
ドンキーコング リターンズ/Wii
2010年12月に発売されたWii「ドンキーコング リターンズ」を今回はレビューします。
Wii「ドンキーコング リターンズ」はドンキーコングが主人公の横スクロールアクションゲームです。
製作は「メトロイドプライム」で知られるレトロスタジオが担当。
2013年6月には3DS版が発売。
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- ゴリラを操作してゴールを目指していく2Dアクションゲーム。
- SFC「スーパードンキーコング」を意識した演出が満載。
- Wiiリモコンのモーション操作を使ったアクションが存在。
初リリース日 | 2014年2月14日 |
対応ハード | Wii |
ジャンル | 2Dアクション |
推定クリア時間 | 15~20時間 |
売上 | 累計95.2万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
帰ってきたスーパードンキーコング
1994年末に発売され、空前のヒットを記録したSFC「スーパードンキーコング」。
本作の好評を受けて1994年末から1996年末まで3年連続でシリーズ作品が発売になりましたが、それ以降はパタッと新作が途絶えてしまいました。
正確にはGB/GBAで移植作品やリメイク作、アレンジ作が発売になったものの、どうにも小粒感があったんですね。
「ドンキーコング」シリーズ作品としてもリズムアクションやレースゲームなど道草を食ってばかりで正当な作品は一向に発売されなかったんです。
そんな中で2010年末に発売されたのがWii「ドンキーコング リターンズ」。
懐かしの正統派2Dアクション、緑を基調にしたパッケージデザインなどSFC「スーパードンキーコング」のリブート作を思わせるようなプロモーションがなされ、ファンとしては待望のシリーズ最新作でした!
おかえりなさい
本作に対しては思わずそう口に出したくなります。
時代の流れに逆らった鬼畜な難易度調整
ゲームの低難易度化が進んでいた2010年。
あらゆるものがオートになり、ゲームオーバーのリスクや被ダメージ量の低下などによって難易度がどんどん下げられ、幅広い層が楽しめるようなゲームが増えていました。
そんな中で発売されたWii「ドンキーコング リターンズ」は良い意味でスーパーファミコン時代の「スーパードンキーコング」を踏襲した難易度設定となっていて、トライ&エラーが楽しい作りになっています。
その難易度の高さは1ステージで10回ミスは当たり前と言っても良い程。
しかし、何故ミスしたのか納得できるような作りになっているため、ついついやり続けてしまいます。
この感覚はファミコン/スーパーファミコン時代によく見られた高難易度2Dアクションゲームそのもので、懐かしい気持ちになれましたね。
まさにドンキーコングリターンズ!
初心者への救済措置が充実
難しい!と聞くとアクションゲームが苦手な方は躊躇してしまうと思います。
しかし、これには訳があるんです!
というのも本作の場合、通貨を集める事で冒険を有利に進められるアイテムを購入できるようになっているうえ、1ステージで8回ミスをするとお手本プレイが使えるようになっているから。
それでも後半のステージは厳しいと思いますが、このような救済措置を取り入れたからこそ2010年という低難易度化が進んでいた時代でも基本難易度を高くする事が出来たんですね。
パワーアップした手触り感
あ・・・気持ち良い!
本作は「スーパードンキーコング」シリーズ3作と比べて手触り感が良くなっています。
というのも本作の場合、敵を踏みつけると「ポコッ!」という気持ちの良い音が鳴り響き、GC/Wii「ドンキーコング ジャングルビート」で見られた”ボコスカアクション”も存在するからです。
「スーパードンキーコング」シリーズ3作はそこまで爽快感を重視した作品ではなかったので、初めて本作をプレイした時はその心地良さに驚きましたね。
プレイ感覚は純任天堂製タイトルそのもので、海外スタジオが製作しているとは思えないくらい。
奥行きを活かした仕掛け
ハードがスーパーファミコンからWiiに変わった事で最もパワーアップした点がここ!
ステージの中にはタル大砲を使って奥へ行ったり、奥から津波が押し寄せてくるなど奥行きを活かした仕掛けが前作以上に増しました。
巨大な球が転がって来たり、オブジェクトが爆発したりとスーパーファミコン版には無かった迫力のある演出も満載で、2Dアクションゲームでありながらもフル3Dポリゴンで作られている事への恩恵を味わえるようになっています。
プレイ中は1つのアトラクションを体感しているかのようでした。
リニューアルされた探索&やり込み要素
スーパードンキーコングシリーズと言えば探索&やり込み要素!
ステージをくまなく探索してボーナスステージや「DKコイン」「クレムコイン」「バナナバード」などを発見・収集して楽しんだものです。
本作ではそんな探索&やり込み要素がリニューアルされました。
収集アイテムの面で大きな変化が、「K・O・N・G」パネルの存在意義とパズルピースの追加。
「K・O・N・G」パネルはこれまでの作品ではすべてを集めても1UPしかせず、あまり意味のない存在でしたが、今作ではすべてを集めると隠しステージが追加されます。
パズルピースに関しては1ステージですべてを入手する事でおまけモードのイラストなどがアンロックされるようになるので、こちらもやり込むうえでは重要なアイテム(アンロックされるイラストの種類は少ないですが)。
さらに今作ではタイムアタック&ミラーモードというやり込み要素も追加されました!
タイムアタックは一度クリアしたステージで挑戦する事が可能。
ゴールド、シルバー、ブロンズ、そしてスーパーゴールドといったランク機能も付いているうえにリプレイ機能も搭載されているので、やり込むと結構燃えます。
ミラーモードはすべてのステージをクリアすると出現するエクストラモード。
各ステージが反転するだけでは無く、ディディコングの手助け、アイテムの使用が不可能になっており、一度ダメージを受けるだけでミスになるので難易度はAAAランクになっています。
ミラーモードのステージをすべてクリアすると達成率が200%になるので、完璧主義な方はミラーモードのステージもすべてクリアしなくてはなりません。
ちなみにミラーモードのステージで「K・O・N・G」パネルをすべて獲得すると青メダルが貰えます。
よって、単にステージをクリアするだけではなく、アイテムもしっかり集めないと完全クリアはできないようになっているんですね。
これらのやりこみ要素によって完全クリアの難易度は「スーパードンキーコング」シリーズ3作をさらに上回る物になっていて、ちょっとやそっとじゃ達成出来ません。
惜しいところ
振る操作で煩雑化した操作方法
今作の操作はちょっと煩雑です。
というのも今作ではハンドスラップ、ローリング、そして新しく加わった”吹く”アクションはいずれもWiiリモコンを下に振らなければならないからです。
ボタン操作に慣れていると戸惑ってしまいます。
慣れたら少しはマシになりますが、これで面白さが向上しているとは思えず、単に操作が複雑化したようにしか感じられなかったのでWiiソフトとは言えボタン操作だけにしてほしかった。
※ちなみに僕はモーション操作否定派ではありません。振る操作が面白さに繋がっていればしっかりと評価します。
パターン化したボーナスステージ
ボーナスステージはこれまでの作品と比べてパターン化していました。
ボーナスステージのバリエーションを箇条書きで挙げさせて頂くと・・・
- トランポリンでジャンプして空中に浮かぶアイテムを入手する。
- タル大砲を行き来して空中に浮かぶアイテムを入手する。
- ベルトコンベアを登りながらアイテムを入手する。
- 高低差のあるマップに散らばるアイテムを入手する。
- 発射すると上に向かって吹っ飛ぶタル大砲を使ってアイテムを入手する。
たったこれだけなんです!
過去の作品ではボーナスステージによってそれぞれ違ったステージになっていましたが、今作の場合は上記のように完全にパターン化しており、背景だけが変わって中身は同じのボーナスステージを10回はプレイしました。
終盤はちょっと飽きて来たのでもう少しバリエーションが欲しかった。
雰囲気ゲーとしての楽しさがやや薄れた
スーパーファミコンで発売されたシリーズ3作は雰囲気ゲーとしての良さもありました。
でも、本作のBGMはデビット・ワイズ氏によるものでは無く、軽いノリだった「~ジャングルビート」に近い物に変わっているため雰囲気ゲーとしての楽しさがやや薄れています。
全体的に明るさが増しているけど、「スーパードンキーコング」シリーズの良さってどこか陰湿な雰囲気によるところもあったので物足りなさを感じてしまいました。
過去作のアレンジ曲や過去作を踏襲した雰囲気のステージが用意されていて頑張っている面もあるのですが、もう一味欲しかった。
全体のまとめ
「スーパードンキーコング」シリーズ3作に思い入れのある者としては変更点に関して色々と思う事はあるのですが、ゲームとしてのやり応えが大幅にパワーアップしているので、トータルで見たら過去作と同じくらい気に入っている作品です。
当時としては久しぶりに歯ごたえのある任天堂のアクションゲームだったので、その手のゲームが好きな者としては発売されて嬉しかった!
低難易度化が進んでいた2010年。まさか任天堂からこんな難しいアクションゲームがまた発売されるとは思ってもいませんでした。
時代の流れに逆らいながら帰ってきた高難易度な任天堂製2Dアクションゲーム!
こんな人には特におススメ。
・歯ごたえのあるアクションゲーム好き。
・「スーパードンキーコング」シリーズのファン。
こんな人にはおススメできない。
・「スーパードンキーコング」シリーズに雰囲気ゲーとしての価値しか見出せない人。
・ジャンプアクションゲームが極端に苦手な人。
ドンキーコング リターンズ/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約25時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
DKRは当時、衝撃的でした!またスパドンが復活するなんて!
発売当時の僕はすでに一時的にゲーム離れしてたのでちょっとすぐ遊べなかったのは悔しかったなぁ( ̄O ̄;)
でもそのあと、2012年頃に弟のプレゼント?と称して買ったり、その翌年に3DS版を買ったりできたのでそれで楽しみました。
DKRはスパドンの新作かというとどっちかというと「newマリ」のような位置付けだと思いました。ちらちらと懐かしいのだけれど、しっかりと今どきのゲームになってるというね。
操作はちょっとWii版は苦手でした…。せめてボタンオンリーのクラコン操作があっても良かったと思いました。一応、スパドンの精神的続編という宣伝なのにそこはおかしいと思ったし、これだからWiiは「とにかくリモコン振ればいいんでしょ?」と揶揄されちゃうんだよって思いました。
他にも1ステージが長めで胃もたれしたり、BGMの雰囲気が全体的に陽気になったりしまいましたので、全体的な評価はWii版は☆6/10ぐらいかなぁ。
操作性が改善されて、救済措置の多くなった3DS版は☆7/10です。
3DS版はベタ移植で全体的にインタフェースの文字やドンキー自体が小さめなのが欠点…。でもグラフィックがブレブレだった3DS版の「レイマン オリジン」に比べたら、普通に楽しめます。今やるなら、3DS版ですかね。