1999年6月に発売されたN64「ズール 魔獣使い伝説」を今回はレビューします。
N64「ズール 魔獣使い伝説」は魔獣使いとなって冒険の旅に出かける育成RPGです。
N64では初となるRPGタイトルだったりもします。
魔獣をコレクションする楽しさ
このゲームの戦闘は人間キャラクターではなく、捕まえたモンスター(魔獣)だけで行います。
言ってしまえば当時流行っていたGB「ポケットモンスター 赤緑」のフォロワーですね。
この手のゲームで醍醐味のモンスターをコレクションする楽しさはしっかりと味わえました。
例によってフィールドマップによって出現するモンスターは異なるのですが、
中にはレアで強力なモンスターも存在して、そいつを仲間にした時の達成感は大きかったですね。
モンスターは全部で160種類以上存在。
いわゆるモデルを流用した色違いが大半を占めており、
種族の種類になると50種類程度にしかなりませんが、
色違いのモンスターが並んだ時のカラフルさも捨てがたく、個人的には気になりませんでした。
すべてのモンスターを捕まえるのは大変ですが、すべてを捕まえると良い事があるかも!?
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ハラハラするオートバトル
戦闘はオートとなっていて、何もしなくてもモンスターは自分の意思で戦ってくれます。
プレイヤーは笛を吹いて「ドラゴンクエスト」シリーズでいう作戦変更しか出来ませんが、
あまり戦闘に介入できないからこそのハラハラ感も生まれており、特にボス戦でそれを味わえました。
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BGMが良い
マイナータイトルですが、BGMは良曲が多い印象です。
オープニングシーンのBGMは壮大で大作RPGっぽいですし
(実際には大作と言えるほど規模の大きいタイトルではありませんが)、
ラストバトルの曲はメロディアスで気に入っています。
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温かいストーリー
ストーリーは、比較的王道でしたが個人的には気に入りました。
子供だけが暮らしている「子供の家」に住む少年がひょんなことから旅に出かけ、
徐々に成長していく過程を描いているので、当時子供だった僕は主人公に感情移入した物です。
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N64では初となるRPG
本作はアクションゲームばかりが目立っていたN64では貴重なRPGです。
RPGとは言ってもモンスターの収集・育成が重視されたタイプで完全には王道とは言えませんが、
ストーリーや進行方法は比較的王道RPGと言えるので、
N64でRPGをプレイしたい人は手を出しても良いと思います。
全体的に安っぽい
街は1枚絵でイベントシーンは2Dキャラクターによる立ち絵。
フィールドマップ、ダンジョンマップはN64ソフトとは思えないほどチープな3Dポリゴン。
そのうえ操作キャラクターは潰れた2Dのスプライト。ボイスもほぼなし。
戦闘パートもカメラが離れていてN64らしい派手なエフェクトは少なくて、低予算で作られている印象です。
まるでちょっと頑張って作ったスーパーファミコンソフトみたい。
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エンカウント率が高い
本作の戦闘エンカウントはランダムエンカウントを採用しているのですが、エンカウント率は高いです。
ちょっと歩いただけで戦闘が始まってしまいます。しかも移動速度が遅い。
低予算のゲームなので、こういうところからボリュームを水増ししたいのでしょうかね。
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迷いやすいダンジョン
多くのダンジョンは似たような景色ばかりで迷路のように入り組んでいます。
それだけだったらまだ良いのですが、
視点を360度動かせるうえ、前述の通りエンカウント率が高いので、
戦闘終了後はどこに向かうのか忘れてしまいがちで迷子になります。
特に研究所や森タイプのダンジョンは入り組んでいるのでよく迷子になったなぁ。
ちなみに本作にはゲームクリアには関係のない、隠しダンジョンのようなものが存在します。
これが「ドラえもん のび太とブリキの迷宮」に出てくるラビリンスもビックリするくらい
入り組んだ大迷宮となっていて、何十時間も彷徨ってしまいました。
BGMも不気味だったので、トラウマです。
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狙ったモンスターを捕まえにくい
モンスターを仲間にするシステムは、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズと似ています。
つまり、戦闘終了後、一定確率で仲間にするチャンスが訪れ、
特定のモンスターを使ってスカウトして行くというアレです。
このシステムだとなかなか思うように狙ったモンスターを捕まえにくく、苦手なんですよね。
ゲーム序盤には特定のモンスターを仲間にする
クエストが発生するのですが、まずはそこで詰まってしまいました。
本作にはセーブ機能は付いていません。
セーブをするには、別売りのコントローラパックを使用するしかありません。
プレイステーションソフトやセガサターンソフトも
CD-ROMのためゲームソフト単品ではセーブ出来ませんが、
N64はゲームソフト内でセーブができるロムカセットなだけに、
何故コントローラパックでしかできないのか。コントローラパックのデータは消えやすいだけに不満です。
当時流行っていたポケモンのフォロワー。
携帯機ではなく据え置き機での発売なのでモンスター交換や対戦などの醍醐味は味わえませんが、
その代わり1人でも楽しめるようストーリーやダンジョンはある程度作り込んでいる印象でした。
とは言え全体的に安っぽく、凡作なのは否めません。
ストーリーやBGMが良いので嫌いではありませんが。
同時期に同じ販売会社からN64向けのRPGタイトルとして
「エルテイルモンスターズ」が発売になりましたが、
ゲームとしての出来は「ズール 魔獣使い伝説」の方が勝っていました。
見た目や開発費に関しては「エルテイルモンスターズ」がかかっていそうですけどね。
こんな人には特におススメ。
・育成・収集好き。
・N64で育成RPGを楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。
・方向音痴な人。
ズール 魔獣使い伝説/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約50時間
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残念ながら、このソフトは触っていません。開発会社のパンドラボックスは大好きなんで、興味はあったんですが。やはりポケモンブームに便乗した感が拭えなかったんだと思います。同じ頃にボトムアップも”おねがいモンスター”ってソフトをN64で出していたはずです。
確か、パンドラボックスはこのソフトと並行してもう1本N64のソフト(“キラッと解決!!64探偵団”)を開発していたので、開発能力の面で厳しいものがあったのかも知れません。ただでさえN64は開発にかかる負荷の高いハードだったようなので。でもその古さ、嫌いじゃないです。
>ほにょさん
パンドラボックスは残念ながらもうなくなってしまいましたが、
何か心にくるタイトルを色々手掛けていましたよね。
おねがいモンスターもいかにもポケモンのフォロワーって感じでした。
キラッと解決!!64探偵団はちょっと気になっていたんですが持っていません。
当時、テレビで映像を見て欲しかったんですが。
自分も本作は遊んでいないのですが、エルテイル同様に当時64ドリームで記事を見かけて気になるタイトルでしたので覚えています。64って何故ここまでRPGが少なかったんでしょうかね?それ程までに開発が難しいハードだったのか…。後継機で「RPG多くね?」なんてCMを打ってしまいたくなる気持ちが少しわかりました。
今でも気になるタイトルではあるので、中古で見かけたら購入してみます!
>ナッツさん
このゲームは弟が買ってプレイしました。
今となってはだるい要素ばかりですが、
腰を据えてプレイしていましたねー。
RPGが少ないのは国産メーカーがほとんどいなかったからでしょうね。
あとは2Dグラフィックを苦手としていたからかな。
3DでRPGは大変ですから。