

ペルソナ5/PS4 / PS3
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2016年9月に発売されたPS4/PS3「ペルソナ5」のレビューをしていきます。
本作は現代を舞台にしたジュブナイル伝奇RPGですが、守るべきところは守り、あらゆる部分がパワーアップした超大作でした!
2010年代に入ってからJRPGは窮地に立たされます。
それまで影を潜めていた洋RPGが躍進を果たし、JRPGのあらゆる点が旧式と化したんです!
「何故、JRPGの戦闘は自分のターンにならないと動けないのか?」
「何故、フィールドが平坦なのか?」
挙げ出したらキリがありません。
そんな流れが生まれたのであらゆるJRPGがアクションゲームのようになってしまいました。
戦闘がリアルタイム形式に変わったり、エンカウントが廃止されたり・・・。
それ故に別ジャンルと化した作品も見受けられました。
そんな中で発売されたのが今回レビューするPS4/PS3「ペルソナ5」。
本作は他のJRPGとは違い守るべきところは守り、参考にするべきところは洋ゲーを参考にして作られた理想的な作品でした!
「そうか!次世代のJRPGはこういうアプローチを取れば良いんだ!」
プレイしてそう感じました。
ここからはそんなPS4/PS3「ペルソナ5」の良いと思った点からまずは書いていきます。
プレイ日記はこちら。
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- 現実世界と異世界を舞台にしたRPG。
- 異世界では怪盗となってパレス(ダンジョン)をクリアしていく。
- 現実世界では学生となって様々なキャラクターと交流していく。
初リリース日 | 2016年9月15日 |
対応ハード | PS4/PS3 |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 70~90時間 |
売上 | 初週33.8万本/累計46.3万本 |
発売元 | アトラス |
目次
良いところ
さらにパワーアップしたスタイリッシュなデザイン
「何だこのカッコよさは!?」
初めて本作をプレイした時、あまりにも洗練されたデザインに驚きました。
前作のPSVITA「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」もデザインが凄かったけど、そのさらに上を行っています。
大きな要因となっているのが、従来の学園ジュブナイルにピカレスクロマンの要素を加えていること。
主人公と言えば正義ですが、本作の場合、一概にそうとは言えません。
何故なら主人公は怪盗でもあるからです。
もちろん、正義のために行っているんですが、どこか悪者のような側面もあり、そこがデザインの面でも現れていました。
例えばユーザーインターフェースのデザインは赤と黒を基調にして文字をグニャグニャに曲げているんですよ。
おかげで1つ1つがロゴと言えるほどアート性が高いデザインになっています。
驚いたのが、あらゆる画面が1つのアートとして楽しめるようになっていること。
メニュー画面、リザルト画面、アイテム購入画面 etc…
本来、この手の画面って利便性重視で見た目はあまり拘って作られないものなんですが、本作の場合は1つ1つにコダワリを感じられました。
それでいて視認性も高く、デザインとして非常に優れています。
「これからのゲームはユーザーインターフェースのデザインも拘らないと行けなくなったんじゃ!?」
本作をプレイしてそう思うようになりました。
もうね、このデザインに慣れてしまうと他のゲームが古臭く感じてしまうほどですからw
このように洗練されたユーザーインターフェースによってスタイリッシュなイメージが増したPS4/PS3「ペルソナ5」ですが、過去作の良さも継承しています。
ボーカル付きのスタイリッシュなBGM、副島成記さんが描く細身のキャラクターデザイン。
前作で「カッコいい!」と思った点は継承されているので、厨二病持ちの者としてはプレイしているとニヤニヤしまくりですw
あまりにもカッコいいので、ぼくの場合、発売当時は主人公の髪型を真似て伊達メガネまで購入してしまいました!w
学園ものと怪盗ものを融合させた先の展開が気になるストーリー
学生と怪盗。
主人公はこのような2つの顔を持っています。
一見すると強引過ぎる組み合わせに感じますが、
「何故、学生が怪盗になったのか?」
を納得できるよう過程を丁寧に描いていました。
それでいて先の展開が気になるフックが満載なので、ストーリーものとして非常に優れています。
その中でも特筆したいのが、導入部分でいきなり終盤の展開をチラ見せしてくること。
この記事にも言えることなんですが、最初に結論を書くと過程が気になって読み進めてしまうんですよ。
「どのように終盤の展開に繋がるのか?」
本作をプレイする主な動機がそこにありました。
ストーリーのテイストはシリアス寄り。
学園ものでもあるので前作のような青春を感じられる描写もありますが、多くのキャラクターが負の側面を持っているので明るさはさほど感じられません。
なんて前作のように意気込んでいたら物足りなさを感じられますが、これはこれで異なる良さを感じました。
というのも負の側面を持たせることでキャラクターに深みを感じられるようになっているからです。
ワールドワイドで見た場合、本作のストーリーは前作よりも受け入れられやすく感じます。
ストーリー性を持たせたギミック満載のダンジョン
主人公たちはひょんなことから怪盗となって異世界(パレス)を探索することになります。
いわゆるRPGにおけるダンジョン的な位置付けになるんですが、過去作から驚くほどの進化を遂げていました!
「ペルソナ」は3DダンジョンRPGである「真・女神転生」から派生したシリーズになります。
そのため初期の作品は3DダンジョンRPGだったんですが、ダンジョンのフォーマットはずーっと継承していたんですよ。
つまり、方眼用紙で描かれたようなパーツの組み合わせで作られていたんです。
今作の場合、その流れを完全に断ち切って本格的なダンジョンになりました!
古城、美術館、銀行、ピラミッド etc…
このような建物の背景から構造までを1つ1つ手作業で作っており、パズル&謎解き要素まで盛り込まれていました。
さらに驚いたのが、欧米のAAA級タイトルで見られるアクション要素を取り入れていたこと。
「アサシン クリード」のようなパルクールアクション。
「ギアーズ オブ ウォー」のようなカバーポジション。
これらのアクションを駆使しながら探索や謎解きを行うことになるので、感覚的にはアクションアドベンチャーゲームをプレイしているかのよう。
もちろん、本作の根底はRPGなので、本場のアクションアドベンチャーゲームほどダンジョンのアクション&謎解きは難しくありません。
アクションはアシストが掛かっていますし、謎解きは仲間たちとの会話イベントを挟んで展開されますから。
爽快感のある戦闘パート
前述の通り2010年代に入ってからのJRPGはリアルタイム性に拘っていました。
その背景には「世界で売るためにはコマンド選択式の戦闘システムは厳しい」というものがあったからだと思われます。
そんな中、本作の場合は2016年に発売されたにも関わらず古典的なコマンド選択式の戦闘システムを採用していたんです!
「え?今どきコマンド選択式?」
なんてプレイする前は思っていましたが、これは良い!これは良いですよ!
大きな要因となっているのがアクションゲームのようなユーザーインターフェース&演出になります。
コマンド選択ではなくボタン入力で選択する技、リアルタイムで飛び交うセリフ。
戦闘パートから移動パートへの移り変わりを意識したリザルト画面の演出 etc…
これらの要素によってコマンド選択式の戦闘でありながらも躍動感を生み出しており、古臭さは感じられませんでした。
極め付けは戦闘時に総攻撃が決まった時のフィニッシュシーン!
敵をボコボコに殴った後、超スタイリッシュな絵が挿入されて最高にカッコ良く締めてくれます。
あまりにもカッコイイので、初めてフィニッシュシーンが挿入された時は「うひょぉぉぉ~」と奇声を発してしまいました!
本作をプレイすれば自分の心に秘められた厨二心が爆発すること間違いなし!
もちろん、アトラスらしいバランス調整は変わっていません。
今作でも敵味方問わず弱点を突いたら連続攻撃ができるので緊張感のある戦いを楽しめました。
そのため戦闘難易度は高めですが、ぼくはこのゲームバランスが好き!
今作でも主人公がやられたらセーブポイントからやり直しというペナルティも健在なので、昔ながらの緊張感があります。
このようにゲームバランスは前作を踏襲していましたが、戦略性はさらに増していました。
大きな要因となっているのが、前作よりも仲間キャラの種類が増えて銃が使えるようになったこと。
様々なモンスター(ペルソナ)を仲間にして多彩な技を繰り出すシステムも健在ですし、今作も戦闘システムは非常に練り込まれています。
現実味のある描写
このように本作の異世界パートは非常にぶっ飛んだ作りになっています。
その一方で現実パートは現実味のある描写が満載でした!
主人公たちは東京都内で学生として普段は生活しています。
という訳で日常パートでは東京都内を舞台にストーリーが展開されるんですが、街並みの作りが凄いんですよ~!
特に凄いと思ったのが、渋谷駅周辺。
看板から改札口まで本物そっくりに描かれていて乗り換えまで体験出来ますから。
それでいて3Dアクションアドベンチャーゲームのようなカメラアングルなので没入感もあります。
ここまで拘って作られていると本当にその街で暮らしているかのよう。
もちろん、主人公たちが行動できる範囲は渋谷だけではありません。
新宿、秋葉原、原宿 etc…
このような東京の街へ行くことが可能で、それぞれの街で様々な施設を利用することが出来ます。
さらに専用のサブイベントも複数用意。
20人以上ものキャラクターに用意された好感度ゲージを上げることで様々なサブイベントが挿入されます。
それらを意識してプレイすると遊園地に訪れた時のような感覚を味わえました。
「今日は何をしよう?友達と遊ぶ?女性と仲良くなって彼女にする?」
「バッティングセンターで遊ぶ?家に引きこもってTVゲームをやったり、DVDをみる?」
こんな感じで現実の学生みたいに自由な生活を楽しむことが出来ます。
え?「RPGと関係なくない?」だって?
そこが本作の凄いところで、サブイベントを進めることで間接的にRPGパートが有利になるよう作られているんですよ。
例えばキャラクターの好感度ゲージ(コープ)を上げることで戦闘を有利に進めるための追加効果が表れるとか。
その影響でRPGパートとアドベンチャーパートがピッタリと結びつくのでお互いが邪魔しているようには感じませんでした。
過去作でも感じましたが、一見すると食い違いそうな要素を上手く融合させているのはお見事!
大作に偽りのない大ボリューム
前作からグラフィック・演出がパワーアップしてダンジョンも豪華になり・・・
ぼくの経験上、こういうゲームって密度が高まった分、クリアまでのプレイタイムが前作よりも減少する傾向にあります。
人によってはボリューム不足に感じることでしょう。
ところが本作の場合、クリアまでのプレイタイムも前作より長くなっていました!
1周クリアに80時間前後。高難易度モードに設定したり寄り道をしたら100時間を超える勢いです。
凄いのが、これだけ長くても水増しをほとんど感じられなかったこと。
どのダンジョンも多彩なギミックが用意されているためボリューム満点ですし、ストーリーが薄味にならないようイベントシーンもたくさん盛り込まれています。
アニメーションイベントやボイス数も非常に多いので、この大ボリューム感はBlu-rayディスクを採用したPS4/PS3ソフトだからこそ実現出来たと言っても過言では無いでしょう。
ダウンロード版の容量はPS4版が18.2GB、PS3版が16.1GBになります。
Blu-rayディスクは片面1層25GBなので、1層の大半を使用しているじゃないですか!?
惜しいところ
ダンジョンが長過ぎる
ダンジョンは大幅にパワーアップしていますが、その分だけ冗長に感じました。
とにかく長い!長過ぎる!
普通にプレイしたらどのダンジョンも5時間はかかってしまいほどですからw
様々なギミックを用意しているので単調には感じません。
ですが、道が狭いせいで戦闘を避けにくく、イベントシーンも豊富に用意されているので1つのダンジョンだけでお腹一杯になってしまいました。
この辺りは良くも悪くも3DダンジョンRPG時代のノリが抜けきれていない印象です。
3DダンジョンRPGはMPゲーと言えるようなバランスとなっています。
MPが無くなったら拠点に戻って全回復する。
3DダンジョンRPGではそれを繰り返しつつショートカットポイントを作って少しずつ最深部へ進んでいくレベルデザインが特徴となっています。
本作でも同じようなレベルデザインを採用しているんですが、演出過剰になり、アクションアドベンチャーゲーム的な要素が強化されたことで1つ1つが冗長とも言える長さになってしまいました。
今作でもダンジョンクリアまでの期限日が設定されているので、MPが無くなったら拠点に戻る3DダンジョンRPG的なレベルデザインとマッチしているのは確かです。
でも、感覚的にはもう少しコンパクトにしても良かった気が?
このように各ダンジョンはボリューム満点なので、一気に進めようとはせず、適度に現実世界で人間活動を楽しみながら進める事をおすすめします。
ランダム生成ダンジョン(メメントス)が単調で眠くなる
メインとなるダンジョンは手作業で作られていますが、一方ではランダム生成ダンジョン(メメントス)も別途で用意されています。
その点は問題ないんですが、クリア必須であるうえ続けてプレイしていると単調で眠くなってきましたw
というのも驚くほどのフロア数があるうえに単調な車の音が鳴り響くからです。
ランダム生成ダンジョンは序盤から行けるので、行ける時は行くことをおすすめします。
面倒だからと言って終盤までほったらかしにして置くと後で一気に進めないといけなくなりますからw
ぼくの場合、まさにそのパターンで最後は地獄を見ました。
この感覚、夏休みの宿題を最後までほったらかしにして最終日泣きを見るのと似ているかも!?
カバーポジションがやりにくい
ダンジョンではカバーポジションが出来ますが、使いにくい!
どこでできるのか分かりにくく、カメラが近いせいで全体を見渡しにくく感じます。
そのため敵に見つかってしまい、不意打ちしようにも逆にやられて先制攻撃をされてしまうことがありました。
ここで問題になってくるのが、メリハリのある戦闘のバランス調整。
前述の通り本作の戦闘はダメージを受ける時はトコトンダメージを受けてしまうので、先制攻撃をされるのは致命的なんですよ。
余程高レベル出ない限りは致命傷を負う可能性が高いので、カバーポジションがやりにくいのは厳しいです。
全体のまとめ
PS2「ペルソナ4」から約8年。
この間、JRPG界隈は目まぐるしく変わっていきましたが、本作の場合、どこを変えてどこを守るのかの取捨選択が非常に上手く出来ていました。
それが出来ていないJRPGは嫌になるほど見てきたので、2010年代のJRPGとして見ると奇跡的な完成度に感じます。
力が入り過ぎなので軽い気持ちで手を出すと最後までプレイするのは困難ですが、定価9,000円弱という価格設定でも割りに合った内容に感じました。
守るべきところは守り、あらゆる部分がパワーアップした超大作!
こんな人には特におススメ。
・大作RPG好き。
・厨二好き。
こんな人にはおススメできない。
・長いゲームが苦手な人。
ペルソナ5/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約80時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
今回は星9ですか
ゴールが見えている分、個人的にはそこまで長く感じませんでしたが、ボリュームがありすぎるのも考えものということですね。
まだクリアしてないんですけどね…ごめんなさい