーム。
新規タイトルなのでどんなゲームなのかイメージしにくいと思いますが、「逆転裁判」のように
- 個性豊かなキャラクター
- 頭を使って謎を解いていく推理要素
- ハチャメチャな大どんでん返し
といった魅力が詰まっており、ボリューム満点なので、満足度が非常に高い作品です。
個人的にこういう文字を読むのが中心のゲームはできない体になってきたんですが、本作は例外的にのめり込みましたね。
もうね、ゲームを始めてから5分もする頃にはスマホに目を向けることなく夢中でプレイを続けてしまいましたから。
今の時代、スマホは欠かせないものです。
頻繁に来るSNSの通知、洪水のように供給される新着動画や記事。
10分でも目を離すと何かしらの変化が起こるので、ついついスマホを開いてしまいます。
それ故にストーリー重視のゲームを集中してプレイするのは難しい時代になってきたと思うんですが、本作の場合、
- 二転三転するストーリー
- 次から次へと挿入される新しいイラスト
によって一気に進めてしまいましたw
新規タイトルなのであまり売れないとは思いますが、これは売れるべきゲームです。
逆転裁判好きにおすすめしたい隠れた良作!
こんな人には特におススメ。
・サスペンス好き。
こんな人にはおススメできない。
・文字を読むのが苦手な人。
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本記事の動画版
シリーズ化して欲しいですね。
「バディミッションBOND」のYoutube動画からこのサイトを知りました。
KENTさんの活動を陰ながら応援させていただきます。
ボンドもアストラルチェーンも、新しい試みを取り入れた意欲作なのに、ニンテンドーは国内向けのプロモーションが弱すぎると思いました。自社の新規ipなのに、何故デモンエクスマキナ 程度のプロモーションをしないのか不思議でなりません。
ファミリー向けゲームとは異なり、面白さが直感的に伝わりにくいタイプのゲームなので、米国のツリーハウスライブのような開発者を招いて開発の背景や狙いなどを聞きながらデモプレイを見せる新作紹介番組を制作すべきと思いました。
こんにちは!
KENTさんの記事を読ませて頂き、同作を購入致しました。
いやー面白い!まだまだ序盤でチェズレイが出てきたところまでしか進んでいませんが、先が楽しみです。良作のご紹介ありがとうございます!