

Switch/Wii U「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」とPS4「ホライゾン ゼロ ドーン」。
両者が共通しているのはオープンワールド型のアクションゲームである事だけなんですが、一部ではやたらと対立させている印象です。
どちらもファーストメーカーから発売されたとっておきの大作タイトルで、発売日がほぼ同時だから無理もないのかもしれませんが、両方ともしっかりとプレイしたうえで比較している人は多くありません。
そこで、本記事ではそれぞれをしっかりプレイした僕が両者の優れているところ、劣っているところを語って行きたいと思います。
参考にSwitch/Wii U「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、ゼルダ)は120個の祠&写し絵の場所をコンプリートし、PS4「ホライゾン ゼロ ドーン」(以下、ホライゾン)はプラチナトロフィーを獲得しました。それでは比較していこうと思います。
目次
VS:グラフィックの美しさ
単純な比較は出来ませんが、ホライゾンの方が分はあると思います。グラフィックの書き込みが素晴らしく、植物は葉っぱの1枚1枚がしっかりと描かれていて、機械の質感も細かいですからね。
何よりも迫力が凄い!10Mはある大型の機獣がドスドスと地響きを立てて襲いかかり、しかも、複数体が仲間割れを犯す事もあるのだからビックリします。それでいて処理落ちは少なく、技術力の高さを感じられました。
ゼルダの場合、書き込みでは劣りますが、日本らしいアニメテイストのグラフィックが魅力的です。全体的に黄色い靄がかかっているけど、それが独特な暖かさ・爽やかさを表現していて、アートにもなります。草木の書き込み、なびき具合もお見事!
ただ、処理落ちがやや気になり、パフォーマンスの面では少し不満があります。
VS:フィールドの密度
フィールドの密度はゼルダに分があると思います。ホライゾンの場合、各エリアに素材アイテムや機獣を設置して密度を高めている印象ですが、”ならでは”の仕掛けは少なく感じました。
収集アイテム1つのためだけに体育館や湖レベルのスペースを開けている事も珍しくはなく、素材アイテムや機獣を無視したらスカスカ感が出て来ます。
対するゼルダの場合、隠し方のバリエーション豊かな900個の収集アイテム、120個のダンジョン、70種類以上の敵(大型含む)、素材アイテムなどが設置されていて、そのエリア”ならでは”の仕掛けが多く感じられ、密度がありました。
また、フィールドの作り込みもゼルダの方が強く感じられ、フチの目立たないようなところにも秘密が隠されていたり、高低差が激しく、手が込んでいます。
そのためフィールドを冒険している感はゼルダの方が強く感じられました。
VS:戦闘の面白さ
戦闘の面白さはホライゾンに分があると思います。何と言っても機獣との戦いが熱すぎる!
弱点を調べて弓矢で狙い撃つのも良し。こっそりと忍んで近接武器で大ダメージを与えたり、罠を設置して隙を作るのも良し。
部位を破壊して敵の攻撃を封印するのも良し。機獣をハッキングして味方にするのも良しと戦略性が高く、同じ敵でもいろんな楽しみ方が出来ます。
対するゼルダも戦闘の自由度は高いと思います。150種以上も存在する武器を使い分けて戦うのも良し。
リモコン型爆弾や弓矢で遠くからチクチク攻撃するのも良し。敵の武器を奪って戦うのも良し。
フィールドの仕掛けを利用して戦うのも良しと、戦略性は高く感じられました。ただ、遊びとしては戦闘に特化したホライゾンと比べるのは分が悪いです。
VS:遊びのバリエーション
遊びのバリエーションはゼルダに分があると思います。ホライゾンの場合、戦闘面に力を注いでいる一方、それ以外の遊びは控えめに感じました。
最低限のアイテム収集・探索、謎解き、アスレチックがあるくらい。移動も基本は走るのがメインで、たまに半分オートのクライミングアクションをするくらい。
対するゼルダは戦闘以外にも様々な遊びが用意されていました。特筆したいのがギミックを活用した謎解きです。
120個もある祠では複数のアイテムを組み合わせて謎を解く高度な謎解きが用意されていて、発想の転換が必要でした。
それ以外にもスタミナゲージの減少を気にしながらのクライミングアクション、10種類以上のミニゲーム、様々な乗り物を活用してのボス戦など、趣向を凝らした展開が多く、飽きにくく感じます。
VS:ストーリーの完成度
ストーリーの完成度はホライゾンに分があると思います。SFファンタジーなので好き嫌いは分かれると思いますが、主人公の生い立ちや目的、主要キャラクターとの出会いが丁寧に描かれていて、意外性もありました。
サイドストーリーの作り込みも見事で、シナリオとしての完成度は高く感じます。
対するゼルダも主人公と共に記憶を思い出して目的が明らかになる過程は素晴らしいけど、全体的にプロットがシンプルで既定路線な感じは否めません。
それでも物語に説得力を持たせるための世界設定が作り込まれているし、演出も感動的で余韻に浸れる作りなんですけどね。
キャラクター性はゼルダの方が強く感じられました。ホライゾンのキャラクターはさほど印象に残らなかったけど、ゼルダの場合は強烈なので印象に残ります。
VS:ボリューム
ボリュームはゼルダに分があると思います。メインのストーリーだけを進めようと思ったらホライゾンと同程度なんですが、脇道のボリューム感が凄い!
サブクエスト的な物の数は大差ないけど、ゼルダの方が遊びのバリエーションが幅広く、収集アイテムやミニダンジョンの数が多いため、ボリューム感は上回ると思います。
ホライゾンの場合、プラチナトロフィー獲得に約42時間。すべての要素をコンプリートしようと思ったらおそらく50~60時間程度なのに対し、ゼルダの場合は100時間を超えると思います。
VS:キャラクターを成長させる楽しさ
キャラクターを成長させる楽しさはホライゾンに分があります。何と言っても大きいのは、経験値とレベルのシステム!
レベルが上がっても攻撃力が増える事はないんですが、体力の最大値が少しだけ増えて、スキルポイントがもらえるんです。
スキルポイントを使う事で強力なアクションや特殊能力が手に入るので、成長させる楽しさがあるんですよね。
対するゼルダの成長要素は体力の最大値とがんばりゲージのみ。それ以外は装備やアイテムを使って補助する感じで、成長させる楽しさは薄く感じました。
ホライゾンとは違って経験値の概念が存在しないのもポイント。そのためコツコツと同じ敵を倒し続ける楽しさは薄いです。
VS:探索の楽しさ
探索の楽しさはゼルダに分があります。何と言っても大きいのが、マーカーで行き先がほとんど表示されない事。
オープンワールドゲームでクエストを進行する場合、次の行き先がマーカーでゲーム画面に表示されるものですが、本作ではそれがないんです。最低限の目的地が地図に記されるのみ。
住人に話をかける事でヒントを貰うことができるので、昔ながらの手法で探索が楽しめるんですね。
あと、祠探しが面白い!祠に近づくとレーダーが反応するんですが、逆に離れると反応が弱くなり、どこにあるのか良い感じに分からなくなっています。
隠し場所も多彩で、高台にあるだけではなく、分かりにくい抜け穴にあったり、謎解きで出現させないと出てこないから探し甲斐がありました。
対するホライゾンはマーカーに向かって進んでいけば良いだけで、たまに発生するエリア内のアイテム探しも平坦なマップを適当に歩いたら見つかるような感じで探索の面白さはそこまでありません。
VS:寄り道の楽しさ
寄り道の楽しさ。これは、どちらも非常に高い水準だと思います。
それぞれサブ要素に独自の遊びが盛り込まれているし、本編の難易度を緩和する役割も果たせるので、導線がしっかりしているんですよね。
共通して言えるのは、どちらも難易度が高い事。そのため寄り道をする必然性が生まれているし、ゲーム進行を有利にするアイテムが手に入ったら有難味を感じられて嬉しくなるんですよ。
これがヌルゲーだったら寄り道をする必然性を感じられず、レアアイテムを入手した時の有難味も薄れて喜べませんからね。
並行プレイしていると感じてしまう両者の欠点
ゼルダ→ホライゾンの場合
自由に崖を登れないのか!?
⇒ゼルダでは基本、自由に崖を登ってショートカット出来ます。ホライゾンでは特定のポイントでしか出来ず、それが探索性を高めているんですが、ゼルダ病にかかるともどかしく感じるかも。
フィールドがスカスカ!
⇒ゼルダのフィールドには沢山の遊びが隠されています。岩を持ちあげたり、ハスの葉に囲まれた池に飛び込むなどちょっとでも怪しいと思ったところでは何かしらの反応が返ってきて、そのエリア”ならでは”の仕掛けが沢山ありますからね。
対するホライゾンは500M移動してようやくそのエリア”ならでは”の仕掛けや収集アイテムが隠されているくらいで、スカスカな感じがします。
イベントシーン長い!
⇒ホライゾンは特にゲームの導入部分が説明的で、開始直後、すぐに広大なフィールドを冒険できるゼルダに慣れてしまうとブーストのかかり具合が遅く感じてしまいます。
そのエリアならではの遊びが少ない!
⇒集落の数はホライゾンの方が多く感じられました。でも、その集落ならではの遊びは少なく、無造作にサブクエストやお店があるだけ。
その集落専用の謎解き要素やミニゲームなどはなく、いくつかのパーツを組み合わせて作られているかのような印象でした。住人にも個性を感じられません。
ホライゾン→ゼルダの場合
敵を倒しても経験値が入らないの?
⇒ゼルダは敵を倒しても経験値が入りません。その代わり強い武器や素材アイテムが手に入りますが、ホライゾンほどは戦う必然性がありません。コツコツと敵を倒す楽しさに慣れてしまうと物足りなさを感じるかも。
馬は遠くへ行ったら呼び戻せないの?
⇒ゼルダは馬から離れすぎると呼び戻すのが困難になってしまいます。その代わりエリアごとに設置されている馬宿では簡単に呼び戻せますが、探索を始めたばかりだと面倒に感じるでしょうね。
武器も壊れるのかよ!?
⇒ゼルダは武器や弓矢、盾に耐久性があります。そのためホライゾンに慣れていると使い捨てなのが気になってくるでしょうね。
どちらの作品も素材アイテムを組み合わせて回復アイテムを作るなど自給自足のシステムを採用しているので、面倒さは感じられると思いますが。
がんばりゲージが邪魔!
⇒ゼルダではダッシュするのも、崖を登るのも、湖を泳ぐのもがんばりゲージを使用します。これがなくなったら息切れしたり、落下したり、溺れたりするので、そういうものがないホライゾンに慣れれしまうと邪魔に感じるかもしれません。
全体のまとめ
全体をまとめると、どちらも最高に楽しい作品であるという事です。
ホライゾンは戦闘ゲームとして。ゼルダは冒険ゲームとして最高峰に位置する作品で、どちらも尖った魅力を感じられました。
あえてそれぞれの面白さを数値化すると・・・
こうなりました、それぞれにズバ抜けて良い点もあれば平凡な点もあって、ゲームに何を求めているのかで評価も変わってくると思います。
ただ、どちらも非常に面白く、2017年を代表する作品だと思うので、ゲームファンであればプレイした方が良いです。これだけはハッキリと言えます。
僕なんかどちらもハマり過ぎてプレイを始めたのが夜だったのに、日付が変わって朝になっていたなんて事がそれぞれ2回くらいありましたからね。
こんな素晴らしいゲームが一気に発売されるなんて、呑気にお気楽なモバイルゲームをやっている暇なんてありません!
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当ブログではどちらのタイトルもレビュー記事を公開していて、それぞれ、満点評価となっています。どちらも凄く力を入れて記事を書いたので、ぜひ、ご覧になってください。
分かり易い記事ありがとうございます!
今まさに両方を同時プレイ中(一日にプレイ出来るのは2〜3時間)で両方クリア出来てないですが
概ねkentさんと同じ意見です。両方を交互にやっている自分もやればやる程両者のいいとこ悪いとこが見えてきます。
ただ言えるのは、どちらも面白く多少の欠点は面白さが補っている事ですね。
やはりゲーム好きな方には両方プレイして欲しいですね。