銃声とダイヤモンド/PSP
2009年6月に発売されたPSP「銃声とダイヤモンド」を今回はレビューします。
PSP「銃声とダイヤモンド」は交渉人となって人質を取って立てこもった犯人などを説得して事件を解決して行くアドベンチャーゲームです。
シナリオの監修・演出は「街 ~運命の交差点~」、「かまいたちの夜」などで知られる麻野一哉氏が担当。
目次
良いところ
先が気になるストーリー
ストーリーは先が気になる作りでした。本作は交渉人となって人質を取って立てこもった犯人などを説得して事件を解決していく内容である関係上、殺人、裏切り、誘拐などが続出して各キャラクターがその後、どうなってしまうのか気になってしまいます。
サスペンス物が好きな人は間違いなく楽しめるストーリーだと思う。ちなみに最近のゲームにありがちなギャグ要素は少なめです(麻野さんの作品らしく、主人公はどこか抜けてますが)。
心理学を勉強したくなる交渉パート
本作で目玉となっている交渉パート。このパートはリアルタイムで展開され、用意された選択肢を選ぶ事で犯人がそれに応じた反応を返し、その後の展開が変わるので本当に交渉人になっているかのような気分を味わうことが出来ました。
その時の状況に応じた選択肢を適切なタイミングで選ばないと犯人が興奮して人質に危害を加えるので、何をどうしたら落ち着くのか心理学を勉強したくなります。
細かく切り変わって行く相関図
本作には数多くのキャラクターが登場し、人間関係は非常に複雑な物になっています。
が、常に相関図を確認する事が可能で、しかもちょくちょく更新されて行くため例えストーリーを忘れてもこれを見ればある程度は思い出すことができるので親切に感じました。
また、アドベンチャーゲームでは常識とも言えるバックログ機能、スキップ機能(※2周目から使用可能)も付いており、ノベルパートのインターフェースは気を使って作られていたと思います。
惜しいところ
理不尽な交渉パート
交渉パートは理不尽なところがありました。
犯人と1対1で対峙する交渉パートはリアルタイムで進行して行き、状況によって話しかけれる内容が変わって緊迫感が味わえ発想は良いと思うのですが、一部の交渉パートを除いてヒントが無いため何を選んだら状況が良くなるのか分かり難く、運勝負のところがありました。
出来ればすべての交渉パートでヒントを無条件でくれるようにしてほしかった。
そもそも、プレイヤーは主人公と一心同体ではなく心が通じ合っている訳ではないので、選択肢が出ても自分が思っているような台詞を放つ事はそんなに無いんですよね。
犯人との交渉をゲーム性に落とし込んだのは評価したいですが、まだまだ課題が多いと思いました。
不親切な仕様
全体的に不親切なところがありました。例えばチャプター5以降に進むにはチャプター1~4の一部交渉パートで高評価を獲得しなければなりません。
交渉パートの重要性を高めてはいますが、人によってはゲーム性がストーリーの邪魔をしていると感じるかもしれません。また、バックログも短めなのも気になりました。
バッドエンディング集めの面倒さ
交渉パートで間違った選択肢を選ぶとバッドエンディングに突入します。
バッドエンディングの種類は70種類以上にも及び、これを集めて行くのがクリア後の主なやり込み要素となっていますが、前述の通り何を選べば状況が変化するのか分かり難く、バッドエンディング集めが非常に難しくて苦痛な物になっています。
そのバッドエンディングもアッサリとした物が多く、すべてを見た後に出現する「おまけ」モードを目標にしない限り集める意欲も出て来ません。
もっとゲームへの介入要素が欲しい
本作はノベルパートと交渉パートの2つに分かれています。
比率で表すとノベルパートが8~9割の一方、交渉パートは1~2割しかありません。そのためノベルゲームにミニゲームが加わったような内容になっています。
選択肢の無いノベルゲームに慣れている人は何の疑問も感じないかもしれませんが、個人的にはもう少しゲームに介入できる要素が欲しかった。例えば交渉パートのヒントを探す探索パートとか。
ノベルパートは自動送りにしていたので、ゲームを”やる”と言うより”見る”ゲームでした。
キャラの動きが平面的
このゲーム、停止画を見るとキャラが立体的で綺麗に思うかもしれません。
でも、実際には1枚絵になっており、動きが少ない上に動き自体も平面的で初めて見た時はちょっとガッカリしました。カメラアングル自体はよく動くので、見ていて退屈はしませんでしたが・・・。
全体のまとめ
交渉人になって物語を進めていくという発想は良いと思いました。しかし、交渉パートには課題がまだ多く、そもそも、量が少ないので過度な期待は禁物です。
それよりもノベルパートのストーリーが面白いので、そちらをメインに楽しんだ方が良いでしょうね。交渉パートはミニゲームと思ったほうが良いです。交渉ミニゲーム付きノベルゲーム。
こんな人には特におススメ。
・サスペンス好き。
こんな人にはおススメできない。
・ゲーム性重視の方。
・忍耐力のない方。
銃声とダイヤモンド/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約25時間
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
最後の「こんな人にはオススメできない」の項目に、「忍耐力のある方」と書いてあるのは、「忍耐力のない方」の間違いでは?
どなたも書いていないようなので私がおかしいのかも?
くだらないコメントでスイマセン・・・気になってしまいましてw
>アイアンさん
あ・・・いえ、自分の間違いだったので訂正しました。
書き込みが無いのは・・・
発売から時間が経った作品で、
しかもマイナーだからなのかも・°・(ノД`)・°・
わざわざご指摘コメントありがとうございます。
とても感謝しています^^
428をクリアした勢いでプレイしましたが、どうやら僕は忍耐力がない人みたいで挫折しました。というか、序盤の掴みが好みでなかったですね。
ただ、子供はクリアしたみたいです。
挫折してしまいましたか・・・
僕は体験版をプレイして掴みが良いと思ったから購入したんですよね。
お子さんはクリアされたんですか!?
こんな難しいゲームを・・・凄い。
このゲームは私が中学生になり、PSPにはまっていたときにPSネットワークやファミ通でかなりプッシュしていたので覚えています。でもあの当時は逆転裁判のようなゲームが苦手でキャラデザにものれなかったのでスルーしちゃいました(^◇^;)…でも改めてレビューで本作を見ると交渉パートが難しそうだなぁ。ストーリーパートの比重が大きいのに交渉パートで高得点を出さないと5章以降の先に進めないのはシビアだと思います。
懐かしいゲームをレビューしてしまいました。
このゲームはあまり子供だと難しく感じるでしょうね。
僕も中学生だったらクリアできていなかったかも(^_^;)
そう感じてしまうのが高評価じゃないと5章以降に進めない仕様です。
ほんとね。確かにストーリーは面白かったですけど、交渉はどうなるかわからない緊張感があるくせに答えが一つしかないってなんとも…
高評価を狙うようになると、たった1つの答えを見つけ出すような感じになってしまいますもんね。
システムは面白かったけど、もっと広がりが持てそうな感じがしたので惜しく感じます。
10年ほど前くらいにクリアしました
評判みてから買いましたが自分は楽しめた方ですね
ストーリー良ければゲーム性はさほど気にならないんですよね
交渉パートも他にはない駆け引きが緊張感となって楽しめたので独自性も評価したいです
街などと比べると知名度は低いですが、シリアス重視で飽きることなく、スピーディーな展開は他と比べても、面白さはひけをとらないと思います
バッドエンドコンプはやろうとすると確かに面倒くさいかもしれませんね
僕はスルーしました
アドベンチャーは日常パートなどで無駄にプレイ時間を伸ばしたりする作品が多い中、これはサクッと遊べて中身が濃いのも良かったですね
このゲーム、もう、そのくらい前の作品になるんですよね・・・
ストーリーは良く出来ていたので、僕もそれなりに高く評価しています。
僕は体験版の交渉パートが決め手で購入しました。
それだけ光るものはありましたね。
売上の方はかなり厳しく、このゲームを今回の記事で初めて知った人もいそうです。
バッドエンドコンプはPSPだとトロフィーもあるのでやる気になれませんでしたw
当時は完全なノベルゲーをほとんどプレイしていなかったので、本作のサクサク感はそこまで有り難みを感じていませんでした。
今、プレイしたらテンポの良さを感じそうです。
個人的に隠れ2大良作推理ゲームの1つです。(もう一つはミッシングパーツ)特にストーリーが素晴らしいのでドラマ化して欲しいぐらいです。
ゲーム部分は楽しめたもののある程度時間が確保できる環境ではないと厳しいなどまだまだこの分野は改善の余地ありますね。ただ続編が無く、交渉を題材にした作品が少ないので高望みですが。
当時は埋もれてしまった良質なアドベンチャーゲームが数多く出ていましたよね。
今ではほとんど見かけないのが残念です。交渉を題材にしたゲームは可能性、あると思うんだけどなぁ。