朧村正/Wii / PSVITA
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2009年4月に発売されたWii「朧村正(おぼろむらまさ)」のレビューをしていきます。
本作は純和風な世界を舞台にしたアクションRPGですが、古き良き日本を舞台に疾走感のあるアクションを楽しめる良作でした!
長い歴史を誇る家庭用ゲーム機市場。
21世紀に入るとグローバル化が進み、日本らしい世界観の作品が減ってしまいます。
また、映像技術に3Dポリゴンを使用するケースが増えていき、2Dグラフィックで描かれた作品は影を潜めてしまいました。
そんな中で発売されたのが今回レビューするWii「朧村正」。
本作は江戸時代の日本を舞台にしているうえ、美麗2Dグラフィックで描かれているんです!
純和風な世界観×2Dグラフィック。
当時としては珍しいもの同士の組み合わせになるので、唯一無二の魅力を感じられました!
ここからはそんなWii「朧村正」の良いと思った点からまずは書いていきます。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
- 江戸時代を舞台にした横スクロールのアクションRPG。
- 3本の刀を切り替えて戦っていく。
- 主人公は2人存在。ストーリーも2種類存在する。
初リリース日 | 2009年4月9日 |
対応ハード | Wii/PSVITA |
ジャンル | アクションRPG |
売上 | 初週2.7万本/累計4.5万本(Wii) |
推定クリア時間 | 8~10時間(1周) |
発売元 | マーベラス |
目次
良いところ
とことんこだわり抜いたグラフィック・アニメーション
「こんなゲームを待っていたんだ!」
時は遡ること2007年。ぼくはニンテンドードリームに掲載されていた本作の初報を見て一目惚れをしました。
何故かと言うと世界観や映像表現に惹かれたからです。
夕日に照らされたすすきヶ原、怪しく光る町並み etc…
誌面に掲載された数少ないスクリーンショットを見て興奮したのを覚えています。
実はぼく、老後の楽しみとしてすすきヶ原に家を建てて暮らす夢を持っているんですよ。
それだけに本作を初めて見た時は興奮しました!
世界観が和風なのは言わずもがな。
2009年の据え置き機向けタイトルとしては珍しく全編2Dグラフィックで描かれていることに大きな魅力を感じました。
しかも単なる2Dグラフィックではないんですよ。
スーパーファミコンでは絶対に実現できないほどの滑らかな映像表現を実現していたんです!
古き良き日本の世界を美麗2Dグラフィックで楽しめる。
それだけで本作には大きな価値を感じられます。
もちろん、BGMも和風の美しいサウンドなので、目から耳まで世界に浸っていけますよ~!
お腹が空く食べ物のグラフィック
和風の世界観ばかりに目が行きますが、何気に見逃せないのが食べ物のグラフィック。
道中では「茶屋」「料亭」といった休憩所が存在します。
そこでは体力を回復できるんですが、食べ物のグラフィックが最高に飯テロなんですよ!w
食べ物はボタンを押すことでひと口ずつ食べることが出来ますが、ひと口食べる毎にブヨブヨ揺れるんです!
おかげで食感が伝わってくるので、見ているとお腹が空いてきますw
爽快感と戦略性を追求した戦闘システム
ここまで世界観やグラフィックを中心に語ってみましたが、肝心のアクションも良く出来ています。
まず良いと思ったのが、疾走感。
主人公は忍者だけあって動きが素早く、縦横無尽に飛びながら刀を振り回すことが出来ます。
「無双」モードの場合、ボタンを連打するだけでも敵をバサバサ斬り咲くことができるので爽快ですよ~!
一方、「修羅」モードではボタン連打による攻撃だけでは勝てないようになっており、回避も重要になってきます。
個人的には「修羅」モードの高い戦略性が気に入りました!
上手く敵の攻撃を回避し、スキを見て斬りつける。
そんな忍者らしいアクションを体感することができるので、操作に慣れた頃には自分に酔いしれました。
爽快感だけを求める人は「無双」モード。
歯ごたえのあるアクションを求める人は「修羅」モード。
このように本作は2つのモードを用意することでそれぞれのニーズを満たしています。
刀を切り替えて戦う戦略性
「修羅」モードの戦略性が高いのは攻撃と回避を使い分けられるだけではありません。
刀を切り替えて戦うことも戦略性を高める大きな役割を果たしています。
同時に装備できる刀は3種類。
刀は種類によって攻撃力や必殺技が異なり、それぞれに長所と短所が存在します。
隙が少ないが攻撃力が低かったり、隙は大きいが攻撃力が高かったり・・・。
さらには攻撃力は高いのに必殺技の使い勝手が悪い刀も存在します。
このように刀は種類によって一長一短があるので、状況に応じて装備する戦略性を感じられました。
そんな戦略性をさらに高めるのが耐久値。
刀にはそれぞれ耐久値が存在し、0になると折れてしまいます。
そのため交互に刀を切り替えなければならず、1種類だけを使い続けることはできないんです。
ユーザーへの配慮が感じられるシステム
本作は戦闘をしながら目的地へ進んでいくのが主な流れとなっていますが、随所で配慮を感じられました。
例えば道中では常に次の目的地が地図上に表示されるんですよ。
没入感は削がれてしまいますが、左から右。あるいは右から左へどんどん進んでいく本作のゲームデザインにはマッチした配慮に感じます。
それ以外にも
- 新しいフィールドに訪れたらそれまでのあらすじが表示される。
- ゲームを始めると操作を一通りマスターできるチュートリアルをプレイすることができる。
- 戦闘中に刀が折れたり体力が少なくなったら文字で知らせてくれる。
と言った感じの気配りが見られ、丁寧に作られている印象です。
操作は少し癖があるけど、最初のチュートリアルを2~3回ほどプレイしたら自然とマスター出来ました。
テンポの良さ
2009年当時の据え置き機向けタイトルは何かとテンポが悪く感じました。
演出過剰なのはもちろん、光ディスクによるロード時間も長く感じましたから・・・。
ところが本作の場合、まるでロムカセットのゲームをプレイしているかのような素晴らしいテンポを実現していたんです!
画面切り替え時の読み込みはほとんどありませんし、エンカウントもほぼ一瞬ですから。
もちろん、処理落ちもほとんどありません。
当たり前のように見えるかも知れませんが、同時期に発売されたゲームと比較したら一目瞭然です。
雰囲気のあるボイス
本作には数多くのボイスが収録されています。
イベントシーンはもちろん、道中や村に居る住民まで!?
ボイスが収録されているゲームは数あれど、脇役にまで収録されているのは2009年当時のWiiソフトとしては珍しく感じました。
しかも収録されているボイスは江戸時代の雰囲気を意識した物なんですよ。
つまり、今の時代には使わないような難しい言葉を多用し、独特な”なまり”が入っているんですw
それ故に何を言っているのか伝わりにくいところはありますが、雰囲気は感じられました。
リプレイ性を高めるマルチエンディング
本作のエンディングは装備している刀によって変化します。
おかげで周回プレイをするモチベーションが生まれました!
プレイヤーキャラクターも鬼助と百姫の2人が存在するので、1周クリアしても繰り返し楽しめます。
ストーリー性はアクションゲームなのでそこまで高くありませんが、2人の主人公が絡んだストーリーは見る価値アリですぞ!
惜しいところ
道中の移動が単調
このように見どころ満載の「朧村正」。
しかし、戦闘以外の要素が淡白に感じました。
道中で戦闘以外にできることはちょっとしたアイテム探しや住人との会話くらい。
アクションゲームに多いギミック的な要素はほとんどありません。
そのため単調な印象が強く、もう少し仕掛けを用意してほしかった。
映像が美しいので、背景を活かした仕掛けが無いと淡白な印象が出来てしまうんですよ(敵が弱い「無双」モードでプレイしたら尚更)。
移動が面倒
本作は右から左。もしくは左から右へどんどん進んでいくんですが、だんだん移動が面倒になってきます。
というのもワープ機能の使い勝手が悪く、自由にステージからステージへ移動できないんですよ。
ゲームクリア後のやり込みとしてステージ巡りをすることになるので、ワープ機能の使い勝手が悪いのは困りました。
魔窟をクリアしているのか見た目では判断できない
各地には強い魔物が潜んでいるダンジョンの「魔窟」が存在します。
が、クリアしたのかどうかは画面上では区別がつかないようになっているんですよ。
「魔窟」はクリア後も入れるので、チェックマークを入れるようにしてほしかった。
本作で最高のエンディングを見るにはすべての刀を集めてレベルをほぼMAXにしないといけません。
それだけにこの辺りにも気を配ってほしかった。
背景の使い回しが多い
背景を力を入れ過ぎて力尽きたのでしょうか?
長くプレイしていると背景の使い回しが目立ってきます。
前述の通り本作は高速で各地を巡っていくんですが、異なるステージでも背景が似偏っているんですよ。
そのため実際のステージ数ほどバリエーションを感じることが出来ませんでした。
惜しいのが、画面の切り替えが多いこと。
もう少し切り替えを減らしたらそこまで使い回しが気にならなかったのかも知れないのに。
ボスとの会話シーンが蛇足
ボス戦前には敵陣との会話タイムが設けられます。
が、自由に敵陣と会話ができるのはゲームの緊張感を消し去っているような気がします。
これだったら立ち絵による会話イベントを強制的に挿入した方が良かったんじゃ?
これから自分たちが鬼に食われてしまうのに好きなタイミングで話をかけられるのは違和感があります。
全体のまとめ
長時間プレイすると単調さが気になってきますが、気軽にプレイする分には最高の作品。
サクサク爽快感を味わうのも良し!回避を駆使した緊張感のある戦いを楽しむのも良し!
アクションゲーム初心者上級者共に楽しめる作品で、グラフィック以外にも見どころ満載です。
余談ですが、本作のWii版が発売された直後は桜が見頃でした。
おかげで現実世界とシンクロしたような感覚を味わえたので、今もなお「朧村正」はぼくの中で2009年春の思い出として残り続けています。
古き良き日本を舞台に疾走感のあるアクションを楽しめる良作!
こんな人には特におススメ。
・爽快感を重視する人。
・和風好き。
こんな人にはおススメできない。
・単調なのが苦手な人。
朧村正/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約30時間
おまけ
Wii版「朧村正」の初回特典「特大 屏風型絵巻」を紹介!
Wii版「朧村正」には初回特典として「特大 屏風型絵巻」が用意されていました。
どんなものかというと、1m70cmに及ぶ絵巻です。
表面には主要キャラクターのビジュアルが。
裏面には脇役のビジュアルと背景のビジュアルが掲載されています。
惜しいのが、紙の質。
ファミ通の表紙程度の硬さなので、立てられるほど頑丈ではありません。
無料の初回特典なので無理もありませんが、屏風のように硬かったらもっと良かった。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
VITA版買いましたな
ヴァニアのゲームは素材はいいけど人を少々選ぶかなって思います
本当にそんな感じですね。映像面の作り込みが凄すぎてそこで開発工数がオーバーしていると言うか・・・
初めて見たときにSSのプリンセスクラウンみたいだなと思って調べたら作ってるとこ同じと解って速効買いました
あの頃街の続編の428とかSS時代の名作の系譜がWiiで出ることが結構あったんですよね
母数が大きかったからかな?どれもイマイチ売れませんでしたがw
朧村正は良いとこいっぱいあって大好きなんですがそれを補って余りある残念なところが多くて(移動がめんどくさかったり収集がめんどくさかったり死亡後の再開がめんどくさかったり)ちょっと人には進めにくい作品でした
キャラとモーションと設定と雰囲気は最高なんですけどねー
言われてみるとサターン系譜の新作がやたらとWiiで発売になりましたね。
428と言い、当時ネット上でやたらと話題になったのはその辺りにも要因が隠されていそう。
朧村正は良い点と悪い点がハッキリとした作品でしたね。でも、時間が経った今は良いイメージが強くなっています。
朧村正は当時は和風な世界観で漢字が使われたタイトルということもあって、評価されてるけど個人的にはあまり興味がそそらなかったタイトルでした。
でも今、思い直すと女の子主人公?が結構、可愛かったのもあって、もし移植があればやってみたいタイトルでした?
風景の描写と食べ物描写はかなり語り継がれてますよねwww
あまり興味がそそらないタイトルでしたかw
2D絵で描かれた可愛いキャラクターも居るので、そういうところも魅力ですよ~(記事ではあまり触れませんでしたが)。
ヴァニラウェアのタイトルはなんと言っても映像表現が素晴らしいです!
自分はvitaでプレイしました。
どちらの話も面白かったけどあえてどちらかを選ぶなら鬼助の方が好きでした。
やっぱり好きになった人のために戦う主人公はかっこいいですよね。
それと記事にも書いてありますが、食事シーンが本当にすごくて必要なくても色々食べたりしちゃいました。
DLCも買いましたがこっちも良かったですね。
特に嵐丸がかっこいい上に動かしていて気持ちいいし、ヒロインポジションの白蛇様が可愛かったです。
どちらかといえばアクションよりもRPGとかをやり込むのが好きな人なんですがこれは本当に良作でしたね。
鬼助の方が好きでしたか!?一途な想いを感じますもんね。
食事のシーンを見ているとモチモチした食感の食べ物が欲しくなってしまいます。
VITA版のDLCは未プレイですが、様々なキャラクターのストーリーを楽しめるようで気になっています。
返信ありがとうございます。
本編の主人公二人はアクション自体に大きな違いはありませんでしたが、DLCの4人はそれぞれがまったく違う性能のキャラになっているため新鮮な気持ちで動かすことができます。
シナリオの方も非常に面白く、このゲームが好きな人なら間違いなく満足できる内容だと思いますよ。
一応、PSVITA版もプレイ出来る環境にあるので、気が向いたらさわってみたいと思います♪
vitaでクリアしましたが、洞窟のクリアチェックや祠から祠のワープ等利便性に手が入っていて、なおかつDLCが尋常じゃなかったですね。シナリオ、操作性、主人公と三体のボスの完全新規グラフィック✖️4とか本当とんでもないなこれ。
PSVITA版はそんな改善点があったんですか!?知りませんでした。これは追記しておかなくては!情報ありがとうございます。
朧村正は死狂という一撃死モードがありましたが、そのモードじゃ一撃死という要素のせいで飯テロレベルの美味しそうな飯を食べる必要性がほぼ無くなったのが残念でしたね。
修羅クリアで追加されるようですね。ぼくはWii版で修羅モードを3周プレイしただけです。それにしても一撃アウトとは恐ろしいw
ちょうど最近Vita版をプレイしていたところだったんで、少し感想をコメントさせてもらいます♪
とにかく作品全体の雰囲気が大好きな作品でしたね!
和風の世界観はもちろん、細かく描き込まれたグラフィック、和風でありながら現代的でもあり印象に残る音楽、クセが強いけど魅力的なキャラクター等、細部まで丁寧に作り込まれていて、ヴァニラウェア作品は初プレイでしたが、この仕事ぶりには感銘を受けました。
移動の単調さは確かに不満でしたね。
基本無双でプレイしていたから、戦闘も途中から作業っぽく感じてしまいました(^_^;)
ゲームとしての快適性をもっとこだわってくれたらより完璧な作品になれたのに、そこは残念ですね。
ボスとの会話シーンに関しては、個人的には、お芝居のような演出で好きでしたね。
現代語に直したらくどく感じるような独特の台詞回しを含めて、「芝居的」なところに魅力を感じているというのも好きな理由かも。
古さは全然感じない作品なんで、PS4やSwitchでも発売されると嬉しいんですけどね~。
おお!タイムリーでしたか!?
この雰囲気、良いですよね~!プレイしているとどこか和みますもん♪ BGM、キャラクター共に個性があり、その辺りも印象的です。
無双は爽快だけど、確かに飽きは速いですね。かといって修羅は難し過ぎるところがあるので、中間的な難易度があるともっと良かったかな。
今、思うとあの会話シーンは時代劇などをイメージして見るべきだったのかなと思います?
リマスター化して発売しても全然いけそうですよね!これは2D絵が完成されているからこそだと思います。