【レビュー】スターフォックス(SFC) [評価・感想] 制約が多い中で3D映像を実現した無茶し過ぎなシューティングゲームの良作!


スターフォックス/SFC

おはっく~!kentworld(@kentworld2 )です!

今回は1993年2月に発売されたSFC「スターフォックス」のレビューをしていきます。

本作は奥スクロールで進行するシューティングゲームですが、思わず「無茶しやがって・・・」と言いたくなるような良作でした!

スーパーファミコンソフトとしては規格外の映像表現を実現したゲームなので、今となっては厳しい部分があります。

後追いでプレイしたぼくも最初は面を喰らいました。

しかし、根本はとても丁寧に作られているので慣れてしまえば今でも楽しめます。

そんなSFC「スターフォックス」の良いと思った点からまずは書いていきましょう!

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このゲームを3行で説明すると?
  • 奥スクロールで進行するステージクリア型のシューティングゲーム。
  • チャージショット、ボム、ブースト、ブレーキを使い分けて進行していく。
  • 各ステージの最後にはボスが登場する。
初リリース日 1993年2月21日
対応ハード SFC
ジャンル シューティング
推定クリア時間 1時間(1周)
売上 累計80.0万本
発売元 任天堂

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良いところ

ダイナミックで立体的な3D映像

スーパーファミコンソフトと言えば2Dドットのグラフィックが特徴的でした。

つまり、点々(ドット)の集合体による映像表現がメインで平面的だったんですね。

本体に搭載されている拡大・縮小機能を使えば奥行きのある表現は出来ましたが、所詮は一枚絵をズームイン・ズームアウトしているだけです。

どんなに立体的な絵を描いても平面なものは平面なので立体映像を実現するには限界がありました。

ところが本作の場合、スーパーFXチップの搭載によって3Dポリゴンによる映像表現を実現していたんです!

3Dポリゴンとは三角形の集合体による映像表現になります。

このような映像表現を実現するにはスーパーファミコンのマシンパワーでは厳しかったんですが、ロムカセットを拡張することで実現出来たんですね。

特に凄いのが、ステージ1「コーネリア」で見られるデモシーン。

アーウィンによる出撃シーンが少しだけ挿入されるんですが、3Dポリゴンだからこそ実現出来たダイナミックな映像だったんです。

もちろん、今となっては全く凄い映像ではないんですが、これをスーパーファミコンソフトで実現したことに驚きました。

スーパーファミコンでも頑張ればここまでダイナミックで立体的な映像表現ができるなんて!?

肝心の本編にしても3Dポリゴンを駆使することで奥行き感を生み出すことに成功しており、本当に奥へスクロールしている感覚を味わえました。

シューティングゲームとしての面白さ

映像表現ばかりに目が行く「スターフォックス」ですが、シューティングゲームとしての出来もバッチリでした!

敵機を撃ち落としたり、敵機の攻撃を避けた時の快感は言わずもがな。

パワーアップアイテムを手に入れて無双する優越感を味わった後に墜落して落差を味わうなんてお約束も守っていますw

3Dの奥スクロールシューティングならではだと思ったのが、輪っかをくぐる感覚。

輪っかをくぐるにはタイミング良く特定の軸まで移動して高度も合わせないといけないので、従来の2Dゲームでは味わえない体験に感じました。

スコアを稼ぐ必然性を生み出している難易度調整

本作は1990年代前半に発売された作品らしく難易度は高めです。

回復アイテムの出現率が低い割には被ダメージ量が大きく、5~6回攻撃を受けただけで墜落してしまいます。

それでいて3回ミスをしたらゲームオーバーになってステージ1からやり直しになるのだから今では考えられません。

このように本作の難易度は高めですが、だからこそスコアを稼ぐ必然性が生まれていました!

スコアを一定数稼ぐとコンテニューが可能になり、ゲームオーバーになっても最後に挑戦したステージから再開出来ますからね。

難易度は先のステージほど高くなるので、序盤のステージでは特にスコアを稼ぎたくなります。

リプレイ性の高さ

クリアまでのルートは1つだけではありません。

なんと、ゲーム開始時にルート選択をすることができるんです!

挑戦することになるステージはルート毎に異なるうえ、同じステージでもボスが変化することがあります。

なので、すべてのステージをプレイするには実質3回クリアしないといけないんですね。

こうして書くと面倒に感じられるかも知れませんが、1周クリアまでのプレイタイムは1時間に満たないので気軽に何周もすることが出来ました。

シューティングゲームと言えばリプレイ性が重視されるので、様々なルートが用意されているのは嬉しいです!

君は悪ノリ満載の隠しステージを見つけられるかな?

多彩なステージ

本作には様々なステージが用意されています。

凄いのが、ステージによって特殊な仕掛けが存在すること。

例えばとあるステージでは一人称視点で展開されるんですよ。

他にもアンテナを破壊しないと無限ループするステージなど趣向を凝らしている印象で、単に背景や敵が変化するだけではありませんでした。

これだけステージにバリエーションがあると全ステージプレイしたくなりますね。

仲間がいるからこそ生まれるドラマ性

「スターフォックス」のメンバーはフォックス1匹だけではありません。

他にもファルコ、ペッピー、スリッピーという仲間も居るんです!

彼らとは一緒にステージを攻略することになり、時には援護してくれることもありました。

ポイントなのが、援護時にはメッセージが挿入されること。

全文カタカナでロボットっぽいのは否めませんが、みんなキャラクター性を持っているんですよ。

ファルコはキザだけど憎めないし、ペッピーは好青年で、スリッピーは天然が入っているから好き。

役に立っているのかと言われると実際にはほとんど役に立っていませんけどねw

でも、彼らが少し登場するだけでも心細さが薄れているのは確かですし、ちょっとしたドラマ性を生み出していると思います。

親切なトレーニングモードを収録

本作は奥スクロールで展開されるので、従来の2Dシューティングゲームとは全くベクトルが異なります。

そのためか本編とは別にトレーニングモードが収録されていました!

こちらのモードではリングを潜ったり編隊を組むことになり、ゲームの基本的な操作を学ぶことが出来ます。

1990年代前半のゲームと言えばまだ説明書を読んでルールや操作方法を覚えること前提で作られていたので、トレーニングモードを収録するとは親切ですね。

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惜しいところ

脳内で補完しないと厳しい遠近感

スーパーファミコンで3Dポリゴンを実現するのは相当な無理があったのでしょう。

本作のフレームレートは15fps前後と非常に低く、今の基準で見たら常にカクカク動いて処理落ちし続けているようにしか見えません。

困るのが、慣れないと遠近感を掴みにくいこと。

例えば小さく表示されている敵でも数秒後にはコマ送りで急接近して来るのが日常茶飯事なんですよ。

初心者の頃は「まだあんな遠くに居るだろう」とタカをくくってしまい、数秒後にコマ送りで急接近して来たから驚きました。

前述の通り本作の被ダメージ量は非常に大きいだけにこれはキツイw

このように本作はフレームレートが低いため遠近感を掴むためにはプレイヤーの脳内で映像を補完しなければならず、慣れが必要です。

全体のまとめ

スーパーファミコンソフトで3Dポリゴンメインのゲームを作ろうと無茶し過ぎた作品。

ぼくの場合、N64版を先にプレイしたのであまりにも簡素でカクカクした3D映像にカルチャーショックを受けました。

1993年2月と言えば「バーチャファイター」でさえも生まれていない時代なので無理もありませんが、今、本作を楽しむには相当な慣れが必要です。

60fpsで滑らかに動く3Dゲームをプレイした直後に触れると「なんじゃこれは!?」と驚くことでしょう。

しかし、シューティングゲームとしての基本はしっかりしているので、慣れた頃には昔ながらのストイックなゲーム体験を楽しめました!

映像表現としては色褪せまくっていますが、ゲームとしての面白さは色褪せていません。

制約が多い中で3D映像を実現した無茶し過ぎなシューティングゲームの良作!

こんな人には特におススメ。
・シューティングゲーム好き。

こんな人にはおススメできない。
・カクカクしたゲームが苦手な人。

スターフォックス/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約10時間

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16件のコメント

初代スタフォは当時としてはよく作りましたよね!
歴史的価値は本作にあると思うのですが、ミニスーファミで本作をやってみたら微妙だったなぁwww
もう60fpsのゲームをアタリマエに触れている自分にとっては15fpsは理不尽に感じるところが多かったです。

しかし初代から健在の無線の掛け合いはスタフォの独自性を出していましたね(^^)!
64以降はフルボイスになりますが、初代の「べべべべ…」といった電信音スタイルの雰囲気の方が好きかな。

ある意味プチリメイク版といっても過言でもない「おどるメイドインワリオ」に収録されてた本作をベースにしたボスゲームはとても楽しめたなぁ〜。
プチゲームなのですが、あれをベースに製品版でたらやりたかった!(≧∇≦)

ちなみに隠しステージといえば、謎のスロットマシーンと「雪やこんこん、あられやこんこん〜♪」がすごい印象に残りました。
一部では怖いと言われてますが、個人的には任天堂のいつものユーモアだなって感じでおもしろかったです( ^ω^ )

今となっては「うわ、何だこりゃ」となるゲームですw

でも、シューティングゲームとしての出来は良いので、数時間もプレイすれば意外と楽しめました。

無線の掛け合いや機体音など、制約が多い中で雰囲気を出そうと苦労の跡が伺えます。

こういう無理して作ったゲームを見るのも楽しいですねー!

フレームレートを改善したバージョンが出てほしかった。

隠しステージはシュール過ぎますw

子供の頃このゲームをプレイしているところを見たときは怖かったなぁ。隠しステージを抜きにしても、凄い勢いで迫ってくる障害物や敵弾、被弾した時のデカイ音など、当時の自分には刺激が強すぎてトラウマになってた節があります。

今から見れば切ないポリゴン(当たり前だけど)ではありますが、低fpsを逆手に取った?迫ってくる迫力は今でもデカイですね。

確かに捉えようによっては怖いですもんねw

特にラスボスは当時のkouさんにはトラウマなんじゃないでしょうか?

これはリアルタイムでプレイしたかったorz

このソフトは持ってましたねー。
ちょっとポリゴンが荒いのが気になって、あまりはまれなかった記憶があります。
自分がプレイした唯一のスターフォックスです。

この頃からポリゴンの技術は飛躍的に向上しましたもんね。

なので、映像面では発売5年後にはもう色褪せていたと思います。

こんにちは。
スターフォックスは、このSFCの初代が一番印象に残ってますね~
荒いポリゴンが折り紙の紙飛行機みたいで好きなんですよね~
一番印象的なのは、やっぱり折り紙ちっくな顔面のボスキャラです(笑)

確かに折り紙の鶴みたいな敵機が飛んでいたりしますからねw

折り紙チックな顔面ボスと言えばあの方はあまりにも強烈でした。

スターフォックス特集の始まりですね!しかし、SFCで3Dと言うのは中々無茶ですが、それをやってのけるんだから本当に凄い!と言うか、一作目にして結構原型は完成してるんですね。シューティング系は苦手ですが、歴史的な一本となれば一度は触ってみたいタイトルですね。早くミニスーファミを買わないとな…!

はい!この日から連日、スターフォックス関連のレビュー記事を公開します!

今となっては色々と厳しい作品ですが、歴史に残る作品なのは間違いないので資料的な価値はあります。

ミニスーファミを購入されたら是非!

スターフォックスシリーズで一番好きな作品です。
スターフォックスシリーズでステージ、敵機、SE、BGMどれも一番良いです。
残念ところは味方が役立たずなところです。
味方が前にいたせいで敵機に攻撃が当たらず撃破数100%逃した時は味方を撃破したくなりました。
このゲームのトラウマは、レベル3のセクターZです。
ラストの惑星ベノムより難しいです。
初めてこのステージにたどり着いた時、BGMを聞いた瞬間からこのステージはヤバイところだと予想していたら・・・その予想が当たりました。
セクターZの透明角材のラッシュはこのゲーム屈指のトラウマにして一番難しい所です。
今でも透明角材を完全には避けきれません。
あれを初見で完全に避けられた人っているのでしょうか?。
何度もここでゲームオーバーになって、このステージを考えた人を恨みましたよ。
一番好きなステージは、惑星ベノムです。
「ベノム軌道上」「ベノム基地」とステージが2つあり、しかもレベルによってボスが違い、最終決戦の場所だというところが好きです。
一番好きなボスは、グレートコマンダーです。
合体前の形態、合体後のバトルシップタイプ、変形後のロボットタイプどの形態も良いです。
合体する前のBGM、合体する時、変形する時のBGM、戦闘BGM、ダメージ喰らってる時の鳴き声も良いです。
宙域では、合体シーンの演出が神がかっています。
最初に頭パーツがブラスターを撃ってきて、次に頭パーツがブラスターを撃ってくると、上肢パーツが出現、次に頭パーツがブラスターを撃ってきて、次に上肢パーツが塊を撃って来る、次に頭パーツがブラスターを撃ってくると、下肢パーツが回転しながら出現、次に頭パーツがブラスターを撃ってきて、次に上肢パーツが塊を撃って来る、次に頭パーツがブラスターを撃ってくると、合体しバトルシップタイプに。
戦闘は初代オールレンジモードで、互いにすれ違いながら戦闘を行うのが良いと思いました。
最初ブラスターを撃つだけだったのが、弱点の数が減るとプラズマボールを撃ち始め、弱点が中々開かず長期戦になり、ボムが一個もないとほぼ無理ゲーと化す最強のボスでした。
地上では、変形シーンの演出が神がかっています。
後ろからグレートコマンダーが出現、こっちに振り向く、3パーツに分離、下肢パーツがこっちに振り向く、上肢パーツが腕を回転させて前方に向け下肢パーツの上に乗る、頭パーツのアンテナが立ち上肢パーツの上に乗り、完成しロボットタイプに。
戦闘は腕から破壊不可能のアイアンボールを撃ちまくり。中盤の回転連射は慣れないと避けずらかったです。
下肢パーツを破壊したあとは、上肢パーツがベイブレード攻撃しながら、その周りを頭パーツが飛んでるだけ、上肢パーツから塊を発射してくるだけで一番楽でした。
昔から思っていたんですが、この状態になると頭パーツはブラスターを何故撃って来ないんでしょうかね?。
合体前はブラスターを撃って来たのに。
頭パーツを破壊されたら、上肢パーツが破壊されるのは何故なんだ?。
スターフォックス零で、惑星フォーチュナのボス、モナークドドラがボスとして出てきたのは驚きました。
スターフォックスの新作が出るなら、グレートコマンダーが出てきてほしいです。

おお!初代が一番好きでしたか。

BGMが良いのは同意です!今でも耳に残っていますもん♪

味方は雰囲気を盛り上げてくれるだけの存在でしたねw

レベル3は全体的に難しかった記憶です。何度もゲームオーバーになってしまいましたよw

透明角材ラッシュは覚えゲーでしたw

他にも好きなステージやボスを熱く語ってくれてありがとうございます!

ってグレートコマンダーの合体シーンを的確に文章で表現しているじゃないですかw

よく覚えていますね・・・でも、合体シーンは男のロマンですよね♪

それをSFC時代で表現しているんだから凄いです。リアルタイムで楽しみたかった・・・。

互いにすれ違いながらも戦闘は熱いですね!コックピット内ではパイロット同士で睨み合っているんじゃないかと想像を膨らませておりました。

グレートコマンダー愛を存分に語ってくれてありがとうございますw

当時の性能にしても少し首を傾げるゲームだったな。
イマイチ乗れないリアル感と言うか。
まあ映像美はゲーム性と余り関係なく慣れで何とかなるが、フレームレートでの理不尽さがな。
同様に8bit時代からのスプライトによる奥から迫る3Dシューティングやレースも似ている。
ただポリゴンとドットでの違いは、背景も動くと言う側面がある為、フレームレートの悪さは露骨になる。
現在はFPS等で言われる視点操作時の映像ズレの様な物だろうか。

同じ様にワイルドトラックスやチップ対応のメガドライブバーチャレーシングは中々楽しめた事を考えると、個人的に楽しめなかったのはそう言う所なのだろうとは思う。

少し首を傾げるゲームでしたかw

フレームレートの低さは厳しいですよねぇ。脳内で補完しないと大変ですw

>スプライトによる奥から迫る3Dシューティングやレース

SFC時代以前には色々出ていましたね。それぞれ癖のある動きをするので慣れるまで時間がかかります。

フレームレートは最低限、30は欲しいですね。

この頃はシューティングゲーム自体がコアユーザー向けに煮詰まって衰退し、過去のジャンルになりかけていたと思います。そこにポッと任天堂がSFを出して来たので、「なんでいまシューティングなの?」という印象はありました。

GBの「X」と同様にポリゴン表現の実験作としての面もあったと思いますが、ちゃんと大ヒットして定番ソフトになり、ジャンルを存亡の危機から救ったと言えます。

そうか!当時はシューティングゲームが衰退していた頃なんですね。

その後、弾幕シューティングゲームでいくつかのヒット作が出ていたので知りませんでした。